税制

最終更新日:2017年08月31日

法人税

2017年度(2017年4月1日~2018年3月31日)に適用される法人税率は、法人の種類および課税対象所得額に応じ決定される。

実効税率

〔2017年インド財政法 Paragraph E of Part Ⅲ of The First Schedule

  1. 内国法人
    1. 課税対象所得1,000万ルピー以下:30.90%(法人税率30%+教育目的税3%)
    2. 課税対象所得1,000万ルピー超、1億ルピー以下:33.06%(法人税率30%+課徴金7%+教育目的税3%)※1
    3. 課税対象所得1億ルピー超:34.61%(法人税率30%+課徴金12%+教育目的税3%)
  2. 外国法人
    1. 課税対象所得1,000万ルピー以下:41.20%(法人税率40%+教育目的税3%)
    2. 課税対象所得1,000万ルピー超、1億ルピー以下:42.024%(法人税率40%+課徴金2%+教育目的税3%)
    3. 課税対象所得1億ルピー超:43.26%(法人税率40%+課徴金5%+教育目的税3%)※2
実効税率の計算方法

※1 内国法人:課税対象所得1,000万ルピー超、1億ルピー以下の場合

  1. 法人税率30%+課徴金(7%×30%=2.1%)=32.1%
  2. 教育目的税3%×32.1%=0.96%
  3. 実効税率32.1%+0.96%=33.06%

※2 外国法人:課税対象所得1億ルピー超の場合

  1. 法人税率40%+課徴金(5%×40%=2%)=42%
  2. 教育目的税3%×42%=1.26%
  3. 実効税率42%+1.26%=43.26%

2015年度における総収入金額や総受領高が5,000万ルピー以下の国内法人には、法人税率25%(課徴金および教育目的税を含まない)を適用。〔2017年インド財政法 Paragraph E of Part Ⅲ of The First Schedule

次の条件を満たす場合には、国内法人の課税対象所得(キャピタルゲイン所得を含まない)に25%(課徴金および教育目的税を含まない)の軽減税率を適用。〔1961年所得税法 第115BA条〕

  1. 当該国内法人は2016年3月1日以降に設立もしくは登録した。
  2. 物品の製造・生産業務および当該物品に係る研究・物流のみに従事する内国法人である。
  3. 免税、特別償却(特別追加償却を除く)または前年度の事業損失が利用できない。
  4. 税務申告前に軽減税率を適用するかどうかを、所定の方法により選択できる。

その他の国内法人には、基本税率30%が適用される。〔2017年インド財政法 Paragraph E of Part Ⅲ of The First Schedule

事前納税制度(Advance Tax

当該会計年度に1万ルピー以上の納税義務のあるすべての課税対象者(会社法人およびその他の課税対象者)は、〔1961年所得税法(Income Tax Act, 1961)〕で定められた算出方法に基づき、当該年度の課税所得額を見積り、各年度4回に分割し、法人税を支払わなければならない。

事前納税の納税期限と納税額〔1961年所得税法 第211条、第208条〕

  • 6月15日:法人税額(見積り)の15%以上
  • 9月15日:法人税額(見積り)の45%以上
  • 12月15日:法人税額(見積り)の75%以上
  • 3月15日:法人税額(見積り)の全額および調整額

税務申告(Filling of Return of Income

前年度の税務申告期限は9月30日。ただし、所定の移転価格証明書の申告が必要な企業については、11月30日まで期限が延長される。〔1961年所得税法 第139条〕

二国間租税条約

日印間で租税条約が締結されている。同条約を適用した場合の源泉課税率は、利子所得、ロイヤルティーおよび技術役務提供報酬はすべて10%。

日印租税条約を適用した場合の源泉課税率は、利子所得、ロイヤルティーおよび技術役務提供報酬はすべて10%。
利子に対する源泉課税については、受取人が日本銀行、国際協力銀行、国際協力機構、独立行政法人日本貿易保険、日本政府が資本の全部を所有するその他の金融機関である場合には、源泉徴収されない。

インド側では、インド準備銀行、インド輸出入銀行、インド損害保険会社、ニューインディア保険会社、インド政府が資本の全部を所有するその他の金融機関が受取人の場合、源泉徴収されない。〔日印租税条約 第11条〕

