外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2026年05月04日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

ネガティブリストに該当しない分野における会社設立については、商工省企業登録管理局あるいは都/県商工局で企業登録申請を行う。
ネガティブリストに該当する分野における会社設立は、商工省企業登録管理局あるいは都/県商工局で企業登録を行った後に、投資奨励管理委員会あるいは都/県投資奨励管理委員会の投資ワンストップサービス室へ申請する。
コンセッション事業の申請は、都/県投資奨励管理委員会投資ワンストップサービス室へ申請する。戦略的な特定コンセッション事業については投資奨励管理委員会投資ワンストップサービス室へ申請する。
経済特区への入居については各経済特区のワンストップサービス窓口へ申請する。
駐在員事務所の設立は、投資奨励管理委員会投資ワンストップサービス室へ申請する。

ネガティブリスト事業および非ネガティブリスト事業については「外資に関する規制‐規制業種・禁止業種」項を参照。

非ネガティブリスト事業の会社設立

企業設立にスクリーニング審査が必要なネガティブリスト事業は、ラオスのネガティブリスト事業リストとコンセッション事業リストの承認に関する首相令第03号(2019年1月10日付)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(816KB)に14分野44業種のリストが整備されている。今後21業種へと削減する改正を計画している。ネガティブリストに該当しない事業はすべて非ネガティブリストとして扱われる。
企業登録に関する商工省ガイドライン第2406号(2023年12月22日付)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよび改正企業法第33号(2022年12月29日付)では、以下のように会社設立ルールは整理・簡易化されている。

  1. 企業登録手続き
    1. ビエンチャン都に拠点を置く法人の場合、商工省企業登録局(中央)へ申請する。その他の都・県に拠点を置く場合は、各地域の商工局が窓口となる。経済特区(SEZ)に拠点を置く場合は、経済特区管理委員会が窓口となる。オンラインシステムを通じた申請も可能である。必要書類は以下のとおり。各書類はラオス語で作成し、外国語の証明書類には公認翻訳および公証が必要である。
      1. 企業登録申請書(規定フォーム)
      2. 設立契約書または単独出資の定款
      3. 出資者および代表者の身分証明書(パスポートコピー、写真など)
      4. 法人出資の場合は、当該法人の設立証明書および決議書
      5. 委任状(代理人申請の場合)など
    2. 窓口提出から1時間以内に形式審査が行われ、受理される。受理から原則3営業日以内に「企業登録証(ERC)」が発行される。このERCには、納税者番号(TIN)を兼ねる「企業コード」が記載される。
    3. 企業登録発行後、別途事業ライセンスの取得が不要な場合には企業は直ちに事業活動を始めることができる。ライセンスの要否は企業登録証発行時に明示され、ライセンスが不要な場合は企業登録証の裏面に事業内容とコードが記載される。
    4. 外国企業は、登録資本金の30%以上を許可取得後90日以内に、残額を1年以内にラオス国内へ送金しなければならない。送金後はラオス中央銀行から「資本輸入証明」を取得する必要がある。
      なお、政府は企業登録後の義務違反に対する措置を強化しており、企業登録後90日以内に規定のフォームに従い報告を行う必要があることに注意が必要。
      企業登録の各種申請書類や登録データについては、ラオス商工省企業登録局のウェブサイトNational Enterprise Database外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから確認が可能。
  2. 事業ライセンスの取得

    2019年5月時点で、製造業など商工省が管轄するライセンス取得が必要な事業は事業許可ライセンスを必要とする商工事業リストの承認に関する商工大臣合意第0044号(2019年1月18日付)(仮訳はラオス日本人商工会議所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますウェブサイトの「ドキュメント」を参照)にて明確化されている。

    1. 事業ライセンスが必要な場合には企業登録証の発行時に担当省庁向けのレターが企業登録局より発行される。
    2. a.のレターを担当省庁に提出し、ライセンスの発給を受ける。

    経済特区(SEZ)で登記した会社は原則、SEZの中でしか事業を行うことができないため、事業ライセンスを取得する必要はない。

  3. 社印の取得
    1. 印鑑に関する政府令第549号(2025年8月26日付)に基づき、企業登録証発行(すなわち企業登録完了)後、企業は企業登録証を持って公安省に提出することで社印の作成、登録および印鑑使用許可証の発行を受ける。
    2. 民間企業の社印の使用は、八角形で、捺印時には青色のインクを使用しなければならない。捺印は署名の左側に3分の1程度が重なるように鮮明に押印すること。
    3. 企業が社印を所持するか否かは、企業の自発的な意思に委ねられている。従って、法的には社印を持たない状態で事業を行うことも可能である。ただし、現実のビジネス実務(銀行口座の開設、輸出入の手続き、税務申告、官公庁への申請など)においては、依然として社印の押印を求められるケースが圧倒的に多いため、円滑な事業運営のためには、企業登録完了後に社印を取得することが望ましい。
  4. 企業の社名看板の設置

