日本からの輸出に関する制度

清涼飲料水の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する清涼飲料水のHSコード

2009:
果実、ナットまたは野菜のジュース(ぶどう搾汁およびココナッツウオーターを含み、発酵しておらず、かつ、アルコールを加えてないものに限るものとし、砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わない)
2201:
水(天然または人造の鉱水および炭酸水を含むものとし、砂糖その他の甘味料または香味料を加えたものを除く)
2202:
水(鉱水および炭酸水を含むものとし、砂糖その他の甘味料または香味料を加えたものに限る)その他のアルコールを含有しない飲料(HS2009の果実、ナットまたは野菜のジュースを除く)

具体的な製品の内容により異なる場合があるため、詳細は必ず確認してください。

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米国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2024年8月

これまで米国は、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、県単位での輸入停止措置を講じていましたが、2021年9月22日に撤廃され輸出が可能となりました。
米国の食品安全基準に違反していないことの証明または米国側でのサンプル検査などを課しています。輸入警告(インポートアラート)は米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)のウェブサイトで公開されていますが、その内容は頻繁にアップデートされているため、注意が必要です。

関連リンク

関係省庁
農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
インポートアラート(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
ジェトロ農林水産物・食品 輸出支援プラットフォームから入手できる主な情報

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2024年8月

米国に輸入される清涼飲料水の安全は、米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)が管轄しています。日本から清涼飲料水を輸入するためには、食品施設登録と事前通知などが必要となります。

FDA食品施設登録
バイオテロ法上、米国内でヒトや動物の消費に供するための食品を製造・加工・梱包・保管する米国内外の施設の所有者、経営者または代理人は、日本から輸出を行う前に、FDAに施設登録することが義務付けられています。さらに食品安全強化法の第102条により、登録は偶数年の10月1日から12月31日の間に更新することが義務付けられています。食品施設登録は、FDA業界用システム(FDA Industry Systems)からオンラインで行うことができます。
FDA向け事前通知

食品の到着までに、FDAに事前通知を提出する必要があります(連邦規則集第21条第1.279(c)条:21CFR1.279(c))。事前通知は、必要な情報を持っている者であれば誰でも行うことができます。また、輸入申告で提出する情報はFDAに事前通知として提供されます。米国税関・国境取締局(CBP)のシステム(ABI/ACS)を通じて提出する場合は到着予定日の30日前から行うことができ、FDAの輸入食品事前通知システム(PNSI)を通じて提出する場合は到着予定日の15日前から行うことができます。航空輸送の場合は食品の到着の4時間前、海上輸送の場合は食品到着の8時間前までに、事前通知を提出する必要があります(連邦規則集第21巻第1.279(c)条:21CFR Part1.279(c))。

また、次のカテゴリーに入る清涼飲料水については別途手続きが必要です。米国に輸出する前に、輸出業者、現地の輸入業者、通関業者などに輸入の適否も含め、確認してください。

密封容器(レトルトパウチ、缶詰、瓶詰など)入りの低酸性缶詰食品(常温流通)と酸性化食品(常温流通)
  • 水分活性が0.85より高く、pHが4.6より高い密封・常温で流通する食品は、低酸性缶詰食品として連邦規則集21CFR Part108および113が適用されます。当該食品を製造/加工、梱包する施設は、食品缶詰施設登録様式FDA2541またはオンラインのFDA産業システム(FDA Industry Systems)により、施設(FCE:Food canning Establishment)登録を行う必要があります。また、それぞれの食品、容器の大きさと種類、製造方法ごとに殺菌条件などの製造工程に関する情報を様式FDA-2541dもしくは2541f、2541gの適切なフォームでFDAに提出しなければなりません。
  • 水分活性が0.85より高く、酸または酸性食品を加えることにより、pHを4.6以下の酸性状態にした加工食品を密封・常温で流通する場合は、酸性化食品として連邦規則集21CFR Part108および114が適用されます。当該食品を製造/加工、梱包する施設は、食品缶詰施設登録様式FDA-2541またはオンラインのFDA産業システム(FDA Industry Systems)により、施設(FCE)登録を行う必要があります。また、それぞれの食品、容器の大きさと種類、製造方法ごとに、殺菌条件などの製造工程に関する情報を、様式FDA-2541eでFDAに提出しなければなりません。

