為替管理制度
最終更新日:2025年07月21日
- 最近の制度変更
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2025年8月13日
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2025年7月22日
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2025年5月9日
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2025年4月22日
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2024年12月23日
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管轄官庁/中央銀行
中央銀行ほか
アルゼンチン中央銀行(Banco Central de la República Argentina
)
経済省(Ministerio de Economía
)
為替相場管理
変動相場制を採用している。
政令260/2002号により変動相場制を導入。ただし、厳しい資本取引規制が導入されているため国外から資本が流入しにくい状態が続いている。2025年7月現在、為替変動の上限と下限をそれぞれ1ドルにつき約1,400ペソ、約1,000ペソとする為替バンドが設定されており、為替レートはバンドの範囲内で変動する。
資本取引規制があるため、公式為替レートに加えて非公式の為替取引に適用される並行為替レート(通称ブルーレート)が存在する。
2023年12月10日に発足したミレイ政権下で、資本取引規制は段階的に解除されている。
貿易取引
政令609/2019号、必要緊急大統領令91/2019号により、財・サービスの輸出代金の国内への還流が義務付けられた。輸入代金決済用外貨の取得に関する規則は、中銀通達により定められている。
輸出代金の関連義務
- サービス輸出の場合:国外へサービスを提供した場合、国内または国外で支払いがあった、または国外に有する口座に支払いがあった時点から20営業日以内に、国内の為替市場でペソに交換しなければならない。 ただし、国外から受け取る報酬の一部を外貨のままで留保できる。
- 財輸出の場合:国内の為替市場で代金をペソに交換するまでの期日が設けられており、取引の種類と品目によって、船積日から連続30、60、120、180、365日と設定されている。
- 30日:小麦、大麦、トウモロコシ、大豆、大豆ミール・油・かす、グレーンソルガム
- 30日:関税分類第27類の品目(鉱物性燃料など)
- 60日:関連企業間取引で、a、bの品目および関税分類第26、71類の品目など。
- 60日:関連企業間取引で、a~c以外の品目で、年間輸出が5,000万ドル未満。
- 120日:関連会社との年間輸出5,000万ドル以上の貿易取引。例えば、冷凍牛肉、ミルクジャム、ワインなど。
- 180日:a~e以外の品目
- 365日:品目に関係なく、簡易輸出制度「Exporta Simple」を通じた輸出取引。
中銀は、商品の輸出取引に関する外貨の追跡システム(SECOEXPO)を導入。2019年9月2日以降に実施されたすべての輸出取引状況を把握するための追跡システム。輸出業者は、追跡を担当する銀行を選定しなければならない。
財・サービスの輸入
- サービス輸入
サービスの輸入に際しては、サービスの輸入取引が存在したことを裏付ける書類を取引銀行に提出し、中銀の対外資産・債務調査システムに取引の関連情報を登録しなければならない。- 2023年12月13日以降に取引されたサービスで、中銀の事前承認なく輸入代金の支払いが可能なのは次のとおり。
- 旅客輸送サービス、旅行関連サービス、音響・映像関連サービス、政府サービス、旅行支援会社による医療サービス、その他の医療サービス、カード代金の決済サービス。支払いができるのは、サービスの提供後即時。
- 輸出に係る貨物輸送関連サービス。支払いできるのは、輸出通関(船積許可取得)後。
- 輸入に係る貨物輸送関連サービス。支払いできるのは、輸入代金の支払い可能日以降。
- 個人的、文化的・娯楽的サービス(個人の医療費や学費など)。支払いは、サービス提供日から90暦日経過後。2025年4月14日以降の取引の場合は、サービスの提供日から30暦日経過後。
- i~iv以外のサービスで、輸出者と輸入者が関係会社ではない場合、支払いはサービス提供から30暦日経過後。輸出者と輸入者が関係会社の場合は、支払いはサービスの提供日から180暦日経過後。
- i~iii以外のサービスかつ2025年4月14日以降の取引で、輸出者と輸入者が関係会社ではない場合は、支払いはサービスの提供後即時。
- i~iii以外のサービスかつ2025年4月14日以降の取引で、輸出者と輸入者が関係会社の場合は、支払いはサービス提供から90暦日経過後。
- 次の条件を満たす場合、中銀の事前承認なく前記の支払い可能日よりも前にサービスの輸入代金の支払いが可能。
- サービス輸入の支払いが、中銀「貿易と為替に関する通達集」7.11項が定める「輸入に際して受けた外貨建て融資の返済は輸出で回収した代金で充てるメカニズム」に基づく場合。
- 原油および天然ガスの増産に対する外貨アクセス制度(政令277/2022号)の適用を受け、サービスの輸入代金と同等の価値を有する認証書を保有し、支払いを行う場合。
- サービス輸入代金の支払いが、2023年12月13日以前に金融機関または国際機関によって資金供与または保証された取引に基づく場合。
