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外資に関する奨励

最終更新日:2020年07月17日

奨励業種

インドでは、外資向けに設定された特別な優遇策はない。他方で、内資・外資企業を問わず、インフラ開発、電力開発・送電、再生可能エネルギー、科学研究開発など、特定の分野に対する投資には、優遇措置が設定されている。ただし、特別な規定がない限り、直接税の減免措置を受ける事業についても、最低代替税(MAT)の適用対象となる点には注意が必要。

主な投資奨励業種は次のとおり。

  1. インフラ分野への投資〔1961年所得税法 第80IA条〕
    1. 有料道路や橋梁を含む道路、高速道路プロジェクト、上下水道整備、灌漑、廃棄物処理などのインフラ開発:プロジェクト開始から20年間のうち、連続する10年間の法人税非課税措置(タックス・ホリデー)を適用。
    2. 空港、港湾、内陸水路、内陸湾のインフラ開発:プロジェクト開始から15年間のうち、連続する10年間の法人税非課税措置(タックス・ホリデー)を適用。
    3. 通信分野への投資:最初の5年間は法人税の免除、その後5年間は法人税の30%免除。

    ただし、2017年4月1日以降、インフラ開発や運用および整備を開始する企業に対する法人税控除なし〔1961年所得税法 第80IA条〕。

  2. 研究開発への投資〔1961年所得税法 第35条、第80IB条〕

    インドで研究開発を行った企業は、10年間の法人税非課税措置(タックス・ホリデー)が適用される。
    ただし、インド進出の目的が研究開発を主とし、かつ2000年3月31日以降、2007年4月1日以前に会社設立の認可を受けた企業に限る。さらに、その他の所定条件あり〔1961年所得税法 第80IB条〕。

    また、国立研究所、大学、その他研究機関を対象に、科学・産業研究局にその研究や開発施設の登録を条件に、研究に要した経費の200%までが法人税控除対象となる。

    2017年4月1日~2020年3月31日の間に、研究に要した経費の150%まで法人税が控除対象となり、2020年4月1日以降は上限100%となる〔1961年所得税法 第35条2AA課〕。
    さらに、科学研究・開発費用についての各種特典が用意されているが、それぞれ所定の条件を満たす必要がある(1961年所得税法 第35条)。

  3. 発電および送配電分野への投資〔1961年所得税法 第80IA条〕

    発電、送電、送配電ネットワーク整備開発および送配電網の補修とアップグレード分野への投資には、プロジェクト開始から15年間のうち、連続する10年間の獲得利益全額が免税対象となる。
    ただし、この投資を通じた電力の発電、供給、送配電網の補修などを2017年3月31日以前に開始する必要がある等の条件がある。

  4. 石油関連企業〔1961年所得税法 第80IB条〕

    石油の商業的な産出および精製に従事する企業は、設立後7年間、定められたガイドラインに従うことを条件に、同ビジネスからの獲得利益全額が免税対象となる。
    当該ガイドラインの例として、次のものが挙げられる。

    1. 1998年10月1日以降、2012年3月31日以前に鉱油精製を開始した鉱油精製に従事する企業
    2. インド国内のいずれかの地域に所在する企業で、鉱油の商業生産を1997年4月1日以降、2017年3月31日以前の期間に開始している(2016年4月1日から適用)。
  5. その他〔1961年所得税法 第35AD条、第80IA条、第80IAB条、第80IB条、第80ID条〕

    保険、通信、工業団地(SEZ含む)の開発、特定エリアのホテルや会議場、住宅プロジェクト、病院などのビジネスを行う法人、またベンチャー・キャピタルなどにも、それぞれ法人税の減免措置がある〔1961年所得税法 第80IA条、第80IAB条、第80IB条、第80ID条〕。

    また、投資に基づいた優遇措置として、次の事業分野への設備投資(受取人名義の口座への送金を指定する小切手、ドラフトまたは電子クリアランスシステム以外の支払方法で行われる1万ルピー超の支払案件を除く)に関して、法人税控除がある〔1961年所得税法 第35AD条〕。
    なお、控除対象となる設備を、該当の事業で8年以上使用する必要がある。

    1. 150%控除(2017年4月1日以降は100%)
      1. コールドチェーン(保冷倉庫、保冷車両など)
      2. 穀物の貯蔵設備
      3. 肥料の生産
      4. ベッド数100床以上の病院
      5. 中央政府もしくは州政府に認可された低価格住宅プロジェクト
    2. 100%控除
      1. 天然ガスならびに石油のパイプライン敷設
      2. 2つ星以上のホテル(2010年4月以降に開業)
      3. スラム地区の再開発
      4. 養蜂業
      5. コンテナフレートステーション(CFS)および内陸型コンテナデポ(ICD)
      6. 砂糖の貯蔵設備
      7. その他特定事業
  6. 指定された州・地域への投資
    ジェトロ:指定された州・地域への投資 詳細PDFファイル(123KB)

各種優遇措置

特別経済区の開発企業と入居企業には、法人税減免などの優遇措置が適用される。また、外国貿易政策では、輸出振興を目的とした原材料の関税減免スキームなどが定められている。

