EUメキシコFTAの現代化で何が変わるか
進出日系企業の輸出先多角化にも期待
2026年7月2日
EUとメキシコは2026年5月22日、既存の自由貿易協定(FTA)を含む通商協定を現代化する協定に署名した。現行のFTAは、2000年7月に発効した財の貿易の自由化などを規定する協定と、2001年3月に発効したサービスや投資の自由化などを規定する協定から成るが、新協定はこれらを全面的に更新することになる。協定刷新による効果が大きいとみられるのが、農業分野の貿易だ。現行協定ではEU側、メキシコ側双方で関税撤廃の対象外の農産品が多いが、新協定では多くが対象となる。工業製品分野でも、原産地規則の緩和を通じた輸出の拡大が期待できる。進出日系企業にも寄与するのは、自動車および自動車部品の原産地規則の改定であろう。
農産品・食品分野での市場アクセスが大幅に拡大
現行協定は、EUにとって中南米諸国との間の初のFTAであり、工業製品の貿易や一部のサービス貿易拡大に大きく寄与した。実際、EU・メキシコ間のモノの貿易額は、現行協定の発効後20年超で4倍超に拡大した一方、両者はその後、他国・地域との間でデジタル貿易や腐敗防止などを含むより現代的なFTAを重ねてきたため、現行協定は相対的に「時代遅れ」となっていた。FTAの現代化交渉は2016年6月に開始され、10回の交渉の後、2018年4月に大枠合意、2020年4月に最終合意に達したとされていた(2020年4月30日付ビジネス短信参照)。しかし、2018年12月に発足したアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール政権下で、EU加盟国のスペインとの間の外交関係が悪化し(2022年3月11日付ビジネス短信参照)、これが協定交渉の最終局面に大きく影響した。メキシコ政府関係者(当時)によると、メキシコとスペインの外交関係の悪化は、法的レビューにかける最終条文の確定作業を実質停止に追い込んだという。
その後2024年11月の米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏が当選し、合成麻薬や不法移民対策の不備を理由にメキシコに対する追加関税賦課の意向が表明されたことを受け、メキシコにとってEUとの経済関係強化の重要性が高まった。2025年1月17日には協定現代化交渉が終了したことがEUにより再確認され、協定条文の法的レビューを終え、2026年5月22日に署名に至った。
協定は幅広い内容を含む現代化総合協定(MGA)と、総合協定から財・サービスの貿易や投資に関する部分を切り離した暫定貿易協定(iTA)から成る。総合協定の発効には、メキシコと全てのEU加盟国における批准手続きが必要だが、iTAの場合、EU側はEU理事会の同意をもって暫定適用が可能だ。メキシコ上院がiTAの批准承認を済ませ、EU理事会が暫定発効に同意すれば、iTAは発効する。
現行協定では、工業品は段階的に関税がほぼ撤廃された一方、農産品では肉類、穀物、乳製品など多くのセンシティブ品目の関税が残され、EU・メキシコ双方にとって市場開放は限定的だった。これに対し、今回署名された新協定では、農業・水産分野の自由化が大きく進んだ。
メキシコ政府は、新協定が発効すると、メキシコ産農水産品の86%に対するEUの関税が発効時に撤廃されると説明している。また、即時撤廃されないセンシティブ品目(オレンジジュース、バナナ、蜂蜜、魚介類など)については、関税割当の設定や段階的な関税削減が行われるとしている〔2026年4月14日付メキシコ農業地方開発省プレスリリース(スペイン語)
〕。EUは4億5,000万人規模の高所得人口を抱える大市場であり、メキシコにとって、米国に集中する輸出構造を分散させる有力な受け皿となる。メキシコ政府や農業関連団体は、オレンジジュース、アガベシロップ、アスパラガス、バナナ、蜂蜜、テキーラ、メスカル、果実・野菜、畜産品などで商機が広がると見ている。
EU側にとっては、メキシコが欧州産農産品に課していた高関税の95%を撤廃することが最大の利益となる(2026年5月22日付欧州委員会プレスリリース参照
)。欧州委員会は、豚肉、鶏肉、チーズ、加工食品、ワインなどのEU産農産食品輸出拡大の可能性を強調している。
サービス、投資、政府調達は「存在」から「高度化」へ
