外国企業の会社設立手続き・必要書類
最終更新日:2025年05月06日
- 最近の制度変更
-
-
2025年5月13日
-
2024年9月30日
-
外国企業の会社設立手続き・必要書類
ネガティブリストに該当しない分野における会社設立については、商工省企業登録管理局あるいは都/県商工局で企業登録申請を行う。
ネガティブリストに該当する分野における会社設立は、商工省企業登録管理局あるいは都/県商工局で企業登録を行った後に、計画投資省あるいは都/県計画投資局の投資ワンストップサービス室へ申請する。
コンセッション事業の申請は、都/県計画投資局投資ワンストップサービス室へ申請する。戦略的な特定コンセッション事業については計画投資省投資ワンストップサービス室へ申請する。
経済特区への入居については各経済特区のワンストップサービス窓口へ申請する。
駐在員事務所の設立は、計画投資省投資ワンストップサービス室へ申請する。
ネガティブリスト事業および非ネガティブリスト事業については「外資に関する規制‐規制業種・禁止業種」項を参照。
非ネガティブリスト事業の会社設立
企業設立にスクリーニング審査が必要なネガティブリスト事業はラオスのネガティブリスト事業リストとコンセッション事業リストの承認に関する首相令第03号(2019年1月10日付)(816KB)に14分野44業種のリストが整備されている。2025年中に21業種へと削減する改正を計画している。ネガティブリストに該当しない事業はすべて非ネガティブリストとして扱われる。
企業登録に関する商工大臣合意第0023号(2019年1月9日付)および改正企業法第33号(2022年12月29日付)が発布され、会社設立ルールは整理・簡易化された。
- 企業登録手続き
- 外資企業および登録資本金が5億キープ以上の会社は商工省企業登録管理局へ、それ以外は都・県商工局に次の必要書類4セットを提出する。
- 企業登録申請書(フォームに従う)
- 事業内容リスト(フォームに従う)
- 宣誓書(フォームに従う)
- 合弁契約(合弁の場合のみ)
- 企業設立会議議事録
- 投資家の履歴書
- パスポートコピー
- 証明写真(3x4センチ)
- 委任状(投資家以外が申請を代行する場合)
- 申請後1時間以内に書類審査が行われ、問題がなければ企業登録証(Enterprise Registration Certificate)の受理日を明記した受取証が発行される。原則3営業日以内で発行される。企業登録発行後、別途事業ライセンスの取得が不要な場合には企業は直ちに事業活動を始めることができる。ライセンスの要否は企業登録証発行時に明示され、ライセンスが不要な場合は企業登録証の裏面に事業内容とコードが記載される。
企業登録証については、ジェトロ調査レポート「ラオス投資ガイドブック2025」の第1章 新規企業登録証についてを参照。
なお、政府は企業登録後の義務違反に対する措置を強化しており、企業登録後90日以内に規定のフォームに従い報告を行う必要があることに注意が必要。詳細はジェトロ調査レポート「ラオス投資ガイドブック2020」の第1章 企業登録後の義務違反に対する措置についてを参照。
企業登録の各種申請書類や登録データについては、次の商工省企業登録局のウェブサイトから確認が可能。National Enterprise Database - 外資企業および登録資本金が5億キープ以上の会社は商工省企業登録管理局へ、それ以外は都・県商工局に次の必要書類4セットを提出する。
- 事業ライセンスの取得
2019年5月時点で、製造業など商工省が管轄するライセンス取得が必要な事業は事業許可ライセンスを必要とする商工事業リストの承認に関する商工大臣合意第0044号(2019年1月18日付)(仮訳はラオス日本人商工会議所
ウェブサイトの「ドキュメント」を参照)にて明確化されている。
- 事業ライセンスが必要な場合には企業登録証の発行時に担当省庁向けのレターが企業登録局より発行される。
- a.のレターを担当省庁に提出し、ライセンスの発給を受ける。
