農林水産物・食品マーケティング基礎情報

最終更新年月:2026年7月

人口・経済発展状況等

バングラデシュの人口、GDP、為替レート、在留邦人数、進出日系企業数等の基本情報については、概況・基本統計 を参照してください。

訪日外客数 31,019人 :日本政府観光局(JNTO)「日本の観光統計データ」2025年暫定値、訪日外客数の推移
日本食レストラン数 50店 :農林水産省「海外における日本食レストランの国・地域別概数」(2025年11月28日)

日本からの農林水産物輸出状況

輸出額順位 54位
輸出総額 4億9,795万円
農産物 3.4億円(68.5%)
林産物 120万円(0.2%)
水産物 1.5億円(31.3%)
輸出額の多い品目 配合調製飼料、播種用の種等、ペプトン等、魚油(肝油を除く)、菓子(米菓を除く)

(出所)農林水産省「2023年農林水産物・二国間貿易実績」

市場特性等

味覚・嗜好上の特徴
  • はっきりした味付けを好む。例えば、ソースやしょうゆをたっぷりつけて食べる。
  • 辛いものを好む傾向がある。辛くないものは、唐辛子などのスパイスで辛さを追加することがよくある。
  • 甘いものも好むが、食べ慣れていない食品を甘すぎると感じることがある。ドーナツをシロップ漬けしたバングラデシュスイーツ(グラブ・ジムン)が定番だが、砂糖をたっぷり使った直接的な甘さが好まれている。
  • 生ものを食べられる人は、日本に旅行に行ったことがある人や日本に親しみがある人などが多い。
制度的制約
  • 関税:輸入時に6種類の税金(一般関税、調整税、補足税、付加価値税、前払い所得税、前払い税)がかかるため高関税となる。 輸入品目によって関税率が異なるため、国会歳入庁の輸入税検索サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを事前に参照することが推奨される。
  • 輸入規制:
    1. 放射性物質検査が必要となる。
    2. 食品として適正であることの衛生証明書(Fit for Human Consumption Certificate)が障壁。
    3. 食品および飲料を輸入する場合は、いかなる種類であっても、製造年月日と消費期限を各包装や容器に明確に直接印刷する必要がある。
    4. 輸入時に必要な証明書は、バングラデシュ税関のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでHSコードごとに検索できる。
    5. 輸入する食品/食用可能な物質はすべて、次の2つの機関による法定検査を、輸入前に受けなければならない。
      • バングラデシュ基準検査機関(Bangladesh Standards and Testing Institution:BSTI)
      • バングラデシュ科学工業研究評議会(Bangladesh Council of Scientific and Industrial Research:BCSIR)
    6. 水産品など、品目によってはバングデシュ政府や政府機関の異議なし証明書(NOC)や輸入許可証(IP)が必要となる。
  • 輸入禁止品目:生きている豚、および豚から作られた加工品すべて、エビ(第03.06項の関連するすべてのHSコード)、ぶどう酒かすおよびアーゴル(第23.07項の関連するすべてのHSコード)。
  • 輸入障壁:牛肉は実質輸入不可。バングラデシュ政府が輸入に必要な書類である「異議なし証明書(NOC:No Objection Certificate)」を発行しない状況にある。
  • 日・バングラデシュ経済連携協定(EPA)が2026年2月6日に署名、牛肉、ぶり、たい、ほたて、りんご、ぶどう、緑茶、しょうゆなど日本側の多くの輸出重点品目を中心に、即時~18年以内に関税撤廃。日本とバングラデシュの国会承認待ち。
商流・物流・商習慣
物流:
  1. 日本からバングラデシュ(チョットグラム港)までの所要日数は次の通りである。
    • シンガポールやマレーシアを経由:約3週間 ※2週間以上の積み替え待ちが恒常的に発生している。
    • 日本からの直行便(横浜港・神戸港のみ):18~19日。
  2. 港や空港におけるリーファーコンテナの開閉頻度が高く、温度や湿度の徹底管理が難しいため、品質劣化のリスクがある。
決済:
  1. 基本的にL/C (Letter of Credit:信用状)決済。T/T(Telegraphic Transfer:電信)送金は国の規制により難しい。
  2. 政府の外貨準備高、バングラデシュ中央銀行・商業銀行の方針、輸入業者の都合といった複数の要因から決済遅延のリスクがある。
  • 商習慣: L/C at sight(銀行が船積書類を確認した時点で、直ちに代金が支払われる決済条件)であっても、輸入業者による貨物の引き取りが先になるケースがある。
  • 商流:輸入業者や卸売業者を介して小売店に流通している。
  • 日本産食品はタイ、ドバイから輸入されることが多いが、日本から直接輸入している輸入業者もいる。
Eコマースの概要
  • 新型コロナ禍以降、ECプラットフォームが普及した。
  • 食品を購入可能なECは、Chaldal、Daraz、BAZAR365、小売店のウェブサイトなどがある。
  • フードデリバリーサービスでは、フードパンダが普及している。
外食・小売等の状況
外食:
  1. 日本食レストランの大部分がフュージョン料理を提供、首都ダッカ(グルシャン、ボナニ、ウットラ、ダンモンディ地区)を中心に展開されている。
  2. 同じ屋号で複数の店舗を展開している日本食レストランが5つ(匠、GINZA、IZAKAYA、TOKYO KITCHEN、Wasabi)ある。
  3. 人気のメニューはサーモンロールとエビ天ぷら、餃子である。
  4. 中華料理、韓国料理、タイ料理、スペイン料理、イタリア料理などを提供するレストランが展開されている。
小売店:
  1. 構成比率:野外仮設店舗や路面店(69%)、市営市場(19%)、コンビニエンスストア(8%)、スーパーマーケット(4%)。
  2. スーパーマーケットは全国に200店舗展開(チェーンの店舗は1カウント)している。
  3. 日本産食品専門店が2026年に初オープン。現地系の小売店は拡大中。また、東アジア系の小売店では韓国系や中華系の小売店も見受けられる。
  4. 各小売店では、日本産の並行輸入品もよく見受けられる。
日本食普及状況等
  • バングラデシュの食品市場は、2020~2025年には年平均10%で拡大し、2025年には金額ベースで約1,790億米ドルに達した。
  • 世帯当たりの年間食品支出額は、2025年に約956米ドルに達し、2029年には約1,374米ドルに達すると予想されている。
  • 日本食品は導入期にある一方、バングデシュ国内の内需開拓を目指す食品企業(調味料、菓子、飲料、麺類)が増加している。
  • 正規のルートで輸入される日本産の食品が限られている一方で日本のメーカーや公式代理店を介さずに輸入されている並行輸入の日本産食品が多い。日系企業が他国で生産した商品の流通が主流である。
  • 仕入れ可能な日本産食材が限られているため、日本食レストランは品揃えの充実を期待している。
お問い合わせ先
ジェトロ農林水産食品部 市場開拓課
Tel:03-3582-5186
E-mail:afa-research@jetro.go.jp