日本からの輸出に関する制度

コメの輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義するコメのHSコード

1006.30:精米

タイの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2020年9月

コメ関連では保健省告示No.150「ビタミン添加米」の規格があります。

タイ産米を対象にした規格では輸出製品規格法に基づくタイジャスミン米規格など、農産物規格法に基づくタイ米規格などがあります。

2. 残留農薬および動物性薬品

調査時点:2020年9月

精米の残留農薬については、保健省告示No.387(2017年)「残留有害物質を含有する食品」に規定されており、No.387のリスト1に掲載する製造、輸入、輸出、所有が禁止されるカテゴリー4の有害物質(※)について、食品からの検出が禁止されています。これ以外については、次のように規定されています。

  1. リスト2に最大残留基準を設定
  2. 1)に規定がないものはCODEX基準に従う
  3. 1)2)に規定がないもので、リスト3の植物用規定値以外については、一律基準0.01mgを適用
  4. リスト4の外因性最大残留基準を超えてはならない
保健省告示No.387 リスト2に設定されている精米の最大残留基準(MRL)(mg/kg)
化学物質名 MRL
クロルピリホス※
chlorpyrifos
0.1
カルバリル
carbaryl
1
カルベンダジム/ベノミル
carbendazim benomyl
2
カルボスルファン
carbosulfan
残留する物質の種類:カルボスルファン
carbosulfan
0.2
残留する物質の種類:カルボフラン
carbofuran
0.1
フッ化スルフリル
sulfury fluoride
0.1
2,4-D 0.1
ジオメチカルバメート
dithiocarbamates
0.05
パラコート※
paraquat
0.05
ピリミホスメチル
pirimiphos-methyl
5
フィプロニル
fipronil
0.01
フェニトロチオン
fenitrothion
1
臭化メチル
methyl bromide
残留する物質の種類:臭化メチルやその他の物質の使用から発生する臭化物イオン。共有結合による臭素は含まない。 50
残留する物質の種類:臭化メチル(輸入検査時点) 1
残留する物質の種類:臭化メチル(販売時点) 0.01
アセフェート
acephate
1
イミダクロプリド
imidacloprid
0.05
リン化水素
hydrogen phosphide
0.1

※保健省告示No.419により2021年6月1日以降MRLの設定が廃止され、検出禁止となる。

保健省告示No.387 リスト4に設定されている精米の外因性残留基準(EMRL)(mg/kg)
食品の種類 アルドリン及びディルドリン
(aldrin and dieldrin)
クロルデン
(chlordane)
DDT エンドリン
(endrin)
ヘプタクロル
(heptachlor)
穀物 0.02 0.02 0.1 0.01 0.02
植物用規定値
保健省告示No.387(2017年) リスト3参照

なお、2021年6月1日から有効となる保健省告示No.419「残留有害物質を含有する食品」第3版により、No.387のリスト1に規定するカテゴリー4の有害物質として新たに次の5物質が追加され、食品からの検出が禁止されます。なお、この5物質については検出限界(LOD)が設定されており、食品からの検出は検出限界未満であることが求められます。

保健省告示No.387 リスト1に設定されている新たに検出禁止となったカテゴリー4の物質
食品中の残留物質 食品の種類 LODmg/kg
・クロルピリホス(chlorpyrifos)
・クロルピリホス-メチル (chlorpyrifos-methyl)
生鮮青果実およびその他の植物 0.005
穀物および乾燥豆類 0.01
肉、乳、卵 0.005
・パラコート(paraquat)
・パラコートジクロリド (paraquat dichloride)
・パラコートジメチルサルフェート {paraquat [bis (methyl sulfate)]}
またはパラコートメトサルフエート (paraquat methosulfate)
生鮮青果実およびその他の植物 0.005
穀物および乾燥豆類 0.02
肉、乳、卵 0.005

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2020年9月

食品法に基づき、保健省告示「汚染物質を含有する食品基準」において食品中に含まれる重金属および汚染食品中の重金属および汚染物質については、2020年11月16日から保健省告示No.414「汚染物質を含有する食品基準」による次の基準が適用されています。

