日本からの輸出に関する制度

水産物の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する水産物のHSコード

0302:魚(生鮮、冷蔵)
0303:魚(冷凍)
0304:魚のフィレその他の魚肉(生鮮、冷蔵、冷凍)
0305:魚(乾燥、燻製、塩蔵、塩水漬け)
0306:甲殻類(生鮮、冷蔵、冷凍、乾燥、塩蔵、塩水漬け、燻製)、蒸気または水煮による調理をした殻付きの甲殻類
0307:軟体動物(生鮮、冷蔵、冷凍、乾燥、塩蔵、塩水漬け、燻製)
0308:水棲無脊椎動物(生鮮、冷蔵、冷凍、乾燥、塩蔵、塩水漬け、燻製)

タイの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年10月

水産物については、保健省告示 No.264(2002年)においてフグ全種類およびフグの身を成分に含む食品の製造、輸入、販売が禁止されています。
なお、「キハダマグロおよびその製品」に設定されていた貿易管理法上の規制は2019年6月に廃止されています。

また、保健省告示により次の食品は輸入が禁止されています。

  • 食品ではないものを含む食品(食品の品質維持や調理目的のもので、かつ消費者の健康被害がないものは例外とする。)
  • 遺伝子組み換えまたは遺伝子工学によりCry9C DNA Sequenceを有する食品およびこの食品を成分として含有する食品
  • 次の(1)〜(13)およびこれを原料とする食品
    1. 臭素化植物油
    2. サリチル酸
    3. ホウ酸
    4. ホウ砂
    5. 塩素酸カリウム
    6. クマリンまたは1,2−ベンゾピロンまたは5,6−ベンゾ−α−ピロンまたはcis-O −クマル酸無水物またはo−ヒドロキシケイ皮酸ラクトン
    7. ジヒドロクマリンまたはベンゾジヒドロピロンまたは3,4-ジヒドロクマリンまたはヒドロクマリン
    8. ジエチレングリコール、ジヒドロキシジエチルエーテル、ジグリコール、2,2'−オキシビスエタノール、2,2'−オキシジエタノール
    9. ズルチンまたは4-エトキシフェニル尿素またはパラ - フェネトールカルバミド
    10. AF − 2または2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリルアミドまたはフリルフルアミド
    11. 臭素酸カリウム
    12. ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド溶液、パラホルムアルデヒド
    13. メラミンおよびその類縁体(シアヌル酸)
  • 保健省告示No.424で指定される植物、動物、動植物の部位80種類

その他、保健省告示No.390(2018年)「販売用製造、販売用輸入、販売食品における材料使用基準、条件、方法」において、ヨウ素酸カルシウムやステビアなどの使用基準が規定されています。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2021年10月

水産物(加工品を除く)をタイに輸入する場合、輸出者側の漁獲証明書(Catch Certificate)、通関書(Custom Clearance)、輸出申告書(Custom Declaration)、政府機関により発行された水産物輸出許可書(Export permit)、水産物輸出証明書(Certificate for Export)(例:水産物衛生証明書(Health Certificate)、原産地証明書(Certificate of Origin、商工会議所法第9条第1項第6号)など、合法的な漁業による水産物であることを示す書類(いずれか1枚)が必要です。

また、2018年2月以降、マグロ類(すぐに食べられる状態ではない場合)を輸入する場合は、違法漁業による水産物の輸入を防ぐ目的で、漁獲証明書(Catch Certificate)、漁業原産地証明書(Fisheries Certificate of Origin)、船長による陳述書(Captain statement)など「漁船名、漁獲量、漁獲地、漁獲時期が記された書類」(いずれか1枚)を提出する必要があります。証明書の詳細は農林水産省のウェブサイト「まぐろ類の輸出証明書の発行に関する手続き」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを確認してください。

種類および数量の仕分けが不明確なコンテナ収納の冷凍マグロ・カツオ(TUNA:HSコード0303.41.00, 0303.42.00, 0303.43.00,0303.44.00, 0303.45.00, 0303.46.00, 0303.49.00, 0303.59.90)については、通関書(Custom Clearance)もしくは輸出申告書または政府機関により発行された水産物輸出証明書のいずれか1枚およびドルフィンセーフ認証、船長による陳述書、漁業原産地証明書が必要です。これら書類の書式については、関連リンクの「水産動物の起源を確認するためのガイドライン(タイ水産局)」を参照してください。また、EU輸出向けの加工用に輸入する場合はEU向けの漁獲証明書(EU Catch Certificate)が必要です。

