為替管理制度
最終更新日:2022年07月31日
- 最近の制度変更
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2023年3月8日
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2022年5月20日
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管轄官庁/中央銀行
インド準備銀行
インド準備銀行(Reserve Bank of India:RBI
/中央銀行)
所在地:Central Office Building, Shahid Bhagat Singh Marg, Fort, Mumbai - 400 001
為替相場管理
変動相場制。ただし、極端に不安定な変動局面には、インド準備銀行が介入。
貿易取引
経常勘定における為替取引は、原則自由化されている。対日貿易のほとんどはドル・ベース。ネパールとブータンとの輸出入では、インド・ルピーでの決済を義務付け。国内通貨はルピー。輸出で獲得した外貨は全額、無利子のExchange Earners Foreign Currency(EEFC)口座に外貨で保有できる。
決済通貨
輸入のための外貨取得は、ネパール、ブータンからの輸入の場合を除き自由。通常、米ドル、英ポンド、およびユーロが最も頻繁に取引されている。また、米トラベラーズチェックも、ほとんどの金融機関で自由に購入できる。
ただし、輸入製品が輸入規制対象品目の場合、外貨取得には輸入ライセンスが必要となる。
決済手段
- 輸入代金
輸入代金の支払いは、原則、船積みから6カ月以内に行わなければならない。
6カ月を過ぎても(3年未満であれば)、次の理由で輸入代金の決済が遅れている場合、承認取引銀行(AD Bank)は支払遅延を許可できる。- 荷役の数量や品質が契約不履行で係争中
- 資金難
- 輸入業者が販売業者に対して訴訟を提起している
なお、インド準備銀行(RBI・中央銀行)が、特定の業種(未加工・カット・研磨等のダイヤモンド)に対し、輸入代金の支払期間の延長のためのガイドラインを出している場合には、当該ガイドラインが適用される。
その他のバイヤーズ・クレジット、サプライヤーズ・クレジットを含む延べ払い決済による輸入決済は(船積みから3年超、または承認取引銀行に認可されていない場合)、トレードクレジット扱いとなり、管轄地域のインド準備銀行と財務省の認可取得が必要であるほか、トレードクレジットに関する政府ガイドラインに従った手続きが必要となる〔Para B.5.1, B.5.2, B.5.4 of Master Direction - Import of Goods and Services〕。
注:COVID-19の発生により、インド準備銀行(RBI)は、2020年7月31日以前の輸入品について、通常の輸入品に対する送金完了期間(履行保証等のために金額が保留されている場合を除く)を船積み日の6カ月以内から12カ月以内に延長した。
(2020年5月22日付、RBI/2019-20/242 A.P. (DIR Series) Circular No. 33)(155KB)
輸入代金の前払いについて、金額の上限はない。ただし、前払額が20万ドルを超える場合、原則として、取消不能のスタンド・バイ信用状、輸出国銀行の保証もしくは承認取引銀行(AD Bank)の保証の取得が求められる。
ただし、これらの取得が不可能な場合には、輸入者側の承認取引銀行の裁量で500万ドルまでの前払いが認められる〔Para C.1. of Master Direction - Import of Goods and Services〕。 - 輸出代金
原則として、輸出企業*は船積みから9カ月以内に輸出代金を回収しなければならない。
9カ月を過ぎても(15カ月未満であれば)、一定の条件を満たす場合、承認取引銀行(AD Bank)は輸出代金の回収の遅れを認めることができる〔Para A.2、C.20 of Master Direction - Export of Goods and Services〕。* SEZ内企業、ステータス・ホルダー輸出企業、100%輸出志向型企業(EOU)、ソフトウエア・テクノロジー・パーク(STP)内企業、エレクトロニクス・ハードウエア・テクノロジー・パーク(EHTP)内企業、バイオ・テクノロジー・パーク(BTP)内企業を含む。
一方、輸出代金の前受けの条件は次のとおり。