なお、インドの内国法人が行う配当については、インドは独自に支払い側へ15%(実効税率は配当額の20.36%)の配当税(Dividend Distribution Tax:DDT)を課しているため、源泉徴収は不要。〔1961年所得税法 第10条34項〕
インドにおける源泉課税分は、外国税額控除の仕組みを通じて、受注企業が本国で支払う法人税から控除される。

例えば、インド企業が日本企業から何らかの技術的役務の提供を受けた場合には、その支払いに際し、インド企業が10%の源泉課税をインドで納めるが、収入を得た日本企業は日本で法人税を納める際に、インドでの納税証明を提出することにより、控除限度額の範囲で控除される。〔日印租税条約 第23条〕

なお、2010年4月より、受取人が非居住者であってもPAN(Permanent Accounting Number)の取得が義務付けられた。
さらに、2012年4月より、源泉徴収義務者であるインド企業が、支払い相手国企業側(この場合日本)から居住者証明書(Tax Residency Certificate:TRC)を入手し、Form No.10Fを作成する義務が追加された。居住者証明書は支払い相手国の税務当局から取得する。

PAN取得方法については、所定フォーム(49AA)に登記書類などを添付し、インド国内のPAN申請センターに提出する必要があり、通常2~3週間で取得できる。〔1961年所得税法 第139Ab 条〕
フォーム(Form No.10FおよびNo.49AA)、詳細は国税庁(Income Tax Department)のウェブサイトを参照。

PANが無い場合、ロイヤルティーおよび技術役務提供報酬の送金には、20%の源泉税率が適用される。〔1961年所得税法 第206AA条、第90条〕
非居住者に対する支払いについて、指定の情報(氏名、メール・アドレス、連絡先の電話番号、本国の納税者番号(TIN))が提供される場合には、20%の源泉税率(一定の条件を満たす必要あり)は適用されない。〔1961所得税法 第206AA条、1962年所得税ルール、ルール37BC〕

その他税制

個人所得税は、所得に応じて0%、5%、20%、30%。インドの間接税構造が税制改正により、2017年7月1日変更。物品・サービスに対する間接課税は物品・サービス税(GST)に統一され、関税以外の既存のさまざまな間接税が単一税のGSTに包含された。なお、GST対象外の物品対しては、旧法の付加価値税、中央販売税、相殺関税、追加関税・特別追加関税が引き続き課せられる。

インドの間接税構造が税制改正により、2017年7月1日変更。物品・サービスに対する間接課税は物品・サービス税(Good and Service Tax:GST)に統一され、関税以外の既存のさまざまな間接税が単一税のGSTに包含された。
なお、現在、次のGST対象外の物品対しては、旧法の付加価値税(VAT)、中央販売税(CST)、相殺関税(CVD)、追加関税(ADC)・特別追加関税(SAD)が引き続き課せられる。

  • 原油
  • 高速ディーゼル
  • ガソリン
  • 天然ガス
  • 航空タービン燃料
  • 人が消費するアルコール

なお、これら物品(人が消費するアルコールを除く)資産の譲渡およびサービス提供には、政府が告示する日より、GSTが課せられる。

所得にかかる諸税には法人税のほか、最低代替税、個人所得税、源泉徴収税がある。
また、取引にかかる諸税には、物品・サービス税(GST)、付加価値税(VAT)、物品税、関税、国家災害偶発税などがある。

所得にかかる税

最低代替税(Minimum Alternate Tax:MAT)

会計上の利益の18.5%が法人税額(控除などを含めた税法上の算出額)を上回る場合、最低代替税(MAT)を支払う必要がある。
実効税率は、法人の種類および課税対象所得額に応じ、次のとおり決定される。〔1961年所得税法 第115JB条;課徴金、教育目的税は2017年インド財政法 第3条、第11条、第12条〕