低酸性缶詰食品または酸性化食品を米国に輸入するためには、製造業者は輸入製品についてFCEとSID(製品固有の番号:Submission Identifier)の両方を取得する必要があります。FCEとは、缶詰食品工場としての登録番号を指し、SIDとは、各製品の殺菌工程をFDAに提出し、問題がないことを確認してもらうことを指します。なお、一貫して冷蔵または冷凍で保存・流通させる場合は、FCE登録や製造工程情報の提出は不要です。

また、FDA(Center for Food Safety and Applied Nutrition Office of Food Safety / Multi-Commodity Foods / Food Processing Evaluation Team)に確認したところでは、砂糖などの栄養成分を全く含まないボトル入りの飲料水は、密封容器(レトルトパッケージや缶詰など)入りの低酸性缶詰食品(常温流通)と酸性化食品(常温流通)規制の対象外です。

関連リンク

関係省庁
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
連邦規則集
米国政府出版局
その他参考情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2024年8月

日本からの清涼飲料水の輸出にあたっては、動植物検疫は課されていません。

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その他参考情報
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米国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2024年8月

食品規格は、連邦規則集21CFR Part146において缶入り果実ジュース、Part165において飲料のグループが規定されています。ジュースHACCP規則(21CFR Part120)によると、ジュースとは、「1種類以上の果物または野菜から絞られた、または抽出された液体、1種類以上の果物または野菜の可食部のピューレ、またはそのような液体かピューレの濃縮物」と定義されています。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2024年8月

清涼飲料水の原材料として含まれる可能性のある果実や野菜などの青果物に関する米国における農薬の規制は、環境保護庁(EPA)と米国食品医薬品局(FDA)が管轄しています。EPAは農薬の種類と最大残留農薬限度(MRL)の承認と登録、FDAは食品についてEPAが設定した規制を執行する役割を担っています。

EPAは、農薬成分および農作物ごとに残留農薬の許容量を設定(ポジティブリスト制)しており、米国に輸入される青果物とその加工品は、その基準を満たしている原材料を使用していなければなりません。なお、一部の農薬成分については、人体に安全だとして許容量の設定を免除しているものもあります。残留農薬の許容量に関する詳細は、「関連リンク」の「その他参考情報」にある農林水産省の「諸外国における残留農薬基準値に関する情報」や連邦規則集第40巻第180条(40CFR Part180)で確認してください。連邦規則集での確認方法は、EPAのウェブサイト「残留農薬許容量情報(Part180)の索引」を参照してください。

また、許容量を超えて農薬成分が残留している青果物およびEPAが残留農薬の許容量の設定・免除を行っていない農薬成分が残留している青果物を使用した加工物は、米国に輸入することができないため、日本から米国向けの清涼飲料水(果実や野菜が含まれているもの)の輸出にあたっては、農薬の使用可否、残留する農薬の許容値について事前に確認しておく必要があります。清涼飲料水中に含まれる加工された青果物に許容量が設定されている農薬成分が残留している場合には、次の3つの条件をすべて満たさなければなりません。

  • 加工前の青果物における残留農薬が許容量を超えていない。
  • 現行適正製造規範(CGMPs)に基づく製造が行われ、残留農薬が可能な限り取り除かれている。
  • 加工品の残留農薬が、加工前の原料における許容量を超えていない(食品医薬品化粧品法(FD&C法)第408条(a)(2)、合衆国法典21USC346a(a)(2))。

