外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2022年07月31日

外国人就業規制

外国人の就業規制は特段ない。

在留許可

就労ビザは、国籍に応じて初回は1年までの数次ビザが発給され、以後、最大10年まで延長可能。就労ビザあるいは帯同ビザを持つ日本人の在留許可期間は、就労ビザと同じになり、1年ごとの在留許可の更新は必要なくなった。所定の技能を有する日本人の場合、初回は3年有効のビザも可能。日印社会保障協定は2016年10月1日付で発効している。
インド政府は現在、ビザの規制緩和を断続的に行っており、政府は過去1年間の規制緩和の内容をまとめて発表(2018年11月)した(Liberalization of visa Regime of India)。

ビザの過去1年間の規制緩和(Liberalization of visa regime of India during the last one year外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)2018年11月

到着時ビザ(Visa on Arrival:VOA)

インド政府は日本国民向けに、e-Tourist Visaに加えて到着時ビザを導入している。ビジネスや観光、会議への出席や医療の目的で、インドへ入国する日本人および韓国人は、到着時ビザの申請ができるようになった。
当該ビザは、滞在規定により、1年までの数次ビザが発給される。

オンラインビザ(e-Visa)

e-Visaは従来のビザに、追加導入されたオンラインビザ取得システムである。e-Visaの対象範囲は、従来の観光、商用、医療アテンダント、会議、医療ビザシステムと同じである。
e-Visaシステムの導入はビザの即時発行を目的としており、インドでの短期滞在申請者へのビザ発行を中心とする。e-Visaの申請はすべてオンラインで行われ、オンライン上の承認受領後に、申請者がインドに到着した際に、所定の空港・海港で、到着時ビザの認可・押印を取得できる。

e-Visa制度は、日本を含む170カ国の国民が使用可能で、インドへの入国は所定の28の空港と5の海港でのみ取り扱われる。本制度は、e-Tourist Visae-Business Visae-Medical Visae-Medical Attendant Visae-Conference Visaを含む。e-Visaは通常の観光、商用ビザに適用される滞在規定、登録により、インドにおいて1年までの滞在期間の数次ビザが発給される。なお、e-Visaは暦年1年間に複数回使用可能であり、外国人地域登録局(FRRO)オフィスにて30日間の延長も可能。
詳細はインド観光省が発行した通達(Government liberalizes the e-Visa regime外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で確認が可能。

通常のビザの種類

ビザは主に観光、商用、就労、学生などに分類される。期間は一般的に3カ月、6カ月、1年、3年、5年の範囲となる。2017年3月1日から、1年間有効の「インターンビザ」という新しい種類のビザが導入された。

観光ビザ(Tourist

観光ビザは、パスポートの有効期限まで6カ月以上あること、インドに居住していない、職業に就いていないこと等を条件に、インド到着時に空港でも取得できる。
観光ビザで入国する外国人に対して、過去においては、インド出国後の2カ月間は再入国が禁止されていたが、中国、パキスタンなど一部の国籍の外国人を除き、当該規制は廃止されている。

National Informatics Centree-Visa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ヘッドラインメニュー「e-visa application」をクリック)

商用ビザ(Business

商用ビザは、拠点設立の準備または設立可能性の検討、インド企業との商談、買付け等を目的に訪問する際に発給される。
商用ビザを取得できる外国人の申請者は次のウェブページを参照。

内務省(Ministry of Home Affairs:MHA):ビザ発給に関わるよくある質問(FAQs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

商用ビザの申請は、第三国のインド大使館・領事館でも可能だが、日本または当該第三国に少なくとも2年居住していない場合、ビザ発行前に大使館・領事館で本人へのインタビューが行われることがある。

就労ビザ(Employment

就労ビザは、国籍に応じ初回に限り1年間の数次ビザが発給される。以降、最大10年まで延長が可能。
就労ビザを有してインドに入国した場合、14日以内に、インド外国人地域登録局(Foreigners' Regional Registration Office:FRRO)外国人登録事務所(Foreigners Registration Office:FRO)に登録する必要がある。外国人の就業を制限する業種はない。

外国人登録局:

就労ビザの申請は、第三国のインド大使館・領事館でも可能だが、日本または当該第三国に少なくとも2年居住していることを証明する必要がある。
その他、申請者が熟練労働者・技術者・プロフェッショナルであり、かつ、年間162万5,000ルピー(修正基準値)以上の所得が保証される必要がある。
就労ビザを有する者の家族は、同期間有効の帯同ビザ(Xビザ)の発給を受けることができる。

