外資に関する規制
最終更新日:2025年12月16日
- 最近の制度変更

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2025年2月5日
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規制業種・禁止業種
石油の探鉱・採掘・生産、軍事機器製造、治安関係、ハッジ(巡礼)とウムラ(小巡礼)関連ガイド業、出版物の印刷・発行(例外あり)、人材斡旋等のサービス業など特定分野への外国資本による投資が現在は禁止されている。2024年8月7日に閣議決定された投資法、施行規則の改正により、外資参入制限分野を別途インベストメントガイドに規定することが明らかになっている。従来のライセンス制度から登録制度に見直した新投資法は2025年2月から施行されている。
現在の主な外資参入の規制・禁止業種(ネガティブリスト)は次のとおり。
- 製造業分野:石油の探鉱・採掘・生産(国連中央製品分類CPCの5115および883に該当する業種を除く)、軍事機器・装備等製造、民生用爆発物製造
- サービス分野:軍へのケータリング、治安・警備、探偵業、巡礼関連観光業、人材斡旋・採用サービス、Commission Agent(国連中央製品分類CPCの621に該当する業種)、海洋生物資源の漁獲業。
2025年1月27日から、外国人投資家がサウジアラビアの資本市場において、メッカおよびメディナ市内に不動産を所有する上場企業に投資することが許可されている。2025年2月5日付ジェトロ記事「メッカ、メディナに不動産を所有する上場企業への投資が可能に」を参照。
参考
サウジアラビア投資省(MISA):
- 新投資法(Investment Law
(ダウンロード、652KB))、施行規則(Implementing Regulations of the Investment Law
(148KB))
- インベストメントガイド第12版(Investor Guide 12th Edition
(10.6MB))
- 外資参入制限分野リスト(ネガティブリスト)は "Services Manual 11th Edition
(1.5MB)" の「14.01 Appendix(1):List of Businesses Excluded from Foreign Investment」を参照。
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UPDATED INVESTMENT LAW
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出資比率
外資100%での現地法人設立も可能だが、追加要件の確認が必要。また、業種によって出資規制がある。
- 商業(卸売業、小売業、貿易業、フランチャイズ分野など)における外資出資比率100%まで許可。
※サウジアラビアの代理店を通さない輸入品の卸売および小売業での直接取引を許可。少なくとも3つの地域または世界市場での展開実績が必要。
※合弁における商業の外資出資比率の上限は75%。 - 固定/携帯電話事業における外資出資比率の上限は60%。
- エンジニアリングコンサルティング業における外資出資比率100%まで許可。
※少なくとも4カ国での展開、ならびに10年の実績が必要。 - 法務業における外資出資比率100%まで許可。
※法務省発行の承認書が必要。 - 不動産金融事業おける外資出資比率100%まで許可。
※各プロジェクトの価値は3,000万リヤルを下回ってはならない。メッカとマディーナは除く。
参考
サウジアラビア投資省(MISA):インベストメントガイド第12版(Investor Guide 12th Edition
(10.6MB))を参照。
現地法人(有限責任会社、株式会社、簡易株式会社など)
設立の際、1人以上の株主(法人、個人のいずれでも可)の出資で設立が可能。定款に基づき、法人の目的に該当するすべての活動に従事することが可能、サウジアラビア国内での活動に基づく債務に本社は責任を負わない。
支店
本社100%の出資、定款が不要。当局より承認された目的に該当するすべての活動に従事することが可能。経営に関する権限が制限されておらず、最低資本金50万リヤルを保証金として口座に入金する必要があり、最低資本金については産業別最低資本要件を確認すること。本社側で損益通算が可能。サウジアラビアで承認された会計基準に従って、サウジアラビア国内での活動に関連する財務諸表を作成し、支店の事業年度終了日から6カ月以内に、当該書類および監査報告書を預託しなければならない。
駐在員事務所(Scientific and Technical Office)
現地代理店のサポート業務や調査業務のみなど、商業活動は不可。最低資本金について規制はないが、本国法人の財務状況の証明は必要。
サウジアラビア商業省(MoC):Companies Law
外国企業の土地所有の可否
2025年7月に発布された「非サウジアラビア人による不動産所有に関する改正法」により、居住者・非居住者を問わず、非サウジアラビア人、企業、非営利団体によるサウジアラビア国内の不動産(土地含む)所有に関しての規制枠組みが制定された。同法は2026年1月に施行される。