GMP製造基準適合証明書について

食品医薬品委員会事務局は、食品の製造方法などに関する基準を定めており、タイ国内の食品製造施設に基準の順守を求めています。輸入品については、タイ国内と同レベル以上の製造施設で製造されていることを担保するため、告示で定められる基準と同等以上の基準に基づく規格などの証明書(GMP製造基準適合証明書)を提出することが求められています。個別商品の登録を行う場合は、登録時と輸入通関時に提出することが必要となっています。個別商品の登録を行わない場合は、輸入通関時に提出が求められます。
輸入時にGMP製造基準適合証明書が求められる食品は、加工なしの生鮮水産物、アルコール飲料を除くほぼすべての食品となるため、食品製造施設で加工(水産物丸ごとのままの冷凍を含む)された水産物の場合は必要です。特定の生鮮青果物については保健省告示第386号で指定、その他の食品については、2021年2月に従来の告示9本が統廃合・改正された保健省告示第420号で指定されており、水産加工品は第420号の対象となります。保健省告示第420号の施行日は2021年4月11日ですが、施行日前に食品輸入許可証(Orr.7)を取得していた場合のみ、2021年10月7日から適用されます。この保健省告示第420号では、食品共通で順守することが求められる基本要求事項が定められているほか、飲料水、ミネラルウオーター、氷には個別要求事項1が、低温殺菌ミルク製品には個別要求事項2が、密閉容器に入った低酸性食品/飲料には個別要求事項3への対応がそれぞれ追加で求められます。保健省告示第420号の適用に伴う主な変更点は次のとおりです。

  • GMP製造基準適合証明書が求められる食品の範囲が拡大している。
  • ISO9001は食品製造に特化した規格ではないとしてGMP製造基準適合証明書としての使用が認められなくなる。

この証明書については、次の2つの条件を満たすことが必要です。
(1)保健省告示第420号に定められた基準と同等以上の基準に基づく規格などの証明書であること。
(2)保健省の認める発行主体(ア.食品製造国の政府機関、イ.食品製造国の政府が認めている認証機関、ウ.IAF(International Accreditation Forum)メンバーでIAFから認められた認定機関によって認定された認証機関、またはエ.Guidelines for the Design, Operation, Assessment and Accreditation of Food Import and Export Inspection and Certification Systems (CAC/GL 26-1997)に準拠した検査および認証システムを備えた機関など、信頼性のある機関のいずれか)が発行した証明書であること。
タイ保健省からはISO22000の適合証明書などが具体例として挙げられていますが、具体例として公表されていない場合でも、法令に適合していれば使用可能なものがあります。例えば、日本の食品衛生法第55条(2021年6月の改正前は第52条)に基づく営業許可証は、従来、保健省告示第193号などの要求を満たす証明書として使用されてきており、保健省告示第420号の基本要求事項を満たす証明書としても使用可能とされています。
なお、証明書がタイ語または英語でない場合は、タイ語または英語への翻訳が必要です。翻訳は(1)製造国のタイ国大使館または領事館、(2)タイ国内の食品製造国の大使館または領事館、(3)国際的水準の翻訳機関、(4)証明書に表示されている言語について学士課程以上の水準の教育を修了したタイ人、(5)その言語の高等教育機関の教師のいずれかから、正しい翻訳である旨の証明を受ける必要があります。
原本ではなく写しを使用する場合は、(1)証明書発行機関、(2)タイ国内の食品製造国の大使館、(3)食品製造国の政府機関、(4)政府機関に認められた者のいずれかから、原本と相違ない旨の証明を受ける必要があります。
また、証明書に有効期限が記載されていない場合は、証明書発行日から1年以内は使用可能となります。

表.使用することができる証明書の例
食品の種類 順守が求められる規定 使用することができる証明書の例 すべての食品で使用可能な証明書
大半の食品 保健省告示第420号基本要求事項
  • Good Hygiene Practices (GHPs).
  • Global Seafood Assurances Global Aquaculture Alliance Best Aquaculture Practices (BAP)
  • SQF:Edition 8.1
  • SQF:Edition 9 など
  • なお、日本の食品衛生法第55条(旧第52条)に基づく営業許可証も使用可能。また、青果物の場合は、保健省告示第386号に基づく証明書も使用可能(行政機関による衛生証明書、JFS規格適合証明書、J-GAPなど)。
  • ISO22000:2005.
  • FSSC 22000
  • Global Standard for Food Safety Issue 8 British Retail Consortium.
  • International Food Standard;IFS
  • JFS-B
  • JFS-C
  • 農林水産省発行の GMP証明書 (保健省告示386号で指定される青果物を除く)
一部青果物(さつまいも、柿、桃など)
飲料水、ミネラルウオーター、氷 保健省告示第420号基本要求事項および個別要求事項1
  • CAC/RCP 48-2001.
  • CAC/RCP 33-1985.
  • SQF:Edition 8.1
  • SQF:Edition 9など
低温殺菌ミルク製品 保健省告示第420号基本要求事項および個別要求事項2
  • CAC/RCP 57-2004.
  • SQF:Edition 8.1
  • SQF:Edition 9など
密閉容器に入った低酸性・酸性化食品/飲料 保健省告示第420号基本要求事項および個別要求事項3
  • Global Seafood Assurances Global Aquaculture Alliance Best Aquaculture Practices (BAP)
  • CAC/RCP 23-1979.
  • CAC/RCP 40-1993.
  • SQF:Edition 8.1
  • SQF:Edition 9など
保健省告示第386号で指定される青果物 (りんご、いちごなど) 保健省告示第386号
  • CAC/RCP 53-2003
  • LOBAL G.A.P. / ASIA GAP / J-GAP
  • 行政機関発行の証明書
  • JFS規格適合証明書など
  • GLOBAL G.A.P. / ASIA GAP / J-GAP