  1. 内国法人
    1. 課税対象所得1,000万ルピー以下:19.055%(18.5%+教育目的税3%)
    2. 課税対象所得1,000万ルピー超、1億ルピー以下:20.39%(18.5%+課徴金7%+教育目的税3%)※1
    3. 課税対象所得1億ルピー超:21.34%(18.5%+課徴金12%+教育目的税3%)
  2. 外国法人
    1. 課税対象所得1,000万ルピー以下:19.055%(18.5%+教育目的税3%)
    2. 課税対象所得1,000万ルピー超、1億ルピー以下:19.4361%(18.5%+課徴金2%+教育目的税3%)
    3. 課税対象所得1億ルピー超:20.0077%(18.5%+課徴金5%+教育目的税3%)※2
実効税率の計算方法

※1 内国法人:課税対象所得1,000万ルピー超、1億ルピー以下の場合

  1. 基本税率18.5%+課徴金(7%×18.5%=1.295%)=19.795%
  2. 教育目的税3%×19.795%=0.593%
  3. 実効税率19.795%+0.593%=20.39%

※2 外国法人:課税対象所得1億ルピー超の場合

  1. 基本税率18.5%+課徴金(5%×18.5%=0.925%)=19.425%
  2. 教育目的税3%×19.425%=0.583%
  3. 実効税率19.425%+0.583%=20.0077%

国際金融サービスセンター(特別経済区(SEZ)内で事業を認められた金融サービス・業務の中心地域)に所在する、転換可能な外国為替のみで所得を稼得している企業の場合には、9%の基本課税率でMATを適用。〔1961年所得税法 第115JB条〕

支払ったMAT・AMT(Alternate Minimum Tax (企業組合、信託等の企業以外の法人に適用される最低代替税))と計算上の法人税との差額はタックス・クレジット(Tax Credit)として取得できる。
当該タックス・クレジットは15年間繰り越し可能であり、法人税額がMAT・AMT額を上回る年度において、その上回る額の範囲で使用可能。〔1961年所得税法 第115JAA条〕

なお、2010年度までは、輸出志向型企業(EOU)やSEZ等の特区に入居する企業が取得した利益は、MATスキームの対象外となっていたが、〔2011年インド財政法〕で見直され、これらの利益もMATスキームの対象となった。〔1961年所得税法 第115JB条〕

個人所得税

納税義務者

インドにおける個人所得税納税義務の有無と課税所得の範囲は、居住性の判定に伴って、次のとおり区別される。〔1961年所得税法 第5条〕

  1. 通常の居住者(ordinarily resident):インド国外で発生したものを含む、すべての所得。
  2. 非通常の居住者(not ordinarily resident):
    • インド国内で発生または受領した所得。
    • インド国内でコントロールされた事業に関して、インド国外で発生・受領した所得。
  3. 非居住者(non-resident):インド国内で発生または受領した所得。
    ただし、次の4条件を満たす場合、インド国内で発生・受領した所得であっても、インドの個人所得税は免税にできる。〔日印租税条約〕
    1. 日印租税条約における日本の居住者。
    2. インド滞在期間が課税年度で、183日を超えない。
    3. 報酬がインド国外の居住者の雇用者から支給されている。
    4. 報酬がインド国内の恒久的施設によって負担されているものでない。

※居住者/非居住者の区分〔1961年所得税法 第6条〕
次の1. 2.のいずれかに該当する場合、居住者(resident)に区分され、それ以外は非居住者。

  1. 当該会計年度に182日以上インドに滞在した場合
  2. 会計年度中に60日以上滞在し、かつ当該会計年度以前の4年間で365日以上滞在している場合

通常の居住者/非通常の居住者の区分
さらに、居住者は、次の3. 4.のいずれにも該当しない場合、通常の居住者(ordinarily resident)に区分される。

  1. 会計年度以前の10年間のうち、9年間は非居住者(non-resident)であった場合
  2. 会計年度以前の7年間の滞在日数が729日以下の場合
所得税率
  1. 超過累進課税方式

    個人所得税の税率は、超過累進課税方式により次のとおり。

    所得額(ルピー)と税率(2017年度より適用される新税率)

    1. 250,000以下:0%
    2. 250,001~500,000:25万ルピーを超える所得の5%
    3. 500,001~1,000,000:50万ルピーを超える所得の20%
    4. 1,000,001以上:100万ルピーを超える所得の30%

