技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

最終更新日:2021年08月17日

技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

特許(Patent)・商標(Trade marks)・意匠(Designs)・著作権(Copyright)、農産食品の地理的表示(GIs)

特許(Patent)・商標(Trade Marks)・意匠(Designs)・著作権(Copyright

適用法令

英国法規サイト:1988年著作権・意匠・特許法(Copyright, Designs and Patents Act 1988外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国法規サイト:1994年商標法(Trade Marks Act 1994外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

管轄機関

知的財産庁(Intellectual Property Office:IPO外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

所在地:Concept House, Cardiff Road, Newport, South Wales, NP10 8QQ, United Kingdom
Tel:0300 300 2000(英国内)
Tel:+44 (0)16 3381 4000(英国外)
E-mail:information@ipo.gov.uk
特許、商標、意匠、著作権に関する問い合わせに対応。

  • 著作権の権利侵害についての問い合わせ先(Copyright Tribunal Secretary外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    所在地:The Secretary Copyright Tribunal
    3rd Floor, 10 Victoria Street, London, SW1H 0NB, United Kingdom
    Tel:+44 (0)20 7034 2836
    E-mail:copyrighttribunal@ipo.gov.uk

概要

特許(Patent

特許は発明を保護する権利で、登録するためには、新規性を備え、独創的で、再現し利用できるものでなければならない。
特許権の登録手続きには出願、調査、出願公開、実体審査等があり、通常約5年かかる。
ただし、出願と同時に、調査および実体審査を請求すれば、審査期間の短縮を図ることができる。
出願には、発明についての説明資料、図面、技術的な特徴を説明する法的な報告書、要約の4点が必要。

英国のEU離脱に伴う変更について:欧州特許庁(EPO)はEUの機関ではないため、英国のEU離脱後も英国をカバーする既存の欧州特許の扱いに影響はない。英国に拠点を置く欧州特許弁理士は、引き続きEPOに対する特許の出願を代理できる。

英国政府:特許出願ガイド(Patenting your invention外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

既存の特許データベース検索

出願料および調査料は、次のとおり。

  1. 書類出願:出願料90ポンド、調査料180ポンド(※1)、実体審査請求料130ポンド(※2)。
  2. 電子出願:出願料60ポンド、調査料150ポンド(※1)、実体審査請求料100ポンド(※2)。
    (※1)25件まで。それを超えると1件ごとに20ポンド。
    (※2)35ページまで。それを超えると1ページごとに10ポンド。
  3. 出願料および調査料:出願日から2カ月、または(優先権主張を伴う出願の場合は)優先日から12カ月のいずれか遅い方の期限までに、請求、要約と併せて納付する必要がある。また、実体審査は出願公開日から6カ月以内に請求しなければならない。

特許権の有効期間は出願日より最長20年で、権利の維持には、出願日から5年目から毎年更新手続きが必要。更新手数料は5年目70ポンド~20年目610ポンド。オンラインでの簡易更新手続きが推奨されている。
英国で登録した特許は国外では保護されないため、国外で保護を受けるには別途手続きが必要。

ジェトロ:「知的財産権保護 欧州(知財ニュース)」ページ内のPDFファイル『2020年12月26日 Brexitの移行期間終了後の知的財産制度に関するEU及び英国政府の動向』参照。

商標(Trade Marks

商標は文字、音、図形、色彩もしくはこれらを組み合わせたもので、登録するためには、独創的なものでなければならない。また、不快感を与えるものではないこと、商品やサービスの普通名称ではないこと、誤認を生じさせるおそれがないこと等の条件を満たす必要がある。

出願手数料は電子出願の場合170ポンド、郵送による書類出願の場合200ポンド(どの出願方法でも、商品区分を1つ追加するごとに50ポンドの追加料金がかかる)。
この他、出願の登録要件充足性を確認する目的で、電子出願時に100ポンド(商品区分を追加する場合は1区分あたり25ポンドを追加)を支払い、知的財産庁(IPO)から充足性についての審査結果通知を受け、手続きの続行を希望する場合のみ、残額100ポンド(商品区分を追加する場合は1区分あたり残額25ポンドを追加)を支払えばよい、Right Startサービスも利用可能。
出願料は、審査の結果に関わらず、払戻しはされない。また、出願後は商標の変更は認められない。

