税制

最終更新日:2018年05月07日

法人税

法人税率は、19%(一律)。

法人税率(Corporation Tax

法人税率は2017年4月1日以降、一律19%。(※)
英国政府は、法人税率を段階的に引き下げており、2020年4月以降は18%とする予定。

※リングフェンス所得(英国領の油田開発事業から得られた収益)への課税率は、次項参照。

研究開発税控除

法人税を計算する際、研究開発費用に関する控除として、資本的支出には損金算入が認められ、適格研究開発費は減税の対象となる。

ジェトロ:英国 税制「研究開発費用関連の控除」PDFファイル(595KB)

クリエイティブ産業に係る税控除

法人税を計算する際、映画、アニメーション、ハイエンドのテレビ番組、子供向けテレビ番組、ビデオゲーム、舞台芸術、オーケストラのクリエイティブ産業については、一定の条件を満たせば、制作・開発費用の一部または全額が減免対象となる。

ジェトロ:英国 税制「クリエイティブ産業優遇税制」PDFファイル(621KB)

パテントボックス制度

英国または欧州で認められた特許、農業や医薬品の知的財産(IP)(意匠権や商標権は含まれない)から得た利益から、通常経費(人件費、土地建物費、マーケティング費など)を控除した額(関連知的財産利益 Relevant IP Profit:RIPP)に対し、10%の税率を適用する。
2013年4月から段階的に導入され、当初RIPPの60%から毎年10%ずつ割合が引き上げられ、2017年4月以降は100%が対象となった。

リングフェンス所得

リングフェンス所得(英国領の油田開発事業から得られた収益)の標準税率は30%。
これに加えて、追加税(supplementary charge)10%が徴収される(いずれも2018年度税率)。

課税対象所得30万ポンド以下の場合、リングフェンス所得税率は19%の軽減税率となる。
同30万超~150万ポンド以下の場合、控除(Marginal Relief)の対象となり、控除率は11/400。

迂回利益税(Diverted Profits Tax:DPT)

英国から国外の租税回避地に利益を移転している多国籍企業を対象に、2015年4月1日より新たに導入され、税率は25%。
英国政府:迂回回避税ガイダンス(Diverted Profits Tax: guidance外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2015年11月30日付)

二国間租税条約

日英租税条約により、利子は0%、配当は10%(持株比率10%以上の場合は0%)、使用料は0%。

英国は二重課税の回避を目的とした条約(租税条約)を100以上の国々と締結。
これら租税条約の主な内容には、投資所得(配当および利子)や使用料(著作権、特許権)の支払いに対する源泉地国課税の軽減・免除措置がある。

英国政府:二国間租税条約の締結国一覧 (Tax treaties外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

日英租税条約は1963年に原条約が発効し、1970年に第1次全面改正条約、2006年に第2次全面改正条約、2014年12月12日に新たに改正議定書を発効。
今回の改正では、利子については原則免除など投資所得に対する減免対象を拡大し、事業利益への課税については新たな規定を導入した。
さらに、税務当局間の相互協議における仲裁制度や、相手国の租税を相互に徴収する仕組みの導入など、両国の税務当局間の協力関係が強化された。

この改正議定書では、源泉徴収される所得への租税は、2015年1月1日以後に適用されている。
源泉徴収されない所得への租税については、日本では2015年1月1日以後に開始する各課税年度の所得に、英国では法人の場合2015年4月1日以後(個人の場合2015年4月6日以後)に開始する各課税年度の所得に、それぞれ適用されている。
租税条約を適用し、租税の減免を受けるには、税務当局への届出が必要である。

その他税制

事業税(非居住用資産に対する固定資産税)、付加価値税(消費税)、個人所得税、カウンシル・タックス、土地印紙税、銀行税など。

事業税(Business Rate

事業税は固定資産税で、非居住用(事業用)資産(店舗、事務所、倉庫、工場など)に対する評価額を基に課税する。
イングランドおよびウェールズと、スコットランド、北アイルランドとでは、税額の算出方法が異なる。
イングランドとウェールズでは、資産評価局が市場の年間賃貸額に基づく課税評価額によって税額を算出する。
また、課税評価額は5年ごとに見直しが行われ、イングランド、スコットランドおよびウェールズについては、2017年4月1日に改定された。

事業税(Business Rate)についての情報
  1. イングランド・ウェールズ
    1. 英国政府:ビジネスレート・ガイダンス(Business rates外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    2. 英国政府:小規模事業者に対するビジネスレートの軽減措置(Business rates relief外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

      なお、小規模事業者に対する軽減措置(小規模事業税率)は、次の条件を満たした場合、所在地の自治体に申請し、減免が受けられる。

      • 評価額が1万5,000ポンド(ロンドン市内2万5,500ポンド)未満。
      • 1つの不動産しか使用していない。
  2. スコットランド
    スコットランド政府:ビジネスレート・ガイダンス(Business rates guidance外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  3. 北アイルランド

    北アイルランド政府:ビジネスレート(Help available for business rates外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    具体的な税額の算出は、北アイルランド財務人事省ウェブサイトで可能。

    北アイルランド財務人事省(Department of Finance and Personnel):ビジネスレートの算出(Search Domestic Capital Values外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

各地域の事業税(Business Rate)の減免について
  1. イングランド(英国政府):Business rates relief外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  2. スコットランド政府:Business rates relief外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  3. ウェールズ政府 :Business Rates Relief in Wales外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  4. 北アイルランド・ビジネスインフォ:Help available for business rates外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
エンタープライズ・ゾーンでの事業税(Business Rate)の減免

