|
味覚・嗜好上の特徴
|
- 刺激が強く、はっきりした味が好まれるので、調味料を中心とした食材は今後需要が高まる可能性がある。
- ベジタリアンが多く、食材がベジタリアン向けもしくはノンベジタリアン向け(動物性のものを含む)であるかどうかを非常に意識している。また、ベジタリアンが食べられる食材には個人差があるが、食品安全基準局(FSSAI)によって、乳製品はベジタリアン食品、卵はノンベジタリアン食品と定義づけられている。
- ベジタリアンの割合は、北部から中部は4割前後と高いが、南部や東部沿岸の州では約1割で、州ごとに大きなばらつきが見られる。
- 味覚は保守的。また、クリスピー(パリパリ、爽やか)な食感を好む。
|
|
制度的制約
|
-
動物検疫
-
牛肉および牛肉を含む食品は、宗教上の理由により一切輸入できない。豚肉、鶏肉、鶏卵は二国間で検疫協議未実施。
-
植物検疫
-
さくらんぼ、もも、たまねぎ、コメ(精米・玄米)、製茶、りんごなどは植物検疫証明書の添付で輸入が可能(輸入許可証を取得し、許可条件を満たすもののみ輸出可能)。りんごについては2022年3月検疫条件緩和に合意。なし・日本杉については検疫協議中。その他多くの品目については、条件が未設定。
-
水産物
-
日本側での最終加工施設の登録と衛生証明書(HACCPによる衛生管理が必要)の添付が必要となっている。
-
表示・ラベル
-
ベジタリアン・マーク、ノンベジタリアン・マーク、最大小売価格などの表示を規定する独自のラベル規制がある。
-
加工食品
-
「いかなる形状の牛肉をも含まない」ということを船積み・積荷書類に記載した申告書が必要。豚などの牛肉以外の畜肉エキスは、輸入可能。ただし、インド国内で販売する場合は、食品安全基準局(FSSAI)の認可などが必要。また、包装された食品については、インドへの輸入時点で保存期間(消費期限、賞味期限)が60%以上残っている必要がある。
-
規格外食品(FSSAIの定める食品規格に該当しない食品)
-
輸入時の食品検査の際に、従来も分析証明書(CoA)を提出していたが、2020年1月より、ISO/IEC 17025の認定を受けた輸出国の試験機関が発給し、かつ、輸出国からの発送日から3カ月以内のCoAのみ、FSSAI
(493KB)が受理する運用となっている。
-
非遺伝子組換え生物証明書(Non GM origin cum GM free Certificate)の提出義務
-
2021年3月1日より、トマト、コメなどFSSAIが指定する24の食品作物・食品作物由来の対象品目については、 輸入時に非遺伝子組換え生物証明書の提出が求められる。インド食品安全基準局「輸入食品の非遺伝子組換え生物証明書の添付に関する要件、規則」
(2.6MB)
|
|
商流・物流・商習慣
|
- 食品関連市場は個人経営の「キラナ」と呼ばれるパパママストア(家族経営の零細店舗)が多いが、それらを束ねる大型ディストリビュータが不在のため、横のつながりがない。そのため、生活に密接なものは、流通販売網に乗りにくい。都市部では、携帯電話のアプリやインターネットを介した購入や買いまわりサービスが出てきており、オーガニックなどハイエンド商品に関しては、こうした新しいチャネルが普及に貢献する可能性が高い。
- 鶏肉や羊肉は手に入るが、豚肉はあまり出回っていない。
- 宗教上、北部では牛肉が食される場所は極めて少ない。5つ星ホテル内のレストランや高級店では富裕層向けにバッファロー(水牛)を提供する店がある。
- 南部ではキリスト教徒を中心に牛肉を食す文化があり、レストランや精肉店で販売されている。
- コールドチェーンは大都市圏内では冷蔵・冷凍ともに利用可能だが、十分に整備されておらず、特に都市間の物流に課題がある。
- 日本との航空便は全国で合計週約30便。航空輸送時間は約10時間。日本・インド間の海上コンテナ輸送は、シンガポール、香港、ポートクラン等で積み替えるルートが一般的だが、船社・時期によっては神戸・大阪等からインド西岸港向けの直行寄港サービスも確認される。最新の運航状況は船社スケジュールの確認が必要である。
|
|
Eコマースの概要
|
- インドのEコマース市場は拡大を続けており、インドのEコマース市場規模は、EC経由のB2C売上高ベースで2025年に670億ドルとなり、オンライン購入者数は2億7,000万人超とされる(2025年3月時点の推計)。
- 今後も成長余地は大きく、2030年には市場規模が1,700億-1,900億米ドル規模に達し、小売支出の約10ドルに1ドル(=約1割)が、Eコマースで使われると予測されている。
- 市場拡大はTier 2・Tier3以下の都市がけん引しており、食品・日用品分野ではクイックコマースが急成長している。主要事業者としては、Flipkart、Amazon、BigBasket、Blinkit、Swiggy Instamart、Zepto、JioMartなど。
|
|
外食・小売等の状況
|
- インドのフードサービスは年平均成長率10%以上で推移し、2028年には800億米ドル規模に達すると予測されている。
- 小売市場におけるモダン・トレードとEコマースの割合は拡大。
- 外食、小売のいずれも、今後も市場は拡大し、大手チェーン店などのモダン・トレードの存在感が高まっていくとみられる。
|
|
日本食普及状況等
|
- 日本食は駐在員向けがメーン。5つ星ホテル内の日本食レストランで一部の富裕層インド人が日本食を好んで食す程度で、一般向けには普及していない。ただし、都市部ではインド人オーナーの日本食レストランが増加傾向にある。また、中華・タイ・インド料理に加えてすしを提供するパン・アジアンレストランが広まってきている。
- 外食チェーンや加工食品分野の日系企業進出が徐々に進んでいる。
- 高級レストランで「みそ」「わさび」「緑茶」などの日本食材を使うシェフが出てきている。
- 現状では、日本食材・食品の輸入量が他のアジア諸国に比べて圧倒的に少ないため、日本人駐在員は買い出しのためにタイやシンガポールを頻繁に訪れる。
- 大都市において富裕層をターゲットとした、すしや有機野菜の宅配サービスが普及し始めている。
- 高速通信技術やスマートフォンの普及を背景に、レストランの料理やスーパーマーケットの製品をデリバリーするアプリが大都市を中心に浸透している。
- 今後日本食の普及に伴い、典型的な日本食品である緑茶、乾麺、コメ、海苔、菓子、またインド近海では入手しづらい魚介類などの需要が高まる可能性がある。
|