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外資に関する規制

最終更新日:2018年06月21日

規制業種・禁止業種

内資・外資を問わず6分野での事業の実施が禁止されている他、14分野36業種については、ラオス国籍者のみに保全される業種として外資参入が認められていない。またネガティブリストに定められる13分野67業種については、企業登録前に関係機関による承認が必要である。

禁止事業

禁止事業分野リストに関する通達第1592号(2013年8月26日付)では、各関連法に基づき、次の6分野に関する事業の実施を禁止している。

  1. 危険化学物質を扱う事業(工業物質・化学物質の管理に関する商工省決定第1041号)
  2. 放射性鉱物を扱う事業(鉱物輸出に関する首相令第90号、鉱物法第2号)
  3. 産業用爆発物を除く武器・戦車を扱う事業(刑法第12号、爆発物の使用と管理に関する首相合意第39号)
  4. アヘン、ケシ、大麻、コカインおよびそれらの派生物を扱う事業(刑法第12号、麻薬法第10号、麻薬法施行令第76号)
  5. 紙幣、造幣インク、造幣機器、通貨偽造に使用される機器を扱う事業(ラオス銀行法第5号)
  6. その他、関連法に基づき禁止される事業

ラオス国籍者のみに保全される事業

ラオス国籍者へ保全される事業リストに関する商工大臣令第1328号(2015年7月13日付)PDFファイル(167KB)によると、ラオスの伝統事業や大規模資本・先進技術を要しない事業で、かつラオス人の雇用創出や生計向上に貢献する以下の14分野36業種については、ラオス国籍者のみに保全される事業と定められており、外資企業の参入は認められていない。

  1. 農林漁業:生薬の採集
  2. 加工:機織り、刺繍、小規模な木工・彫刻・カゴ編み、陶器の製造、等
  3. 電気、ガス、蒸気、空気の供給:15MW以下の水力発電事業
  4. 建設:建物内の電気工事、水道管・エアコンの設置
  5. 修理:40億キープ以下の自動車・バイクの修理
  6. 輸送、倉庫:陸上乗客輸送
  7. レストラン、宿泊:3つ星未満のゲストハウス、リゾート、ホテル
  8. 情報ネットワーク:新聞・雑誌の印刷、歌詞の印刷・録音、コミュニティラジオ局・コミュニティテレビ局の設立、等
  9. 金融、保険:非貯蓄型マイクロクレジット、融資組合、等
  10. 職業訓練、科学技術:歴史・自然・文化に関する調査、設計、建設、ラオス語翻訳、等
  11. サービス支援・管理:職業斡旋、建物のクリーニング、等
  12. 教育:技術職業訓練教育(5カ年計画で奨励される項目は除く)、外国人向けラオス語教育
  13. 医療、社会:民間の診療所
  14. その他:靴・皮の修理、洗濯・ドライクリーニング、散髪・美容、葬儀、等

規制事業

事業ネガティブリスト承認に関する首相令第107号(2012年9月11日付)によれば、次の13分野67業種がネガティブリストに掲げられている。これらの業種については、外資の参入は審査を経た上で認められる。

  1. 農林漁業(植林、森林伐採、河川での漁業など5業種)
  2. 加工業(9業種)
  3. 水の配給、排水浄化、廃棄物管理、その他の問題解決事業(4業種)
  4. ガソリンの卸売り・小売り、自動車およびバイクの修理(2業種)
  5. 運輸、集荷(鉄道、航空機などによる人と貨物の輸送など8業種)
  6. ホテル業・レストラン業
  7. 情報通信(書籍・新聞の出版、テレビ・ラジオ・衛星放送、通信など8業種)
  8. 金融、保険(融資、保険、証券売買の仲介など14業種)
  9. 専門業務、科学技術系事業(法律業務など2業種)
  10. サービス支援、管理(観光業など2業種)
  11. 教育関連事業(初等・高等教育、職業訓練など5業種)
  12. 保健衛生、社会セクター事業(病院、医科歯科治療、その他保健衛生の3業種)
  13. 芸術、娯楽(賭博、遊園地の4業種)

以上に該当する事業の企業登録については、計画投資省もしくは県の計画投資局内に設置される投資ワンストップサービス室に投資申請を行う。同室が窓口となり、各関係機関・投資奨励管理委員会の審査を経て、投資家は申請から25営業日以内に投資許可と企業登録証を受け取る。投資承認の流れは、次の1.~3.の通り(改正投資奨励法第36条・第37条)

  1. 投資ワンストップサービス室は、投資家から提出された申請書類一式を2営業日以内に関係機関や地方に送付し、8営業日以内に文書で回答を受領する。回答が期限内に得られない場合は、承認されたものとみなす。
  2. 関係機関や地方から承認を受けた後、投資ワンストップサービス室は投資奨励管理委員会に書類一式を提出し、10営業日以内に審査を受ける。
  3. 審査後、5営業日以内に、投資ワンストップサービス室は投資許可証と企業登録証を投資家に発行する。

