貿易管理制度

最終更新日:2020年11月12日

管轄官庁

経済産業省(Ministry of Economy and Industry)

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※旧産業貿易労働省
Address:5, Bank Israel St., P.O.B. 3166, Jerusalem 91036, ISRAEL
Tel:+972-2-6662676
Fax:+972-2-6662941

経済産業省が、貿易政策を担当する。ただし、農業、環境、国防、金融部門など、分野や品目によっては、それぞれの所管省庁も関与する。
政府内に設置された「国際経済問題委員会」では財務省事務次官が委員長となり、経済産業省、外務省、農業省、中央銀行の各事務次官が委員になっている。

2016年10月には化粧品の輸出承認に関する所管が保健省から経済産業省に変更され。証明に要する費用が無料になるとともに、取得に要する時間も10日程度に短縮された。

輸入品目規制

生き物、野菜・果物、食品、飲料、ガスなどのうち、人々の生命、健康、道徳、セキュリティに関するもので、土砂、アルコール類、海賊版ビデオ・書籍類、武器類を含む40数種類の品目が輸入禁止品目となっている。また、冷凍食肉、切花、薬品類、木材、ダイヤモンド、屑、自動車、飛行機などの品目については、輸入ライセンスの取得が義務付けられている。

従来は禁止されていた再生携帯電話の輸入が、次の条件を満たす場合、2016年7月より許可された。

  • 部品交換は製造メーカー・オリジナルの部品に限る。
  • 携帯電話の状況に応じた保証を付ける。
  • 再生携帯電話であることを示すシールを付ける。

3Dプリンターについては、他のプリンターの輸入負担を軽減するため、2017年1月に他のプリンターとは別に公安省によって再分類された。しかし、この変更は同年4月、再検討のため取り消された。

生鮮もしくは冷蔵された牛肉の無税輸入枠は、2016年11月に次のように決定された。

輸入無税枠(トン)
2016 7,500
2017 10,000
2018 12.500
2019 15,000
2020以降 17,500

無税枠を超える牛肉の関税率についても、2017年より次のように決定された。

関税
2017 12% + NIS 9.75/kg
2018 12% + NIS 6.5/kg
2019 12% + NIS 3.25/kg
2020以降 12%

輸入地域規制

輸入地域規制はないが、輸入相手国については、政治的な理由から制限が設けられている。

原則として輸入地域規制はないが、イスラエルは政治的理由から外交関係を持たない国が多いことから、貿易相手国に関しても制限がある。
また、外交関係があっても、天然ゴム、コンピュータ、ダイヤモンド、宝石類、電化製品等、品目によっては、輸入ライセンスの取得が必要な国がある。該当国は次のとおり。
日本からの輸入については、政府が特別に規定しているものを除き、原則として輸入ライセンスの取得は必要ない。
自由貿易に関する政令により、イスラエルが外交関係を持たない国を除き、各国からの輸入にはライセンスを必要としないが、WTO非加盟国からの輸入には禁止あるいは制限がかかる。詳細の運用については逐次経済省による変更が生じる可能性があり、都度の確認が必要。

自由貿易に関する政令により輸入が規制されている国
アラブ首長国連邦(UAE)*、インドネシア、アフガニスタン、バーレーン*、バングラデシュ、ブルネイ、チュニジア、クウェート、マレーシア、マリ、モロッコ、オマーン、サウジアラビア、パキスタン、チャド、カタール、キューバ、カンボジア、イエメン、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、タジキスタン、東ティモール

*UAEとバーレーンについては、国交正常化合意を受けたステータスの変更中

イラン、シリア、レバノンとの貿易は、産業貿易労働省令「Trade with the Enemy Ordinance, 1939」に基づき制限されている。同省令の執行を管轄する財務省は2011年7月、イランに対する経済制裁強化の一環として、同国に関わる機関・企業・団体一覧を更新している。

2018年12月、イスラエルの財務大臣は、イラクとの貿易に関する一般的な許可を付与。2019年5月22日に、この許可を2020年末まで延長した。

輸入関連法

Import and Export Ordinance of 1979、Free Import Order of 1978

Customs Order (Import Prohibition), 2005; Trade with the Enemy Ordinance
Free Import Order, 2014