特別奨励区・保税区など

  1. 特別経済区(Special Economic Zone:SEZ)

    特別経済区(SEZ)とは、輸出・雇用振興を目的に、免税などの各種優遇措置を適用する「みなし外国地域」のことを指す。
    2006年2月に発効したSEZ法およびSEZ規則は、SEZの開発企業および入居企業に対して、一定の要件を満たしていることを条件に、最大15年間の法人税減免、原材料・部品の輸入関税免税を制定している〔2006年SEZ法 第7条、第26条〕。

    なお、2010年度までは、SEZに入居する企業が取得した利益は、最低代替税(MAT)スキームの対象外となっていたが、〔2011年インド財政法〕で見直され、これらの利益もMATスキーム(実効税率は課税対象所得額によって異なるが20%程度)の対象となった。
    また、SEZ開発を2017年4月1日以降に開始する企業に対しては、法人税免除はない。また、製造活動を2020年4月1日以降に開始する企業に対しては、法人税免除はない〔1961年所得税法 第80IAB条、第10AA条〕。

    ジェトロ:SEZにおける税制優遇措置(開発企業・入居企業)PDFファイル(156KB)

    1. 商工省:特別経済区(Special Economic Zone:SEZ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
      稼動中のSEZ一覧およびそれぞれの概要、既に設立認可を受けているSEZ一覧および同概要など参照可能。
    2. 法務省:2005年SEZ法(THE SPECIAL ECONOMIC ZONES ACT, 2005PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(414KB)
    3. 商工省:2006年SEZルール(SEZ Rules and Amendments外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    SEZ入居企業は、生産開始から5年間を1ブロックとし、以後継続的に1ブロックの輸出入収支をプラスに保つ(輸出額が輸入額を上回る)ことが義務付けられている。
    なお、SEZからの国内販売に関する上限規制はない。すなわち、SEZ内企業は製品をすべて国内向けに販売することも可能である。
    ただし、SEZは「みなし外国」扱いのため、国内購入者(輸入者)はSEZからの輸入に係る関税を支払う必要がある。

    SEZから国内販売(国内に輸入)する際、適用されるIGSTおよび特別追加税を含めた関税率は、一般の〔関税率法(Custom Tariff Act, 1975)〕に基づくレートを適用。
    GST法導入後、一定の物品(原油、高速ディーゼル、ガソリン、天然ガス、航空タービン燃料、人が消費するアルコール)に対しては、旧法の付加価値税(VAT)・物品税が引き続き課せられる。

    SEZ企業が当該物品の国内販売を行う場合には、国内購入者(輸入者)が通関を行い、基本関税とともに適用される追加関税および特別追加関税を支払う必要がある。当該物品に関する税率は、通常の輸入と同様に適用される。
    ただし、課税エリアからの中古資本財調達に関しては、全体の20%以下に抑えなければならない。
    しかし、一定の条件を満たす場合は、特別追加関税が免除される。

    間接税関税中央局(CIBC)ウェブサイト:

    ※SEZ企業による認定業務のための物品調達の際のGST・特別追加税は、課税対象外となる〔CIBC:2017年7月5日(Notification 64/2017–CustomsPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(199KB)〕。

    同様に、SEZ企業が認定業務のためのサービスを輸入する際に課されるIGSTは、課税対象外となる〔CIBC:2017年7月5日付財務省通達(Notification 18/2017 – Integrated Tax (Rate)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(187KB)〕。
    また、SEZ企業が認定業務のため、国内一般関税地域(DTA)からの物品およびサービス調達の際のGSTが課税対象外となる。
    〔2017年統合物品サービス税法IGST法(Integrated Goods and Service Tax Act, 2017:IGST法)第16条〕

  2. 100%輸出指向型企業(EOU)〔2015年~2020年外国貿易政策、項目6外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(1.57MB)
    優遇措置を受けるための条件、企業設立、輸出入手続き等は、次の外国貿易政策で規定されている。
    1. 商工省:2015~2020年外国貿易政策(Foreign Trade Policy 2015-20外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    2. 商工省:2015~2020年外国貿易政策手続きハンドブック(Hand Book of Procedures 2015-20外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    100%輸出指向型企業(EOU)として認定された企業は、「保税倉庫」としてのステイタスを付与される。
    EOUは資本財、材料、消費財を輸入する場合には、基本関税、IGSTおよび適用される特別追加税は課税対象外となる。
    ただし、当該IGSTおよび適用される特別追加税を課税対象外とする措置は2018年3月31日までの輸入についてのみで、2018年4月1日以降の輸入については、基本関税についてのみ課税対象外となる。
    また、GST登録済みの個人または法人からのEOUへの物品販売は「みなし輸出」扱いのため、販売者あるいは購買者のどちらかにおいて納付額の還付が可能となる。しかし、当該便益はサービス提供に対しては適用されないため、GSTが引き続き課税される。
    〔CIBC:2017年10月18日付Notification No.48/2017 – Central TaxPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(90kB)、2019年1月15日付Notification No.1/2019 – Central TaxPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(254KB)

