外資に関する奨励
最終更新日:2020年12月01日
- 最近の制度変更
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2020年7月6日
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2019年12月16日
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奨励業種
特になし。
各種優遇措置
連邦政府および州政府は、企業の経済活動を支援し、オーストラリア経済を活性化するために、さまざまな助成金や補助金、税金上の優遇措置を提供。エネルギー・環境、インフラ、イノベーション、宇宙ビジネス等に関する支援プログラム多数あり。
法人税の優遇
連邦政府は、企業の研究開発(R&D)投資を促進するため、法人税の優遇措置を設けている。オーストラリアの会社法に基づいて設立された法人、オーストラリアで売上のある海外法人、オーストラリアと租税条約を結んでいる国・地域の法人が対象。この制度の適用を受けた企業は、年間売上高2,000万豪ドル未満の場合、直接法人税還付を受けることができる。また、2,000万豪ドル以上の場合、法人税の控除を受けることができる。
産業・科学・エネルギー資源省 “Research and Development Tax Incentive”
輸入関税の優遇
- 特定製造原料の輸入関税減免プログラム
化学品、プラスチック、紙、金属鉱物、食品包装材などの原材料や中間原料で、特定の最終製品への使用にあたりオーストラリア国内で供給される同等品よりも優れていることが証明できる品目に対する関税を減免する制度。
オーストラリア政府ビジネスポータル “Certain Inputs to Manufacture(CIM)”
主なプロジェクト別優遇措置
- エネルギー・環境
- 再生可能エネルギー研究・開発支援策:気候変動対策ファンド
2019年2月、連邦政府は20億豪ドルの気候変動対策ファンド(Climate Solutions Fund)を設立した。2015年に設立された温室ガス排出削減ファンドと合わせて、投資額は合計45億5,000万豪ドルとなった。水質改善や土地の侵食・塩化の防止を目的とした植樹、土壌中の炭素を増やす農地改良、豪北部草原地帯の火災防止などの事業を想定し、農業生産者や企業、先住民の地域社会にとって有益な温室効果ガス削減プロジェクトに投資する。
クリーンエネルギー規制局(CER):気候変動対策ファンド “Climate Solutions Fund
”
- クイーンズランド州資源再生産業開発プログラム(Resource recovery industry development program
)
ゴミのリサイクルやバイオエネルギーとしての利用を促進するため、再処理施設の新設や既存施設の更新を計画している企業や自治体、非営利団体等を対象に、3年間にわたって総額1億豪ドルを補助する。[1]資源再生補助金ファンド(Resource recovery grants fund)、[2]資源再生事業ファンド(Resource recovery project fund)、[3]資源再生投資ファンド(Resource recovery investment pipeline fund)の3つがあり、2021年9月11日まで[2]と[3]の募集を受け付けている。
- 2018‐2022北部準州資源探査イニシアチブ(Resourcing the Territory Initiative 2018‐2022
)
北部準州政府が2014~2018年に総額2,380万豪ドルを投じて実施した資源探査機会拡大計画(Creating Opportunities for Resource Exploration)に代わる資源探査プログラム。4年間で総額2,600万豪ドルの予算を拠出し、グリーンフィールド(未開発地域)の地質調査や資源探査の費用を補助する。
また、北部準州政府は、日本企業が今後の探鉱プロジェクトに参入する機会が得られるよう支援している。地球科学情報の提供、助言、事業パートナーの紹介、セミナーの開催などを行っている。
- 再生可能エネルギー研究・開発支援策:気候変動対策ファンド
- インフラ
- 西シドニー空港都市(エアロトロポリス)開発
連邦政府とニューサウスウェールズ州政府は、2026年開港予定の西シドニー空港と防衛・航空・ハイテクなどの企業誘致を進める臨空都市「エアロトロポリス」を核に、今後の発展が見込まれる西シドニー地域を新たな都市圏として整備する国家的なインフラ事業を進めている。連邦・州政府はエアロトロポリスへの企業誘致を進めており、民間からの投資を呼びかけている。