日本・タイ経済連携協定(JTEPA)税率、日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)税率の適用を受ける場合、輸出者側の特定原産地証明書が必要です(日本商工会議所が発給)。

関連リンク

関係省庁
水産庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ財務省関税局(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ農業協同組合省水産局(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
2015年水産勅令(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(424 KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1,270 KB)
2017年水産勅令(第2版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(138KB)
水産局告示(2017年)「水生動物または水産物輸入許可申請及び許可における原則、方法、条件」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(190KB)
水生動物および生産資材取引管理部告示「マグロ輸入許可申請時の書類添付協力」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(57.9KB)
水産局告示(2020年)「種類及び数量の仕分けが不明確なコンテナ収納の冷凍マグロを輸入する場合の輸入許可申請・許可における原則、方法、条件」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(321KB)
1979年食品法(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(828 KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(114KB)
保健省告示No.420(2020年)「食品の製造方法、製造におけるツール・用具及び保管」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(473KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(187KB)
食品医薬品委員会事務局告示 「保健省告示No.420「食品の製造方法、製造におけるツール、用具及び保管」に関する説明」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.3MB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(294KB)
食品医薬品委員会事務局告示「食品輸入用の製造システム規格書又は証明書」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.5MB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(238KB)
保健省告示No.420の付表と同等以上の食品製造システム規格の例(タイ語・規格名は英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(123KB)
財務省告示「日本原産品の関税減免」(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2.7MB)
財務省告示「ASEAN・日本自由貿易協定の関税減免」(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.3MB)
その他参考情報
保健省告示No.420に該当する輸入農産物・食品・製造工程を検討するためのガイドライン(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ水産局「水生動物の起源を確認するためのガイドライン」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.6 MB)
日本商工会議所EPAにもとづく特定原産地証明書発給事業外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
水産庁 水産物輸出に係る手続きについて外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2021年10月

日本から水産物を輸出する場合の検疫は必要ありません。

タイの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2021年10月

農産物規格法に基づく任意規格として、「MARINE SHRIMP」、「GIANT FRESHWATER PRAWN」、「ASIAN SEABASS」、「SOFT SHELL MUD CRAB」、「QUICK FROZEN FISH FILLETS」などがあります。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2021年10月

残留農薬規制
食品中の残留農薬については、保健省告示No.387「残留有害物質を含有する食品」、No.393「残留有害物質を含有する食品」第2版に規定されおり、No.387のリスト1に掲載する製造、輸入、輸出、所有が禁止されるカテゴリー4の有害物質(※)について食品からの検出が禁止されています。これ以外については、次のように規定されています。
  1. リスト2に最大残留基準を設定
  2. 1に規定がないものはコーデックス基準に従う
  3. 1、2に規定がないもので、リスト3の植物用規定値以外については、一律基準0.01mgを適用
  4. リスト4の外因性最大残留基準を超えてはならない
水産物における外因性残留基準(EMRL)(mg/kg)(保健省告示No.387リスト4より抜粋)
食品の種類 アルドリンおよびディルドリン(aldrin and dieldrin) クロルデン(chlordane) DDT エンドリン(endrin) ヘプタクロル(heptachlor)
魚、貝類、無脊椎動物の肉 0.2(脂肪) 0.05(脂肪) 1(脂肪) 0.05(脂肪) 0.2(脂肪)
また、2021年6月1日から有効となった保健省告示No.419「残留有害物質を含有する食品」第3版により、No.387のリスト1に規定するカテゴリー4の有害物質として新たに次の5物質が追加され、食品からの検出が禁止されています。なお、この5物質については検出限界(LOD)が設定されており、食品からの検出は検出限界未満であることが求められます。
保健省告示No.419により新たに規制の対象となった有害物質
食品中の残留物質 食品の種類 LODmg/kg
  • クロルピリホス(chlorpyrifos)
  • クロルピリホス-メチル(chlorpyrifos-methyl)
生鮮青果実およびその他の植物 0.005
穀物および乾燥豆類 0.01
肉、乳、卵 0.005
  • パラコート(paraquat)
  • パラコートジクロリド(paraquat dichloride)
  • パラコートジメチルサルフェート{paraquat [bis (methyl sulfate)]}またはパラコートメトサルフエート(paraquat methosulfate)
生鮮青果実およびその他の植物 0.005
穀物および乾燥豆類 0.02
肉、乳、卵 0.005
(この表内の肉とは、植物由来の飼料が与えられている動物全般の肉を意味する。) ※保健省告示におけるカテゴリー4の有害物質の定義Mbr> 「1992年有害物質法に基づく工業省告示有害物質リスト」に基づく製造、輸入、輸出、所有が禁止される有害物質
動物用医薬品残留規制
保健省告示 No.303(2007 年)において44グループの動物用医薬品の最大残留基準(MRL) が規定されており、水産物については次のとおりです。
水産物における動物用医薬品の最大残留基準(MRL)
動物用医薬品名 対象動物 対象部位 MRL
単位:mg/kg
(動物組織/臓器/生産物)
Chlortetracycline/Tetracycline 魚(Fish
ウシエビ(Giant Tiger Prawn
すべての部位 使用禁止
Oxytetracycline 魚(Fish
ウシエビ(Giant Tiger Prawn
筋肉 200
Deltamethrin 鮭(Salmon 筋肉 30
Flumequine マス(Trout 筋肉 500