- 金利がLIBOR+100ベーシス・ポイント以下、もしくは金利の支払いがないこと。
- 代金の前受け後、1年以内に船積みが行われること(一定の条件をクリアすれば、1年以上の期間が経過しても認められる)。
- 前受け金の支払いを行った銀行を通じて、船積み書類がやりとりされること。
また、輸出から得た外貨は、輸出者がExchange Earners Foreign Currency(EEFC)口座で全額保有できる〔Para C.2 of Master Direction - Export of Goods and Services〕。
注:COVID-19の発生に伴い、インド準備銀行(RBI)は、2020年7月31日までの輸出品について、輸出された商品またはソフトウェアまたはサービスの輸出額の全額に相当する金額の回収およびインドへの履行期間を、船積み日の9カ月以内から15カ月以内に延長した。
(2020年4月1日付、RBI/2019-20/206 A.P. (DIR Series) Circular No. 27)(244KB)
その他外貨支払い・受け取りにかかる許認可など
配当金、技術使用や商標等の使用に関するロイヤルティーの海外への支払いについては、原則、制限がない。
貿易外取引
インド外為管理法(2000年)によると、1居住者が1年間に取得できる外貨の上限は、目的に応じて異なる。それを超える場合、インド準備銀行の事前許可が必要。
インド準備銀行は、2015年5月26日付で、送金自由化スキーム(Liberalised Remittance Scheme:LRS)による居住者(外為管理法)について、事前許可なしでの送金上限額を年間25万ドルに引き上げた。
LRSの対象となる取引は、経常勘定取引や資本勘定取引となり、経常勘定取引〔Para A 1 of Master Direction - Liberalised Remittance Scheme〕は次のとおり。
- 海外旅行(ネパールおよびブータンを除く)
- ギフトや寄付
- 雇用のための海外渡航
- 海外移住
- 海外の親類への生活支援
- 次に関する渡航費用。海外出張、海外での会議・専門的な研修への参加
- 海外での治療・健康診断に関連する費用。海外での治療・健康診断を行う患者への同行
- 留学
- その他
また、項目4. 7. 8.に記載された目的で、海外移住、治療や大学での勉学に関する費用に対して所定の条件を満たす場合には、前述のLRSの上限(25万ドル)を超える両替が可能。
資本勘定取引(Para A 6 of Master Direction on LRS)は次のとおり。
- 海外の外貨銀行口座の開設
- 海外の不動産投資
- 海外への投資
- 海外の上場および非上場会社の株式、または債務証書の保有・取得
- 海外の会社で、取締役の役職を保持するために必要な株の取得
- プロフェッショナルサービスまたは取締役報酬の対価としての海外会社の株式取得
- ミューチュアル・ファンド、ベンチャーキャピタル・ファンド、格付けされていない債券、約束手形への投資
- 所定の条件を満たす場合100%子会社および合弁会社の事業開始
- インド人の非居住者親族(当該親族は、2013年会社法に定義されている)への貸付(インド・ルピー建ての貸付を含む)
資本取引
海外直接投資は、2017年統合版FDI政策の制限リストに記載された政府の特別認可を要する規制業種以外は、自動認可される(2019年外国為替管理 (Non-debt Instruments) 規則および2020年プレスノート3も参照)。また、制限リスト以外の特定業種への投資を禁止するネガティブ・リストもある。インド証券取引所の上場インド企業の株式取得については、登録された外国機関投資家(FII)・外国ポートフォリオ投資家(FPI)また特定インド非居住者がブローカーを通じて可能。
直接投資
直接投資とは、非居住者による居住企業の株式取得、強制転換権付の優先株式や社債取得、および預託証券の取得を指す。転換権のない普通社債・優先株の発行/取得は、対外商業借入(ECB)と考えられる。
直接投資は、2017年統合版FDI政策制限リストに記載された政府の特別認可を要する規制業種以外は、自動認可される(2019年外国為替管理(Non-debt Instruments)規則も参照)。制限リスト以外の特定業種への投資を禁止するネガティブ・リストもある。
ネガティブ・リストについては「外資に関する規制」の項を参照。
