税制

最終更新日:2017年03月27日

法人税

法人税に相当するものとして企業利潤税がある(20%)。

企業利潤税

日本の法人税に相当する企業利潤税は、国税基本法第25章に規定されている。一般の税率は20%(うち、2%(2017年~2020年において3%)、18%(2017年~2020年において17%)がそれぞれ連邦政府予算、地方政府予算に割り当てられる)。地方政府が軽減できる税率は、13.5%を下限とする旨の制限があることから、一定の優遇措置を除き、優遇税制を受けられる場合においても、最低税率は原則15.5%となる。課税額の計算は、原則として一定の収入から一定の支出を差し引いて行う。

配当金、利子等への課税

一般の税率に加えて、配当金、証券取引などの場合、および納税者が外国組織である場合において、特別の税率が適用される。納税者は、ロシア組織(ロシア国内法に基づき設立された外資企業も含む)、ロシア国内において恒久的施設(PE)を有する外国組織、ロシア国内において恒久的施設を有せず、ロシア国内の源泉から所得を取得する外国組織という3種類がある。一般的に、ロシア国内において外国組織が定期的に事業を行う事務所・事業所などは恒久的施設とみなされる。なお、恒久的施設がなくても、特定の条件に該当する外国企業は、源泉徴収課税を受けることがある。適用税率は、条件によって異なる。

例えば、ロシア国内にある不動産の売却、ロシア国内にある不動産が資産の50%を構成するロシア会社の株式・持分、あるいはこの株式・持分を原資産とする金融派生商品の売却に際し、20%の税率が適用される。ロシア法人が発行した社債などの利子(ただし、国債・自治体債の金利について、発行期日や満期によって、15%、9%、0%のいずれかの税率が適用)や剰余財産分配配当金、ロシア国内において使用される知的財産物の使用料には、20%の税率が適用される。

外国組織がロシア企業から配当金を取得した場合、15%の税率が適用される。ロシア法人およびロシア居住者(個人)がロシア企業または外国企業から配当金を取得した場合、13%の税率が適用される。ただし、配当金の支払人がロシア企業の場合、支払企業が他から受領した配当金の総額等によって税額を調整する。配当金を受領するロシア企業が配当金を支払う企業の資本金のうち50%を超える持分を連続して365日間にわたり保有した場合、企業利潤税は課せられない。ただし、一定の国(主にタックスヘイブン)の企業は対象外となる。

ここで考慮すべきは、連邦政府が締結した国際条約が国内法に優先するため、二国間租税条約の規定が国内法規定に先立ち、適用されることである(日ソ間の租税条約に関しては、次の租税条約の項を参照)。

二国間租税条約

1986年の日ソ租税条約を継承している。配当、利子、ロイヤルティー料については源泉国で課税されることもあり、日露租税条約では各々15%、10%、10%に減税。

ロシアは、1986年1月18日付日ソ租税条約(所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の条約)を継承している。配当(日ソ租税条約上、配当とは、株式その他利得の分配を受ける権利<信用にかかる債権を除く>から生ずる所得およびその他の持分から生ずる所得であって、分配を行う法人が居住者とされる国の税法上、株式から生ずる所得と同様に取り扱われるものをいう)、利子(すべての種類の信用<融資>に係る債権から生じた所得、特に公債、債券または社債から生じた所得<日ソ租税条約上、公債、債券または社債の割増金および賞金を含む>をいう)、ロイヤルティー料(特許権、商標権、意匠、模型、図面、秘密方式<Secret formula>等の使用料)については源泉国で課税されることもあり、日露租税条約では各々15%、10%、10%である。

その他税制

連邦税、地方税等、合計14の税金がある。主な税金には、付加価値税(18%)、個人所得税(13%)、資産税(最大2.2%)があり、また従来の統一社会税にかわる社会保険料が存在する。

ロシアには、国税基本法に定める連邦税、地方税、市町村税がある。連邦税のうち、付加価値税、物品税、企業利潤税、個人所得税、地下資源利用税、水道使用税、野生生物・水産生物資源使用税、印紙税等があり、地方税には、法人資産税、輸送税、賭博税、市町村税には、土地税、個人資産税、小売税がある。主要な税金の概要は次のとおりである。なお、ロシアでは現在、知的財産から発生する一定の収益を除き相続が課税対象とならない。

一般税制度

付加価値税(国税基本法第21章)

同法が特に定める場合を除き、ロシアへの商品輸入、国内の商品の売買その他の譲渡ならびに役務・サービスの提供に課税され、基本税率は18%である。

食品や子供用品、一部医療機器を含む一定の商品、役務、サービスに関しては、10%の低減税率が課せられ、また商品の輸出には通常0%の税率が適用されている。

必要不可欠な医療機器と医療サービス、教育サービス、銀行サービス等には、付加価値税は免除されている。

納税義務者は、ロシアで付加価値税の対象となる取引を行った法人、個人である。ただし、ロシアで税務登記を行っていない外国法人が、ロシア法人に役務(サービス)を提供して付加価値税の納税義務を負った場合、役務(サービス)の購入者であるロシア法人が付加価値税部分を源泉して納税する義務がある。