経済特区(SEZ)で登記した会社は原則、SEZの中でしか事業を行うことができないため、事業ライセンスを取得する必要はない。
- 社印の取得
- 企業印に関する商工省告示第2140号(2019年10月3日付)に基づき、企業登録証発行(すなわち企業登録完了)後、企業は企業登録証を持って公安省に提出することで社印作成申請が可能である。
- 自発的・非強制的印鑑作成に関する告示第1412号(2019年7月12日付)によると、社印は不要であれば申請する必要がないとされるが、実際には社印は輸出入や税務申告などで必要とされることから取得することが望ましい。
- 企業の看板の設置
社印と看板に関する商工省事務室告示第2823号(2018年11月26日付)に基づき、企業登録後の企業看板の設置が義務付けられている。
- 企業登録証の取得後、企業は看板の設置が可能で別途許可を取得する必要はない。看板には企業名、企業登録番号、納税者番号、連絡先を記載する。その他ロゴやQRコードを左上部分に掲載することが可能。
- 外国語表記は英語とし、企業登録証に記載されるもののみ可能である。看板のラオス語と英語はラオス語が上に、英語が下に記載する。英語の文字の大きさはラオス語の3分の2以下のサイズとする。
- 民間企業や組合の看板は黄色の背景に、文字を赤色とする。
- 投資優遇の取得
- 2024年改正投資奨励法第9条で定める奨励業種に該当する場合は、企業登録後、計画投資省投資ワンストップサービス室に対して投資奨励証発行を申請できる。
投資優遇の詳細は「外資に関する奨励」の項を参照。
ネガティブリスト事業の会社設立
- 企業登録手続き
- 企業登録手続きは非ネガティブリスト事業と同様。
- 投資許可証手続き
- 計画投資省もしくは都・県計画投資局投資ワンストップサービス室に、必要書類を提出する。
- 申請から25営業日以内に、投資許可証が発行される。
- 投資家より申請書類受領後、投資ワンストップサービス室は2営業日以内に関係機関や地方行政機関へ申請書一式を送付し、8営業日以内に書面で回答を受領する。
- 関係機関や地方行政機関からコメントが得られたのち、投資ワンストップサービス室は計画投資省行政委員会もしくは都・県行政委員会へ5営業日以内に投資許可証の発行の検討を依頼する。
- 事業ライセンスの取得以降のプロセスは、非ネガティブリスト事業と同様。
コンセッション事業の申請
コンセッション事業とは、ある開発やビジネスの実施のために投資家が政府から合法的にコンセッションの許可を受けた投資家の事業をいう。例えば、土地のコンセッション、特別経済区・特定経済区の開発、鉱山採掘、空港・道路サービス、電源開発、テクノロジーや通信サービスの提供など。
コンセッション事業と特定コンセッション事業の2種類に分けられる。特定コンセッション事業は国家の戦略的な事業で高付加価値な天然資源の開発や多くの県にまたがる事業である。コンセッション事業は、ラオスのネガティブリスト事業リストとコンセッション事業リストの承認に関する首相令第03号(2019年1月10日付)(816KB)にリストが整備されている。同リストは2025年中の改正を計画している。
- 会社設立手続き
- 特定コンセッション事業は計画投資省投資ワンストップサービス室に、コンセッション事業は都・県計画投資局投資ワンストップサービス室に、必要書類を提出する。
- 投資ワンストップサービス室は、関係機関へと2営業日以内に意見徴収のための書類を送付する。30営業日以内に審査を行いコメントを返送してもらう。
- コメントが揃った後、特定コンセッション事業は計画投資省、コンセッション事業は都・県行委員へ承認を受けるための報告を行う。その後投資ワンストップサービス室は投資家との間でMOUもしくは契約の調整を行う。
- MOUもしくは契約の締結後、投資家は経済・技術可能性調査、環境影響評価報告書、環境管理監督計画などの承認を受ける。
- 国庫に保証金を支払い、コンセッション契約を締結する。
- 投資許可証を発行する。