出願後、審査官による審査が行われ、8週間(40営業日)以内に結果が通知される。
問題がなければ、当該出願商標は2カ月間商標公報に掲載され、この間に異議申し立てがない場合、当該出願商標は自動的に登録され、その2週間後に登録証明(Registration Certificate)が出願人に対して付与される。
なお、登録要件を満たさない旨の通知を受けた場合、出願人は規定の期間内に説明または補正をする機会を与えられるが、期限までに応答できない場合はさらに2カ月間の猶予が与えられる。

既存の商標データベース検索

商標の登録には通常4カ月程度かかり、登録後10年間は有効だが、権利の維持には、有効期限の前後6カ月間に更新しなければならない。その後も、10年ごとに更新手続きが必要。更新手数料は200ポンド。なお、有効期限以降6カ月以内に更新する場合には遅延手数料の50ポンドも必要となる。オンラインでの簡易更新手続きの利用が推奨されている。

英国で登録した商標は国外では保護されないため、EU域内や国外で保護を受けるには別途手続きが必要。

英国のEU離脱に伴う変更について:2021年1月1日以降、欧州連合(EU)商標として登録された商標は英国においては保護の対象とされなくなったが、離脱協定第54条に基づき知的財産庁(IPO)は2021年1月1日付で既存のEU商標を有する全ての権利者に、同等の英国の商標権を再審査なしで付与した。2020年12月31日までに(EUを指定して)国際登録を出願済の場合、出願人は離脱協定第56条、59条に基づき、2021年9月30日までに元々の出願日の扱いで同商標を英国商標として出願できる。この場合、通常の英国の料金体系が適用される。

ジェトロ:「知的財産権保護 欧州(知財ニュース)」ページ内のPDFファイル『2020年12月26日 Brexitの移行期間終了後の知的財産制度に関するEU及び英国政府の動向』参照。

意匠(Designs

意匠とはデザインされた物理的な外観であり、登録するためには、新規性を備え、不快感を与えるものではないこと、既存の紋章や国旗の利用ではないこと、発明ではないこと(この場合は特許として申請する)等の条件を満たさなければならない。
出願には、登録したい内容を正確に表すイラスト(デッサン、版画、写真)が必要で、出願料はオンライン申請の場合50ポンド(複数の意匠を一括出願する場合、合計件数に応じて追加料金あり)、郵送による書類申請の場合60ポンド(一括出願の場合は1件あたり40ポンドの追加)。

出願後は8週間(40営業日)以内に審査があり、拒絶理由がない場合や公告の延期がなければ、即座に登録される。何か問題があれば、異議申し立てに2カ月間の猶予が与えられる。
公告前に市場に出荷するために時間が必要な場合等には、意匠の公告を延期することができる。手数料は40ポンドで、最長12カ月までの延期が可能。

既存の意匠データベース検索

意匠権の有効期間は出願日より最長25年だが、権利の維持には、出願日から5年目にあたる日の6カ月前~1カ月後までに更新手続きを行い、その後も、5年ごとに更新手続きが必要。更新手数料は1回目が70ポンド~4回目140ポンド。なお、出願日から5年目(およびそれ以降5年後ごと)に当たる日の6カ月後までは遅延手数料(1カ月当たり24ポンド)を上乗せすれば更新可能。
オンラインでの簡易更新手続きの利用が推奨されている。英国で登録した意匠は国外では保護されないため、EU域内や国外で保護を受けるには別途手続きが必要。

未登録の意匠であっても、例えば3次元の物体の形状や構造については、権利者は上市から10年または創作から15年のうち早い方の期限まで、一定の保護を自動的に享受できる。2020年12月31日までにEUで公開された意匠は、「未登録共同体意匠」としてEU域内で公開日から3年間保護される。

英国のEU離脱に伴う変更について:2021年1月1日以降、欧州共同体意匠として登録された意匠は英国においては保護の対象とされなくなったが、離脱協定第54条、56条に基づき知的財産庁(IPO)は2021年1月1日付で既存の欧州共同体意匠を有する全ての権利者に、同等の英国での意匠権(再登録国際意匠)を再審査なしで付与した。2020年12月31日までにEUを指定して国際登録を出願済の場合、出願人は離脱協定第56条、59条に基づき、2021年9月30日までに元々の出願日の扱いで英国意匠の出願ができる。この場合、通常の英国の料金体系が適用される。