なお、2021年8月にEPAは、クロルピリホスの残留農薬基準値を取り消す最終規則を公表し、2022年2月28日にすべての食品におけるクロルピリホスの残留基準値を取り消しましたが、2024年2月5日、クロルピリホスの基準値を取り消す最終規則を無効とする改正を行いました。EPAは現在も本件について検討中であることから、輸出前には最新情報を確認してください。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2024年8月

食品に含まれる有毒および有害な物質の許容量は、食品医薬品化粧品法(FD&C)第406条に基づく規則で定められています。現在、FDAが規則で食品に関して暫定残留許容濃度を定めている物質は、ポリ塩化ビフェニール類(PCB類)のみで(連邦規則集第21巻第109.30条:21CFR Part109.30)、紙製の食品包装材のPCBの残留物に対する暫定的な許容量は10ppmとなっています。また、ボトル入り飲料水に関しては、FDAがヒ素などを含む化学物質の汚染レベルを規制しており(連邦規則集第21巻第165.110条:21CFR Part165.110)、例えば、ヒ素の許容濃度は、EPAが公共飲料水に許可している量と同じ10ppbに設定されています。一方で、ヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制についてはFDAが中心に行っていますが、総括的な法的水準は決められていないのが現状です。しかし、ボトル入り飲料水に関しては、無機物質、農薬残留など詳細に法的水準が決められていますので、前述の連邦規則集第21巻第165.110条(21CFR Part165.110)を確認してください。

1. 有毒・有害物質の欠陥対策レベル

FDAは、有毒・有害物質に関する欠陥対策レベルをガイダンス「ヒト向け食品および動物飼料に含まれる有毒・有害物質に関する対策レベル」として2000年に発行しています。同ガイダンスでは、19種類の有毒・有害物質について、食品と飼料の品目別に対策レベルの値(ppmなど)が設定されています。各物質の欠陥対策レベルの値は食品によって異なりますが、同ガイダンスでは、例えばアフラトキシンについては「一般食品」において20ppbと設定されています。

なお、このガイダンスには規則のような法的拘束力はありませんが、FDAが法的措置を発動するかどうかを決定する際の基準と位置付けられています。従って、有毒・有害物質の含有量が欠陥対策レベルを下回っている必要があります。

また、FDAが鉛の上限を定めている個別の製品カテゴリーがあります。例えば、ボトル入り飲料水については5ppb、子供がよく消費するジュースやキャンデーについても、ジュースは50ppb、キャンデーは0.1ppmを上限としています。

ジュースに含まれる鉛の基準値は2004年に50ppbに設定後、その後2022年にガイダンス案が発表され、そのまま飲めるタイプのりんごジュースについては鉛の基準値を10ppbに設定し、その他のそのまま飲めるタイプのジュースについては20ppbに設定すると記載されています。現状、正式な変更はありませんが、今後基準値が厳しくなる可能性はあります。

ボトル入り飲料水については連邦規則により許容されている重金属やその他の成分についての上限値が定められています。2022年10月17日より、フッ化物が添加された、国内で包装された飲料水および輸入された飲料水におけるフッ化物の許容レベルを1リットルあたり0.7ミリグラム(mg/L)に修正する最終規則が施行されました。なお、この最終規則は、天然フッ化物のみを含む(つまり、製造業者によって添加されていない)ボトル入り飲料水には適用されません。

2. トータルダイエットスタディに基づく参考指標

米国では、1991年からさまざまな食品に含まれる物質(ヒ素および有害重金属などを含む)のトータルダイエットスタディ(TDS:Total Diet Study)が実施されており、FDAのウェブサイト上で結果が公開されています。これは法的に設定された許容量や基準値ではありませんが、米国で消費されているさまざまな食品中におけるヒ素や有害重金属などの含有量について、最小値、最大値、平均値などを知ることができるため、参考指標として有効利用することができます。公表されている直近のデータは2018年から2020年に行ったサンプル調査によるもので、次のような結果となっています。ここでは、いくつかの清涼飲料水の例をあげます。

