外資に関する奨励

最終更新日:2022年03月07日

奨励業種

特別優遇措置を参照。

各種優遇措置

新たな投資への優遇措置、内国投資・投資ゾーン・技術ゾーン・フリーゾーンなどにおける優遇措置については、新投資法と施行規則によって定められている。
経済特区の優遇措置について、経済特別地区法によって定められている。

新たな投資への優遇措置

投資法(2017年法律72号)および同法施行規則(2017年首相令2310号)により、「一般」「特別」「追加」という3種類の優遇措置が規定されている。フリーゾーンへの投資を除く内国投資のプロジェクトに関しては、次のとおり優遇措置を享受できる。
※優遇措置の恩恵を受けたプロジェクトは、投資・フリーゾーン庁(GAFI)から証明書が発行される。

投資法および同法施行規則の日本語訳は次のウェブサイトを参照。
独立行政法人国際協力機構(JICA):エジプト国投資法等の翻訳資料の公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  1. 一般優遇措置
    1. 会社登録日から5年間、法定書類に関する印紙税、公証人費用が免除される。
    2. 土地の登録料が免除される。
    3. プロジェクトに必要な機械および機器に対し、2%の関税率が適用される。
  2. 特別優遇措置(新たな投資への優遇措置)

    投資法施行規則(2017年10月28日発効)の発効後3年以内に新しく設立された法人および投資プロジェクトには、創業から7年間、次の減税が適用される(ただし、減税額は資本金の80%を上限とする)。2020年内閣令7号にて、既に設立された法人の設備投資の拡大、既存の投資プロジェクトの拡大にも優遇措置の適応対象を広げた(要件:拡大するプロジェクトの会計を独立など)。2020年内閣令22号にて優遇措置の適用期間を発行後3年から6年に延長し、2023年10月29日までの適用となった。

    セクターA:

    政府が指定する地域への投資コストに関し、その50%が年間利益からの課税対象となる。対象地域には以下が含まれ、それ以外はセクターBに分類される。2022年第104号に対象となる具体的な事業分野(サブセクター)が記載されている。

    1. スエズ運河経済特区
    2. Golden Triangle経済特区
    3. ギザ県南部
    4. スエズ運河沿の一帯(ポートサイド、イスマレーヤ、およびスエズの運河東岸)
    5. 上エジプト
    6. 国境地帯(紅海一帯、サファガ南部を含む)
    7. 新行政首都

    その他、政府が随時指定地域を追加・変更可能。

    セクターB:

    政府が指定する次の事業分野では、投資コストの30%が年間利益からの控除対象となる。

    1. 労働集約的プロジェクト(従業員500人以上、人件費が投資コストの3割以上)
    2. 中小規模のプロジェクト
    3. 再生可能エネルギー・プロジェクト
    4. 高等投資評議会(Supreme Investment Council)が定める戦略的プロジェクト
    5. 高等投資評議会が指定する観光プロジェクト
    6. 高等投資評議会によって指定された電気事業
    7. エジプト国外に50%以上の製品を輸出するプロジェクト
    8. 自動車および同部品産業
    9. 木材、家具、印刷、包装、化学産業
    10. 抗生物質、がん治療および化粧品
    11. 食品・農産物ならびに農業廃棄物リサイクル
    12. エンジニアリング、金属、繊維、革産業
    13. ICT関連産業
  3. 追加優遇措置
    「特別優遇措置」の対象プロジェクトでは、政府が次のような追加優遇措置を与える場合がある。

    優遇措置:

    1. 空港・港以外での輸出入通関を許可。
    2. 電気・ガス等設備の設置費用の一部負担。
    3. 従業員に対する技術訓練費用の一部負担。
    4. 土地の割り当てから2年以内に生産を開始できた場合に、当該土地取得価格の半分を払い戻す。
    5. 土地の無償割り当て。

    追加優遇措置条件:
    以下のいずれかの条件を満たし、かつGAFIの承認が必要である。

    1. 企業の製造商品の主要生産地がエジプトである。
    2. 資金調達・外貨送金にエジプトの銀行を活用(中央銀行により規定)。
    3. 製造した商品の50%以上を輸出。
    4. 国内部品が50%以上を占める商品を生産。
    5. 最新技術分野の技術をエジプトへ移転。
    6. エジプト内の研究の結果に基づく活動。

