特集 サプライチェーンと人権

サプライチェーンが世界に張りめぐらされる今日、自社のビジネスが各国の人権にもたらす影響を認識・把握していないことは、大きな経営リスクとなりつつあります。これまで「人権」は国家と私人の文脈で捉えられてきましたが、ここのところ、企業活動の過程で生じる人権リスクに注目が集まりつつあります。海外で人権を理由とした企業のサプライチェーンに影響する規制を導入する動きが広がる中、ジェトロでは国内外の日本企業に対して、海外の主要国の対応の動向や企業としての留意点をご紹介します。

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「ビジネスと人権」早わかりガイド

急速に変化する社会情勢の中、企業の規模や事業内容にかかわらず、あらゆる日本企業において「ビジネスと人権」への取り組みは「待ったなし」の状況となっています。他方で、「「ビジネスと人権」にどのように取り組んだらよいのかわからない」という声もよく聞かれます。本ガイドは、「ビジネスと人権」への取り組みのポイントを解説しています。

ジェトロ・ILO共同調査

ジェトロ調査部とILO駐日事務所は2022年10月に共同調査の覚書を締結し、自社の企業活動やバリューチェーン上に人権を侵害するリスクに対処する「人権デューディリジェンス」に関する取り組みやビジネスと人権に関する課題や機会についての調査を実施しました。共同調査は、経済産業省からの資金拠出により、ILOが2023年4月から実施しているプロジェクト「アジアにおける責任あるバリューチェーン構築」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの一環で、バングラデシュ、カンボジア、ベトナムに活動拠点や取引先を持つ繊維・アパレル、電気・電子機器等の日本企業に取り組みについてインタビューを行い、最終報告書を作成しました。

また、最終報告書から、企業のグッドプラクティスに関する第9章を抜粋し、「責任ある企業行動と人権デューディリジェンス:日本企業のグッドプラクティス」として、企業の具体的な取り組み事例をまとめました。

併せて、上記の「日本企業のグッドプラクティス」の概要を一覧表にまとめました。

WEBセミナー

  • 【ウェビナー】サプライチェーンへ影響広まる、 欧米の人権関連法制と企業に求められる対応

    【2025年1月16日(木曜)14時00分~16時00分開催】

    日本企業が欧米向け輸出等で不利益を被ることのないよう、海外における「ビジネスと人権」に関する最新事情と人権デューデリジェンス(DD)の具体的な方法などをご紹介するウェビナーを開催します。欧米における人権デューディリジェンス法制をめぐる最新動向、企業に求められる「ビジネスと人権」の実務や実際の対応事例のほか、日本企業のグッドプラクティスをご紹介します。(収録日:2025年1月16日)

  • 【ウェビナー】何から始める人権デューディリジェンス? ―日本企業のグッドプラクティスと人権・労働に関するツールのご紹介―(オンデマンド配信中)

    【2024年3月14日(木曜)14時00分~16時00分開催】

    ILO-ジェトロがアジア3カ国(バングラデシュ、カンボジア、ベトナム)および日本国内で実施した、人権デューディリジェンス調査報告書の概要、および日本企業のグッドプラクティスについて解説しました。併せて、「国連グローバル・コンパクト-ILO共同開発のEラーニングコース」についてご紹介しています。(収録日:2024年3月14日)

  • 【ウェビナー】カナダにおける強制労働報告書作成の準備について(オンデマンド配信終了)

    【2024年2月14日(水曜)16時00分~ 17時10分(EST) /14時00分~ 15時10分(MST)/13時00分~ 14時10分(PST)開催】

    【カナダ】「サプライチェーン強制労働および児童労働防止法」の施行により、カナダにビジネスや資産を持つ一定規模以上の企業に対し「強制労働及び児童労働に関する報告書」の提出が2024年5月31日を期限に義務付けられることから、該当企業の要件や報告書に含むべき内容などについて具体的に解説しました。動画視聴はできませんが、当日資料の要約及び質疑応答シートが日英両言語にてご覧いただけます。(実施日:2024年2月14日)

「サプライチェーンと人権」に関する法制化動向

EU、英国、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペイン等欧州各国、および米国、カナダ、メキシコ、豪州における法制化の動きや、法制化を受けた企業への適用・対応事例をまとめました。

「サプライチェーンと人権」に関する法制化動向(全世界編 第1版)(2024年11月)

「サプライチェーンと人権」に関する法制化動向(米国編)(2024年11月)

特集:ウイグル強制労働防止法

海外の法令・ガイダンス

サプライチェーンと人権に関する各国法令の参考和訳やガイダンスの仮訳を原文とともに紹介します。

サプライチェーンと人権に関する関連法令(参考和訳)

欧州の法令・ガイダンス 発表日 日本語訳 原文
ドイツ連邦経済・輸出管理庁 「サプライチェーン・デューディリジェンス法に基づくリスク分析の実施ガイダンス‐リスクの特定、比較衡量、優先順位付け」 2022年8月17日 ガイダンス参考和訳PDFファイル(622KB)
ドイツ サプライチェーンにおける企業のデューディリジェンス義務に関する法律 2021年7月22日 参考和訳PDFファイル(550KB) 原文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フランス 親会社及び経営を統括する企業の監視義務に関する法律(注意義務法) 2017年3月27日 参考和訳PDFファイル(384KB) 原文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 2015年現代奴隷法 2015年3月26日 参考和訳PDFファイル(810KB) 原文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国の法令・ガイダンス 発表日 日本語訳 原文
ウイグル強制労働防止法(UFLPA)「適法性審査」の追加ガイダンス 2023年2月23日
米国国土安全保障省(DHS)中華人民共和国における強制労働によって採掘、生産、または製造された物品の輸入を防止するための戦略(ウイグル強制労働防止法(UFLPA)戦略) 2022年6月17日 原文PDFファイル(1.3MB)
米国国土安全保障省(DHS) UFLPAエンティティリスト 2022年6月17日 原文PDFファイル(1.3MB)
米国税関・国境警備局(CBP) ウイグル強制労働防止法(UFLPA)「輸入者向けの運用ガイダンス」 2022年6月13日 原文PDFファイル(561KB)
ウイグル強制労働防止法(UFLPA) 2021年12月23日 原文PDFファイル(202KB)
カリフォルニア州サプライチェーン透明法 2012年1月1日 原文PDFファイル(744KB) 原文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(51KB)

海外ビジネス情報(海外主要国の動向)

ビジネス短信

地域・分析レポート

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調査レポート

調査研究(アジア経済研究所)

ご相談

海外ビジネスにおけるサプライチェーンと人権等のご相談、経済安全保障に関するご相談は、以下窓口にて受け付けています。
日本政府から22年9月に「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 」、23年4月には関連の実務参照資料外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます が公表されたのを受け、現在は同ガイドライン及び同実務参照資料に関する相談にも対応しています。

経済安全保障・ビジネスと人権に関する貿易投資相談窓口
海外ビジネスサポートセンター 貿易投資相談課内
Tel:03-3582-5651

貿易投資相談

国際的な取り組みと日本政府の対応

参考資料

国内外の関連ウェブサイト