アルゼンチン中銀理事会、BOPREALシリーズ4の発行承認

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2025年05月09日

アルゼンチン中央銀行理事会は4月30日、ドル建て中央銀行債の「自由アルゼンチン再建債」(BOPREAL)シリーズ4(2025年4月22日記事参照)の発行を承認し、中銀通達A8233PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)A8234PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を通じて発行条件を発表した。

まず、BOPREALシリーズ4を購入できるのは、次の未払い金を抱える事業者だ。

  • 2023年12月12日以前に通関した財、提供されたサービスの未払い輸入代金
  • 2024年7月4日までに満期を迎えた関連会社に対する財・サービスの輸入代金の未払い利息
  • 未払いの利益・配当金
  • 2024年12月31日までに満期を迎えた関連会社に対する金融債務の未払い利息
  • 満期を迎えた関連会社に対する金融債務の未払い元本

シリーズ4の満期は2028年10月31日、債券はドル建てで、インターバンクレートで換算する現地通貨ペソで購入することができる。満期時にドルで償還されるが、満期前に早期償還オプションを行使した場合はペソでの償還となる。

購入者には年率3%を上限とする利息が付与され、入札公告時に利率が公示される。利息は四半期または半期ごとにドルで支払われる。流通市場での取引の可否については、中銀通達Bを通じた入札公告時にその可否を明示するとしている。

BOPREALはこれまでに総額100億ドルのシリーズ1から3までが発行され、全てが落札されている(添付資料表参照)。中銀によると、シリーズ4の発行目的は蓄積している外貨建て債務の縮小で、ミレイ政権が進めるマクロ経済安定化プログラムを補完するものだ。同プログラムは慢性的なインフレを解消することを目的に、第1段階に財政赤字ゼロ、第2段階に通貨発行ゼロ、第3段階に資本取引規制の解除を実行するというもので、IMFによる支援を得た2025年4月に第3段階に入った(2025年4月16日記事参照)。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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