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2021年10月

2020年11月16日から保健省告示No.414「汚染物質を含有する食品基準」による次の基準が適用されています。

  1. 保健省告示No.414付表1に設定する食品別の重金属、カビ毒、その他の汚染物質(塩化ビニルモノマーなど)、放射性物質の基準値を超えないこと。
  2. 1以外の汚染物質については、食品および飼料中の汚染物質および毒素に関するコーデックス一般規格; CODEX STAN193-1995に規定する最大値を超えないこと。
  3. 1および2以外の汚染物質については、FAO/WHO合同食品規格 コーデックス委員会 (Codex Alimentarius Commission)の汚染物質の最大量規定指針に基づき検討する最大値を超えず、また、販売用食品製造者または輸入者が、当該の汚染物質量が許容できる最大水準内にあることを示す責任を負うこと。

病原性微生物に関する規制については、保健省告示No.416(2020年)「食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件、分析方法」に規定されています。リスト2で食品別の基準値が掲載されている場合を除き、リスト1に掲載されている食品の病原性微生物は不検出となっています。そのほか、分析方法を確認することができます。

また、全食品を対象に、保健省告示No.269(2003年)、No.299(2006年)において食品中不検出とする化学物質汚染に関する基準が規定されています。不検出とされる化学物質は、次のとおりです。

  1. クロラムフェニコールおよびその塩(Chloramphenicol and its salts)
  2. ニトロフラゾンおよびその塩(Nitrofurazone and its salts)
  3. ニトロフラントインおよびその塩(Nitrofurantoin and its salts)
  4. フラゾリドンおよびその塩(Furazolidone and its salts)
  5. フラルタドンおよびその塩(Furaltadone and its salts)
  6. マラカイトグリーンおよびその塩(Malachite Green and its salts)
  7. βアゴニストおよびその塩(β-Agonist chemical groups and its salts)
    1~7の物質の代謝物を含む。

4. 食品添加物

調査時点:2021年10月

食品添加物については、食品法に基づき、保健省告示 No.281(2004年)「食品添加物」に定義、品質規格など、No.381(2016年)第4版に保健省告示の規定以外の使用に向けた手続きなど、No.418(2020年)「食品添加物の原則、条件、使用方法及び割合」(第2版)に使用基準(食品添加物名、対象とする食品、上限値など)が規定されています。なお、基準値の採用年が2020年の食品添加物(No.418のリストを参照)を使用している食品については、告示No.418の施行日(2021年10月10日)から2年以内にこの告示の規定を順守する必要があります。
また、食品製造用の酵素の使用基準については、保健省告示 No.409 (2019年)「食品製造に使用する酵素」に規定されています。そのほか、食品別に保健省告示で規定されている場合は、当該告示に従う必要があります。それ以外については、各種安全評価を経たうえで、食品医薬品局の承認に基づいて使用する必要があります。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2021年10月

食品法に基づき、保健省告示 No.92(1985年)、No.295(2005年)において規定されています。なお、現在、食品容器の告示の見直しが検討されています。

共通
清潔であること
再利用ではないこと(材質により例外あり)
健康を害するおそれのある量の重金属またはほかの物質が食品を汚染しないこと
病原菌を含有していないこと
色素が食品を汚染しないこと
プラスチック製
材質基準と溶出基準が規定されています。
セラミック・ほうろう製
鉛とカドミウムの溶出基準が規定されています。