(参考資料)ジェトロ:首相令2022年第104号(ジェトロ仮訳)PDFファイル(1592KB)

内国投資(Inland Investment

  1. 根拠法等:投資法(2017年法律72号)および同法施行規則
  2. 監督機関:投資・フリーゾーン庁(GAFI)
  3. 優遇措置等
    1. 外国資本100%による出資も可能。
    2. プロジェクトに係る土地所有も可能。
    3. 輸出義務はない。
  4. 保護等
    1. 企業・組織の国有化や資産の没収はない。
    2. 価格や利益幅の決定に関する干渉を受けることはない。
    3. 国外への外貨送金の自由を認める。
  5. 範囲:内国投資はフリーゾーン以外のゾーンにおける投資制度

参考:GAFIウェブサイト「Inland外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

投資ゾーン(Investment Zones

GAFIによる投資誘致形態として、民間開発企業が各種専門分野の投資ゾーン(物流分野、農業分野、工業団地など)の設立・誘致・運営を行うことができる。

  1. 根拠法令等:首相令2007年1675号、投資法(2017年法律72号)
  2. 監督機関:GAFI
  3. 優遇措置等
    1. 生産にかかわる輸入の通関手続きを(空港・港ではなく)投資ゾーン内で行える。
    2. ゾーン内のプロジェクトにおいては輸入業者、輸出業者の登録が不要である。
    3. 「一般優遇措置」および、条件に応じて「特別優遇措置」や「追加優遇措置」を受けることが可能である。

参考:GAFIウェブサイト「Investment Zones外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

技術ゾーン(Technology Zones

GAFIによる投資誘致形態として、民間開発企業が通信技術分野の投資ゾーンの設立・誘致・運営を行うことができる。

  1. 根拠法令:投資法(2017年法律72号)および実施規則
  2. 監督機関:GAFI
  3. 優遇措置等
    1. 活動を行うために必要となる装置・機器の租税および関税が免除される。
    2. 「一般優遇措置」および、条件に応じて「特別優遇措置」や「追加優遇措置」を受けることが可能である。

フリーゾーン(Free Zone

フリーゾーンには公設と私設の2種類があり、フリーゾーン内では、混合、調合、再梱包(リパッケージ)、製造、組み立て、加工、修理の各事業が許容される。エネルギー、アルコール飲料、銃、弾薬、爆発物の産業のプロジェクトを行うことはできない。

  1. 根拠法等:投資法(2017年法律72号)等
  2. 監督機関:GAFI
  3. 優遇措置等
    1. 関税を含むすべての税が免除(GAFIへ手数料を納める)
    2. 低賃貸料
      1. 工業プロジェクト:年間5ドル/m2
      2. 倉庫保管・サービスプロジェクト:年間10ドル/m2

    なお、イスマイリア(工業、サービスプロジェクトのみ)、ダミエッタ、シェビン・エル・コムの3つの公共フリーゾーンでは、同額の50%減額が適用される。

  4. その他
    • フリーゾーン内で事業を行う企業は、総生産量の50%超を輸出する義務がある。
    • 組立・製造業は株式資本の0.005%、倉庫やサービス業は株式資本の0.001%に相当する年間手数料をGAFIに支払わなければならない(上限はLE10万)。
    • フリーゾーンからエジプト国内に輸入される商品は、外国から商品を輸入される商品と同様に課税される。
公設フリーゾーン

公設フリーゾーンは、投資・フリーゾーン庁によって、アレキサンドリア、スエズ、ポートサイド、ダミエッタ、イスマイリアおよびカイロを含む特定の場所に設置されている。通常、輸出入手続きを容易にするため、港湾または空港に隣接した場所に位置する。

  1. 製造業:輸出時にFOB価格の1%および製造運営費用の1%相当の手数料が課される。
  2. 倉庫業:輸入時にCIF価格の2%、商品売買の際に2%相当の手数料が課される。
  3. 搬出入のない事業:総収入の1%、仲介手数料の1%相当額を半年ごとに徴収される。
私設フリーゾーン

私設フリーゾーンは、投資・フリーゾーン庁の承認を条件として、特定のプロジェクトまたは企業向けに、原材料の産地に近接する地域、もしくは事業の性質上、公設フリーゾーン以外の場所に独占的に設置される。私設フリーゾーンとして認められるためには、投資・フリーゾーン庁が定める要件を満たす必要があり、そのステータスを取得するのは、公設フリーゾーンより困難である。