- サービス輸入代金の支払いが、債務の買い戻し/償還取引の決済日に行われ、非居住者によって提供された新規債務証券の発行または買い戻し・償還取引に関連するものの場合。
- サービス輸入代金の支払いが、関連企業以外の相手に対して行われ、かつ、現地金融機関の外貨建て口座に預けられた資金により、スワップ取引または仲裁取引を通じて実行される場合。
- 次の条件を満たした場合、2023年12月12日以前に提供されたサービスかつ未払いの輸入代金のものでも、中銀の事前承認なく支払いが可能。
- 国内外の金融機関、または国際機関による融資または保証を有するもの。
- 原油および天然ガスの増産に対する外貨アクセス制度(政令277/2022号)の適用を受け、サービスの輸入代金と同等の価値を有する認証書を保有し、支払いを行う場合。
- 自由アルゼンチン再建債(BOPREAL)によって得た外貨(元本・利息)が現地金融機関の口座に預けられたものであり、それによってスワップ取引または仲裁取引が実行される場合。
- 中銀「貿易と為替に関する通達集」13.4.6項のとおり、滞留輸入債務の総額の50%相当額以上のBOPREALシリーズ1を一次入札で購入した場合。
- 中銀「貿易と為替に関する通達集」13.4.6項のとおり、滞留輸入債務の総額の25%相当額以上のBOPREALシリーズ1を一次入札で購入した場合。
- 2024年2月10日以降に、自然人または法人がMiPyMe(中小零細企業)として認定され、中銀「貿易と為替に関する通達集」13.4.8項の条件を満たす場合。
- 2023年12月13日以降に取引されたサービスで、中銀の事前承認なく輸入代金の支払いが可能なのは次のとおり。
- 財輸入
- 2023年12月13日から2025年4月13日までの財の輸入代金は、次の条件に従って支払うことができる。
- 石油または歴青鉱物油、同調製物と残留物、石油ガスとその他のガス状炭化水素、発電所が輸入する歴青炭、電気エネルギーは通関後即時にFOB建て輸入代金を支払うことができる。
- 前記以外のものは、通関から30日暦経過後にFOB建て輸入代金を支払うことができる。
- 2025年5月14日以降の財の輸入代金は、品目に関わらず通関後即日の支払いが可能である。資本財については、船積み前にFOB建て30%、船積み後から通関前に50%、通関後に20%の支払いが可能になったほか、MiPyMeの認定を受けた中小零細企業は、財の種類に関わらず、船積み後、通関前に全額の支払いが可能になった。
すべての取引は、中銀の「輸入支払追跡システム(SEPAIMPO)」に登録されなければならない。輸入業者には、外国為替市場へのアクセスを登録する義務があり、かつ、輸入業者は、通関手続きが適切に行われたことを確認する役割を担う取引銀行を指定する必要がある。
- 2023年12月13日から2025年4月13日までの財の輸入代金は、次の条件に従って支払うことができる。
貿易外取引
中銀は2019年10月28日より、外貨購入の上限を設定。
- 外貨の購入
中銀通達A8226により、2025年4月14日以降は国内に居住する自然人による預金を目的とした外貨購入および海外送金を原則として制限しなくなった。ただし、現金での外貨購入は100米ドルまでとされた。中銀通達A6815により、2019年10月28日以降に法人が外貨を購入するためには、中銀の事前承認が必要とされた。両替商、政府機関、国際機関、外交機関などは規制の対象外。 - クレジットカード・デビットカード
海外においてクレジットカード・デビットカードを利用して現金を引き出すためにも上限がある。デビットカードの場合、アルゼンチン国内に保有する現地通貨建て口座であれば1カ月につき200米ドル相当まで。外貨建て口座からの引き出しには制限はない。クレジットカードの場合、アルゼンチンが国境を接する国で引き出せる現金は50ドルまで、その他の国では200ドルまで。クレジットカード・デビットカードで国外の財やサービスを購入する場合、利用金額に制限はないが、国内で発行されたカードの場合、個人資産税約30%が課税される。ただし、次の取引の代金を国外に支払うことは認められない。- ギャンブルへの支払い
- 決済サービスプロバイダ(PSP)への資金送金
- 国外のファンドマネージャーへの資金送金
- 国外での為替取引
- 仮想通貨の購入
- 宝石、ジュエリー、貴金属(金、銀、プラチナ、など)の購入
- 海外に所在する店舗または施設のギフトカードやそれに相当するものの取得。
資本取引
規制が一部緩和された。
2025年1月1日以降から始まる会計年度において、国外への利益・配当金の送金には中銀の事前承認が不要となった。ただし、2025年1月1日以前の会計年度においては、引き続き中銀の事前承認が必要。一定の条件を満たせば中銀の事前承認は不要だが、実態として国外への利益・配当金の送金は困難である。債務の元本および利子の支払いにも中銀の事前承認の取得が必要だが、実態として債務の元本の部分の送金は困難である。
関連法
中銀通達(Comunicación)、政令260/2002号(変動相場制の導入)、必要緊急大統領令609/2019号(輸出代金の国内還流義務)ほか。
法令・検索ウェブサイト "Información Legislativa y Documental"
アルゼンチン中央銀行通達検索サイト "Banco Central de la República Argentina-Buscador de Comunicaciones)
アルゼンチン中央銀行「貿易と為替に関する通達集」(Texto ordenado de las normas sobre “Exterior y Cambios”(2.4MB))
その他
特になし。