6. ラベル表示

調査時点:2021年10月

包装食品の表示項目については、保健省告示「包装食品のラベル表示について」において、加工されていない生鮮食品(冷蔵・冷凍を問わず)やタイ保健省食品医薬品局(FDA)から記載が免除された場合を除き、タイ語による次の表示が義務付けられています。

  • 食品名
  • 食品登録番号(通称:オーヨーマーク)
  • 輸入者の名称、所在地、製造業の名称、製造国名
  • 食品量
  • 主要原材料(重量の割合の多いものから順に記載)
  • アレルギー情報(対象となるアレルゲンは、グルテンを含む穀物、甲殻類、卵・その製品、魚類・その製品、ピーナッツ・その製品、大豆、乳・乳製品(乳糖を含む)、木の実およびこれらの製品、10mg/kg以上の亜硫酸塩。牛乳(fresh cow’s milk)、ローストナッツなどアレルゲンを主成分とし、食品名に明示されている食品は除く。)
  • 食品添加物の機能分類名と特定の名称またはINS番号
  • 「天然香料添加」、「天然模倣香料添加」、「合成香料添加」、「天然フレーバー添加」、「天然模倣フレーバー添加」(使用している場合)
  • 「賞味期限」または「消費期限」とともに食品の保存期間が90日以下の場合は「日・月・年」、90日超の場合は「日・月・年」または「月・年」を表示する。これ以外に、食品個別の告示で指定されている場合は、「製造」または「消費期限」を表示する。月は数字でも文字でもよい。日付が日・月・年、月・年の順ではない場合、表示形式を説明する分かりやすい記述が求められる。
  • 注意事項(あれば)
  • 適切な保存方法(あれば)
  • 調理方法(あれば)
  • 乳幼児、特定グループを対象としている場合はその使用方法と注意事項
  • 保健省告示No.401に規定する追加情報(該当する場合)

また、燻製食品及び一部の塩蔵・塩漬け食品(製造工程、成分による)は前述に加えて、保健省告示No.237(2001年)「調理済み食品およびすぐに食べられる食品のラベル表示」で規定される内容にも従う必要があります。

  • 食品名
  • 食品登録番号(通称:オーヨーマーク)
  • 輸入者の名称、所在地および製造国名
  • 食品量
  • 「保存料使用」(使用している場合)
  • 「天然色素使用」または「人工色素使用」(使用している場合)
  • 「__を化学調味料(food enhancers)として使用」(使用している場合)
  • 背景の反対色の高さ2mm以上の文字で「__を人工甘味料として使用」(使用している場合)
  • 「天然香料添加」、「天然模倣香料添加」、「合成香料添加」、「天然フレーバー添加」、「天然模倣フレーバー添加」(使用している場合)
  • 「賞味期限」または「消費期限」とともに「日・月・年」を表示する。すぐに食べられる食品の場合、これに加えて「製造」とともに製造した「日・月・年」を表示する。月は文字でもよい。
  • 適切な保存方法(あれば)

7. その他

調査時点:2021年10月

なし

タイでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2021年10月

タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)、タイ農業協同組合省水産局で事前手続きを行います。

1. タイFDAでの手続き
販売目的で輸入する場合は輸入者が食品輸入許可書(Orr.7)(3年間有効)を取得しておくことが必要です。食品は「食品法(Food Act 1979)」に基づき、特別管理食品(Specific Control Food)、品質規格管理食品(Quality or Standard Control Food)、表示管理食品(Label Control Food)および一般食品(General Food)の4種に分類され管理されています。水産物は加工程度などにより異なりますが、おおむね一般食品に該当し、食品登録番号(通称:オーヨーマーク)を取得する必要はありませんが、任意で取得することも可能です。取得しない場合は、通関用に食品登録番号に代わる疑似番号を取得する必要があります。
2. 水産局での手続き
販売目的で水産物を輸入する者は、各地区の水産事務所で水産物取扱業者登録(登録日から3年間有効)を行います。また、水産局の申請システムである水産シングルウインドウ(Fisheries Single Window-FSW)で、水産勅令に基づく水産動物/水産物輸入許可書(DOF2)および動物伝染病法に基づく動物輸入承認通知書(Ror.6)を取得しておく必要があります。この許可書の有効期間は60日です。申請時には漁獲証明書など、合法的な漁業による水産物であることを示す書類が必要です。
なお、2018年2月以降、マグロ類(すぐに食べられる状態ではない場合)を輸入する場合は、漁船名、漁獲量、漁獲地、漁獲時期を記した書類が必要です。また、種類および数量の仕分けが不明確なコンテナ収納の冷凍マグロ類については、通知書(CT01)および通関書(Custom Clearance)、または輸出申告書または政府機関により発行された水産物輸出証明書、ドルフィンセーフ認証、船長による陳述書、漁業原産地証明書のほか、EU輸出向けの加工用に輸入する場合はEU向けの漁獲証明書(EU Catch Certificate)が必要です。