ボトル入りのりんごジュースに含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標(単位:ppb)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 1.1 4.4 2.6
カドミウム 検出なし 検出なし N/A
検出なし 170 57
検出なし 2.7 1.4
マンガン 350 2300 1003
亜鉛 77 410 199
ボトル入り・箱入りのオレンジジュースに含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標(ppb)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 検出なし 検出なし N/A
カドミウム 検出なし 検出なし N/A
280 410 350
検出なし 検出なし N/A
マンガン 230 300 263
亜鉛 350 470 417
ボトル入りの水(ミネラルウオーター・スプリングウオーター)に含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標(ppb)
名称 最小値 最大値 平均値 規制値
ヒ素 検出なし 1.8 0.47 10
カドミウム 検出なし 0.083 0.0076 5
検出なし 1700 71 1000
検出なし 検出なし N/A 5
マンガン 検出なし 3.5 0.65 N/A
亜鉛 検出なし 9.4 0.35 N/A
鉛:
FDAは、子供が頻繁に消費する食品を中心に(キャンデーやジュース)、鉛についてのサンプル調査を長年にわたって実施しています。FDAは1970年代から鉛の含有量の削減について働きかけており、1~3歳児が摂取する鉛の量は、2016年には1980年と比較して97%減少しているというデータもあります。

3. その他

米国では連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop.65)の警告表示にかかる改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を少なくとも一種類表示し、その物質を‘含む’ではなく、‘有害物質にさらされる’という表現にする、インターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。

なお、生殖毒性があるとされるビスフェノールA(BPA)に関しては、2017年12月31日以降は個々の商品もしくは商品棚への警告表示が必要となり、全体警告は認められません。

Prop.65の有害物質リストは1,000種類以上に及び、そのリストも年に2~3回は内容が更新されます。確認の際には必ず直近のリストを参照してください。

関連リンク

関係省庁
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国カリフォルニア州環境保護庁有害物質管理局(OEHHA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
第21巻パート109.30(21CFR Part109.30)「ポリ塩化ビフェニル(PCB)の許容値」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
第21巻パート165.110(21CFR Part165.110)「ボトル入りの水」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
第21巻パート129(21CFR Part129)「ボトル入り飲料水の加工と瓶詰」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
米国カリフォルニア州環境保護庁有害物質管理局(OEHHA)から入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報

4. 食品添加物

調査時点:2024年8月

米国に輸入される清涼飲料水に含まれる食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻348条(21U.S.C.348)Food Additivesに基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻第321条(21U.S.C.321)により規定されており、食品に対して直接または間接に使用が認められている食品添加物やそれにかかる規則は、連邦規則集第21巻第170条から第189条(21CFR Part170~189)に列挙されています。

米国において新規の食品添加物を使用する場合には、GRAS通知や、食品添加物申請(FAP:Food Additive Petition)をFDAに申請し、事前許可を得る必要があります。

なお、製造/加工、梱包、包装、保管または輸送に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質とよび、食品添加物として定義しています。食品接触物質に関する情報は、後述の「5.食品包装規制」の項目を参照してください。

着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻379条(21U.S.C.379)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAウェブサイト上の「使用が許可されている着色料一覧(Color Additive Status List)」と「連邦規則集第21巻第70条から第82条(21CFR Part70-82)」を確認してください。

特に、赤色102号については、日本をはじめEUやアジアの主要国では着色料として使用が認められていますが、米国では認められていません。また、クチナシ、ベニバナ、ベニコウジも日本では古くから着色料として使用されていますが、米国では使用することはできません。

また、FDAは、トランス脂肪酸の原因となる部分水素化油脂(PHOs:Partially Hydrogenated Oils)について「安全と認められる(GRAS:generally regarded as safe)食品」ではないとし、2018年6月18日までに添加物として承認を受けていないかぎり、使用を禁止しました。これを受け、食品事業者は、PHOsを使用しない代替材料への切り替え、またはPHOsの使用継続許可に関する食品添加物申請(food additives petition)を提出し、FDAから承認されることが求められています。

