今後3カ月にわたり投資企業向け「ゴールデンライセンス」を積極的に発行

(エジプト)

カイロ発

2022年11月04日

エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は、10月29日にニューカイロで開催された展示会の開会式において、「ゴールデンライセンス」を今後3カ月、土地を購入またはレンタルする全ての投資企業に適用すると言及した。「ゴールデンライセンス」は投資法第20条および同法施行規則43条の内容を指す通称で、これによってエジプトの国家戦略に沿った投資を行う企業が、複数の省庁にまたがる行政手続きを投資・フリーゾーン庁(GAFI)で一括申請できるようになる。

2022年6月27日付首相令2300号による、「ゴールデンライセンス」の主な適用条件は以下のとおり。

  1. 投資法で定められた株式会社または有限責任会社、または、個人事業主法で定められた法人であること。資本金は、プロジェクト投資費用の20%以上で、プロジェクトの支払い能力を示すこと。
  2. 専門家による予備的なフィージビリティスタディが完了していること。
  3. 事業スケジュールを提出すること。
  4. 全てのインフラ(道路、上下水道、電気、通信、廃棄物処理)が確保されていること。
  5. 各種法令を順守すること。

エジプトでは、自動車産業をはじめとする国内製造業の育成に力を入れており、エルシーシ大統領、ムスタファ・マドブーリー首相ともに、頻繁に外国企業と面談し、投資に関する行政手続きの課題を改善すると言及してきた(2022年10月17日記事参照)。また、10月23日から25日までの3日間、大統領の呼びかけで開催された「エジプト経済会議2022」でもゴールデンライセンスの積極的な活用について提案されており、大統領は会議最終日に「議論された内容は実行に移す」と言及していた。

(福山豊和)

(エジプト)

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