1-1 食品輸入許可書の取得(Orr.7)

申請場所:
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)のe-submissionシステム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  1. デジタル政府開発事務局ウェブサイト(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますe-submissionへのログイン時に使用するアカウントを作成(OpenID)する。
  2. 食品医薬品委員会事務局または事業所が地方にある場合は当該県の保健事務所においてe-submission使用許可申請と必要書類を提出すると、システム内に事業者のMASTER DATAが作成され、3営業日以内に使用が許可される。
必要書類(法人)
  • 事業運営者委任任命書(収入印紙30バーツを貼付)
  • 事業運営者の身分証明書と住居登録証の写し(外国人の場合はパスポートと労働許可証の写し)
  • 法人登録証写し(6カ月以内に発行された、販売目的の食品輸入に関する目的 が記されたもの。)
  • 法人の署名権限者の身分証明書またはパスポートの写し
  • 輸入施設の住居登録証写し
  1. e-submission(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにログインし、事業者のMASTER DATAを確認し、申請書と必要書類をアップロードする。申請手数料(5,000バーツ)を支払う。
    • 輸入許可申請書(様式Orr.6)
    • 株主名簿(BorOrrJor5)写し(6カ月以内に発行されたもの)
    • 外国籍の法人の場合は外国人事業許可証のコピーまたは投資奨励カード(BOI カード)
    • 食品保管施設の住居登録証写し
    • 施設賃貸契約書写し(あれば)
    • 食品輸入施設、保管施設の地図
    • 食品輸入許可申請書類の内容保証書(施設の条件を満たしていることを保証する書類)
    • 食品輸入施設、保管施設のカラー写真
  2. FDAが審査、許可された場合は許可証手数料支払指示書が発行される。
  3. 許可証手数料(1万5,000バーツ)を支払う。
  4. e-submissionシステム上で許可証番号と許可証を取得する。

1-2 食品登録番号(通称:オーヨーマーク)を取得する場合(食品個別の登録)

申請場所:
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)のe-submissionシステムシステム(オンライン)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
所要日数:
即時発行または1~3営業日
手順:
  1. デジタル政府開発事務局ウェブサイト(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで作成したアカウントでe-submissionシステムにログインし、製造業者からの製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)をアップロードする。
  2. 食品登録/詳細通知申請書(Sor.Bor.7)の情報を入力する。
  3. 支払指示書を印刷し、申請手数料200バーツを支払う。
  4. e-submissionシステム上で発行される食品登録番号の入った食品詳細通知証明書(Sor.Bor.7/1)を印刷する。
必要書類:
  • 食品登録/食品詳細通知書(Sor.Bor.7)(システム内でこの様式を選択する。)
  • 製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)(※)
※詳細は、「輸入規制」の「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等」を参照。

1-3 疑似番号の取得(食品登録番号を取得しない一般食品)

手順:
  1. 食品医薬品委員会事務局食品部で疑似番号システム使用申請書と必要書類を提出する。(3営業日以内に承認される)
必要書類:
  • システム使用申請書
  • 法人登記証明書(6カ月以内に発行されたもの)
  • 法人の権限者の身分証明書写し
  • 食品輸入許可証写し(Orr.7)
  • 委任状(収入印紙30バーツ)と委任者と代理人の身分証明書写し(委任する場合)
  1. 疑似番号システム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから「販売用一般食品輸入(FG)」を選び、食品情報(商品名、製造者名、製造国、HSコードなど)を追加入力する。
  2. データ記録ボタンを押し、U1FGから始まる疑似番号を取得する。

2-1 水産物取扱業者登録証(TorBor.2)の取得

手順:
  1. 輸入者は各地区の水産事務所で、必要書類を提出する。
  2. 内容の確認を受け、登録証受理予約票を受け取る。
  3. 水産局のデータベースに登録され、登録証が発行される。
  4. 予約票記載の日に登録証を受け取る。
申請場所:
  1. 水産物取扱業者登録申請書(TorBor.2-1)
  2. 添付書類
    • 申請者の身分証明書/パスポートコピー(個人の場合)
    • 法人登録証コピー
    • 法人代表者の身分証明書/パスポートコピー
    • 委任状(該当する場合)