現行協定でもサービス貿易、投資、資本移動、知的財産、紛争処理は制度化されている。新協定では、サービス分野に金融、電気通信、運輸、郵便・宅配、環境サービス、デジタル分野を盛り込み、現代的な水準に作り替えた。投資分野における重要な変化は、従来の投資家対国家の紛争解決(ISDS)メカニズムから、恒久的な裁判体を前提とする投資裁判所制度(ICS)への移行がなされていることだ。メキシコ経済省は、これにより、EU企業の対メキシコ投資だけでなく、メキシコ企業の対EU投資についても、より予見可能性の高い紛争処理枠組みが整備されると説明している(「エル・エコノミスタ」紙2026年5月18日付)。
政府調達の規定も強化される。欧州委員会によれば、新協定は中央政府の案件に加え、州レベルを含むより広い公共調達市場へのアクセスを認め、透明性や無差別原則をWTO政府調達協定(GPA)に整合的な水準へ引き上げるとしている(2026年5月22日付欧州委員会プレスリリース参照
)。
デジタル、SME、反腐敗、持続可能性など最新世代の要素を盛り込む
新協定のもう1つの特徴は、現行協定には実質的に存在しなかった「新世代ルール」が体系的に盛り込まれたことだ。EUのウェブサイトで公開されているテキストには、デジタル貿易、中小企業(SME)、良い規制慣行、透明性、腐敗防止、貿易と持続可能な開発などの章が並んでいる(表1参照)。これは、モノの貿易の自由化を重視する従来のFTAから、企業の実際の取引コストや制度的信頼性までを含めて競争条件を整える包括協定へと深化したことを意味する。
| 分野 | 現行協定(2000年/2001年発効) | 新協定(MGA、2026年署名) |
|---|---|---|
| 物品貿易 | あり。旧協定の中核を成す。 | あり。関連する貿易救済措置、衛生植物検疫措置(SPS)、貿易に関する技術的障壁(TBT)、原産地規則、税関円滑化を独立章に。 |
| 政府調達 | あり。Title III。ただし、中央政府レベルの調達のみ。 | あり。EU・メキシコ双方で州政府レベルまでの調達を解放。 |
| 競争政策 | あり。Title IV。 | あり。補助金についてのセクション、国有企業の独立章を新設。 |
| サービス | あり。一般サービスに加え、海運・金融の別章あり。 | あり。通信、宅配、デジタル貿易、国内規制(免許・認証・規格)、資格相互認証、自然人の移動のセクションを追加。 |
| 投資 | あり。投資・関連支払いを規律。 | あり。資本の移動と投資紛争解決を明確に規定。 |
| 知的財産 | あり。2000年決定では協議、2001年決定では保護。 | あり。独立章として継承して体系化。 |
| 紛争解決 | あり。2000年決定・2001年決定双方に存在。 | あり。手続きルールや行動規範を別添文書として整備。 |
| 衛生植物検疫措置(SPS)/動物福祉 | 現行協定では独立章としては前面に出ていない。 | SPS章と動物福祉・薬剤耐性(AMR)協力章を追加。 |
| 原材料/エネルギー | 現行協定では明示的な独立分野ではない。 | 原材料(戦略的鉱物資源など)、エネルギー国家主権の章を新設。 |
| デジタル貿易 | なし。2000/2001年当時の協定には想定されていない 。 | デジタル貿易の章を新設。 |
| 持続可能性・腐敗防止・中小企業・規制慣行 | 現行協定では独立章として存在しない。 | 貿易と持続的開発、腐敗防止、中小企業、透明性確保、良い規制慣行の章を新設。 |
出所:現行協定(2000年/2001年発効)および新協定(MGA)からジェトロ作成
デジタル章は、電子商取引の障壁削減やオンライン消費者保護、企業による越境オンライン取引の法的確実性向上を目指す。中小企業の章は、中小企業が必要な情報にアクセスしやすくするとともに、複雑な規制や手続きの負担を軽減することを意図している。欧州委員会は、これらの規定が中小企業に追加的な便益をもたらすと説明している。
また、環境・労働・責任ある企業行動に関しても、現行協定より実効性の高い条項が盛り込まれた。欧州委員会は、環境保護や労働権に関する約束が、専門家パネルなどの紛争処理の対象となる「執行可能な約束」である点を強調している。メキシコ企業にとっては、短期的には適合のためのコストが生じるが、中長期的には、EU市場で求められるトレーサビリティー、持続可能性、品質保証能力の底上げにつながる可能性が高い。
メキシコにとっての本質は「輸出先多角化」と「産業高度化」