  1. 保健省告示No.414付表1に設定する食品別の重金属、カビ毒、その他の汚染物質、放射性物質の基準値を超えないこと。
    精米の基準値として、カドミウム:0.4mg/kg、無機ヒ素:0.2mg/kgが設定されています。その他、個別の基準が設定されていない食品を対象に、スズ250 mg/kg、鉛1 mg/kg、総水銀0.02 mg/kg、総アフラトキシン20 mcg/kgが設定されています。
  2. 1以外の汚染物質については、食品および飼料中の汚染物質および毒素に関するコーデックス一般規格; CODEX STAN193-1995に規定する最大値を超えないこと。
  3. 1および2以外の汚染物質については、FAO/WHO合同食品規格 コーデックス委員会 (Codex Alimentarius Commission)の汚染物質の最大量規定指針に基づき検討する最大値を超えず、また、販売用食品製造者または輸入者が、当該の汚染物質量が許容できる最大水準内にあることを示す責任を負うこと。

また、全食品を対象に、保健省告示No.269(2003年)、No.299(2006年)において食品中不検出とする化学物質汚染に関する基準が規定されています。不検出とされる化学物質は、次のとおりです。

  1. クロラムフェニコールおよびその塩(Chloramphenicol and its salts)
  2. ニトロフラゾンおよびその塩(Nitrofurazone and its salts)
  3. ニトロフラントインおよびその塩(Nitrofurantoin and its salts)
  4. フラゾリドンおよびその塩(Furazolidone and its salts)
  5. フラルタドンおよびその塩(Furaltadone and its salts)
  6. マラカイトグリーンおよびその塩(Malachite Green and its salts)
  7. βアゴニストおよびその塩(β-Agonist chemical groups and its salts)
    1~7の物質の代謝物を含む。

4. 食品添加物

調査時点:2020年9月

食品添加物については、食品法に基づき、保健省告示 No.281(2004年)「食品添加物」に定義、品質規格など、No.381(2016年)第4版に保健省告示の規定にない食品添加物の使用に向けた手続きなど、No.418(2020年)「食品添加物の原則、条件、使用方法及び割合」(第2版)に使用基準(食品添加物名、対象とする食品、基準値など)が規定されています。なお、No.418に掲載の基準値の採用年が2020年(仏暦2663年)の食品添加物を使用している食品については、告示No.418の施行日(2020年10月10日)から2年以内にこの告示の規定を順守する必要があります。それ以外については、各種安全評価を経たうえで、食品医薬品局の承認に基づいて使用する必要があります。食品製造用の酵素の使用基準については、保健省告示No.409(2019年)「食品製造に使用する酵素」に規定されています。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2020年9月

食品法に基づき、保健省告示 No.92(1985年)、No.295(2005年)において規定されています。なお、現在、プラスチック再生ペレット由来の容器や新素材の容器の許可などについて告示の見直しが行われており、早ければ2021年中ごろに告示される予定です。

共通
清潔であること
再利用ではないこと(材質により例外あり)
健康を害する恐れのある量の重金属またはほかの物質が食品を汚染しないこと
病原菌を含有していないこと
色素が食品を汚染しないこと
プラスチック製
材質基準と溶出基準が規定されています。
セラミック・ほうろう製
鉛とカドミウムの溶出基準が規定されています。

6. ラベル表示

調査時点:2020年9月

精米の表示項目については、食品医薬品局発行のガイドラインにより、保健省告示No.383(2017年)「包装食品のラベル表示について」第2版において規定される項目のうち、少なくとも次の表示をタイ語で行うこととされています。文字の大きさなどについては、保健省告示No.383の規定に従わなければなりません。

  • 食品名(コメの種類。例:日本米、日本米(無洗米)、日本米(コシヒカリ)、もち米)
  • 輸入者の名称ならびに所在地および精米業者の名称ならびに製造国名
  • 食品の正味の重量
  • 食品名に記載した種類以外の精米が混ざっている場合は、その種類と割合
  • 賞味期限
  • 使用方法または炊飯方法