  1. 製造業:国外への輸出時にFOB価格の1%および製造運営費用の1%相当の手数料が課される。国内に搬入する際は販売額の2%相当の手数料が課される。
  2. 倉庫業:輸出時にインボイスにおける収入額の2%相当の手数料が課される。
  3. 搬出入のない事業:総収入の2%、仲介手数料の2%相当額を半年ごとに徴収される。
  4. 利用条件:資本金1,000万ドル以上、投資額2,000万ドル以上、雇用500人以上、国内製造部品割合30%以上など。業種によっては輸出比率80%を求められる。
    ※2020年首相令1199号にて、私設フリーゾーンの利用条件について、担当大臣とGAFIの認可を受けた場合、一部の条件を緩和・免除する規定を追加した。

参考:GAFIウェブサイト「Free Zones外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」、「Public Free Zones外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」、「Private Free Zones外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

経済特区:Special Economic Zone(SEZ)

SEZでは、輸出を目的とする工業、農業、サービス活動向け資本設備や原材料、中間財の輸入が免税となるほか、優遇法人税率が適用され、付加価値税・間接税も免除され、労働規制も比較的緩やかである。スエズ運河経済特区(SCZone)のうち、スエズ湾北西部に指定された20.4平方キロメートルの地区はアイン・ソフナ港近くに立地し、国内・域内をはじめ、欧州、アジア、北米、アフリカ向け拠点として設置された。対象分野は、建築資材、物流サービス、ハイテク産業、バイオテクノロジー・医薬産業、自動車組立・部品産業、繊維・衣服、サービス産業(国際コールセンター等)をはじめ、供給を主としたその他分野。また2017年大統領令341号により、エジプト南部のKosair-Safaga-Qena -Qaftの地区を囲むGolden Triangle経済特区(GTZone)が設立され、管理機関の設立後、運用が開始される。

  1. 根拠法等:特別経済地区法(2002年法律83号)
  2. 監督機関:主要開発社(Main Development Company:MDC)
  3. 優遇措置等
    国内市場にアクセスできる(付加価値税は輸入部品のみに賦課。輸入者登録は不要)。

参考:スエズ運河経済特区 "Suez Canal Economic Zone外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

(参考)工業団地(Industrial Zone
  1. 各県の工業団地(Industrial Zones of Governorates
    カイロに11カ所、アレキサンドリアに8カ所ほか、ポートサイド、スエズ、シャルキーヤ、ベニスエフ、ルクソール、アスワンなど全国に設置されている。
  2. 新興都市の工業団地(Industrial Zones in the New Urban Community Cities
    カイロに4カ所、アレキサンドリアに1カ所、その他スエズやギザなど各地に設置されている。
  3. 重工業団地(Heavy Industrial Zones

GAFI:Industrial Zones外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

その他

投資法(2017年法律72号)に、企業の社会的責任に関する取り組みへの優遇措置、およびエジプト仲裁調停センターなどの設置が規定された。

企業の社会的責任として、環境保護、社会福祉、高等教育の支援、科学的研究などへの支出額について、年間収益の10%までは法人所得税控除対象となる。

投資課題における仲裁調停関連機関

新投資法により、投資に関する仲裁のため、エジプト仲裁調停センター(Egyptian Center for Arbitration and Mediation)の設立が規定された。さらに、大臣による投資紛争解決委員会(Ministerial Committee for the Settlement of Investment Disputes)および、政府機関や国営会社が当事者である「契約」に関する紛争を解決するために、大臣による投資契約紛争解決委員会(Ministerial Committee for the Settlement of Investment Contracts Disputes)の設立を規定した。

国際仲裁機関

政府機関や国営企業(政府が一部出資する企業を含む)と、海外企業・海外投資家との締結した契約に関する仲裁する国際紛争高等仲裁所(Higher Authority for Arbitration and International Disputes)を規定した(2019年首相令1062号)。
さらに、政府・国営企業が仲裁の合意前に、国際仲裁事件に関する意見・調査高等機関(Higher Authority for Studying and Opining on International Arbitration Cases)に対して報告を義務付けた(2020年首相令2592号)。