メキシコ側にとって、現代化版の最大の利点は、EUを「代替市場」ではなく「第2の高付加価値市場」として位置付けやすくなることにある。EU側の発表によると、2024年のEU・メキシコ間の物品貿易額は約820億ユーロ、サービスを含む総額は1,100億ユーロ超に達している。
メキシコ側(中央銀行)の統計を見ると、2025年にEU(27カ国合計)は、メキシコにとって輸出額(財のみ)で第2位(238億1,700万ドル、シェア3.3%)、輸入額で第3位(644億8,900万ドル、9.7%)の相手国だ。こうした基盤の上に、農業、先端製造、医薬、機械、自動車部品、サービス、デジタル分野で貿易を拡大させる余地が広がる。
また、EUはメキシコの対内直接投資の重要な供給源だ。メキシコ経済省によると、2006~2025年のEUからメキシコへの対内直接投資額累計は5,267億ドルを超え、全体の27.7%を占める。メキシコにとっては、米国(全体の41.4%)に次ぐ投資国・地域だ。2026年3月末時点でEUが出資するメキシコ現地法人の数は1万4,028社に及ぶ(米国出資は2万2,484社)。トランプ政権下で対米依存リスクが意識される中、新協定は、欧州の資本・技術を取り込みながら、メキシコを北米・欧州双方に接続する輸出製造拠点として位置付ける材料となる。
もっとも、協定が発効すれば自動的に輸出が伸びるわけではない。EU市場は衛生植物検疫(SPS)、環境、労働、認証、表示、トレーサビリティーなどで世界有数の厳格さを持つため、メキシコの農家や企業にとっては、関税削減以上に非関税措置への対応能力が成否を分ける。
メキシコ全国農牧評議会(CNA)は、メキシコ産オレンジジュース、バナナ、蜂蜜、マグロ加工品、さまざまな野菜などに輸出ポテンシャルがあると見ているが、真の課題は、「欧州で売れる条件」を満たす国内供給能力の強化にあると指摘している(「エル・エコノミスタ」紙2026年5月24日付)。
進出日系企業への寄与は原産地規則の改定
メキシコ進出日系企業の対EU輸出増に寄与すると考えられるのは、自動車分野の原産地規則の改定だ。現行協定の乗用車の品目別原産地規則(PSR)は、工場渡し価格基準(Ex-Works)の取引価格に占める非原産材料価額(VNM)の割合(MaxNOM)が40%以下だが、新協定ではMaxNOMの閾値(しきいち)は、協定発効から3年間は55%以下、4~6年目は50%以下に緩和される(注1)。HS87.08項に分類される自動車専用部品のPSRの大半は、現行協定では4桁レベルの関税分類変更基準(CTC)(注2)、またはMaxNOMで40%以下だが、新協定では50%以下に緩和される(表2参照)。
| 品名 | HSコード |
現行協定 (2000年/2001年発効) |
新協定 (MGA、2026年署名) |
|---|---|---|---|
| 乗用車 | 8703 | MaxNOM 40% | MaxNOM 40%/45%(注1) |
| ピックアップトラック | 8704.21/.31 | MaxNOM 40% | MaxNOM 40%/45%(注2) |
| エンジン | 8407.34 | MaxNOM 40% | MaxNOM 50%(注3) |
| エンジン部品 | 8409.91 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| カーエアコン | 8415.2 | MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| スターター/オルタネーター | 8511.40/.50 | CTH+MaxNOM 40% orMaxNOM 30% | CTH or MaxNOM 50% |
| ヘッドランプ | 8512.2 | ||
| ウインドスクリーンワイパー | 8512.4 | ||
| カーオーディオ | 8527.21/.29 | CTH(8518/8529項を除く) or MaxNOM 50% | CTH(8529項を除く) or MaxNOM 50% |
| ワイヤーハーネス | 8544.3 | MaxNOM 50% | MaxNOM 50% |