なお、ビタミン添加米の場合は、保健省告示No.150「ビタミン添加米」の規定に従う必要があります。

有機表示については、「その他」を参照してください。

7. その他

調査時点:2020年9月

なし

タイでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2020年9月

タイ保健省医薬品局、タイ商務省国内取引局、タイ商務省外国貿易局、タイ農業協同組合省農業局での事前手続きが必要です。

  1. タイ保健省食品医薬品局(FDA):販売目的で輸入する場合は輸入者が食品輸入許可書(3年間有効)を取得しておくことが必要です。精米は、食品法上「一般食品」に該当するため、食品登録番号を取得する必要はありませんが、任意で取得することも可能です。
    なお、保健省告示No.150の品質規格に従ったビタミン添加米の場合は、加工食品扱いとなり、「品質規格管理食品」に該当するため、食品登録番号を取得する必要があります。
  2. 商務省国内取引局:精米の輸入にはコメ取引業許可書(種類:輸入)が必要です。
  3. 商務省外国貿易局:精米は、貿易管理法上「貿易管理品目」となっており、関税割当制度が適用されているため、割当枠内・枠外でも事前の適用申請(関税面の権利取得証明書の申請)を行わなければなりません。申請時に、コメの取引業許可書が必要です。
  4. 農業協同組合省農業局:精米は、植物検疫法上「輸入制限品目」となっており、植物検疫法に基づく輸入申告書を提出しなければなりません。また、輸入時には輸出国からの植物検疫証明書が必要です。
食品輸入許可書の取得(Orr.7)
申請場所
食品医薬品局(FDA)内ワンストップサービスセンター1階
審査後約7~10日で許可書が発行される。
必要書類
申請書チェックリスト
輸入許可申請書(様式Orr.6):法人登録証明書と同じ署名権限者が署名
添付書類(法人の場合)
  • 申請者の身分証明書および住居登録証(タビアンバーン)コピー:外国人の場合はパスポートと労働許可証のコピー
  • 法人登録証コピー:6カ月以内に発行されたもので、販売目的の食品輸入に関する目的が記されたもの。
  • 株主名簿(BorOrrJor5)コピー:外国籍の法人の場合は外国人事業許可証のコピーまたは投資奨励カード(BOIカード)を添える。
  • 事業運営者任命・委任書:収入印紙30バーツを添付
  • 法人の署名権限者の身分証明書コピー:外国人の場合はパスポートのコピー
食品輸入場所・保管場所に関連する書類
  • 食品輸入場所および保管場所の住居登録証コピー
  • 施設利用同意書の原本または賃貸契約書コピー(あれば)
食品輸入施設・保管施設に関する図表
  • 輸入施設/保管施設の周辺の建物の地図
  • 保管施設内のレイアウト
食品輸入許可申請書類の内容保証書(施設の検査を受けない場合のみ:施設の条件を満たしていることを保証する書類)
輸入施設/保管施設の写真
委任状(事業運営者が申請を委任する場合)
食品登録番号(通称:オーヨーマーク)の取得する場合(ビタミン添加米など)
申請場所:
タイ保健省食品医薬品局(FDA)のe-submissionシステム(オンライン)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
手順
  1. e-Authentication外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでアカウントを作成する。
  2. 食品事務局第5ビルでe-submissionシステム使用申請書を提出する。
  3. e-submissionシステム上で製造場所証明書(GMP製造基準適合証明書)をアップロードする。
  4. 食品登録/詳細通知書(Sor.Bor.7)の情報を入力する。
  5. 支払い指示書を印刷し、申請手数料を支払う。
  6. e-submissionシステム上で番号が発行される。
必要書類
製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)(※)
輸入許可書番号

※GMP製造基準適合証明書について
GMP製造基準適合証明書(Primary GMP製造基準適合証明書含む)は、タイの法令に適合している旨の証明書や、CODEX食品規格の一般原則、HACCPシステム、ISOマネジメントシステムなどに関する規格の適合証明書(ISO 9001、ISO 22000など)も使用できます。日本からの輸出の場合は、食品衛生法(昭和22年法律第233号)第52条に基づく営業許可証などで代替できる場合もあります。

これらの証明書の発行者としてタイ政府が認めているのは、(1)食品製造国の政府機関、(2)政府機関の認証を受けた組織、(3)タイ国内にある食品製造国の大使館、(4)国際的な認証機関です。なお、在タイ日本国大使館では上記の証明書の発行は行われていません。また、国際的な認証機関は、国際認定機関フォーラム(IAF)のメンバーとなっている機関が認定した認証機関などが該当するとして、制度の運用がなされています。

証明書がタイ語・英語以外で記載されている場合は、タイ語または英語に翻訳したものの用意が必要です。翻訳については、(1)食品製造国にあるタイ大使館、(2)タイ国内にある食品製造国の大使館、(3)政府機関、(4)国際基準に関する資格を有している民間企業のいずれかによる翻訳証明が必要です。

原本ではなく写しの証明書を使用する際には、(1)証明書発行機関、(2)タイ国内にある食品製造国の大使館、(3)政府機関、(4)公的に権限を与えられた者のいずれかによる原本証明(写しが原本と相違ないことの証明)が必要です。

