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大連市に中国本社を置く日系企業の声(中国)
遼寧省の最新ビジネス情報セミナーを開催(3)

2018年5月31日

ジェトロは2018年5月9日、東京で「遼寧省の最新ビジネス情報セミナー」を開催し、遼寧省の概況やビジネス投資環境などについて紹介した。3回目は、オリックスの伏谷清取締役兼専務執行役の講演内容。

オリックス株式会社(以下、オリックス)は1981年、中国中信集団公司(CITIC)と合弁で中国では初となるリース会社を設立して以降、中国鉄路物資総公司(CR)や中国科学院などとも合弁を組み、中国でビジネスを展開してきた。2009年12月には、遼寧省大連市にオリックスの中国本社機能を担う「欧力士(中国)投資有限公司(以下、オリックス中国)」を設立した。20年ほど前からオリックスで国際業務の責任者として海外事業に携わってきた同社取締役兼専務執行役の伏谷清氏は遼寧省セミナーに登壇し、外資企業が中国においてビジネスを成功させるためには、地元政府との対話が重要であるとし、以下のように話した。

大連市人民政府の協力により、オリックス中国のビジネスは順調だ。2016年には、大連市の国有企業3社とともに投資プラットフォームとなる「大連金融産業投資集団有限公司」を設立した。登録資本金40億元(約680億円、1元=約17円)のうち40%出資した。今後オリックス中国は、日本で培ってきたノウハウや実績と同プラットフォームを活用し中国ビジネスにつなげる狙いだ。


セミナーに登壇したオリックスの伏谷清取締役兼専務執行役
(オリックス株式会社提供)

遼寧省政府は外資企業との対話にオープンで、特に日系企業の誘致に積極的だ。さらに遼寧省には日系企業が進出する上で重要な資源が3つ備わっている。1点目は、優秀な人材が豊富であることだ。外資企業のビジネスにとって、人材の現地化が課題となるが、日本語人材が多いことが紹介されていたとおり、遼寧省には有能な人材が多い。オリックス中国でも中国鉄路物資総公司(CR)の元経営陣が会長を務めるほか、中国大手銀行の元大連支店長などが経営陣である。彼らの長年にわたる実務経験や幅広い人脈がオリックス中国の成長の原動力となっている。2点目は、親日的な地域であることだ。遼寧省は日系企業の進出の歴史が古く、行政機関をはじめビジネス関係者の多くが日本人および日本のビジネスに理解が深い。日中平和友好条約締結40周年を節目に、さらなる友好関係の深化とビジネス環境の改善が期待される。3点目は、開放的な経済政策が打ち出されていることだ。遼寧省には複数の経済特区が設置されており、ビジネス環境の改善とともに外資企業の誘致に力を入れている。

オリックス中国はこれら3点に着目し、2017年12月に遼寧省と全面的な提携戦略の覚書(MOU)を締結した。今後も中国事業を拡大するとともに、遼寧省政府の支援のもとオリックス中国のパートナーとのネットワークを生かし日系企業の中国進出も支援する構えだ。

4月10日、オリックスでシニア・チェアマンを務める宮内義彦氏も出席したボアオ・アジアフォーラムで、習近平国家主席は中国の対外開放政策の推進と知的財産権保護の強化を強調した。遼寧省においては、各産業の対外開放のほか、独自に知的財産権保護と活用の制度整備を進め、日系企業の進出支援体制を強化する。日系企業が遼寧省へ進出する際には、地元政府から的確なサポートを得られることが期待される。

執筆者紹介
ジェトロ海外調査部中国北アジア課
清水 絵里子(しみず えりこ)
2016年4月、ジェトロ入構。海外調査部海外調査計画課を経て、2017年6月より現職。

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