インド証券取引所の上場インド企業の株式取得については、FDIの条件、インド証券為替取引所(SEBI)・インド準備銀行(RBI)の手続きガイドラインおよび評価ガイドラインに従う必要がある。上場インド企業へのFDIとは、上場インド企業の発行済み完全希薄化後の払込自己資本10%以上への出資を指す。
なお、インド国外居住者による、上場インド企業の資本調達手段への既存出資で、発行済み完全希薄化後の払込自己資本の10%未満の場合、当該出資は引き続きFDIとして扱われる。
証券投資
インド証券為替取引所(SEBI)に登録された外国ポートフォリオ投資家(FPI)は、インド国内向け送金により、インド企業の株式購入が可能。外国ポートフォリオ投資とは、インド国外の居住者による資本調達手段への投資を指す。当該投資は、次のいずれかの条件を必要とする。
- 上場インド企業の発行済み完全希薄化後の払込株式資本の10%未満
- 上場インド企業の各資本調達手段の払込価額の10%未満
2014年のSEBI(FPI)規制で規定されている外国ポートフォリオ投資家(FPI)、または投資家グループによるインド企業への投資については、次のいずれかの条件を必要とする。
- 完全希薄化後の払込自己資本の10%未満
- インド企業が発行した社債、優先株式および新株予約権の払込価額の10%未満
また、外国ポートフォリオ投資家による投資合計については、完全希薄化後の払込自己資本、または社債、優先株式および新株予約権の払込価額の24%以下にする必要がある。当該10%の制限は個別、24%の制限は合算制限と呼ばれる。インド企業は、取締役会決議および株主総会特別決議により、当該24%の制限を適用となるセクターごとのキャップまで引き上げることが可能。
対外商業借入(External Commercial Borrowing:ECB)
- 対外商業借入(ECB)の概要
対外商業借入(ECB)は、適格インド居住者が認定された非居住者から調達する商業借入(ローン)であり、最低償還期間、資金使途、オールインコストの上限金利などの条件に適合する必要がある。条件は借入全体に運用され、個別での適用ではない。
ECBを通じたフレームワークは、次の3種類で構成されている。- 中期外貨建てECB(平均償還年数3年以上5年未満):製造業分野の企業は、最低平均償還期間1年の外貨建てECBを調達することができる。
- 長期外貨建てECB
- ルピー建てECB(最低平均償還期間3年以上5年未満):製造業分野の企業は、最低平均償還期間1年のルピー建てECBを調達することができる。
- ECBの形態
ECBフレームワークは、適格インド居住者が、認定されたインド非居住者から次の形態で借入を行うことを可能とする。
- 銀行借入を含む借入
- 証券化商品(例:変動利付債、固定利付債、非転換型、任意転換型、部分転換型優先株式/債券)
- バイヤーズ・クレジット
- サプライヤーズ・クレジット
- 外貨建て転換社債(FCCB)
- ファイナンス・リース
- 外貨建て転換条項付き社債(FCEB)
ただし、登録外国人投資家(RFPI)によるインド国内の非転換社債(NCD)への投資については、ECBのフレームワークは適用されない。
- ECBの調達ルート
ECBフレームワークの下では、ECBは自動承認ルートまたは政府承認ルートのいずれかで調達することができる。自動承認ルートでは、カテゴリーIに属する承認取引銀行(AD-I)が申請内容を審査する。政府承認ルートでは、借入希望者は審査のために承認取引銀行を通じてインド準備銀行に申請を送る必要がある。規制の内容はほぼ同様であるが、それぞれのルートでは借入額、借入資格、資金使途などの条件にいくつかの違いがある。前述のECBの形態で示す6つの借入形態は、自動承認ルートと政府承認ルートの両方で調達が可能だが、FCEBは承認政府ルートのみで発行ができる。
- ECBの条件
ECBフレームワークで借入を調達する際の条件は、次のとおり。
- 最低平均償還期間:ECBフレームワークにおける3種類の借入形態の最低平均償還期間は次のとおり。
項目 中期外貨建てECB 長期外貨建てECB ルピー建てECB 最低平均償還期間 - 製造業のみ、ECBが5,000万米ドルまたはその相当額まで:1年間
- ECBが5,000万米ドルまたはその相当額まで:3年間
- 5,000万米ドルまたはその相当額を超える場合:5年間
- b.適格借主vi.に基づく適格借主については、借入金額にかかわらず3年間
- 外貨建て転換社債(FCCB)/外貨建て転換条項付き社債(FCEB)は借入金額にかかわらず5年間。FCCBのコールオプションおよびプットオプションは、5年より前に行使はできない。