    さらに、高額所得者に対しては、次の追加の課徴金が所得全額に課せられる。

    • 5,000,001~1,000万ルピー:追加課徴金10%
    • 1,000万ルピー超:追加課徴金15%

    最終的に、所得税+課徴金に、教育目的税(3%)が付加される。

    例:年収1,110万ルピーの納税者の場合、個人所得税の年間支払額は次のとおり。
    課税収入:税率:税額

    1. 25万ルピー:0%:0ルピー
    2. 25万ルピー:5%:12,500ルピー
    3. 50万ルピー:20%:100,000ルピー
    4. 1,00万ルピー:30%:3,000,000ルピー
    5. (税額小計)3,112,500ルピー+(課徴金15%)466,875ルピー+(教育目的税3%)107,382ルピー
    6. 課税総額:3,686,757ルピー
  2. 各種控除
    1. 60歳以上のシニア居住者(前年年収上限30万ルピー)、80歳以上の高齢居住者(同50万ルピー)は免税。
    2. 所得階層に関係なく、総所得から最大15万ルピーの特定の貯蓄分は控除可能。〔1961年所得税法 第80C条〕
    3. 健康診断または両親、自己の医療保険料にかかる費用に対して、一定額まで控除可能。〔1961年所得税法 第80D条〕
    4. 普通預金口座に関連する金利収入については、1万ルピーまで控除可能。〔1961年所得税法 第80TTA条〕
    5. 〔2015年インド財政法〕により、国民年金制度(National Pension Scheme)に対する拠出については、5万ルピーまで控除可能。〔1961年所得税法 第80CCD条〕

ブラックマネー法(The Black Money (Undisclosed Foreign Income and Assets) and Imposition of Tax Act, 2015)

インド政府は2015年度(課税年度2014~2015)より、ブラックマネー法(以下「BMA法」)を導入した。
BMA法はインドの通常の居住者(本人、配偶者や扶養家族を含む)を対象とし、次の場合に適用される。

  1. 取得資金の源泉に関する説明がない、あるいは十分でない無申告の国外財産がある。
  2. 国外所得が申告書には反映されてない、あるいは申告書が提出されていない無申告の国外所得がある。
  3. 申告書上、正確でない、あるいは不十分な申告の国外財産がある。

BMA法が適用になった場合、無申告の国外所得・国外財産に対する税率30%とともに、税額の3倍の罰金が課される可能性がある。加えて、違反内容によっては起訴の可能性もある。
しかし、会計年度のいずれかの時点で、1つ以上の国外銀行口座の合計残高が50万ルピー以下であれば、当該国外財産が無申告であっても、罰金は課せられない。

BMA法に基づく一回限りのコンプライアンス・スキームの機会が提供された。当該スキームは2015年9月30日までに申告し、2015年12月31日までに税額および罰金を支払うものであった。

所得申告スキーム(Income Declaration Scheme:IDS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

インド政府は2016年度より所得申告スキーム(IDS)を導入した。
IDSとは、納税者が無申告の所得と、当該無申告の所得により取得した財産を申告する場合、この無申告の所得や財産に対して報告し、税率45%(税率30%+課徴金7.5%+ペナルティー7.5%)を納税する制度。

源泉徴収税

利子

居住者への利子の支払い:社債利子を含む利子支払い-10%〔2017年インド財政法 Part Ⅱ of The First Schedule
非居住者への利子の支払い:社債利子を含む利子支払い-10%(課徴金および教育目的税は課せられない)〔日印租税条約 第11条〕。従って、利子支払いに対する源泉徴収はグロスベースで税率10%。

対外商業借入れのうち、外貨建て借入れ・長期社債またはインドルピー建社債に関する利子には、所定の要件を満たすことを条件に、5%の軽減税率を適用。当該借入れ・社債は2020年7月1日までに行う必要がある。〔2017年インド財政法 Part Ⅱ of The First Schedule、1961年所得税法 第194LC条〕
また、非居住者へのインフラ・デットファンド利息の支払いに対して、所定の要件を満たしていれば5%。〔1961年所得税法 第194LB条、2017年インド財政法 Part Ⅱ of The First Schedule