産業振興を目的としたエンタープライズ・ゾーン(EZ)内に移転する企業は、事業税が減免される。
EZ内に設立または移転した企業は、当該地方自治体の判断の下、5年間、1年につき5万5,000ポンドを上限に、最大100%の事業税の減免が受けられる。

英国政府:エンタープライズ・ゾーンでの事業税の減免(Business rates relief - Enterprise zones外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

付加価値税(VAT)

日本の消費税に相当する付加価値税(VAT)の税率は3種類あり、税率および該当する品目は次のとおり。

区分 税率 品目
標準税率 20% ほとんどの商品やサービス
軽減税率 5% 家庭用燃料、電力、チャイルドシートなど
ゼロ税率 0% 食料品(一部除く)、子供服、水道水、新聞、医薬品、居住用建物など

この他に、税金が免除となる非課税品目(医療、教育、郵便、金融、保険など)や、VAT対象外の不課税品目(寄付、無償福祉サービス、公的機関による通行料金など)がある。
たばこ、酒、炭化水素油等は別途、物品税の対象となる。税率は品目ごとに異なる。
また、過去12カ月の課税対象取引額が8万3,000ポンド超の場合は、歳入関税庁(HMRC)への登録が必要となる。

個人所得税(Income Tax

所得税は、英国居住者の課税年度(4月6日~翌年4月5日)内の所得と英国非居住者の英国での所得に対して、超過累進課税方式(一定額以上になった場合に、その超過金額に対してのみ、より高い税率を適用)で課せられる。

ジェトロ:英国・個人所得税PDFファイル(371KB)

個人所得税率(2018年度)イングランド、ウェールズ、北アイルランド
税の種類 所得区分 税率
基礎税率
(基礎控除枠:11,850ポンド)
11,851~45,000ポンド 20%
高税率 46,351~150,000ポンド 40%
追加税率 150,001ポンド以上 45%
個人所得税率(2018年度)スコットランド
税の種類 所得区分 税率
開始税率 11,851~13,850ポンド 19%
基礎税率 13,851~24,000ポンド 20%
中間税率 24,001~43,430ポンド 21%
高税率 43,431~150,000ポンド 41%
最高税率 150,001ポンド以上 46%

英国居住者の要件は、課税年度中に英国で過ごした日数が183日以上の場合、または主たる住居を英国内に91日以上保有し、課税年度中にその住居で過ごした日数が30日以上の場合である。
英国居住者は、英国以外の海外所得に対しても納税の義務がある。
英国の居住者でない場合は、英国で得た所得だけに課税される。

カウンシル・タックス(Council Tax

カウンシル・タックスは、居住用資産の評価額を基に課税される。これは日本の固定資産税に似ているが、賃借人でも支払い義務があり、同時に別荘など非居住者であっても、減免はあるものの、支払い義務が生じる。

英国では個人所得税の地方税がないため、事実上、個人所得税の地方税に相当する税である。
なお、イングランド、スコットランド、ウェールズと、北アイルランドとでは税率の算出方法が異なる。

ジェトロ:カウンシル・タックス(Council TaxPDFファイル(501KB)

土地印紙税(Stamp Duty Land Tax:SDLT)

イングランド、ウェールズ、北アイルランドで土地や不動産を購入する際には、土地印紙税が課税される。
課税率は不動産の評価額(consideration)に基づくが、実際には取得額を用いることが多く、超過累進税率方式で課税される。

税率
居住用
不動産評価額区分 課税率
125,000ポンド以下 0%
125,000超~250,000ポンド 2%
250,000超~925,000ポンド 5%
925,000超~1,500,000ポンド 10%
1,500,000ポンド超 12%
非居住用
不動産評価額区分 課税率
150,000ポンド以下 0%
150,000超~250,000ポンド 2%
250,000ポンド超 5%

具体的な税額の計算は、歳入関税庁ウェブサイトで可能。

また、スコットランドでは、2015年5月1日以降、土地印紙税に代わる土地・建物取引税Land and Buildings Transaction Tax:LBTT)が導入された。
課税率は、不動産購入額に基づき、超過累進課税方式で課される。

税率(スコットランド)
居住用
評価額区分 課税率
145,000ポンド以下 0%
145,000超~250,000ポンド 2%
250,000超~325,000ポンド 5%
325,000超~750,000ポンド 10%
750,000ポンド超 12%
非居住用
評価額区分 課税率
150,000ポンド以下 0%
150,000超~350,000ポンド 3%
350,000ポンド超 4.5%

スコットランド政府:土地・建物取引税(Land and Buildings Transaction Tax外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

銀行税(Bank Levy

英国政府は2011年1月1日より、金融システムがもつ潜在的なリスクに対処するため、金融機関に対して銀行税を導入した。
課税対象は、負債と資本の合計額が200億ポンド以上の、英国の銀行、住宅金融組合、外国銀行の英国法人など。
バランスシート(資産と負債)に対する課税だが、Tier 1資本、保険付預金、繰延税金負債、レポ借入(国債により保証された借入)などは除外される。
2018年1月からの税率は、バランスシートに対し0.16%、長期負債の場合は0.08%。税率は2021年1月1日にそれぞれ0.10%、0.05%になるよう、毎年1月に引き下げられる予定。

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