なお、投資が承認されない場合は、投資ワンストップサービス室は投資家に対し、3営業日以内に文書で通達しなければならない。

コンサルティング会社設立申請書受付の一時停止に関する商工省通達第1964号(2017年8月28日)は、近年、設立承認時に定めた業務の範囲を超えた事業を実施するコンサルティング会社が増加したことを受けて出されたもので、全分野のコンサルティングが対象となる。17年9月1日より施行され、新たな通達が出されるまではコンサルティング会社の設立申請の受理は停止されている。

条件付きで外国企業が参入できる事業

外国投資家向け規制事業分野リストに関する通達第1327号(2015年7月13日付)で定められる11業種については、総資本金や出資条件等により、外国企業の出資比率には上限が定められている。また2015年9月22日付の、ショッピングセンター、百貨店に関する商工大臣合意第1950号により、大型商業施設建設における外資参入の条件が明確化された。その他の業種についても規制緩和の議論が進められているが、各省レベルで規定される条件等もあるため、参入を検討する際には担当省庁への確認が必要。

表1 条件付きで外資参入可能な事業およびその条件
業種 外資出資比率上限および出資条件
卸売・小売 資本金200億キープ以上:100%出資が可能
同100億キープ以上~200億キープ未満:70%まで
同40億キープ以上~100億キープ未満:50%まで
同40億キープ未満:不可
運輸 タクシー業、国内陸上貨物運送業は100%出資が可能
その他は49%までの出資が可能
建設 道路・鉄道の建設は100%出資が可能(資本金2,400億キープ以上の場合。2,400億キープ未満は49%まで)
建物の建設、内装・外装、整地・埋め立ては49%まで
金融・保険 銀行業は100%出資が可能
保険業は49%まで
加工 コーヒー加工は20%まで。治療薬製造のための薬品製造は49%
ホテル 3つ星以上のホテルで60%まで
修理 資本金15億キープ以上で100%出資が可能
エンジニアリング 資本金40億キープ以上で49%まで
教育

自動車教習所は資本金80億キープ以上で49%まで
重機教習所は資本金150億キープ以上で100%出資が可能

健康・社会 医療事業は資本金10億キープ以上で49%まで
大型商業施設建設(ショッピングセンター、百貨店) 資本金1,600億キープ以上:100%出資が可能
同800億キープ以上~1,600億キープ未満:70%まで
同80億キープ以上~800億キープ未満:51%まで
同80億キープ未満:不可

昨今、ラオスで外国企業の進出が増加しているサービス業のうち、外食業・小売業・学習塾事業・フィットネス/スポーツ教室事業・理美容業・マッサージ業については、ジェトロ調査レポート「ラオス投資ガイドブック2017(2017年3月)」を参照。

出資比率

ラオスでの外国企業による投資には、100%出資、現地企業との合弁、法人設立を伴わない契約に基づく現地企業との事業協力、という3つの形態がある。現地企業との合弁の場合、外国企業の最低出資比率は資本金総額の10%以上(改正投資奨励法第26条~第31条)となる。

改正投資奨励法では、新たな合弁投資形態として、国営企業と民間企業の合弁投資、政府と民間による合弁投資という2つの形態が追加された(同法第30条・第31条)。

外国企業の土地所有の可否

ラオス国内の土地はすべて国家が所有し、個人や法人が保有できるのは土地利用権あるいはリース・コンセッション締結権である。外国人および外国企業は永久的な土地利用権を持つことはできず、ラオス政府やラオス国民からのリースあるいはコンセッション供与によって、土地の使用権のみを保有することができる。

土地の権利

ラオスの土地はすべて国家が所有し(2015年改正憲法第17条、改正土地法第3条)、個人や法人が保有できるのは、土地利用権あるいはリース・コンセッション締結権である。土地利用権はラオス企業およびラオス国民のみが保有でき、土地利用権証明書によって認められる永久的な土地利用の権利である。土地利用権は次の5つの権利から構成される。

  1. 土地の保護権:特定の利用目的のために土地を保護する権利
  2. 土地の使用権:政府の土地区画計画に則って、特定の目的のために土地を使用する権利
  3. 土地の用益権:土地のリースや証券化、担保としての利用などにより収益を得る権利
  4. 土地利用権の譲渡権:販売、譲渡、交換により土地利用権を他の人に譲渡する権利
  5. 土地利用権の相続権:土地使用権保有者の死亡により、夫、妻、子供、孫、両親、近縁者に土地使用権を相続する権利

土地利用権に関するすべての取引は、該当する土地の所在地を管轄する天然資源環境省土地管理局において、登記簿に記録されることとなっている。一方、土地利用権証明書が発行されていないケースや、1つの区画に複数の土地利用権証明書が発行されているケースが散見され、土地管理当局の管理能力不足、連携の欠如、恣意的な運用などが問題となっている。外国企業が正式な手続きを踏んでコンセッションあるいはリース契約を締結した土地に権利保有者を名乗るラオス人が現れ、権利を主張して事業の妨害を図るといった事例も見られるので、土地に関する契約を行う上では十分な注意が必要である。