輸入管理その他

品目(食品および医薬品)により、必要な所定手続きがある。管轄はともに保健省。

  1. 日本の薬事法に該当する法律および基準

    管轄は保健省(Ministry of Health)。
    薬品の輸入に関する窓口(Pharmaceutical Division, Import Department
    Tel:+972-2-5681392
    Fax:+972-2-5681487
    提出書類はすべてヘブライ語で作成し、イスラエル側輸入業者が必要手続きを行う。

    イスラエルで未承認の新薬を輸入する場合、まず承認を得る必要がある。
    管轄:Pharmaceutical Division, Department for Medical Products Registration
    Tel:+972-2-5681349
    Fax:+972-2-6725820

    2020年11月現在、化粧品の輸入に関しては、従来の保健省からのライセンス取得制から、輸入者/製造者などによる申告に基づく認可制に変更されている。

  2. 食品衛生関連
    日本の食品衛生法に該当する法律はないが、食品に関する規定(規格)があり、イスラエルに食品を輸出する場合は、この規定に準拠する必要がある。管轄は次のとおり。

    保健省(Ministry of Health
    Food Control Service, Central Office
    Tel:+972-3-6270100
    Fax:+972-3-5619549
    申請書類はすべてヘブライ語で作成し、イスラエル側輸入業者が必要手続きを行う。

    敬虔なユダヤ教徒は、ユダヤ教の食物規定であるコーシャ(コシェル)に沿った食品・飲料しか口にしないため、大手スーパーマーケットなどで販売される食品については、コーシャ認証の取得が必要。しかし、世俗的なユダヤ教徒はコーシャに関してさほど厳格ではないため、非コーシャのスーパーマーケットであればコーシャ認証のない食品の販売も可能である。

    2016年12月には、オリーブオイルの輸入規格が国際規格に適合するように改訂された。これは輸入をし易くして寡占状態にある市場に競争を導入し、価格の低下を促すためであった。

  3. LPG車の利用促進策
    ガソリン・エンジンからの転換システムを輸入するにあたっては、2003年3月より物品購入税(19.2%)が免除されるようになったほか、LPG車の自動車登録税も軽減されている。
  4. タイヤの輸入
    タイヤの輸入に関しては、従来は安全上の理由から製造者の証明書等(あるいは代理店であること)が必要とされたが、2002年12月よりこの条件は緩和された。ただし、タイヤの安全基準にはついて変更されていない。
  5. アルコール飲料
    アルコール飲料の輸入には、2002年6月2日付政令により、通関の際に原産地証明書と経済産業省が指定する内容物証明書が必要となった。
    2015年の税関関税規則によるアルコール飲料に対する課税は以下の通り。
    • ワイン:購入税(該当なし)、関税12%+1リットル当たり1.48シェケル(最低課税額は1リットル当たり5.29シェケル)
    • ビール:購入税1リットル当たり2.31シェケル、関税0%
    • その他アルコール製品:購入税1リットル当たり85シェケル、関税0%
  6. 通関安全手数料
    輸入品の安全を確認するためという名目で、2004年7月より輸入証明1件当たり合計78シェケルが徴収されることとなった。
  7. 自動車輸入の緩和
    従来の自動車輸入業者が取り扱う車種に加え、2010年2月より産業貿易労働省法「Free import Order of 1978」に基づき、欧州および米国で製造されている自動車については個人輸入が可能となった。

    また2012年5月より、個人輸入される自動車については、3.5トンクラスの業務用車(ピックアップバンなど)の輸入が可能になったほか、取引する海外のサプライヤーの条件は、年間売上台数が2,000台から1,500台に緩和された。

