SNSも活用した日本製品販売戦略
米南東部市場攻略のヒント(3)
2026年2月25日
米国ジョージア州アトランタで2025年12月18日~21日に開催されたアニメ関連イベント「アニメ・ウィークエンド・アトランタ(AWA)」で、ブース来訪者を対象にアンケートを実施した(回答数201件)。
(1)では、AWAなどの概要やアンケート回答者の属性などを紹介し、(2)ではアンケート結果を基に、ブース来訪者の日本製品への期待や購買行動を分析した。(3)では、SNS利用動向を整理し、南東部地域で事業を展開する際の示唆を考察する。
インスタグラムとユーチューブが2大チャネル
SNSやソーシャルメディアを、98.5%の人が利用していると回答した。SNS利用者は平均で2.4種類のプラットフォームを利用しており、71.7%が2つ以上のプラットフォームを利用している。
表はSNS利用の組み合わせについて、どちらも利用していると選択した人を示している。例えば、インスタグラムを利用している人は行項目と列項目の両方がインスタグラムに該当する。最も多くの回答者が利用していると答えたSNSはインスタグラムで、136人が利用しており、ユーチューブが128人と続く。利用しているとした回答者の割合が60%を超えるのはこの2つのみで、残りは30%以下だった。
| 項目 |
インスタ グラム |
ユーチューブ | TikTok |
X (旧Twitter) |
フェイス ブック |
レディット | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| インスタグラム |
136 (68.7%) |
85 | 43 | 38 | 39 | 33 | 1 |
| ユーチューブ | — |
128 (64.6%) |
40 | 38 | 39 | 39 | 3 |
| Tik Tok | — | — |
57 (28.8%) |
18 | 17 | 13 | 0 |
|
X (旧Twitter) |
— | — | — |
53 (26.8%) |
20 | 11 | 0 |
| フェイスブック | — | — | — | — |
53 (26.8%) |
13 | 1 |
| レディット | — | — | — | — | — |
47 (23.7%) |
1 |
| その他 | — | — | — | — | — | — |
8 (4.0%) |
注1:対角線上の数値の下段の割合は、SNS利用者全体に対する当該SNSの利用者の割合。
注2:対角線を挟んで対称の位置は同じ数値になるため、下段部分を省略している。
出所:ブース来訪者アンケートからジェトロ作成
インスタグラムとユーチューブの両方を利用しているのは85人で、インスタグラムを使うがユーチューブは使わない人は51人だった。つまり、インスタグラムもしくはユーチューブを使う人は179人で、SNSを利用しない人も含めた全体の89.1%だ。SNSを活用したマーケティングを行う場合、この2つのプラットフォームが主要な接点となり得ることが示唆される。
24歳以下の回答者は77.8%がインスタグラムを利用しているほか、68.5%がユーチューブを利用している(図参照)。一方で、35歳以上の回答者でインスタグラムを利用していると回答したのは51.1%にとどまり、ユーチューブの利用率が60.0%と最も高い。また、フェイスブックの利用率については、24歳以下では7.4%と最低水準だった一方、年齢層が上がるにつれて利用率が向上し、35歳以上では46.7%となった点も注目だ。35歳以上の年齢層では、フェイスブックが3番目に利用されている。
出所:ブース来訪者アンケートからジェトロ作成
ターゲット層や認知段階に応じた対応が必要
こうした年齢階層別の比較を踏まえると、SNSでプロモーションを実施する際には、ターゲット層や製品の認知段階に応じて適切なチャネルを選択する必要がある。アマゾン外で商品の認知を拡大する初期段階においては、視覚的訴求力が高いインスタグラムやユーチューブを軸に露出を増やすことが効果的だろう。加えて、アマゾンが提供する人工知能(AI)検索のルーファス(Rufus)(注1)で上位表示されるための回答エンジン最適化(AEO)(注2)対策、セールイベント時の露出強化、アマゾン・バイン(Amazon Vine)(注3)などのレビュー獲得施策を組み合わせることで、購買前の接点を広げられるだろう。
アマゾン商品ページへの流入が一定程度確保できた段階では、商品を初めて見る米国消費者にページ上で使用イメージや品質への信頼感を十分に与え、購入に結びつけることが重要だ。具体的には、サイズ感や素材を明示することや、「A+(エープラス)コンテンツ」(注4)などを活用して品質や文化的背景などの付加価値を強調することなどが挙げられる。
さらに、ブランド構築の段階では、リピーターやファンの獲得が不可欠である。ターゲットの年齢層や属性によっては、フェイスブックやX(旧Twitter)などテキストベースでの交流が盛んなSNSでコミュニティー形成をすることも有効だろう。また自社ウェブサイトやユーチューブで、ブランドの世界観や商品の詳細情報を発信することも効果的だ。アマゾン内外でのプロモーション施策をフェーズごとに適切に組み合わせることが、認知拡大から購入、そして長期的なブランド構築までを一貫して実現するカギとなる。
米南東部市場攻略のヒント
- 執筆者紹介
-
ジェトロ・アトランタ事務所
檀野 浩規(だんの こうき) - 2015年、ジェトロ入構。ジェトロ福岡、特許庁(出向)などを経て、2023年6月から現職。
- 執筆者紹介
-
ジェトロデジタルマーケティング部ECビジネス課
糸川 とき(いとかわ とき) - 2025年、ジェトロ入構。デジタルマーケティング部ECビジネス課にて越境EC関連事業を担当。






閉じる