外国企業による土地の利用

外国人および外国企業は永久的な土地利用権を持つことはできず、ラオス政府やラオス国民からのリースあるいはコンセッションの供与によって土地を使用する権利(土地利用権)のみ保有することができる。それらの土地については、資金調達の担保としての利用やサブリースが可能である(改正土地法第66条)。

外国企業による国有地のリース・コンセッション期間は、事業の種類、規模、条件に応じて最長50年、ラオス国民から外国企業へのリースの場合は最長30年認められる。どちらの場合も状況に応じ、政府の認可の下での延長が可能である。経済特区内における土地のリースは最長75年で、国民議会の認可の下での延長が可能。なお、1万ヘクタール以上の土地のリースおよびコンセッションの取得については、別途国民議会の承認が必要となる(同法第65条)。

コンセッション事業に参加する外国投資家は、土地利用において次の2つの面で優遇される(改正投資奨励法第16条)。

  1. コンセッション権の他人への譲渡:政府承認済みの開発マスタープラン・F/S・事業計画の45%以上の事業が完了し、かつ税務上の義務を果たし、関係当局からの合意を得た場合。
  2. コンセッション地区以外の政府用地の使用権:事務所や住居の建設用に限られ、都庁・県庁の合意が必要。投資期間内に限定される。

旧投資奨励法第58条では、登録資本金が50万ドル以上の外国投資家については、政府から期限付きで土地利用権を最大800平方メートルまで購入することが認められていた。しかし、申請実績がなく、該当地域の割り当ても進まなかったことから、2017年4月より施行されている改正投資奨励法では該当する条項は削除され、同権利は消滅している(2017年10月2日投資計画省法務局へのヒアリングより)。

留意事項

2000年代初頭以降のコンセッション事業の増加に伴い、環境汚染や地元住民への影響などの社会問題が噴出したことを受け、2012年6月11日に、鉱山事業、天然ゴム、ユーカリプランテーションの新規許認可を一時停止する旨の首相令第13号が公布された。同首相令により2017年10月現在も、当該分野の新規投資は一部凍結されている。

資本金に関する規制

一般事業の最低登録資本金は、企業法および関係省庁が定める法律に従って決まる。コンセッション事業の場合は総資本金の30%以上、経済特区における事業については各経済特区により異なる。

一般事業における最低登録資本金

旧投資奨励法では、関係法などで別途定められている場合を除き、外国投資家による一般事業の最低登録資本金は10億キープであったが(第17条)、改正投資奨励法では当該規定は削除され、一般事業の企業の登録資本金は企業法や関係法に従う、とされている(第51条)。
投資計画省の見解では、企業法や関係法で最低登録資本金額の定めがない業種においては、事業運営に必要な資産の総額にある程度の余剰を加えた金額が妥当とされる。ただし他省庁で異なる見解を提示されるケースが散見されており、そのような場合には、通常は商工省へ投資申請をする非ネガティブリスト事業であっても、投資計画省の投資ワンストップサービス室にまず投資申請をし、同室による関係省庁間協議において登録資本金額を検討することが可能である(2017年10月2日同省法務局へのヒアリングより)。
一般事業への投資を行う外国人投資家は、登録資本金の少なくとも30%を投資許可取得後90日以内に輸入する必要がある。資本は関係法に基づき現金または現物が可能。残金については、企業法もしくは関係法に従う。資本の輸入はラオス中央銀行による証明が必要である(改正投資奨励法第53条)。

コンセッション事業における最低登録資本金

コンセッション事業については、総資本の30%以上の登録資本金を必要とする(改正投資奨励法第52条)。投資総額に応じ、登録資本金の次の比率の額を投資許可取得後90日以内に輸入し、残額は同2年以内に輸入する必要がある(同法第54条)。

  • 投資総額1,000万ドル未満:3%
  • 投資総額1,000万ドル以上~5億ドル未満:2%
  • 投資総額5億ドル以上~10億ドル未満:1.5%
  • 投資総額10億ドル以上:1%

経済特区での事業における最低登録資本金

経済特区における投資については、各経済特区が定める規則が適用される。経済特区の規則がない場合には、前述の一般事業・コンセッション事業における登録資本金に関する規定が適用される。現在日系企業が入居する3つの経済特区における最低登録資本金は、次のとおり。

ビタ・パーク経済特区(首都ビエンチャン)
5万ドル(開発業者Nam Wei Development Co., Ltd.へのヒアリングより)
サワン・セノ経済特区(サワナケート県)、パクセ・ジャパン中小企業専用経済特区
  • 製造業、職業学校、倉庫業・運輸会社、建設業、ホテル業、工業用地・製造業の開発と建設、住宅、観光地開発、一般教育機関、病院、スーパーマーケット、内外子会社・支店(駐在員事務所を除く):10万ドル
  • 配送業、パッケージツアーの旅行業、卸・小売業などの一般サービス(前記以外のもの):5万ドル
    (サワン・セノ経済特区の管理規則および奨励政策に関する首相令第177号第15条(2003年11月13日付)、パクセ経済特区の開発業者サワンTVSへのヒアリングより)。

その他規制

特になし

ご相談・お問い合わせ

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