  8. 通信機器輸入の緩和
    輸入される通信端末機器(固定電話機、ファックス機器、交換機、ルーター、モデム等)について、欧州、米国、オーストラリア、カナダもしくはその他の国際基準の通信および安全規格に適合している場合、2014年6月よりイスラエル通信省による審査工程が免除された。
  9. 国産ガラス製造業者を保護するために、2016年11月、ガラスに26.5%の輸入関税を1年間導入することが承認された。この他、アンチ・ダンピング税が導入されている。
  10. 電気製品の輸入規制緩和
    従来、輸入家電製品は、基準試験機関で安全性、仕様、エネルギー効率性などについて検査することが義務付けられていたが、2017年1月より規制が緩和され、民間検査機関での検査で代用することが可能となった。2020年8月にさらに規制が緩和され、検査機関による事前の検査が不要となった。
  11. 衣類品に関する消費者保護法の改正
    2018年6月、消費者保護法(商品の表示)の改正により、輸入者は衣類品の輸入段階でラベル添付が不要に、オンライン購入時におけるヘブライ語のラベル添付が不要になった。この改正は、輸入業者が最終消費者に対するコスト負担軽減をより容易にすることを目的としている。

輸出品目規制

輸出品目に関する規制は特にないが、ライセンス取得が必要な品目がある。

  1. 輸出禁止品目はないが、一部の食品、生鮮農産品、ダイヤモンドなどの貴金属、ユダヤ教文献など、輸出ライセンスの取得が必要な品目がある。また軍事技術については、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)に参加しているほか、軍事機密上の規制がある。
  2. 軍事用に転換が可能な品目(Dual Purpose)に関しては、2006年8月23日付政令により、経済産業省が発行する特別輸出ライセンスの取得が必要。対象品目リストは、ワッセナー条約を基に、経済産業省が作成し、定期的に更新する。
    防衛輸出監督規則(防衛輸出許可免除)に基づき、イスラエルは2017年6月、次に掲げる防衛輸出に関連する活動に関しては、免許要件を緩和した。
    展示会でのプレゼンテーションやデモンストレーション活動、サービスおよびメンテナンスについては、同規則で定められた基準に従って輸出許可要件から除外されることとなった。
    2017年10月、サイバー防衛関連製品の輸出を容易にする改革が発表され、2018年に実行された。

輸出地域規制

敵国と目されるイラン、シリア、レバノンとの貿易は制限されている。

イスラエルにとって敵国と目されるイラン、シリア、レバノンの三国に対しては、産業貿易労働省令 "Trade with the Enemy Ordinance, 1939" に基づき、貿易が制限されている。
2011年7月には、同令の執行を担う財務省がイランへの経済制裁強化の一環として、同国との経済関係を一切禁じたほか、イランに関係する機関・企業・団体との取引についても禁止すると発表した。

このほかにもイスラエルは、政治的理由から外交関係を持たない国(アラブ諸国など)が多く、これらの国ではイスラエルとの貿易が禁止されている。また外交関係があっても、イスラエルとの貿易には輸入ライセンスの取得が必要な国もある。

イスラエルと外交関係がなく、原則としてイスラエルからの輸入を禁止している国は次のとおり。
アラブ首長国連邦*、イラン、インドネシア、アルジェリア、アフガニスタン、バーレーン*、バングラデシュ、ブルネイ、チュニジア、クウェート、レバノン、マレーシア、マリ、オマーン、キューバ、リビア、シリア、イラク、サウジアラビア、パキスタン、北朝鮮、イエメン、モロッコ、チャド、カタール、カンボジア。

*UAEとバーレーンについては、国交正常化合意を受けたステータスの変更中

2018年1月、財務大臣がイラク向け防衛装備品、通常兵器、民生用および軍用双方に使える製品および技術など(dual-use goods and technology)の輸出許可を延長した。

輸出関連法

Import and Export Ordinance of 1979、Free Export Order of 1978

輸出管理その他

EU向け輸出に関しては、ガザ・西岸内にあるイスラエルの入植地で製造された輸出品と、それ以外のイスラエル域内からの輸出品とは区別される。

ガザおよび西岸内に存在するイスラエルの入植地で生産され、EU向けに輸出されたものは、2005年1月より、EUとの連合協定による免税、減税等の対象とはなっていない。このため、イスラエルからのEU向け輸出に際しては、国名の横に地名を併記することが義務付けられる。入植地の製造業者や輸出業者がEU向け輸出で新たに課税された場合、イスラエル政府が課税分を補填する。