2-2 水産動物または水産物輸入許可書(DOF2)および動物輸入承認通知書(Ror.6)取得

手順:
  1. 輸入者は水産局で水産シングルウインドウ(Fisheries Single Window(FSW)) システムの利用者登録を行う。
  2. FSWシステムを通して申請書、必要書類を提出する。
  3. 書類に不備がなければ、水産動物輸入許可書(DOF2)、水産動物輸入承認通知書(Ror.6)が発行される。
申請場所:
水産局FSWシステム(Fisheries Single Window(FSW))(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
必要書類:
  1. 水産動物輸入許可申請書(DOF1)
  2. 動物輸入許可申請書(Ror.1/1)
  3. 添付書類
    • 合法的な漁業による水産物であることを示す書類
    • 漁船名、漁獲量、漁獲地、漁獲時期を記した書類(すぐに食べられる状態ではないマグロ類の場合)
    • 種類および数量の仕分けが不明確なコンテナ収納の冷凍マグロ輸入通知書(CT01)および必要書類(該当する場合)
    • WSSV,YHV,TSV,IHHNV,IMN病フリーを示す証明書(エビ類の場合)
    • メロ漁獲証明書(Dissostichus Catch Document)またはメロ輸出/再輸出証明書(Dissostichus Export/Re-Export Document)(メロ(Dissostichus spp.)の場合)
    • インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)
    • 申請者の身分証明書/パスポートコピー(個人の場合)
    • 法人登録証コピー
    • 法人代表者の身分証明書/パスポートコピー
    • 委任状(該当する場合)

関連リンク

関係省庁
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ農業協同組合省水産局(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
1979年食品法(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(828 KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(114KB)
保健省告示No.420(2020年)「食品の製造方法、製造におけるツール・用具及び保管」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(473KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(187KB)
(ジェトロ仮訳)
食品医薬品委員会事務局告示 「保健省告示No.420「食品の製造方法、製造におけるツール、用具及び保管」に関する説明」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.3MB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(294KB)
食品医薬品委員会事務局告示「食品輸入用の製造システム規格書又は証明書」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.5MB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(238KB)
保健省告示No.420の付表と同等以上の食品製造システム規格の例(タイ語・規格名は英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(123KB)
2015年水産勅令(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(424 KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1,270 KB)
2017年水産勅令(第2版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(138 KB)
水産局告示(2017年)「水生動物または水産物輸入許可申請及び許可における原則、方法、条件」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(190KB)
水産局規則「水産養殖農家及び水産物取扱業者登録」(2013年)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(7,993KB)
水生動物および生産資材取引管理部告示「マグロ輸入許可申請時の書類添付協力」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(57.9KB)
水産局告示(2020年)「種類及び数量の仕分けが不明確なコンテナ収納の冷凍マグロを輸入する場合の輸入許可申請・許可における原則、方法、条件」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(321KB)
水産局規則(2010年)「海エビの輸入について」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(411KB)
水産局告示「特定の水産物の輸入許可書申請時の必要書類の追加魚種:Toothfish(Dissostichus spp.)」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(707KB)
水産局規則(2016年)「水産局のインターネットを介した中央申請リンクシステム及び許可書・証明書サポートシステム利用登録」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(788 KB)
2015年動物伝染病法(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(838KB)
畜産局告示「動物輸入輸出経由許可書申請発行」(2015年)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(64KB)
農業協同組合省告示「2015年動物伝染病法に基づくその他の動物」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます) (134KB)
その他参考情報
輸入許可証申請書提出先の変更(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)
食品輸入許可申請チェックリスト(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(176 KB)
食品輸入許可証申請書(Orr.6)提出マニュアル(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.4MB)
e-submissionユーザーマニュアル(Sor.Bor.7)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3582KB)
e-submissionによる許可所要日数(Sor.Bor.7)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(124KB)
ジェトロ「輸出入手続き」

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2021年10月

水産物については、タイFDAから水産局への食品輸入検査業務移管が行われた品目と業務移管が行われていない品目があり、後者の場合、輸入者はNSWシステムにおいて食品医薬品局輸出入検査部からLPI(License Per Invoice)番号を取得しておく必要があります。移管された品目については、関連リンク「食品医薬品委員会事務局告示「農業協同組合省内機関への食品輸入検査業務移管」」に掲載されている統計品目コードを参照してください。