また、カリフォルニア州では発がん性など健康を損なうリスクが大きいとされる4種類の食品添加物を用いた食品製造や使用、販売を禁止するカリフォルニア州食品安全法案418号が2023年10月に成立しました。規制対象となっているのは、臭素化植物油(BVO)、臭素酸カリウム、プロピルパラベン、および赤色3号で、2027年1月1日以降、これらの添加物を含む加工食品をカリフォルニア州で製造、販売(カリフォルニア州への輸入を含む)することが禁止されます。違反した個人や団体は、初回5,000ドル以下、2回目以降は1万ドル以下の罰金が科されます。

FDAはこれらの各成分の安全性を審査し、再評価していると述べています。特に赤色着色料3号については、連邦食品医薬品化粧品法のデラニー条項に基づいて安全性を審査中ですが、決定のタイムラインは示されていません。

2024年7月3日に、FDAは、食品への臭素化植物油(BVO)の使用を許可する規制を取り消す最終規則を公布しました。この規則は2024年8月2日に発効し、適用日は発効日から1年後となっています。BVOはかんきつ系の風味が飲料の表面に分離するのを防ぐために一部の飲料で少量使用されていましたが、現状、米国においてBVOを含む飲料はほとんどありません。なお、日本においては2010年に禁止されています。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
連邦規則集
合衆国法典
米国カリフォルニア州政府から入手できる主な情報
その他参考情報
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5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2024年8月

食品の製造/加工、梱包、包装、保管または輸送に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(FCS:Food Contact Substances)といいます(食品医薬品化粧品法第409条(h)(6)、合衆国法典21U.S.C.348(h)(6))。FDAは、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive)として食品添加物に定義しています。なお、梱包などの資材を構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、資材の製造業者が負うことになります。

食品接触物質は、FDA規則に合致している物質(次の1を参照)でない場合は、FDAへの食品接触物質通知(次の2を参照)が必要です。

1. 食品接触物質の規制の適合確認

次の規則に当てはまらない食品接触物質は、FDAへの食品接触物質通知をしなければなりません。

  • 間接添加物(連邦規則集第21巻第174条から第179条:21CFR Part174-179)
  • GRAS(連邦規則集第21巻第182条、第184条、第186条:21CFR Part182,184,186)
  • 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material、連邦規則集第21巻第181条:21CFR Part181)
  • 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption、連邦規則集第21巻第170.39条:21CFR Part170.39)
※PFAS

PFASとは、パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質とよばれる化学物質の部類で、非粘着性およびグリース(潤滑性)、耐油性、耐水性に優れた特性により調理器具、食品包装、および食品加工において使用されています。FDAは食品接触物質として長鎖PFASを2011年に禁止しましたが、短鎖PFASは許可してきました。しかし、6:2フルオロテロマーアルコール(6:2 FTOH)を含む短鎖PFASの安全性に関してもFDAは懸念し、規制の変更措置を取り始めています。2024年2月に、FDAは関連する製造業者が、米国内で食品包装に使用するためのPFASを含む耐油性材料販売を自主的に中止することを発表しました。

FDAの連邦レベルにおける動きだけでなく、ワシントン州、ニューヨーク州、カリフォルニア州などいくつかの州では、既に食品包装だけでなく、その他のPFASの使用を禁止し始めている州もあり注意が必要です。

※フタル酸エステル類

FDAは、可塑剤、接着剤、消泡剤、表面潤滑剤、樹脂、および殺ダニ剤として使用される23種類のフタル酸エステルとほかの2つの物質の食品接触使用許可を取り消しました。この措置により、これらのフタル酸エステルは、第21巻第175条から第178条(21CFR Part175-178)の規制によって認可された物質のリストから削除され、食品接触用途ではフタル酸エステルの使用は残り9種類に制限されます。このうち8種類は可塑剤としての使用が許可され、1種類はモノマーとしての使用が許可されています。

