メルコスール・EFTA自由貿易協定、交渉を終了
(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、メルコスール、EFTA)
ブエノスアイレス発
2025年07月22日
アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイのメルコスール加盟国およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスの欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国は7月2日、自由貿易協定(FTA)の交渉が終了したことを発表した。両地域は、2017年6月に交渉を開始し、2019年の基本合意後、交渉を継続していた。
ブラジル政府は7月2日に、EFTAとの交渉終了について声明を発表した。その中で、「保護主義と貿易の単独行動主義が拡大する中、この協定は、国際貿易が経済成長の要因として機能することを示す重要なシグナルだ」と述べ、自由貿易を推進する姿勢を示した。
両地域の共同声明によると、当該協定は、物品貿易、サービス貿易、投資、知的財産権、政府調達、競争、原産地規則、貿易救済措置、衛生植物検疫措置(SPS)、貿易の技術的障害(TBT)、法的・横断的課題(紛争解決を含む)、持続可能な貿易と開発に関する章とそれに関連する合意を網羅する。
両地域は、2025年後半の協定文書への署名を目指す。ブラジル政府が公表した協定のファクトシートによると、協定文書が各国の言語に翻訳された後に署名するEUとの協定と異なり、EFTAとの協定は、法的審査を終えた後に英語で署名される。また当該協定は、少なくともEFTA加盟国1カ国とメルコスール加盟国1カ国が批准手続きを完了したことを通知した後、3カ月目の初日に発効する。
本協定の発効により、両地域を合わせて約3億の人口と4兆3,000億ドルを超えるGDPの自由貿易圏が創出される。両地域の輸出の97%以上が市場アクセス改善の恩恵を受ける。メルコスール事務局によると、2024年1~9月のメルコスール諸国の対EFTA輸出額は33億7,300万ドル、同輸入額は39億1,600万ドル。うち、スイスとの貿易額が全体の7割を占めている(添付資料図1、2参照)。
(西澤裕介)
(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、メルコスール、EFTA)
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