| バンパー・同部品 | 8708.1 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| シートベルト・同部品 | 8708.21 | CTH(5806/6307項、73類を除く) or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| 車体部品 | 8708.29 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| ブレーキ系統部品 | 8708.3 | CTH(6813項を除く) or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| トランスミッション系統部品 | 8708.4 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| 駆動軸・非駆動軸・同部品 | 8708.5 | CTH(8482項を除く) or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| 車輪・同部品 | 8707.7 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| サスペンション系統部品 | 8708.8 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| ラジエーター・同部品 | 8708.91 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| 排気系統部品 | 8708.92 | CTH(73類、8421項を除く) or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| クラッチ・同部品 | 8708.93 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| ステアリング系統部品 | 8708.94 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| エアバッグ・同部品 | 8708.95 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
| その他の自動車専用部品 | 8708.99 | CTH or MaxNOM 40% | CTH or MaxNOM 50% |
注1:メキシコ⇒EUはMaxNOMが40%、EU⇒メキシコは同50%。メキシコ⇒EUは発効から3年間は55%、その後3年間は50%、7年目以降に40%となる。
注2:メキシコ⇒EUはMaxNOMが40%、EU⇒メキシコは同50%。メキシコ⇒EUは発効から7,500台の割当枠内で発効から3年間は55%、その後3年間は50%、7年目から40%となる。
注3:メキシコ⇒EUの場合、発効から6年間はMaxNOMが55%、7年目以降は50%となる。
出所:現行協定(2000年/2001年発効)および新協定(MGA)からジェトロ作成
新協定でさらに注目されるのは、協定別添3-AのSection Cの9に盛り込まれた第3国間累積の条項だ。現行協定でも、相手国の原産材料を自国の原産材料とみなす二国間累積(図1参照)が導入されているが、新協定に盛り込まれた第3国間累積とは、加盟国・地域が共通にFTAを締結する第3国の原材料を、加盟国・地域の原産材料とみなすことができる規定だ(図2参照)。
新協定では、HS87.03項の乗用車に用いられる特定の材料に関し、EUとメキシコの双方がGATT24条に準拠したFTAを締結している第3国の材料を原産材料とみなすことができるとしている。その条件として、片方の加盟国・地域と第3国との間で、材料の原産性を確認するための税関協力に関する調整がなされ、他の加盟国・地域に通知することとしている。
EUとメキシコは、双方とも日本との間でGATT24条に準拠した経済連携協定(EPA)を締結しているため、メキシコと日本で第3国間累積に関する調整がなされれば、メキシコからEUに輸出される乗用車の生産に、日本の自動車部品が原産材料として活用できる可能性がある。
注:協定の直接の締結相手国の原産材料や生産工程を累積。
条文番号は、それぞれの二国間FTA(EUメキシコは新協定)のもの。
出所:各協定条文からジェトロ作成
注:EUとメキシコFTAの直接の締約国ではない、両国と相互にFTAを締結する日本の原産材料を累積できる。
ただし、HS87.03項の乗用車をEUまたはメキシコで生産するために用いられる特定の部材のみが累積可能。
出所:新協定(MGA)からジェトロ作成