    100%輸出指向型企業(EOU)が、商工省商務局外国貿易部(Directorate General of foreign Trade:DGFT)が認めた物品(宝石・宝飾部門を除く)を国内販売する場合(純外国為替収支がプラスであることを条件として)は、当該物品に適用される関税を支払うことにより可能となる。また、EOUによる国内におけるサービス提供については、FOB価格をベースとした輸出総額の50%以下、または外国為替の支払いの場合には純外国為替収支の50%以下が提供可能となる。
    宝石・宝飾企業による国内向け販売は、FOB価格をベースとした輸出総額の10%まで可能。なお、胡椒(胡椒製品を含む)、大理石等、定期的に通知される物品の国内一般関税地域(DTA)向け販売は認められていない(2015~2020年外国貿易政策、項目6.08)。

    以前の間接税体制と類似して、GST体制下でもEOUにより物品が輸入される際には基本関税が対象外となり〔2003年3月31日付関税通達(Notification No.52/2003-Customs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〕、さらにGST導入後においては、IGSTおよび適用される特別追加税も対象外となる。ただし、IGSTおよび特別追加税については、2018年3月31日までの輸入についてのみ、課税対象外となる。

    なお、ソフトウエア・テクノロジー・パーク(STP)内、エレクトロニクス・ハードウエア・テクノロジー・パーク(EHTP)内、バイオ・テクノロジー・パーク(BTP)内企業に対しても、EOUと同じ優遇措置が適用される。

    ※輸出型企業への優遇措置(原材料免税など)
    輸出振興のための各種部材関税減免スキームは、商工省「2015~2020年外国貿易政策」項目4に記載。
    関税減免スキームの概要、必要書類や申請手続きの詳細は、「関税制度‐その他」の項を参照。

医療機器・製薬分野の生産連動型インセンティブ制度(PLI)について

投資を誘致するための優遇措置を提供することは、世界中で一貫して行われていることであり、インドでは、中央政府、州政府ともに、補助金、ソフトローン、税還付などの優遇措置を提供し、対インド投資を促進してきた。
最近通知された医療機器・製薬セクター向けの生産連動インセンティブスキームは、5~6年の間に国産品の販売に連動したインセンティブ(補助金または助成金)を提供することで、国内製造を促進しようとするものである。

化学肥料省は、2つのPLIスキームを通知した。

  • 医療機器の国内製造の促進
  • 重要出発原料(KSM)/医薬品中間体・原薬の国内製造促進

このスキームは、医薬品局が指名するプロジェクト・マネジメント・エージェンシー(PMA)を通じて実施される。

医療機器・製薬セクター向けの生産連動インセンティブスキーム
No. 項目 医療機器向けのスキーム KSM/医薬品中間体/原薬向けのスキーム
1 スキームの期間 2020年度から2026年度まで 2020年度から2029年度まで
2 インセンティブ 5年間(2020年度から2025年度)の売上増に対するインセンティブのレートは5%

発酵製品の場合:最初の4年間(2023年度から2026年度まで)は20%、5年目(2027年度)は15%、6年目(2028年度)は5%の割合でインセンティブを付与

化学合成製品の場合:2022年度から2027年度の間、売上増に対して10%のインセンティブを付与

3 対象製品のセグメント 特定医療機器(癌治療機器、放射線・画像診断機器、麻酔機器、インプラントなど)

14種類の発酵ベースのKSM/医薬中間体/原薬

27種類の化学合成ベースのKSM/医薬中間体/原薬

4 制度適用の基準

3年間で18億ルピーの増資を実施

5年間の売上増加額の条件(1年目120億ルピーから5年目56億ルピーまで)

本スキームは、以下のような投資額の基準を元にしたグリーンフィールドプロジェクトからの売上に対して適用される。

40億ルピー:4種類のKSMs/医薬品中間体をベースとした発酵製品向けの投資

5億ルピー:10種類のKSM/医薬中間体/APIをベースとした発酵製品のための投資

5億ルピー:4種類のKSMs/医薬中間体をベースとした重要出発原料合成のための投資

2億ルピー:その他23種類の化学合成のKSMs/医薬中間体/原薬のための投資

基準年は 2019年度とし、スキーム期間中の投資増分と売上増分を比較する。

PLIスキームとは別に、原薬やDis、KSMを独占的に製造するための原薬パークや医療機器パークを全国的に推進するための別のスキームが通知されている。これらのスキームは、既存のインフラを強化し、国内の特定されたパーク全体で共通のインフラ施設を開発することで、産業ユニットへの容易なアクセスを提供することを目的としている。

1つの原薬パークのための最大の助成金は100億ルピーに制限される。補助金は、共通インフラ施設のプロジェクト費用の70%となる。北部および北東部の州(ヒマーチャル・プラデシュ州、ウッタラーカンド州、ジャンムー&カシミール、ラダック)の場合、助成金は、共通のインフラ施設の90%となる。

その他

特になし。

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