ジェトロ:「知的財産権保護 欧州(知財ニュース)」ページ内のPDFファイル『2020年12月26日 Brexitの移行期間終了後の知的財産制度に関するEU及び英国政府の動向』参照。

著作権(Copyright

著作権は著作物を創作した時点で自動的に付与される権利で、登録は不要。

  1. 著作物
    言語創作物、演劇、音楽、イラストや写真を含む芸術作品、ソフトウェアやデータベースなどの非言語創作物、音声や音楽、映画、ビデオ、放送番組、出版物のレイアウトなど。
  2. 著作権の保護
    無断で行われる次の行為から保護される。
    複製、複製物の頒布、貸与、上演・演奏、翻訳・翻案(二次的創作物の創作)、インターネットへの掲載など。
  3. 著作権の保護期間は、分野や創作時期によって異なる。
    1. 言語創作物、演劇、音楽、芸術作品では、著作者の死後70年。
    2. 音声・音楽は、最初の公表年から70年。
    3. 映画は、主な製作者(総監督、脚本家、作曲者)のうち最後の生存者の死後70年。
    4. 放送番組は、最初の放送年から50年。
    5. 出版物のレイアウトは、最初の公表年から25年。

著作権は、著作者であればライセンス化ができ、著作権料徴収団体に登録できる。また、著作権はベルヌ条約等の条約によって国際的にも保護されているが、第三者からの権利侵害を防ぐ責任は著作者にある。

英国法規サイト:2003年著作権および著作隣接権に関する規則(The Copyright and Related Rights Regulations  2003外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

農産食品の地理的表示(GIs)

適用法令

英国法規サイト:農産品・食品・飲料(改正他)(EU離脱)規則2020(The Agricultural Products, Food and Drink (Amendment etc.) (EU Exit) Regulations 2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

管轄機関

イングランド:環境・食料・農村地域省(Department for Environment, Food and Rural Affairs:Defra)

Protected food names, Defra - SW Area
所在地:2nd Floor, Seacole Building, 2 Marsham Street, London, SW1P 4DF
E-mail:protectedfoodnames@defra.gov.uk

スコットランド:スコットランド政府(Scottish Government, Food and Drink Division

所在地:B1 Spur, Saughton House, Broomhouse Drive, Edinburgh, EH11 3XD
E-mail:protected_food_names@gov.scot

ウェールズ:ウェールズ政府(Welsh Government Food Team, Welsh Government

所在地:Sarn Mynach, Llandudno Junction, Conwy, LL31 9RZ
E-mail: FoodDivisionalBusiness@gov.wales

北アイルランド:農業・環境・農村地域局(Department of Agriculture, Environment and Rural Affairs:DAERA)

所在地:Room 131, Dundonald House, Upper Newtownards Road, Belfast, BT4 3SB
E-mail:ProtectedFoodNames@daera-ni.gov.uk

概要

英国のグレートブリテン島(イングランド、スコットランド、ウェールズ)では、産地と結びつきのある食品と飲料、農産品、または、伝統的な方法で生産される食品と飲料、農産品を知的財産権として登録し、保護することで、その特性や評判、真正さ、原産地を保証する地理的表示(Geographical Indication:GI)が導入されている。なお、北アイルランドでは、EUのGIが適用される。
GIの対象産品を製造・販売する場合は、公開された産品の仕様を順守し、順守の確認を受ける必要がある。また、UK GIに登録されたGI産品の呼称と該当するロゴを正しく利用しなければならないが、2020年12月31日以前に登録された産品については、2023年末までの猶予期間が設けられている。
2020年12月31日の時点で、EUで保護されていたGIはEU、英国それぞれのスキームで引き続き保護の対象となる。

英国のGI制度で保護される製品は次の英国政府のウェブサイトで確認できる。

英国内で保護される地理的表示は次のウェブサイトで検索できる。

英国のGIの詳細については次を参照。

ジェトロ:「英国のEU離脱と離脱後の欧州ビジネス環境の変化」ページ内のPDFファイル『移行期間終了後の英国ビジネス関連制度-知的財産権(2021年2月)』

北アイルランドで適用されるEUのGIについては、ジェトロ「EU 技術・工業および知的財産権供与に関わる制度」を参照。