連邦レベルにおける動きだけでなく、ミネソタ州、ミシガン州、ニュージャージー州、ニューヨーク州は現在、立法会議でフタル酸エステル類を制限する法案を検討しています。メイン州では食品包装のフタル酸エステル類の禁止法が2022年に施行されているなど注意が必要です。

2. FDA への食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification)

食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、市販の120日以上前にその物質の情報をFDAに通知しなければなりません(連邦規則集第21巻第170.100条:21CFR Part170.100)。通知から120日の間にFDAから異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集第21巻第170.104条:21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるものであるため、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については関連リンクを参照してください。

2024年3月、FDAは、食品接触物質通知が無効であるとFDAが判断する方法と時期に関する規則(21CFR170.105および21CFR170.102)を改正する最終規則を発表しました。この最終規則を発行する前は、FDAは安全性の懸念に基づいてのみ、食品接触物質通知がもはや有効ではないと判断することができましたが、今回の改正により、FDAが安全性以外の理由で、食品接触物質通知が無効であると判断できるようになります。安全性以外の理由とは、例えば製造業者が、その食品接触物質通知の物質を製造、供給、または使用しなくなった場合や、食品接触物質通知の認可がほかの認可と重複した場合(食品接触物質の使用が食品添加物規制によって既に認可されている場合、または発行された規制免除の閾値の対象である場合など)にFDAは食品接触物質通知が無効である、と判断し、宣言することができます。最終規則では、安全性の懸念に基づいて認可を取り消すFDAの権限も引き続き維持されており、一方、FDAが無効であると判断する前に、企業から関連情報をFDAへ提出することも可能です。FDAは規則改訂を通じて食品接触物質の管理プロセスをより効率的にすることが、食品化学物質の安全性を強化するアプローチの一部であるとしています。食品接触物質通知が有効であるかは、FDAの有効な食品接触物質通知一覧から確認することができます。

3. 食品包装用リサイクルプラスチック

米国では、プラスチックを含む使用済みリサイクル(PCR:post-consumer recycled)材料の使用を増やすことに重点が置かれています。一方で、食品接触物質におけるPCRプラスチック材料の使用に関するFDAの主な安全上の懸念は、次の3点です。

  • PCR材料中の汚染物質がリサイクル材料から作られた最終的な食品接触物質に出現することで食品に移行する可能性があること
  • PCR材料は食品接触用途として規制されていない可能性があること
  • PCRプラスチック中のアジュバント(添加剤・補助物質)は食品接触用途としての規制を遵守していない可能性があること

リサイクルプラスチックから作られた食品接触物質の製造業者は、未使用の材料と同様に、リサイクルされた材料が意図された用途に適した純度であり、未使用の材料のすべてが既存の仕様を満たす保証責任があります。リサイクルポリマーに新規添加物を使用する場合、あるいは未使用ポリマーに現在許可されている添加物の量を超えて認可された添加物を使用する場合は、食品接触物質通知(FCN)または食品添加物申請(FAP)が必要です。FDAは、食品包装材メーカーがPCRプラスチックを食品包装材に使用するための工程を評価する際の参考として「産業界向けガイダンス-食品包装における再生プラスチックの使用:化学上の検討事項(Guidance for Industry-Use of Recycled Plastics in Food Packaging:Chemistry Considerations)」を作成しています。また、FDAは食品接触物質の製造に使用されるPCRプラスチックを製造するための特定のプロセスの適合性に関して肯定的な意見を出した申請のリストを公開しています。

カリフォルニア州は、ギャビン・ニューサム知事が2020年9月24日に議会法案793(AB793)に署名したことにより、プラスチックボトルに使用されるべきリサイクル樹脂の最低限割合(%)を義務付ける米国の初の州となりました。

この州法により、カリフォルニア州では2022年から、州の容器回収プログラムの対象となるすべてのプラスチックボトルに、平均して少なくとも15%の使用済みリサイクル樹脂の利用が義務付けられています。必要な使用済みリサイクル樹脂の量は、2025年には25%、2030年には50%に増加します。