ニューサウスウェールズ州政府 ”Western Sydney
”
ニューサウスウェールズ州産業省 “Invitation to Participate as a partner anchor tenant in the Western Sydney Aerotropolis”
- パートナーシップ・ビクトリア(Partnership Victoria
)
官民パートナーシップ(PPP)プロジェクトに対するビクトリア州政府の投資事業。現在までに32件のプロジェクト(合計301億豪ドル)が実施されている。
- 西シドニー空港都市(エアロトロポリス)開発
- イノベーション
- ベンチャーキャピタル株式会社パートナーシッププログラム
オーストラリアのベンチャーキャピタル産業を活性化させることを目的に、総資産が2億5,000万豪ドル(Early Venture Capitalの場合は5,000万豪ドル)以下のオーストラリア企業に、1,000万豪ドル以上(Early Venture Capitalの場合は1,000万豪ドル以上1億豪ドル以下)を出資する外国投資家に対して、キャピタルゲイン課税を免除する。
オーストラリア政府ビジネスポータル “Venture Capital Limited Partnerships(VCLP)
”
- ニューサウスウェールズ州起業家支援策(Support for startups
)
ニューサウスウェールズ州政府は雇用創出イニシアチブ「ジョブズ・フォー・ニューサウスウェールズ」(JOBS FOR NSW)の柱の1つとして、ベンチャー企業への支援を掲げ、次のプログラムを実施している。- 「ミニマム・バイアブル製品プログラム」
携帯機器、クラウド、分析、センサー、先端素材などのベンチャー企業を対象に、プロジェクト資金の最大50%(上限2万5,000豪ドル)を補助。 - 「ビルディング・パートナーシップ」
ハイテク分野のベンチャー企業の市場開拓を支援するため、プロジェクト資金の最大35%(上限10万豪ドル)を補助。 - 「シドニー・スタートアップ・ハブ」(The Sydney Startup Hub
)
2018年2月、シドニー市内中心部のヨークストリートに起業家の「卵」を支援する共同オフィススペースを開設。ビルの11階分の総床面積1万7,000平方メートルのスペースに最大2,500人を収容可能。
- 「ミニマム・バイアブル製品プログラム」
- ニューサウスウェールズ州国際投資戦略(Global NSW
)
ニューサウスウェールズ州政府は2019年12月、海外からのさらなる投資を呼び込む国際投資戦略「グローバルNSW」を発表した。
シドニーおよびニューサウスウェールズ州をオーストラリアの国際ハブとして位置付け、特に健康、防衛・航空宇宙、アグリビジネス・食品、資源、インフラの各分野に焦点を当てて貿易の発展と多様化、ビジネス投資の活性化、イノベーションの促進、産業競争力の強化を目指す。
また、ニューサウスウェールズ州が設置する海外事務所を11カ所から21カ所に増設している。
同州は、医療とIT技術を組み合わせたメドテック、サイバーセキュリティ、宇宙、次世代製造、量子コンピューティング、ブロックチェーンなどの分野での成長を目指している。
- ベンチャーキャピタル株式会社パートナーシッププログラム
- 宇宙ビジネス
連邦政府は2018年にオーストラリア宇宙庁を立ち上げ、宇宙開発産業の育成に力を入れている。2030年までに同産業の規模を120億豪ドルと現状の3倍に拡大させ、新たに2万人の雇用を創出する計画である。1,950億豪ドルの宇宙インフラ基金においては、将来の宇宙における製造業に関する研究(200万豪ドル)、中小企業や研究者を対象とした小型衛星管制システムに関する研究(600万豪ドル)、ロボットおよび人工知能(AI)による宇宙空間における作業の自動化に関する研究(450万豪ドル)など7つの事業に出資している。
産業・科学・エネルギー資源省:宇宙インフラ基金 “Space Infrastructure Fund
”
- その他
農業、食物、医薬、海運、自動車、繊維等の分野については、さまざまな特定産業向けの補助金があり、連邦政府だけでなく、各州、行政区でも外資誘致、技術革新、資源開発などに対して補助金や優遇税制を提供している場合がある。
オーストラリア政府ビジネスポータル:各種政府補助金や優遇税制の検索 “Grants & programs
“
オーストラリア貿易投資促進庁:各州・準州・首都特別地域の支援を受けることができる投資案件の検索 “Investment promotion assistance available from Australian state and territory governments”
その他
特になし。