経済特区における事業
経済特区に入居して事業を行いたい投資家は、各経済特区のワンストップサービス室に申請し企業を設立する。詳細は各経済特区に確認すること。
駐在員事務所の開設
親会社のための投資調査やラオス政府機関・民間企業との関係調整のための連絡事務所に位置付けられる駐在員事務所は、あらゆる収益活動を行うことは認められていない。
「外国法人の駐在員事務所の設立と管理に関する計画投資省大臣合意(改正)第1839号第11条」では、駐在員事務所は3種類に分類される。
- 第1種:商業、投資、サービスなどの情報収集、政府や民間との調整を行い、投資の決定のために外国の親会社へと情報を提供するための駐在員事務所で、投資奨励法や関係法律に従い、ラオスでの投資や事業開発の準備のために、親会社、グループ企業、支社などへの相談役や調整役となる。
- 第2種:政府との間で外国の親会社が締結したMOUやコンセッション契約の遂行のフォローや政府や民間機関との調整において親会社の代表として活動する駐在員事務所。第2種の駐在員事務所は、MOUやコンセッション契約が定める権利の範囲内で活動する必要がある。
- 第3種:商業、サービス、その他のビジネスにおいて親会社とラオスの個人・法人・政府・民間との調整役となる、親会社の代表としての駐在員事務所。第3種の駐在員事務所は、親会社もしくは外国の多国籍企業グループの事業範囲内のみで活動しなければならない。またラオスの法律に従わなければならない。第3種の駐在員事務所は、国際機関リストに掲載される親会社もしくは多国籍企業(NTC、MTC)のみに許可される。
ジェトロ地域・分析レポート:ラオス、2024年投資奨励法を公布
ページ内「外国法人の駐在員事務所の設立と管理に関する計画投資省大臣合意(改正)(No.1839/MPI)」(ジェトロ抄訳(763KB))を参照。
駐在員事務所を設立するには、以下の条件を満たす必要がある。
- ある国に合法的に登録された外国法人で、事業実績や法人として2年以上経過している。
- 株式会社、国営企業、上場企業としての企業形態をもつ。
- 外国の親会社からの設立に関する合意書や申請書がある。
- 外国の親会社の活動事業に沿った、もしくは事業上強みを有するその他の事業、もしくは親会社とラオス政府とのMOUや契約に沿った明確な目的を持つ。
- 登録資本金が20億キープ以上ある。
- 文書による親会社からの駐在員事務所の代表者任命書がある。
- 親会社の代表としての個人および親会社の明確な履歴があり、国際的もしくはある国の刑事罰を受けていないこと。
- 以前に駐在員事務所の許可証を持ち、期限が切れたもしくは閉鎖した場合、2年以上経った後に再度、駐在員事務所を開所することができる。
第1種許可証の期限は1年で、3回の延長が可能(合計4年間)である。第2種許可証の期限は1年で、政府との契約期間の範囲で延長申請が可能である。第3種は3年間で、延長申請が可能である。
なお、駐在員事務所では収入や利益を生む事業活動、商品、サービス、製品のさまざまな形態の広報活動、領収書もしくはインボイスの発行は固く禁止されており、罰金の対象となっていることから注意が必要。
外国企業の会社清算手続き・必要書類
企業の解散・清算方法については、個人事業、合名会社、株式会社の形態別により、別途定められている。
企業が事業活動を終了する際には、商工省企業登録局に届け出る。
株式会社(Co.,LtdおよびSole Co.,Ltd)の解散・清算(2022年12月29日付改正企業法第161条~170条)は定款による規定、株主総会決議、倒産、不正な企業登録、裁判所命令のいずれかによって、株式会社は解散される。
清算方法は、定款あるいは株主の合意に基づいて決定される。清算人の任命と解任については定款規定に従うか、規定がない場合は、株主総会における3分の2以上の合意により決定される。ただし、裁判所命令、倒産、株主が1人あるいは30人以上いる場合の解散にあたっては、裁判所が清算人を決定する。
その他
特になし。