輸出入手続

最終更新日:2021年03月24日

輸出入許可申請

特定品目の輸出入、特定の国・地域からの特定品目の輸出入に対して、輸出入許可(ライセンス)の取得が必要となる。

輸出入許可の申請・発行を担当する管轄省庁は、国際通商省(DIT)、環境・食糧・農村地域省(DEFRA)、内務省(HO)、保健省(DH)、芸術評議会(Arts Council)などで、対象品目に応じて異なる。

ジェトロ:英国 輸出入手続き 輸出入許可申請PDFファイル (584KB)

必要書類等

通関申告は原則としてオンライン上で行う。必要書類はインボイス、船荷証券(B/L)または航空貨物証書、輸出入ライセンス、原産地証明書、品質証明書など。

英国のEU離脱の移行期間が終了した2020年12月31日以降、EU加盟国との輸出入、EU加盟国を経由する輸出入もEU域外国・地域と同様の扱いとなった。
英国とEUが2019年に締結した離脱協定の「アイルランド/北アルランド議定書」は、北アイルランド和平の基盤である「ベルファスト合意」を維持することを目的に、英国の北アイルランドとアイルランドとの間の物理的な国境管理を回避するために北アイルランドが事実上、物品に関するEU単一市場に留まることなどを定めた。そのため、北アイルランドとEU、および北アイルランドと英国のグレートブリテン島の間の物品の移動の申告には通常と異なる手続きが定められている場合もある。

ジェトロ:「英国のEU離脱と離脱後の欧州ビジネス環境の変化」ページ内のPDFファイル『北アイルランドにおける/を介在するEU・英国間の通関手続き、税務(関税・VAT)、基準認証(2021年2月)』参照。

輸入

通関申告書(単一行政文書[Single Administrative Document:SAD]、通称C88フォーム)、インボイス、船荷証券(B/L)または航空貨物証書が必要。
通関時の価格について、税関より価格申告書の提出を求められることがある。

また、品目によっては輸入ライセンスや原産地証明、衛生証明などを要する場合がある。
申告内容を裏付ける書類の保存期間は4年間。

輸入者は、CHIEF(Customs Handling of Import and Export Freight)またはCDS(Customs Declaration Service)のいずれかの通関処理システムを通じて、[1]品目分類コード(Commodity Code)、[2]通関手続きコード(Customs Procedure Code)を含む輸入製品の詳細を記した通関申告書(C88フォーム、SAD)を電子申告する(特殊なケースに限り、書類による申告も可)。
申告書が歳入関税庁(HMRC)に受理され、税関での書類審査、検査などの後、輸入許可が下りるが、関税や付加価値税(VAT)を含む輸入費用の支払い、または支払い保証がなければ通関できない。
なお、一定の条件を満たした事業者は、税関貨物簡易手続き(Customs Freight Simplified Procedure:CFSP)を採ることができる。

税関貨物簡易手続き(CFSP)には、[1]簡易申告手続き(Simplified Declaration Procedure:SDP)、[2]申告者の記録による通関手続き(Entry in the Declarant’s records (EIDR))の2種類があり、歳入関税庁(HMRC)に申請書(C&E48フォーム)を提出し、認可を受ける必要がある。
事業者識別のためのEORI(Economic Operators Registration and Identification)番号の取得(後述)や、補足申告(Supplementary Declaration:SD)の提出が必要となる。
申告内容を裏付ける書類の保存期間は4年間。

品目分類コードについては「英国 関税制度:品目分類」参照。

EU離脱移行期間終了後の通関申告に関する特別措置

EU離脱移行期間終了に伴う企業への負担軽減を目的として、2021年1月1日~12月31日の期間、EUからの輸入通関申告手続きを最長6カ月間猶予し、関税の支払いも通関申告時まで繰り延べを認める。当初の予定は6月30日までの期間だったが、延長された。
物品の輸入時に輸入記録を保持し、歳入関税庁(HMRC)への物品に関する全情報の送付を、補足申告(supplementary declaration)により最大6カ月遅らせることができる。ただし、輸入規制品目には通常の通関手続きが必要となる。この措置は、北アイルランドを除くグレートブリテン島が対象となる。

輸出

輸出する場合、輸出申告書(C88フォーム、またはSADの情報をベースとする)のほか、輸出する品目や国によって、輸出ライセンスや原産地証明書、品質基準を証明する書類などが必要となる。
通常、前述の通関処理システムCHIEF内の英国輸出システム(National Export System:NES)、またはCDSを通じて、電子申告を行う。

なお、NESでは、[1]簡易申告手続き(SDP)、[2]申告者の記録による通関手続き(EIDR)の2種類の簡易輸出申告が可能となっている。
輸入の場合と同様に、歳入関税庁(HMRC)に簡易通関手続き申請書(C&E48フォーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を提出し、認可を受けるほか、EORI番号(後述)の取得や、補足申告(SD)が必要となる。申告内容を裏付ける書類の保存期間は4年間。

一時輸入・再輸出入

次の一時輸入・再輸出入の際は、関税の減免措置を含む特例が認められている。

  1. 一時措置(Temporary Admission:TA):英国内での展示会やオークションへの出品、あるいは商品サンプル・職業用具としての使用を目的に、一時輸入を行う場合。
  2. 再輸出加工(Inward Processing:IP):加工処理のために、製品を一時的に輸入し、再輸出する場合。
  3. 再輸入加工(Outward Processing:OP):加工や修繕のために、製品を一時的に輸出し、再輸入する場合。

一時輸入や一時輸出、積み替えや、英国が輸出経由国となる場合など、英国の通関処理システム(CHIEF、CDS)を通さずに、通関手続きを行う際に、通関手続き要請(C21フォーム)の提出が求められる場合がある。

一時輸入・再輸出入の詳細は「英国 関税制度:その他」参照。

査証

不要。

その他

事業者登録識別(EORI)番号、認可事業者(AEO)制度

事業者登録識別(EORI)番号

物品を英国のグレートブリテン島(イングランド、スコットランド、ウェールズ)と北アイルランドの間、または、EUを含む外国・地域などとの間で移動させる場合、通関手続きには事業者登録識別(EORI)番号が必要となる。英国で取得するEORI番号は「GB」から始まるが、北アイルランドとEU・英国以外の国・地域との輸出入には「XI」から始まる番号も取得する必要がある。

認可事業者(AEO)制度

英国は物品のセキュリティ管理と法令遵守において一定の要件を満たす事業者を、認可事業者(Authorised Economic Operators:AEO)として認定し、通関手続きの簡素化などの優遇措置を与えている。

なお、過去に英国で認定されたAEO資格は、2021年1月1日以降はEUでは無効となったため、EU側で再度取得する必要がある(一加盟国でAEOとして認定された事業者は、その他の加盟国においてもAEOとみなされる)。
英国に支店や事業を持つEU企業も同様で、新たに英国でAEO資格を取得する必要がある。英国では、歳入関税庁(HMRC)がAEOを認定する。AEOの申請に先立ち、前出のEORI番号の取得が必要となる。