    看板法第89号(2025年6月25日付)および企業登録に関する商工省ガイドライン第2406号(2023年12月22日付)に基づき、企業登録後、60日以内に企業看板の設置が義務付けられている。

    1. 企業登録証の取得後、企業は看板の設置が可能で別途許可を取得する必要はない。看板には企業名、企業登録番号、納税者番号(TIN)、連絡先を記載する。その他ロゴやQRコードを左上部分に掲載することが可能。
    2. 外国語表記は英語とし、企業登録証に記載されるもののみ可能である。看板のラオス語と英語はラオス語が上に、英語が下に記載する。英語の文字の大きさはラオス語の3分の2以下のサイズとする。
    3. 民間企業や組合の看板は黄色の背景に、文字を赤色とする。サイズは縦30センチメートル、横60センチメートル以上が必要である。
  5. 投資優遇の取得
    1. 2024年改正投資奨励法第9条で定める奨励業種に該当する場合は、企業登録後、投資奨励管理委員会ワンストップサービス室に対して投資奨励証発行を申請できる。

    投資優遇の詳細は「外資に関する奨励」の項を参照。

ネガティブリスト事業の会社設立

ネガティブリスト事業への投資を希望する者は、まず企業法に基づき商工省(または各県商工局)で企業登録を行い、企業登録証を取得しなければならない。その後に投資許可を申請する流れとなる。

  1. 企業登録手続き
    1. 企業登録手続きは非ネガティブリスト事業と同様。
  2. 投資許可証手続き
    1. 中央の投資奨励管理委員会もしくは都/県投資奨励管理委員会ワンストップサービス室に、必要書類を提出する。
    2. 申請から25営業日以内に、投資許可証が発行される。
      • 投資家より申請書類受領後、投資ワンストップサービス室は2営業日以内に関係機関や地方行政機関へ申請書一式を送付し、8営業日以内に書面で回答を受領する。
      • 関係機関や地方行政機関からコメントが得られたのち、投資ワンストップサービス室は中央の投資奨励管理委員会行政委員会もしくは都・県行政委員会へ5営業日以内に投資許可証の発行の検討を依頼する。
  3. 事業ライセンスの取得以降のプロセスは、非ネガティブリスト事業と同様。

コンセッション事業の申請

コンセッション事業とは、ある開発やビジネスの実施のために投資家が政府から合法的にコンセッションの許可を受けた投資家の事業をいう。例えば、土地のコンセッション、特別経済区・特定経済区の開発、鉱山採掘、空港・道路サービス、電源開発、テクノロジーや通信サービスの提供など。
コンセッション事業と特定コンセッション事業の2種類に分けられる。特定コンセッション事業は国家の戦略的な事業で高付加価値な天然資源の開発や多くの県にまたがる事業である。コンセッション事業は、ラオスのネガティブリスト事業リストとコンセッション事業リストの承認に関する首相令第03号(2019年1月10日付)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(816KB)にリストが整備されている。同リストは近く改正を計画している。

  1. 会社設立手続き
    1. 特定コンセッション事業は投資奨励管理委員会ワンストップサービス室に、コンセッション事業は都/県投資奨励管理委員会ワンストップサービス室に、必要書類を提出する。
    2. 投資ワンストップサービス室は、関係機関へと2営業日以内に意見徴収のための書類を送付する。30営業日以内に審査を行い、コメントを返送してもらう。
    3. コメントが揃った後、特定コンセッション事業は投資奨励管理委員会、コンセッション事業は都・県行委員へ承認を受けるための報告を行う。その後投資ワンストップサービス室は投資家との間でMOUもしくは契約の調整を行う。
    4. MOUもしくは契約の締結後、投資家は経済・技術可能性調査、環境影響評価報告書、環境管理監督計画などの承認を受ける。
    5. 国庫に保証金を支払い、コンセッション契約を締結する。
    6. 投資許可証を発行する。

経済特区における事業

経済特区に入居して事業を行いたい投資家は、各経済特区のワンストップサービス室に申請し企業を設立する。詳細は各経済特区に確認すること。

駐在員事務所の開設

親会社のための投資調査やラオス政府機関・民間企業との関係調整のための連絡事務所に位置付けられる駐在員事務所は、あらゆる収益活動を行うことは認められていない。
「外国法人の駐在員事務所の設立と管理に関する大臣合意(改正)第1839号第11条」では、駐在員事務所は3種類に分類される。