延長手続きは、外国人地域登録局で行う必要がある。なお、就労ビザあるいは帯同(Dependent)ビザを持つ日本人の在留許可期間は、就労ビザと同じになった。
これにより、該当する日本人の駐在員は、1年ごとに在留許可を更新する必要がなくなった。
また、外国人地域登録局でビザ延長および在留許可手続きを行う際に、当該手続きを代理人が行うことも原則可能になったが、実務上関連地域の入国審査官の自由裁量により判断されている。

なお、インドに入国後14日以内に出国する外国人については、FRRO・FROに登録する必要がなくなった(インド初回入国時のみ適用)。また、FRRO・FRO当局への登録が遅れる場合には、300ドルのペナルティが科される(以前は30ドルであった)。
詳細はFRROのウェブサイト(Financial penalty regarding overstay and visa violationsPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(13KB))で確認が可能。

内務省(MHA):ビザ発給に関わるよくある質問(FAQs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

インターンビザ(Intern

内務省は今般、インドにおいてインターンシップを志望している大学を卒業した外国人に対して、インターンシップ期間、あるいは1年間のいずれか短い方のインターンビザ発給を導入した。
インターンビザは2017年3月1日に発効され、対象になる申請者の所得が年間36万ルピ―以上であることを保証する必要がある。
180日以上のインターンビザを有して、インドに入国した場合、14日以内に、インド外国人地域登録局(FRRO)に登録する必要がある。

外国人登録の電子化(e-FRRO)

インド政府は2017年度にe-FRROを導入した。これにより外国人は、登録手続きのために外国人地域登録局(FRRO)に出向く必要がなくなった。インド全国のFRRO・FRO事務所において適用となっており、次のサービスを受ける場合にはe-FRROへの登録が必須となっている。

  • 登録
  • ビザ延長
  • ビザ変更
  • 住所・パスポート変更
  • 出国許可等

e-FRROシステムの導入目的は、外国人の利便性を考えて、現金不要、ペーパーレスのサービスを提供することである。
なお、次の事項に注意が必要。

  1. 稀ではあるが、外国人地域登録局(FRRO)からインタビューが求められる可能性はあり、それはFRRO担当官の自由裁量による。
  2. 本人は登録、ビザ延長、事情変更などのコンプライアンスを行う際には、インドに滞在している必要がある。
  3. 本人はビザの失効日から2週間前までに当該コンプライアンスに関する申請書を提出する必要がある。
  4. 料金の支払い・書類へのアップロード・インタビュー等への遅れが発生した場合には、外国人がインド法により罰則・罰金対象となる。

申請手続き、登録方法などについてはe-FRRO Online Portal外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

日印社会保障協定

日印社会保障協定が2016年10月1日付で発効された。

日本・外務省:日・インド社会保障協定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日本年金機構:日インド社会保障協定 申請書一覧(加入免除手続き)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日本年金機構:日インド社会保障協定 申請書一覧(年金請求手続き)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

本協定の主要ポイントは次のとおりである。

  1. 出向先国での社会保険料支払免除
    本国(日本)の社会保障制度を適用している従業員が、雇用者の代理として出向先国(インド)で勤務する場合、出向先国(インド)での社会保障への加入が免除される。その条件として、社会保険加入証明書(Certificate of Coverage:CoC)を本国から取得する必要がある。
  2. 払込期間の通算
    給付金の受給資格判定を受けるにあたり、日本・インド両国での払込期間は通算される。
  3. 給付金の支給
    出向先国(インド)の法律に基づく給付金は、出向日本人従業員の通常の居住地が第三国でも、出向先国(インド)に住んでいる場合と同様に支給される。

日印社会保障協定の下で、インドの社会保障に加入した場合の積立基金と年金基金の払い戻しについては、次のとおり。

インドの社会保障に加入した日本人従業員による積立基金と年金基金の払戻し
項目 影響
積立基金の払戻し 日本人従業員は、インドでの雇用関係終了時に、積立基金口座にある合計残高(利息を含む)の払戻しが可能。
しかし、インド企業での勤務期間が5年未満の場合には、当該払戻し金額はインド所得税上、課税対象となる。
年金基金の払戻し(年金期間は10年以上) 派遣期間が10年を超える(インド、または日本・インド両国での通算期間)場合は、年金制度に拠出した金額より、年金を受領する資格が認められる。
派遣者は当該拠出金額を年金として受給するので、インドでの雇用関係終了時に当該金額を引き出すことはできない。
年金基金の払戻し(年金期間は10年未満) 派遣期間が10年未満(インド、または日本・インド両国での通算期間)である場合は、年金制度への拠出金額を年金として受給する資格がない。
しかし、当該金額より年金は発生しないが、58歳以上に達してから一時金を引き出すことができる。

ジェトロ:従業員積立基金(EPF)および従業員年金基金(EPS)PDFファイル(381KB)

現地人の雇用義務

連邦レベルでの義務なし。他方、州レベルでの義務がある場合がある。

その他

特になし。