ただし、これらの軽減税率の適用に当たり、規定された要件を満たしていない場合、外貨建て借入れ・社債に係り支払われる利子は税率20%で、源泉徴収税の対象となる。
また、インドルピー建て借入れに係り支払われる利子は税率40%で、源泉徴収税の対象となる。

なお、これらの源泉税には、受取人の総所得が1,000万ルピー超の場合2%の課徴金、同1億ルピー超の場合5%の課徴金に加え、教育目的税3%が別途付加される。

ロイヤルティー&技術サービス料

居住者へのロイヤルティー&技術サービス料の支払い:10%〔1961年所得税法 第194J条〕
非居住者へのロイヤルティー&技術サービス料の支払い:10%。課徴金および教育目的税は課せられない。〔日印租税条約 第12条〕
従って、ロイヤルティー&技術サービス料支払いに対する源泉徴収は、グロスベースで税率10%。

〔インド所得税法〕に基づき、非居住者へのロイヤルティー&技術サービス料の支払いには税率10%。
また、ロイヤルティーおよび技術サービス料に対する課徴金は、受取人の総所得が1,000万ルピー超の場合2%、同1億ルピー超の場合5%に加え、教育目的税3%が課せられる。〔2017年インド財政法 Part Ⅱ of The First Schedule

配当

居住者への配当支払:0%〔1961年所得税法 第10条34項〕
非居住者への配当支払:0%〔1961年所得税法 第10条34項〕
インド政府は、配当支払いインド企業に対する配当支払税(Dividend Distribution Tax:DDT)を設け、支払い企業側に一律15%(実効税率20.36%)を課税し、受取り側は免税。
DDTの導入以降、インドでは配当への源泉課税はない。〔1961年所得税法 第115-O条〕

ただし、2016~2017年から、インドの内国法人が内国法人、所定の基金、機関、信託以外のインド居住者である特定の納税者に対する配当には、配当金が100万ルピー超の場合、受取人に配当税10%(課徴金、教育目的税が別途付加される)が課せられる。〔1961年所得税法 第115BBDA条〕

インドから日本を含む外国向けの配当支払いの場合、まずインド国内で支払い企業にDDTが課税され、受取り側でも、本国の税制に従って受取り配当金に課税される。
ただし、日本は子会社等、国外からの一定の配当収入のうち95%を非課税としている。

なお、2010年度までは、輸出志向型企業(EOU)やSEZ等の特区に入居する企業が支払う配当は、DDTスキームの対象外であったが、2011年度財政法により廃止された。〔1961年所得税法 第115-O条〕

2008年2月、親子企業間の取引に係る二重課税防止措置が導入され、課税対象となる親会社の支払配当額(従来の課税対象額)から、子会社からの受取り配当額を控除することが可能となった。〔1961年所得税法 第115-O条〕

物品・サービス税(Good and Services Tax:GST)

インド政府は2017年7月1日からGSTを導入し、旧法でのさまざまな州税および中央税がGSTに包含されている。
ただし、特定の物品(原油、高速ディーゼル、ガソリン、天然ガス、航空タービン燃料、人が消費するアルコール)には、政府の告示がある日まで、旧法の付加価値税(VAT)・中央販売税(CST)、相殺関税(CVD)、追加関税(ADC)・特別追加関税(SAD)が、引き続き課税される。

インドのGSTは2階層の構造となっており、取引の内容や性質に応じて、税金の種類が異なる。

  1. 州内の資産の譲渡およびサービス提供の場合:州物品・サービス税(State Goods and Service Tax:SGST)+中央物品・サービス税(Central Goods and Services Tax:CGST)
  2. 州間取引の場合:統合物品・サービス税(Integrated Goods and Service Tax:IGST)
  3. インド国外から物品・サービスの調達を行う場合:統合物品・サービス税(IGST)

基本的に、GSTは次の法令に基づき運営される。

  1. 2017年中央物品・サービス税法(Central Goods and Service Tax Act, 2017:CGST法)
  2. 2017年連邦直轄物品・サービス税法(Union territory Goods and Service Tax Act, 2017:UTGST法)
  3. 2017年統合物品サービス税法IGST法(Integrated Goods and Service Tax Act, 2017:IGST法)
  4. 州物品・サービス税法(State GST Acts):各州固有のGST法
  5. 2017年物品・サービス (州への税収補償) 税法(Goods and Services tax (Compensation to States) Act, 2017)