社会保険料制度(旧統一社会税)

2010年1月、統一社会税の制度が廃止され、新制度として社会保険料制度が導入された(2009年7月24日付連邦法第212-FZ号「ロシア連邦年金基金、ロシア連邦社会保険基金、連邦強制医療保険基金への保険料について」)。旧統一社会税同様、支払人は雇用者であり、保険料の金額は、原則、給与の額を基準に計算される。

2012年1月1日より年金基金は22%、社会保険基金は2.9%、連邦強制医療保険基金は5.1%となった。一定の場合において、優遇措置が適用されることもある。ただし、2016年11月29日付第1255号連邦政府決定に従い、2017年1月1日からは、年金基金と連邦強制医療保険基金について、それぞれ年間87万6,000ルーブルと75万5,000ルーブルを基準額とし、この金額を超える給与の分については、さらに10%の年金基金の保険料が課せられる。保険料の金額は支払先の基金別に算定して納付される。年金基金は、それぞれ年金料金・医療料金と社会保険料金として管理され、必要な場合、書類検査、立入検査が行われる。

物品税(国税基本法第24章)

石油製品、エチルアルコール、アルコール飲料、たばこ類、乗用車等を課税対象商品に、その売却(輸出を含む)に際して課税される。税率は、各商品に関して、従量税率が設定されている。

法人資産税(国税基本法第30章)

ロシア法人ならびに恒久的施設を通じてロシア国内において営業活動を行ない、かつ(あるいは)ロシア国内(大陸棚および排他的水域を含む)にある資産を有する外国組織納税者とし、その固定資産の額に課税される。税率は連邦構成体法により制定されるが、2.2%を上回ってはならない。

特別税制度

ロシア税制には、前述の「一般税制度」に加えて、いくつかの「特別税制度」が設定されている。具体的には、主に中小企業を対象とする簡易税制およびみなし所得税制、さらに、大規模な地下資源開発プロジェクト実施のために整備された生産物分与制度に関する特別税制等がある。

簡易税制(国税基本法第26.2章)

一定の規模の企業(従業員100人以下、年間の売上高6,000万ルーブル以下、固定資産価格1億ルーブル以下、その他の要件を満たす企業のみ。銀行業務、保険業務等を営む企業、25%超の株式<持分>を有する法人株主を持つ会社等を除く)および自営業者が、企業利潤税(自営業者の場合、個人所得税)、付加価値税(ただし、輸入する場合を除く)、社会保険料(年金納付金の分を除く)の代わりに統一税の適用を申請する制度である。この場合、適格者は、総収入方式(控除なし。税率6%)または純収入方式(総収入から特定の支出が控除される。一般的な税率は15%であるが、各連邦構成体は納税者のカテゴリーによって5~15%範囲内で個別税率を設定することができる)のいずれかを選び、税務当局にその旨を申請する。

みなし所得税

連邦構成体法により導入され、店舗の規模が一定以下である小売業者・外食業者、使用する台数が20台以下である自動車輸送業者等に対して適用される制度である。
この場合、従業員人数、営業所の面積、店舗の立地条件その他の係数を考慮して、みなし所得の額を算定する。税率は15%である。企業利潤税(自営業者の場合、個人所得税)、付加価値税(ただし、輸入する場合を除く)、法人資産税、統一社会税(年金納付金の分を除く)の代わりに統一税が課税される。

生産物分与制度

1995年12月30日付連邦法第225-FZ号「生産物分与協定(PSA)について」(PSA法)に基づく特別制度であり、特別税制でもある。国が投資家に対して一定の鉱区において鉱物を探鉱、試掘・採掘を行う排他的権利を付与し、採取物(生産物)が投資家と国の間で分与される制度である。同法は、グランドファーザー条項(新規則制定後もそれ以前の既得権を認める)を規定し、投資家の税負担を軽減する措置を講じることによって、最近まで資源開発プロジェクトに外資を誘致する手段とみなされていた制度である。

生産物分与制度に従い実施されるプロジェクトに関して、投資家と国との間の生産物の分与に際しては「従来分与方式」または「直接分与方式」のいずれかが適用される。従来分与方式では、総生産物の総量から、プロジェクトのコストの補填に充当する補償生産物と有用鉱産物採取税の納税に当てられた生産物を控除した残りの生産物を国と投資家の間で分与する。この場合、投資家に帰属する生産物について企業利潤税が課税される。また、付加価値税、物品税、その他の税金がかかるが、ほとんどが還付されることとされている(ただし、有用鉱産物採取税、企業利潤税は還付されない)。

直接分与方式

開発のコストを控除せず、総生産物の総量を国と投資家の間で分与する。この場合、税金がほとんど免除される。しかし、2003年の改正により、手続きおよび要件が複雑になった。

省エネ事業を行う企業および省エネ施設・省エネ発電施設に対して投資を行う企業には、当該目的のために購入した設備の取得価額の100%について、企業利潤税および各地方税・市町村税の税金支払いの繰り延べが認められる。また、省エネに関連する固定資産について、減価償却の優遇措置が適用される。

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