イスラエル首相、ハンガリー訪問後、米首都ワシントンへ出発、トランプ大統領と会談へ

(イスラエル、米国、ハンガリー、イラン、トルコ、パレスチナ)

テルアビブ発

2025年04月07日

ハンガリーを4月3~6日に訪問していたイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はドナルド・トランプ米大統領と会談するため、首都ワシントンに向かった。

ネタニヤフ首相は3日、ハンガリーの首都ブダペストでオルバーン・ビクトル首相と会談を行った。オルバーン首相は共同記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、ハンガリーは反ユダヤ主義に対して寛容ではないことを断言するとともに、ハンガリー政府が国際刑事裁判所(ICC)から脱退する文書に署名したことを明らかにした。ICCは2024年11月、ネタニヤフ首相やヨアフ・ギャラント前国防相に対し、人道に対する罪と戦争犯罪の容疑で逮捕状を発行している。しかし、ICCには独自の警察や執行機関がないため、容疑者の拘束については、ICCに関するローマ規程締約国・地域の協力に依存している(2024年11月25日記事参照)。オルバーン首相はイスラエルとの2国間関係にも触れ、「イスラエルはハンガリーへの主要な投資国で、ハンガリーでは150社のイスラエル企業が操業しており、数千人を雇用している」と述べた。

イスラエル首相府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ネタニヤフ首相は共同記者会見で、オルバーン首相が「イスラエルやユダヤ人のために素晴らしいことを成し遂げた」と述べ、ハンガリーのICC脱退の判断について「勇敢で道義的な立場を取った」と謝意を表明した。

イスラエル首相府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは4月5日、ネタニヤフ首相がトランプ大統領の招待を受け、4月6日にハンガリーから米首都ワシントンに向けて出発すると発表した。両首脳は関税問題や、パレスチナ自治区ガザ地区での人質返還に向けた取り組み、イスラエルとトルコの関係、イランの脅威、ICCとの争いについて話し合うとしている。イスラエル政府は4月1日、米国からの輸入品に対する関税を全て撤廃すると発表したが、トランプ大統領は翌2日、イスラエルに対して17%の追加関税を課すことを決定した(2025年4月3日記事4月4日記事参照)。

ネタニヤフ首相は4月6日、ワシントンに向けた出発に先立って声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「私はこの(関税)問題について、トランプ大統領と会談する最初の外国首脳と言える。これは、米国とイスラエルの特別な結びつきだけではなく、個人的な結びつきを反映したものだと思う」と述べた。「タイムズ・オブ・イスラエル」紙電子版(4月6日)によると、両首脳は4月7日米東部時間午後1時(日本時間4月8日午前2時)にホワイトハウスで共同記者会見を行う予定としている。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、米国、ハンガリー、イラン、トルコ、パレスチナ)

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