ジェトロ:インド物品・サービス税(GST)における税構造と取引課税一覧PDFファイル(694KB)

また、これら法令の下、さまざまなルールおよび通達が発行されている。
GSTに係る立法および手続きを制定するGSTカウンセルは、GSTの税率を5~28%の4段階に分けた構造を規定している(GST Rates)。

  • 5%
  • 12%
  • 18%
  • 28%

この他、特定の物品・サービスに対して、〔2017年物品・サービス (州への税収補償) 税法〕に基づき、GST補償税(GST Compensation Cess)という州の税収補償のための特別追加税も適用される。

すべての物品販売事業者または役務提供者は、当該課税年度(Financial Year)の総売上高がINR200万ルピー 超の場合、GSTに登録をしなければならない。
しかし、次の場合には、前述の基準値は適用せされず、提供者は売上高に関わらず、当該課税年度内に登録をしなければならない。〔2017年CGST法 第22条、第24条〕

  1. 課税対象となる州間の資産の譲渡およびサービス提供に従事している者
  2. 臨時的に事業として、時折に資産の譲渡およびサービス提供を行う課税対象者
  3. リバースチャージ制度に基づき納税義務がある者
  4. 電子商取引運営者経由で、資産の譲渡およびサービス提供を行っている個人・法人
  5. 課税対象の資産の譲渡およびサービス提供を行っている非居住者である課税対象者
  6. 電子商取引運営者
  7. 仕入れサービスの提供者(Input service distributors
  8. インドにいるGST未登録者である個人・法人に対して、インド国外からオンライン情報およびデータベースのアクセス・検索サービスを提供している個人・法人

物品・サービスの提供者はGSTを請求しているため、当該課税対象資産の譲渡およびサービス提供に対する税金を納付する義務がある。
しかし、特定の場合においては、物品・サービスの受領者はリバースチャージ制度に基づき、GSTを納付する義務がある。

リバースチャージ制度の対象となる物品およびサービスについては、次の通達によりそれぞれ通知された。

  1. 物品について
    • 2017年6月28日付通達No.4/2017-Central Tax (Rate)
    • 2017年6月28日付通達No.4/2017-Integrated Tax (Rate)
  2. サービスについて
    • 2017年6月28日付通達No.13/2017-Central Tax (Rate)
    • 2017年6月28日付通達No.10/2017-Integrated Tax (Rate)

特定の物品およびサービスはGSTの課税対象外となっており、次の通達によりそれぞれ通知されている。

  1. 物品について
    • 2017年6月28日付通達No.2/2017-Central Tax (Rate)
    • 2017年6月28日付通達No.2/2017–Integrated Tax (Rate)
  2. サービスについて
    • 2017年6月28日付通達No.12/2017-Central Tax (Rate)
    • 2017年6月28日付通達No.9/2017–Integrated Tax (Rate)

事業として使用する物品・サービスの提供を受けるGST登録者は、〔GST法〕に基づき、当該仕入品・サービスに支払われた税額分について、税額控除を受けることが可能であり、当該仕入税額控除を課税売上に係る税額と相殺が可能。
ただし、特定の物品またはサービスについては、事業として使用した場合であっても、GST登録者は支払った税額について、税額控除を受けることはできない。〔2017年CGST法 第17条5項〕
なお、GST補償税(特別追加税)に係る仕入税額控除は、特別追加税の租税債務とのみ相殺できることが明確にされた。

ジェトロ:インドGSTにおける仕入れ税額控除とGST登録申告についてPDFファイル(520KB)

GST法上、輸出は「ゼロ税率」 の提供として取り扱われ、GST登録者は、〔2017年7月7日付通達No.16/2017–Central Tax〕に基づく念書、あるいはBond(担保金)を提供することを条件に、課税対象外となる。