  • 第1種:商業、投資、サービスなどの情報収集、政府や民間との調整を行い、投資の決定のために外国の親会社へと情報を提供するための駐在員事務所で、投資奨励法や関係法律に従い、ラオスでの投資や事業開発の準備のために、親会社、グループ企業、支社などへの相談役や調整役となる。
  • 第2種:政府との間で外国の親会社が締結したMOUやコンセッション契約の遂行のフォローや政府や民間機関との調整において親会社の代表として活動する駐在員事務所。第2種の駐在員事務所は、MOUやコンセッション契約が定める権利の範囲内で活動する必要がある。
  • 第3種:商業、サービス、その他のビジネスにおいて親会社とラオスの個人・法人・政府・民間との調整役となる、親会社の代表としての駐在員事務所。第3種の駐在員事務所は、親会社もしくは外国の多国籍企業グループの事業範囲内のみで活動しなければならない。またラオスの法律に従わなければならない。第3種の駐在員事務所は、国際機関リストに掲載される親会社もしくは多国籍企業(NTC、MTC)のみに許可される。

ジェトロ地域・分析レポート:ラオス、2024年投資奨励法を公布ページ内「外国法人の駐在員事務所の設立と管理に関する大臣合意(改正)(No.1839/MPI)」〔ジェトロ抄訳(763KB)〕を参照。

駐在員事務所を設立するには、以下の条件を満たす必要がある。

  1. ある国に合法的に登録された外国法人で、事業実績や法人として2年以上経過している。
  2. 株式会社、国営企業、上場企業としての企業形態をもつ。
  3. 外国の親会社からの設立に関する合意書や申請書がある。
  4. 外国の親会社の活動事業に沿った、もしくは事業上強みを有するその他の事業、もしくは親会社とラオス政府とのMOUや契約に沿った明確な目的を持つ。
  5. 登録資本金が20億キープ以上ある。
  6. 文書による親会社からの駐在員事務所の代表者任命書がある。
  7. 親会社の代表としての個人および親会社の明確な履歴があり、国際的もしくはある国の刑事罰を受けていないこと。
  8. 以前に駐在員事務所の許可証を持ち、期限が切れたもしくは閉鎖した場合、2年以上経った後に再度、駐在員事務所を開所することができる。

第1種許可証の期限は1年で、3回の延長が可能(合計4年間)である。第2種許可証の期限は1年で、政府との契約期間の範囲で延長申請が可能である。第3種は3年間で、延長申請が可能である。
なお、駐在員事務所では収入や利益を生む事業活動、商品、サービス、製品のさまざまな形態の広報活動、領収書もしくはインボイスの発行は固く禁止されており、罰金の対象となっていることから注意が必要。

外国企業の会社清算手続き・必要書類

企業の解散・清算方法については、個人事業、合名会社、株式会社の形態別により、別途定められている。

ラオスにおける株式会社の解散および清算手続きは、2022年改正企業法および商工省ガイドラインに基づき、以下のとおり厳格に規定されている。

解散事由の発生

株式会社は、以下の事由のいずれかに該当する場合に解散する。

  1. 法的事由:定款で定めた存続期間の満了、株主総会の特別決議(発行済株式総数の80%以上の賛成)、破産宣告、または企業法第23条に基づく登録の無効化。
  2. 裁判所命令による事由:継続的な赤字による経営不能、不可抗力による事業継続不全、株主が1人のみ(Sole Co., Ltdへの変更を行わない場合)または31人以上となった場合など。

解散の通知義務

解散事由が発生した日から10営業日以内に、企業登録当局へ解散を届け出なければならない。当局はこの通知を受け、企業のステータスを「解散手続き中」へと変更する。

清算人の選任

清算人の選任は定款の定めに従う。定めがない場合は、株主総会において出席株主の3分の2以上の賛成により、個人(社内・社外を問わず)を清算人として選任する。破産、裁判所命令による解散、または法令上の株主数制限に抵触して解散する場合は、裁判所が清算人を選任する。

清算手続きと支払いの優先順位

清算人は、資産の回収と債務の弁済を行う。債務弁済の優先順位は以下のとおり定められている。

  1. 労働者への給与・賃金および関連費用(最優先)
  2. 国への税金
  3. 担保権付きの債務
  4. 一般の(担保のない)債務
  5. 残余財産の株主への分配

必要書類

解散・清算の完了を当局へ届け出る際に、以下の書類を提出する。外国語の書類には公認翻訳および公証が必要である。

  • 解散届出書(規定フォーム)
  • 企業登録証の原本(紛失時を除く)
  • 納税者番号(TIN)の終了証明書(税務当局発行の事業停止証明)
  • 公告の証跡:官報または指定のメディア(National Enterprise Databaseなど)での、解散着手と清算終了に関する最低2回の公告
  • 解散および清算人選任に関する株主総会議事録または株主決議書(法人株主の場合は代表者の署名が必要)
  • 委任状(代理人が申請する場合)

手続きの完了

清算が終了し、前記書類が受理されると、企業登録当局は原則3営業日以内に「企業解散通知」を発行し、国家企業データベースから当該企業を抹消する。この通知をもって法人の人格は消滅するが、清算内容に虚偽があった場合、清算人や株主は解散後5年間、法的責任を負う可能性がある。

その他

特になし。