金額に関わらず10年間 中期外貨建てECBと同様 - 適格借主:各ECBを調達することができる事業体は、次のとおり。
項目 中期外貨建てECB 長期外貨建てECB ルピー建てECB 適格借主 - 製造業およびソフトウエア開発業に属する企業
- 海運・航空会社
- インド中小企業開発銀行(SIDBI)
- 特別経済区(SEZ)内の事業者
- インド輸出入銀行(Exim Bank)(政府承認ルートのみ)
- 金融インフラ企業、NBFC-IFC(ノンバンク金融会社および金融インフラ企業)
NBFC-資産担保金融会社(NBFC-AFC)、持株会社、重点投資会社(CIC)。 また、全国住宅銀行(National Housing Bank)によって規制されている住宅金融会社、1963年のMajor Port Trusts Actまたは1908年のIndian Ports Actに基づいて設立された港湾信用会社(Port Trusts)も含まれる。
- 中期外貨建てECBの適格借主に該当する全ての事業体
- インド証券取引委員会(SEBI)の規制下にある、不動産投資信託(REIT)とインフラ投資信託(INVIT)
- 長期外貨建てECBの適格借主に該当する全ての事業体
- インド準備銀行の規制下にある、全てのノンバンク金融会社(NBFC)
- NBFC-マイクロファイナンス機関(NBFC-MFI)、1956/2013年会社法に基づいて登録された非営利企業、協会(Societies)、信託、協同組合(1860年社会登録法、1882年インド信託法に基づいて登録)、非政府組織(NGO)でマイクロファイナンス活動を行っている事業体
- 研究開発、教育訓練(教育機関を除く)、インフラ支援、物流サービスなどのサービスに従事する事業体。また、メンテナンス、修理、オーバーホール、貨物輸送に従事する事業体も含む。
- 特別経済区(SEZ)/国家製造投資地区(NMIZ)の製造者
- 認定貸主/投資家:認定された貸主/投資家のリストは次のとおり。
項目 中期外貨建てECB 長期外貨建てECB ルピー建てECB 認定貸主/投資家 - 国外の銀行各社
- 国際資本市場
- 多国籍金融機関(IFC、ADB等)、地域金融機関、政府系金融機関(全額または一部)
- 輸出信用機関
- 設備の供給
- 海外の株式保有者
- 国外長期投資家
- 適切に運営されている金融機関
- 年金基金
- 保険会社
- ソブリン・ウェルス・ファンド
- インド国内の国際金融サービスセンターに所在する金融機関
インド国内の銀行の海外支店・子会社(注2)
中期外貨建てECBに記載されている全ての事業体(ただし、インド国内の銀行の海外支店・子会社は除く)。 中期外貨建てECBに記載されているすべての事業体(ただし、インド国内の銀行の海外支店・子会社は除く)。
NBFC-MFI、その他適格MFI、非営利企業、NGOの場合、ECBは海外の組織(注3)および個人(注4)からも利用可能。注1:ECBを調達する資格を得るためのマイクロファイナンス活動に従事する事業体。(i)インドのAD-Iの銀行と少なくとも3年間の十分な借入関係を有していること、(ii)AD-Iの銀行から適格である事を示すデューディリジェンス証明書を取得することが必要。
注2:この要件への参加は、インド準備銀行の規制部門によって発行された基準に従う。
注3:ECBの貸付を提案する海外組織は、借主のAD銀行に対し、海外の銀行からのデューディリジェンス証明書を提出しなければならない。この銀行は、貸主の国の規制当局の規制を受け、当該国はマネーロンダリング防止(AML)/テロ資金対策(CFT)に関する金融活動作業部会(FATF)のガイドラインに準拠している必要がある。デューディリジェンス証明書は次の内容で構成されるべきである。(i)証明書を発行する銀行に口座を最低2年間維持していること、(ii)貸主が現地の法律に従って組織され、ビジネス/地域社会から高い評価を受けていること、(iii)貸主に対して係争中の刑事事件がないこと。
注4:個人貸主は、海外の銀行から、貸主がその銀行に少なくとも2年間口座を維持していることを示すデューディリジェンスの証明書を取得する必要がある。海外貸主が提出する監査済み口座明細書や所得税申告書などの他の証拠/文書については、海外の銀行が証明し、送付する必要がある。AML/CFTに関するFATFガイドラインを遵守していない国の個人は、ECBを利用することができない。- オールインコスト(AIC):オールインコストの要件は次のとおり。
- 1項