通関手続きの概要は次のとおりです。

輸入前
  1. 輸入者は、次のいずれかから通関者登録を済ませておく。
  2. 製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)食品医薬品検査所情報システム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに登録する。(該当する場合)
  3. 関税局のNSWシステムから輸入申告の際に必要なLPI(License Per Invoice)番号を取得する(輸入検査業務が水産局に移管された品目は除く)
輸入日
  1. 輸入申告書に関する情報をNSWシステム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで関税局に送付する(業務移管が行われていない品目の場合は、LPI番号が必要)
  2. 内容が確認された後、検査要否の指示と輸入申告書番号が発行される。
  3. 納税する。
  4. 検疫、衛生検査
  5. 動物輸入許可書(Ror.7)および輸入水産動物移動証明書(IMD)が発行される。
  6. 2の検査指示に従い、貨物の受け取り手続きに進む。
必要書類
  • 輸入申告書
  • インボイス
  • パッキングリスト
  • 船荷証券(B/L)もしくは航空貨物運送状(Air Waybill)
  • 食品輸入許可書
  • GMP製造基準適合証明書(該当する場合)
  • 特定原産地証明書(Certificate of Origin)(該当する場合)
  • 水産動物/水産物輸入許可書(DOF2)
  • 動物輸入承認通知書(Ror.6)
  • 漁獲証明書などの合法的な漁業による水産物であることを示す書類
  • マグロ類の輸入に必要な書類(該当する場合)
  • マグロ類の輸入に必要な書類(該当する場合)
  • コンテナ収納の冷凍マグロの輸入に必要な書類(該当する場合)
  • WSSV,YHV,TSV,IHHNV,IMN病フリーを示す証明書(エビ類の場合)
  • メロ漁獲証明書(Dissostichus Catch Document)またはメロ輸出/再輸出証明書(Dissostichus Export/Re-Export Document)(該当する場合)

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2021年10月

水産物を輸入する場合は、輸入業者が水産局の申請システムである水産シングルウインドウ(FSW)を通して輸入許可申請書(検疫)(Ror.1/1)を貨物到着の前日までに水産局に提出し、輸入承認通知書(Ror.6)および水産動物/水産物輸入許可書(DOF2)を取得しておかなければなりません。この通知書および許可書を輸入時に提出する必要があります。水産物検査所の担当官により検査が必要と判断されたものについては検査(書類、現物)を受け、問題がなければ動物輸入許可書(Ror.7)および輸入水産動物移動証明書(IMD)が発行されます。

申請先:水産局 FSWシステム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

また、水産物は、タイFDAから水産局への食品輸入検査業務移管が行われた品目(1)と業務移管が行われていない品目(2)があり、食品法に基づいた残留化学物質、重金属などの検査については、(1)の場合は水産局管轄の水産物検査所において、(2)の場合はタイFDA管轄の検査所において行われます。

4. 販売許可手続き

調査時点:2021年10月

フグおよびフグを原材料に含む食品の販売は禁止されていますが、その他の販売規制は特にありません。

5. その他

調査時点:2021年10月

なし

タイ内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2021年10月

輸入関税については、最高税率のほかに、関税率勅令第12条に従い減免された基本税率(一部対象外)、WTO税率、日本・タイ経済連携協定(JTEPA)税率、日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)税率が設定されています。水産物のJTEPA適用税率については、HS0302~0308の食品は0~5%となっています。

2. その他の税

調査時点:2021年10月

輸入額(CIF)と関税額の合計に付加価値税(VAT)7%が課税されます。

3. その他

調査時点:2021年10月

通関手数料は200バーツです。
輸入申告書入力代行手数料(入力を依頼する場合)は100バーツです。

その他

調査時点:2021年10月

有機認証
現在、タイにおける有機食品に関する法律、基準は次のとおりです。これらの認証を受けた製品はOrganic Thailandのマークが与えられます。
  • 農産物規格法(2008)第2版(2013)第3版(2018)
  • タイ農産物規格有機農業(TAS9000)
    第1部 有機生産物、加工、表示、製造販売(TAS9000-2009)
    第2部 有機畜産物(TAS9000-2011)
    第3部 有機水産物飼料(TAS9000-2009)
    第4部 有機米(TAS9000-2010)
    第5部 有機魚(Snakeskin Gourami)(TAS9000-2010)
    第6部 有機蜂(TAS9000-2013)
  • タイ農産物食品規格有機海エビ養殖(TACFS7413-2007)
認定機関はタイ農産物食品規格局で、認証機関は農業局、米局、水産局、畜産局、生産システム認証機関(ICAPS)、タイ科学技術研究所(TISTR)などとなっています。
有機表示
日本の有機JASなどを含め、有機認証マークをパッケージに表示する場合は、その認証書の期限が切れていなければ、表示することが可能です。また、包装に「Organic」と表示することについても同様に、取得した有機認証書の期限が切れていなければ、表示することが可能です。この認証書は、食品登録番号を取得する食品の場合は、食品登録の際に提出します。また、食品登録番号の取得の有無にかかわらず、通関時にも認証書の確認が行われます。この認証書が日本語の場合は、タイ語または英語に翻訳し、翻訳証明が入ったものが必要です。
なお、食品医薬品委員会事務局告示「食品製造システム規格認証取得に関する文言またはマークの表示基準」において、GAP(Good Agricultural Practice)、有機認証(「Organic」の表示も含む)、ハラール認証などの任意認証を表示する際には、認証を示すマークまたはロゴ(Certification mark/Logo)に加え、次の情報を併記する必要があると規定されています。
  1. 認証を受けた食品製造施設名
  2. 認証を受けた食品製造システム規格の種類
  3. 認証書を発行した認証機関名