外資に関する奨励

最終更新日:2017年05月17日

奨励業種

外資にのみ適用される投資奨励業種はなく、外資・内資ともに農業、工業、手工芸、サービス業、加工業への投資が奨励されている他、3段階の優先順位付けにより206業種が最も奨励される業種として指定されている。

投資奨励法第4条では、国家安全保障に関わる事業、短期的・長期的に環境に甚大な悪影響を与える事業、公衆衛生および国民文化に好ましくない影響を与える事業以外のすべての分野への投資を奨励するとされ、同第49条では農業、工業、手工芸およびサービスセクターへの投資が奨励されている。合わせて、第8回国家社会経済開発計画2016~2020には、近代技術を用いた加工業への投資の促進が明記されている。

投資奨励法施行令第119号(2011年4月20日付)において、上記奨励事業を優先順位に基づき3段階に分類している。優先順位は、政府における重要テーマ、貧困削減への寄与度、住民の生活環境の改善度合い、インフラの建設、人材開発、雇用創出の度合いなどを基に定められている。最も優先される事業(レベル1事業)には、統合型農業、畜産、油脂植物の栽培、植林、出版・印刷、ラジオ・テレビ放送、ソフトウエア開発、コンピュータ・関連機器の製造、通信機器の製造、植物由来の医薬品・化学品の製造加工、発電施設の建設・設備の製造、食品加工、衣料品製造など206業種が指定されている。

また、同施行令で定められる鉱山、発電、通信衛星、放送、運輸、商業・公共施設建設、インフラ建設、金融、観光、農業などのコンセッション事業についても投資優遇措置が供与される。

各種優遇措置

奨励業種と同様、外資のみに適用される投資優遇措置はない。ラオスにおける投資に対する優遇措置として、1. 事業の優先順位および投資地域による法人税免税、2. 関税および税に関する優遇、3. 医療・教育分野における優遇、4. 経済特区での事業における優遇、5. 大規模投資における土地利用権に関する優遇がある。

事業の優先順位および投資地域による法人税免税

上述の事業の優先順位3段階に加え、ラオス全土が社会経済インフラの開発度合および地理的条件によって3地域に分類されており、すべての投資事業は9分類のどれかに該当することとなる。該当する分類によって期間の異なる法人税免税措置が供与される。

免税期間は原則として企業が事業活動を開始した日から始まるが、新製品の生産や新技術の開発の場合は企業が利益を上げ始めた年からカウントされる。ただし、事業開始から3年以内に国内外の関連当局から新製品・新技術として認定されない場合は、遡って事業開始日からのカウントとなる(投資奨励法第50条・51条)。

表投資事業の9分類と法人税免税措置
投資地域 事業の優先順位レベル 法人税の免税期間
ゾーン1
投資を行なうための社会経済インフラが不十分な地域。主に遠隔地の山間部、高原地帯。
1 10年
2 6年
3 4年
ゾーン2
投資を行なうための社会経済インフラが一定程度整っており、ゾーン1よりも地勢的に困難ではない地域。
1 6年
2 4年
3 2年
ゾーン3
投資を行なうための経済インフラが十分整っている平野部。
1 4年
2 2年
3 1年

ラオス国土のゾーン分け:計画投資省 “Investment Promotion Zoning外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関税および税に関する優遇

法人税免税措置に加え、次の関税および税に関する優遇措置が提供される(投資奨励法第52条、投資奨励法施行令第119号第35条~第42条)。

  1. 法人税免税期間終了後、純利益の一部を事業拡張のための活動に再投資した場合、全純利益に占める割合に応じて翌年度の法人税が免除される。
  2. 工場の建設および生産活動に直接利用される原材料、設備、機械、交換部品、車両の輸入に係る輸入関税および輸入税は、関連当局に認可された年間輸入計画に基づき免除される。ただし、燃料については輸入関税・輸入税の免税の対象外。
  3. 一般品および製品の輸出にかかる輸出税は免除される。ただし、天然資源および天然資源を用いて生産された製品の輸出は関連する法規制に準ずる。
  4. 損失を計上した場合、その損失を3年間持ち越して利益と相殺することができる。4年目以降は残存する損失を利益と相殺することはできない。