また、証明書に有効期限が明示されていない場合は、証明書交付後1年以内のもののみが使用できることになります。

コメ取引業許可書の取得(種類:輸入kor.kor.9)
申請場所
国内取引局コメ取引情報データベースシステム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
必要書類(法人の場合)
申請書(kor.kor.1)
コメ取引の目的が記載された会社登記証明書
株主名簿(Bor.Or.Jor.5)
代表者のIDカードコピー
会社所在地の地図
委任状、委任者と受任者のIDカードコピー
関税面の権利取得証明書の取得
手順
輸入者は外国貿易局の登録データベース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、許可書/証明書発行システム利用者登録を行う。
輸入者は外国貿易局の証明書発行システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて申請書、その他の必要書類を提出する。割当外の場合は、申請書提出の前に割当外の納税権利取得証明書申請権利者登録を行う。
外国貿易局外国貿易サービス事務所で証明書を受け取る。
必要書類
申請書(WTO:割当内Ror1、WTO:割当外Ror3、JTEPA:Tor1のいずれか。)
添付書類
  • 日本からの植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)
  • 日本からの特定原産地証明書(Certificate of Origin: C/O)
  • インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)もしくは航空貨物運送状(Air Waybill)
会社登記証明書(目的にコメの輸入が記載されたもの)
タイ商務省国内取引局発行のコメの取引業許可書(種類:輸入)
植物検疫法に基づく輸入申告書の提出
手順
輸入者は農業局農業事務所で植物輸入申告書提出/許可書発行システムの利用者登録を行う。
植物輸入申告書提出/許可書発行システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて、申請書、その他の必要書類を提出する。
受理番号が発行される。
必要書類
植物輸入申告書(P.Q.5)
日本からの植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)
会社登記証明書
会社代表者のIDカード
インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)もしくは航空貨物運送状(Air Waybill)
申請を委任する場合は委任状

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2020年9月

日本・タイ経済連携協定(JTEPA)適用税率の権利を得る場合、日本商工会議所発行の「特定原産地証明書」(Preferential Certificate of Origin)とタイ商務省外国貿易局発行の「関税面の権利取得証明書」が輸入時に必要となります。

通関手続きの概要は次のとおりです。

  1. 輸入申告書に関する情報を端末上(NSWシステム)で関税局に送付する。(P.Q.5受理番号が必要)
  2. 内容が確認された後、検査指示と輸入申告書番号が発給される。
  3. 納税する。
  4. 検疫、衛生検査
  5. 検査合格後、植物の持ち出し許可書(P.Q.6)が発行され、税関職員に連絡される。
  6. 検査指示に従う。
    • グリーンライン(検査免除)の場合は、貨物の受け取り手続きに進む。
    • レッドライン(要検査)の場合は、職員の検査を受けたうえで貨物の受け取り手続きに進む。
必要書類
輸入申告書
日本の検疫証明書
インボイス
パッキングリスト
船荷証券(B/L)もしくは航空貨物運送状(Air Waybill)
食品輸入許可書(Orr.7)
関税面の権利取得証明書
日本からの植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)
原産地証明書(Certificate of Origin: C/O)(該当する場合)
受理番号の入った植物輸入申告書(P.Q.5)

ビタミン添加米の場合は、輸入前に関税局のNSWシステムから輸入申告の際に必要なLPI(License Per Invoice)番号を取得しておくこと、製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)を食品医薬品検査所情報システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに登録しておくことが必要です。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2020年9月

コメは、農業協同組合省農業局管轄の植物検査所において、植物検疫法に基づく検査および食品法に基づく残留農薬検査、重金属などの抽出検査が行われます。

4. 販売許可手続き

調査時点:2020年9月

コメの輸出/輸入/精米/仲買人/卸/取引所に関する事業については、コメ取引業許可書が必要です。この許可書の有効期限は許可書発行年の12月31日です。

申請先
商務省国内取引局
手順
コメ取引情報データベースシステム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの利用者登録を行う。
情報を入力し、必要書類を添付する。
審査を受け、手数料を支払う。
申請した商務事務所で許可書を受け取る。
必要書類(法人の場合)
申請書
コメ取引の目的が記載された会社登記証明書
株主名簿(Bor.Or.Jor.5)
代表者のIDカードコピー
会社所在地の地図
委任状、委任者と受任者のIDカードコピー

5. その他

調査時点:2020年9月

なし