改正法によると、非サウジアラビア人、企業、非営利団体による不動産所有は、不動産総局により公表される所有権が許容される地理的範囲に限る。しかし、合法的にサウジアラビアに居住する非サウジアラビア人に関しては、地理的範囲外(マッカおよびマディーナ市を除く)に、個人居住用として指定された不動産物件を所有することができる(1物件のみ)。
参照:Overview Of Updated Law of Real Estate Ownership by Non-Saudis
(8.8MB)(REGA)
非サウジアラビア人による不動産所有に関する法律の改正は、プレミアム居住権保持者や湾岸協力会議(GCC)加盟国国民による不動産所有権およびその他の物権取得の特権を付与するその他の適用法令の規定は本法律に一致している。
資本金に関する規制
資本金は、進出業態、進出業種によって決められる。
以下は業種・業態別の資本金の例である。
- 商業(卸売業、小売業、貿易業、フランチャイズ分野など):外資の出資比率上限75%であれば2,667万リヤル(外資出資分)。外資100%出資の場合は3,000万リヤル以上。
その他規制
「サウジ・ビジョン2030」における投資促進策を強化・拡充の一環として、中東・北アフリカ(MENA)地域の地域統括会社(Regional Head Quarter:RHQ)制度を導入。
2024年1月からはRHQを保有しない外国企業の政府調達への参加を制限するなど、新たな調達制度の運用が始まっている。
RHQは独立した法人として、商業、サービスなどのライセンスを持つ事業会社を配下に持ち、自ら商業活動は直接行わない代わりに、経営戦略立案機能と管理機能(注1)に係る必須業務とともに、3種類以上の選択可能な補助業務(注2)を担う必要がある。
注1:経営戦略立案には、地域戦略策定・監督、戦略調整、製品・サービス配備、投資支援、財務レビュー、管理機能には、事業計画策定、予算編成、事業調整、マーケティング、事業・財務報告がそれぞれ含まれる。
注2:補助業務には、次のものが含まれる。
[1]販売およびマーケティング支援、[2]人事・人事管理、[3]研修、[4]財務管理、外国為替・資産管理、[5]コンプライアンスおよび内部監査、[6]会計・経理、[7]法務、[8]監査、[9]調査・分析、[10]アドバイザリー、[11]運営管理、[12]物流・サプライチェーンの管理、[13]国際取引、[14]テクニカルサポート、エンジニアリング支援、[15]ITネットワーク運用、[16]研究開発、[17]知財管理、[18]生産管理、[19]原材料・部品調達。
また、RHQが担うべき役割の定義のほか、15人の雇用義務、3人の上級管理職の雇用など設立時に順守すべき内容がある。RHQの管轄範囲は中東地域に限らないが中東諸国に複数のRHQを設置することについては原則認めていない。
RHQ設立インセンティブとして、政府調達への参加以外にも、サウジアラビア人雇用義務(サウダイゼーション)の免除(10年間)、法人税免除(30年間)などがある。
参考
ジェトロの記事:2023年1月13日付「政府調達における地域統括会社(RHQ)持たない企業の参加条件が決定」
ジェトロの記事:2023年10月4日付「地域統括会社(RHQ)の経営幹部にプレミアム居住権を提供」
ジェトロの記事:2023年12月7日付「サウジアラビア、地域統括会社を対象に新たな税制インセンティブ発表」
ジェトロ地域・分析レポート:2025年8月7日付「地域統括会社誘致が成長局面に突入」
その他、ローカルコンテンツ強化の動きがある。2015年12月に、国営石油会社サウジ・アラムコが国内産業奨励プログラム、国内調達比率や国内産業への貢献度を数値化するIKTVA(the In-Kingdom Total Value Add Program)を導入。2018年12月27日の勅令にてLocal Content and Government Procurement Commission が設立され、2022年9月5~6日に第1回ローカルコンテンツフォーラムが開催。第2回フォーラムは2024年11月に開催。2023年1月にはIKTVA2023フォーラム・展示会が開催された。2025年1月にはIKTVA2025フォーラム・展示会が行われた。
政府機関以外による自主規制として、調達時に地域統括会社を優先する動きは、政府機関のみならず、政府系企業の間に広がりつつあり、IKTVAでは、RHQを保有する企業を評価する際、加点する制度を既に導入している。また医療品調達会社である国家統合調達会社(National Unified Procurement Company:NUPCO)も同様の方針を明らかにしている。
自国民雇用政策「サウダイゼーション」と同政策をプログラム化した「ニタカート」は、サウジアラビア人の雇用状況に応じたペナルティーを設けている。
サウダイゼーションの詳細は、ジェトロ:「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」を参照。




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