オールインコストの上限は、ベンチマークに対するスプレッド、すなわち6カ月物LIBORの年間450ベーシス・ポイントまたは各通貨に関する適用可能なベンチマーク。
債務不履行または契約条項の違反に対する違反利息は、契約利率に対し2%以内。 - 2項
6カ月物LIBORの年間450ベーシス・ポイントまたは各通貨に関する適用可能なベンチマーク。
その他の条件については、1項と同じ。 - 3項
最大スプレッドは、インド政府証券の現行利回りに対して年間450ベーシス・ポイント。
- 1項
- ECBの最終用途:調達したECBの最終用途の条件。
ECBの用途について、制限される用途は次のとおり。- インド政府が通達した"Harmonised Master List of Infrastructure Sub-sectors"に定義された安価な住宅、建設、SEZや工業団地/統合町区の開発に使用される場合を除く、不動産への投資や土地の購入
- 資本市場への投資
- 株式投資
また、中期外貨建てECBおよびルピー建てECBについては、直接・間接出資者またはグループ会社から調達する場合、平均償還年数が5年以上である場合を除き、次の用途は認められない。
- 運転資金
- 一般的な事業目的
- ルピー借入金の返済
最後に、全てのECBについて、次の用途が制限される。
- 前述のi.からvi.までの活動を行う事業体へのオン・レンディング
- 個人貸主の制限:個人貸主の限度額は、自動承認ルートで各会計年度に調達可能なECBの金額を指す。
適格借主が自動承認ルートで各会計年度当たりに調達できる、個人貸主からのECB限度額は次のとおり。- インフラおよび製造業企業、ノンバンク金融会社‐インフラ金融会社(NBFC-IFC)、NBFC‐資産担保金融会社(NBFC-AFC)、持株会社、重点投資会社に対するECBの場合、最大7億5,000万米ドルまたはその相当額までを上限とする。
- ソフトウエア開発分野の企業に対しては、最大2億米ドルまたはその相当額を上限とする。
- マイクロファイナンスに従事する企業に対しては、1億米ドルまたはその相当額を上限とする。
- その他の事業体は、5億米ドルまたはその相当額を上限とする。
前述の限度額を超えたECBの申請は政府承認ルートで行われる。ルピー建てECBの個人貸主の限度額の計算は、合意日の為替レートを考慮する必要がある。
ECBが直接出資者から調達される場合、前述の個人貸主からのECB限度額もDEレシオの要件に準ずる。借主の外国株主に対するECB負債額(全ての拠出済みECBと申請済みECBを含む)は、外国株主が出資する株式の7倍を超えてはならない。この比率は、企業が調達したすべてのECBの合計が500万米ドルまたはその相当額までの場合は適用されない。備考:ECBのDEレシオの目的のために、外国株主の自己資本を計算する際、監査済みの最新の貸借対照表による払込資本金、自由準備金(外貨で受け取った株式のプレミアムを含む)を計算することができる。借主に複数の外国株主がいる場合、当該貸主の外貨建て株式のプレミアムの部分のみが、比率の計算において考慮されるものとする。
- 借入通貨:ECBはインド・ルピーだけでなく、外貨でも調達できる。
- ルピー建てECB の場合、外国株主以外の非居住者の貸主は、インドのAD-I の承認取引銀行を通じて行われるスワップ/アウトライト取引を通じてインド・ルピーを拠出するべきである。
- ECBの通貨を、交換可能外貨から別の交換可能外貨およびインド・ルピーに自由に変更することができる。ただし、インド・ルピーからはいかなる外貨への変更も認められない。
- ECBの通貨をインド・ルピーに変更する場合、当該変更に関する当事者間の合意日の為替レート、またはECBの貸主の同意があれば合意日の為替レートよりも低いレートで変更することができる。
- ヘッジ要件:適格借主の項で適格とされた借主は、取締役会決議で承認されたリスクマンジメントポリシーを有しており、平均償却期間が5年未満の場合、ECBのエクスポージャーを常に100%ヘッジしておくものとする。さらに、AD-Iの銀行は、100%のヘッジ要件が遵守されていることを確認し、ECB Returnを通じてインド準備銀行に状況を報告するものとする。また、中期外貨建てECBおよび長期外貨建てECBの規定に基づいてECBを調達する事業体は、外貨エクスポージャーに関して関係するセクターまたは規制当局が発行するヘッジに関するガイドラインがある場合、それに従うことが求められる。
関連法
1999年外国為替管理法(Foreign Exchange Management Act:FEMA)
その他
特になし。