同通達の要件を満たしていない場合、GST登録者はIGSTを支払えば(輸出取引は州間取引としての扱い)、物品またはサービスの輸出が可能となる。 その後、支払ったIGSTについて、GST登録者が当局に必要書類を提出し、還付申請を行えば、税金の還付金を受け取ることが可能。
なお、SEZに入居するGST登録者への資産の譲渡およびサービス提供もゼロ税率対象の取引となる。〔2017年IGST法 第16条〕

100%輸出志向型企業(EOU)への資産の譲渡およびサービス提供に対しては、その提供者がGSTを請求し、受領者であるEOUが当該仕入れで支払ったGSTの税額控除を受ける。
つまり、国内一般課税地域で提供した物品に対するGST課税売上に係る税額と相殺が可能。代替策として、EOUが未利用の仕入れ税額分の還付も受けることが可能。

関税

関税は、中央政府により輸出入時に課せられる。品目分類は、International Harmonized System of Nomenclature(HSN)に準拠し、〔1975年関税率法(Customs Tariff Act, 1975)〕に基づき課税。
関税手続きは〔1962年関税法〕で定められている。
関税は輸出者に納税義務があり、次の税金で構成される。

1962年関税法(Customs Act, 1962外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  1. 基本関税(Basic Custom Duty:BCD)〔1975年関税定率法 第2条〕

    物品の評価額に対して、関税表に規定された税率に基づき(原則0~10%)課税される。
    しかし、基本関税の適用税率は〔1975年関税率法〕に基づき算定され、関税品目分類は、HS分類に準拠。

  2. 教育目的税(Education Cess

    基本関税(BCD)額の3%で、その内訳はEducation 2%、Secondary and Higher Education Cess 1%。

  3. 統合物品サービス税(IGST)〔1975年関税率法 第3条7項・8項、2017年IGST法 第5条〕

    基本関税と教育目的税に加えて、IGSTが課税される。現在、IGSTは輸入品目によって0~28%の税率。
    また、〔2017年6月28日付調達Notification No 2/2017-Integrated Tax (Rate)〕により、IGSTの免税対象物品が規定。

  4. GST補償税〔1975年関税率法 第3条9項、2017年物品・サービス (州への税収補償)税法 第8条および関連別表〕

    GST補償税は、タバコ、炭酸水、高級車等の特別な嗜好品に対して〔2017年物品・サービス (州への税収補償)税法(Goods and Services tax (Compensation to States) ActPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.01MB))と関連別表〕で規定された税率に基づく特別追加税である。
    特別追加税に係る仕入税額控除は、特別追加税の租税債務とのみ相殺できることが明確にされた。

※計算方法などの詳細は「関税制度」を参照。

国家災害偶発税(National Calamity Contingent Duty:NCCD)

国家災害偶発税はパーン・マサラ、タバコ、石油および歴青油、自動車などに対して課せられる。税率は1~45%と幅がある。〔2001年インド財政法 第134条〕
関税品目27092000に該当する歴青油に対し、1トンに当たり50ルピーの国家災害偶発税が課せられる。
NCCDは、評価額(Assessable Value)+物品税・基本関税を課税標準として課税される。

導入時は2003年度1年間の時限措置と説明されていたが、2004年度以降も継続している。
適用税率は〔2001年インド財政法 別表seventh schedule to the Finance Act, 2001PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3KB)〕)の記載とおりだが、〔2017年税政(改正)法(The Taxation Laws (Amendment) Act, 2017PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.04MB)〕で改正されている。

物品税

物品税はGSTに包含されたが、前述のとおり、次の物品には物品税が引き続き適用される

対象品目:タバコ・同代替生産品、鉱物産品(鉱物燃料、鉱物油・同蒸留製品、歴青物質、鉱物蝋など)

付加価値税(VAT)

付加価値税は州政府による税金で、州内の物品販売に課税される。つまり、一定の販売取引に伴い、物品が同州内で移動する場合に当該販売取引に適用される。
州を越える物品販売にはVATは課税されず、中央売上税(CST)が課せられる。〔1956年CST法〕
VATとCSTはGSTに包含されているが、次の物品には引き続きVATが課せられる。

対象品目:原油、高速ディーゼル、ガソリン、天然ガス、航空タービン燃料、人が消費するアルコール

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