メキシコ進出完成車メーカー(OEM)は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の原産地規則、とりわけLabor Value Content(LVC)(注3)を満たすため、USMCA発効以降、米国産部品の調達を増やしてきており、その結果、完成車の価格に占めるメキシコの付加価値は下がっている。
そのため、2020年以前はEUメキシコFTAの原産地規則を満たすことができたOEMでも、現在は達成が困難な状況にあるとみられる。現在、メキシコからEUに完成車を輸出しているOEMは、フォルクスワーゲン(VW)、BMW、ダイムラー(メルセデス・ベンツ)といった欧州系OEMだが、これらのOEMは、欧州向けに本国の基幹部品を用いて原産地規則を達成することができる。
新協定が発効すれば、第3国間累積の規定を用いて日本の原産材料をEUメキシコFTAの原産材料とみなすことが可能になるため、日本製の部品を多く用いる日系OEMにとっては、欧州向け輸出がより容易になる効果が期待できる。
なお、日本がEUとの間で締結しているEPAの中にも、第3国累積の規定が存在する。附属書3-B-1のSection 5は、乗用車に用いられる、共通にFTAを締結する第3国原産のガソリンエンジン(HS84.07項)、ワイヤーハーネスなどのケーブル(85.44項)、自動車専用部品(87.08項)を原産材料とみなすことができると規定している。
この規定を用いて、日本からEUに輸出する乗用車の原産材料としてメキシコ製のワイヤーハーネスや自動車部品を用いることは可能だが、日本国内の自動車産業のサプライチェーンを考慮すれば、乗用車のPSRであるMaxNOM45%以下、RVC60%以上を満たすことは十分に可能であり、現状でメキシコ製の部品を用いる必要性は低いと考えられる。
第3国間累積は、日系OEMにとって、現時点ではメキシコからEUへの乗用車の輸出において効果が高いメカニズムといえる。
- 注1:
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メキシコからEUに輸出される乗用車の場合。MaxNOM40%は、日本が締結するEPAで一般的に用いられている控除方式の域内原産割合(RVC)では60%に相当する(ただし、分母がFOBではなくEx-Worksになる)。したがって、MaxNOMの40%から50%への引き上げは、控除方式のRVCの60%から50%への引き下げに相当する。
- 注2:
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製品に用いられる非原産材料の関税分類(HS)コードが、製品のHSコードと指定された桁数で異なれば、当該非原産材料に締約国・地域内で実質的な変更が加わったとし、原産品とみなす基準。タリフシフト、またはタリフジャンプと呼ばれる。桁数は、上2桁の変更がCC(Change of Chapter)、上4桁がCTH(Change of Tariff Heading)、上6桁がCTSH(Change of Tariff Subheading)と呼ばれ、CCが最も厳しく、CTSHが最も緩やかとなる。
- 注3:
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完成車の付加価値に占める直接工の賃金(時給)が16ドル以上の地域における付加価値の比率が、乗用車・SUVで40%、トラックで45%以上であることを求める、完成車がUSMCA原産品となるための基準の1つ。メキシコ国内に直接工の賃金が16ドル以上の地域はないため、米国またはカナダの部品を一定程度用いないと完成車はUSMCA原産品とならない。
- 執筆者紹介
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ジェトロ調査部米州課主幹(中南米)
中畑 貴雄(なかはた たかお) - 1998年、ジェトロ入構。貿易開発部、海外調査部中南米課、ジェトロ・メキシコ事務所、海外調査部米州課を経て、2018年3月からジェトロ・メキシコ事務所次長、2021年3月からジェトロ・メキシコ事務所長、2024年5月から調査部主任調査研究員、2025年4月から現職。単著『メキシコ経済の基礎知識』、共著『グローバルサプライチェーン再考: 経済安保、ビジネスと人権、脱炭素が迫る変革』、『NAFTAからUSMCAへ-USMCAガイドブック』など。





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