エジプト新行政首都で「アフリカ2019」開催、対アフリカ投資を促進

(エジプト)

カイロ発

2019年11月29日

エジプト投資・国際協力省は11月22、23日、2020年に首都移転が予定されている新行政首都(カイロから東へ約35キロ、2019年5月1日記事参照)で「アフリカ2019」を開催した。アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領を筆頭に、ルワンダ首相、コンゴ民主共和国副首相、モロッコ外務・アフリカ協力・在外モロッコ人相、同産業・貿易・グリーン経済・デジタル経済相、南アフリカ共和国貿易産業相、欧州系やアラブ系金融機関、世界銀行、国際機関、ビジネス関係者ら参加者は2,000人を超えた。

2日間で約60人のスピーカーが、アフリカ域内の貿易促進、デジタル貿易、経済連携、女性活躍、投資機会、エネルギー開発など幅広い議論を展開した。冒頭の歓迎スピーチを行ったエルシーシ大統領は、アフリカ全土の開発・発展・育成をエジプトが主体的に行っていくとし、その後、主催者あいさつをしたサハル・ナスル投資・国際協力相は、このフォーラムがアフリカ域内のインフラ促進と自由貿易、デジタル化の活性化を通じた大陸の成長を促すことに焦点を当てているとし、今後、インフラ、輸送、再生可能エネルギー、農業分野を中心に各地でプロジェクトが実施されると述べた。参加したアフリカ関係者からも、同様のスピーチと国際金融機関などに対する支援の要請があった。

またフォーラム期間中、政府や民間部門で複数の署名が行われた。エジプトの案件では、政府間でアンゴラ(農業、観光、産業、インフラ、鉱業、建設、および健康の分野)やジブチ(経済協力)と署名したほか、アラブ経済開発クウェート基金から、北シナイと南シナイを結ぶ4番目の道路建設のための金融支援を受けることで合意した。2018年に中国と合意した衛星、教育分野の支援では、スエズ経済特区内に設置される中国技術専門学校に中国が機器を提供することも追加で合意された。現地報道によると、これまでのエジプトに対する中国の金融支援は2億9,400万ドルに上る。

2018年の「アフリカ2018」はシナイ半島のシャルム・エル・シェイクで開催されたが、今回の開催地は新行政首都に変更された。政府の方針では、2020年6月末に新行政首都への政府移転が完了の予定となっている。

(常味高志)

(エジプト)

ビジネス短信 f51ec764e3eb3413