企業が上記の輸入関税・輸入税免税措置を受けるには、次の必要書類を財務省関税局あるいは地方当局、もしくは商工省・投資計画省・経済特区のワンストップサービスオフィスに提出する。中央関税局および地方当局は計画書を認可した後、すべての国境税関検問所に対して対象企業の輸入を円滑にするために通達を行う(2012年12月9日付投資奨励政策における関税および税の優遇に関する細則第3578号)。

  1. 年間輸入計画書(AHTNコード、製品の概要、輸入量、重量、価額を記載)
  2. 輸入関税・輸入税免税申請書
  3. 企業登録書あるいは納税者登録書(一般事業の場合)
  4. コンセッション投資許可証(コンセッション事業の場合)
  5. 資本金支払証明書
  6. 事業可能性調査報告書

年間輸入計画書の有効期間は1年間である。期限が満了した場合、年間輸入計画書に記載されている製品のうちまだ輸入されていないものについては免税対象外となる。年間輸入計画は一度承認されたら許可なく変更してはならない。ただし、企業が増資あるいは減資した場合、年に1回であれば年間輸入計画書を修正できる。

年間輸入計画書に記載された製品以外の輸入や緊急的な交換部品の輸入については、3万ドルを超えない場合、関連当局の承認のもとに年に2回まで可能。3万ドルを超える場合は個別に検討される。

医療・教育分野における優遇措置

病院、幼稚園、学校、職業訓練校、大学、研究センターなど教育や医療にかかる建物の建設については、土地のリース代あるいはコンセッション料の免除(ゾーン1は15年間、ゾーン2は10年間、ゾーン3は3年間)と、上述の法人税免税期間の5年間延長の優遇措置を受けることができる(投資奨励法第54条、投資奨励法施行令第119号第46条)。

経済特区における優遇措置

各経済特区では、国家経済特区委員会と当該経済特区の開発業者の間で独自に設定した優遇措置を供与している。現在日系企業が入居している主要な経済特区(首都ビエンチャンのビタ・パーク経済特区、サワナケート県のサワン・セノ経済特区、チャンパサック県のパクセ・ジャパン中小企業専用経済特区)では、次のとおりほぼ同様の優遇措置を提供している。

  1. 法人税免除:利益が発生する年度から2~10年間(業種、投資額、総生産量における輸出割合に準ずる)
  2. 法人税免除期間終了後の法人税率:8%または10%
  3. 所得税:ビタ・パーク7%、サワン・セノ5%、パクセ・ジャパン5%
  4. 法人税免除後の配当税率:5%
  5. 付加価値税:0%
  6. 輸入原材料、事業用設備・機械等の輸入関税率・輸入税率:0%

出典:

土地利用権に関する優遇措置

登録資本金が50万ドル以上の外国投資家には、政府から土地利用権を購入する資格が与えられる(投資奨励法第58条)。ただし購入できるのは800平方メートル以下。政府は、投資期間に矛盾しない期間、地方自治体との合意および現行の規則に従い、住居または業務用施設建設のための土地を投資家に割り当てる。

その他

2016年11月17日付 改正投資奨励法(No.14/NA)が新たに発布され、2017年4月19日付にて施行されている。一方でガイドラインが整備されておらず、上述の2009年投資奨励法から新法へと徐々に移行する段階にあることを注意する必要がある。

詳細は次のPDFを参照。
ラオス改正投資奨励法(日本語仮訳)PDFファイル(424KB)

なお、原文はラオス司法省官報ウェブ版(Ministry of Justice/Lao Official Gazette外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照のこと。

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