また、最低要件を満たさない飲料メーカーは、目標量に満たない使用済み樹脂1ポンド(454g)につき20セントの罰金が課せられます。

報告義務
製造業者は、カリフォルニア州で販売される飲料容器に使用されている未使用プラスチックと使用済みリサイクルプラスチックの量を報告する必要があります。
報告義務適用業者
  • プラスチック材料の回収業者は、収集および販売された空のプラスチック飲料容器を報告する必要があります。
  • 使用済みリサイクル プラスチックの製造業者は、食品用およびボトル用のプラスチック材料の販売量を報告する必要があります。
  • 飲料製造業者は、前暦年に州内で販売されたCRV(カリフォルニア州償還価値)の対象となるプラスチック飲料容器に使用したバージン プラスチックおよび使用済みリサイクル プラスチックの量をポンド単位で、樹脂の種類別に報告する必要があります。
重要な日付
  • 2022年1月1日より、飲料メーカーは少なくとも15%の再生プラスチックを利用することが義務付けられます。
  • 2025年1月1日より、飲料メーカーは少なくとも25%の再生プラスチックを利用することが義務付けられます。
  • 2030年1月1日より、飲料メーカーは少なくとも50%の再生プラスチックを利用することが義務付けられます

* 2023年1月1日より、要件を満たさない飲料メーカーは行政罰則の対象となり、違反に対する罰則は2024年3月1日より適用されます。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
合衆国法典
米国カリフォルニア州政府から入手できる主な情報
その他参考情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
米国カリフォルニア州政府から入手できる主な情報
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ジェトロから入手できる主な情報

6. ラベル表示

調査時点:2024年8月

食品のラベル表示は、公正な包装および表示法(Fair Packaging and Labeling Act)により規制されています。清涼飲料水を商業目的で米国に輸入するには、米国税関・国境取締局(CBP)およびFDAが定める表示を行わなければなりません。

一般的に表示しなければならない項目は次のとおりです。表示は英語で行わなければなりません。詳しくは、FDAのガイダンス資料を確認してください。

主要表示パネル:PDP(Principal Display Panel)
  1. 食品名/識別事項
  2. 内容量・正味重量
情報パネル:IP(Information Panel)
  1. 原材料名(2種類以上の原材料〔食品添加物を含む〕が使用されている場合は、それぞれの名称を表示しなければなりません。また、アレルギー物質を使用している場合には、その原材料名を明確に表示しなければなりません。表示が義務付けられているアレルギー物質は乳、卵、魚(例:ヒラメ、タラ)、甲殻類(例:カニ、ロブスター、エビ)、ナッツ(例:アーモンド、クルミ、ピーカン)、ピーナッツ、小麦および大豆に加えの8種類の食品群です。2023年1月1日からゴマについてもアレルギー表示が義務化され、全部で9種類となります。魚、甲殻類、ナッツについては、その種も明記する必要があります。
  2. 栄養成分表示
  3. 製造業者、包装業者、流通業者のいずれかの名称と住所
  4. 警告および取り扱い上の注意
  5. 原産国

なお、4.栄養成分表示について、2016年7月26日に改正法が施行されました。改正のポイントは次のとおりです。

  • 消費者に見てほしいサービングサイズやエネルギー量(カロリー)の文字を、より大きく太字にして強調すること。
  • 栄養素表示に”added sugars”を新たに追加すること。
  • ビタミンA、ビタミンCの代わりにビタミンDとカリウムの表示を追加すること。

また、全米バイオ工学食品情報開示基準(NBFDS:National Bioengineered Food Disclosure Standard)により、いわゆる遺伝子組み換え食品の情報開示が義務付けられています。USDAの農産物マーケティング局(AMS)は、バイオ工学(BE:bioengineered)の技法を用いて生産されうる穀物・食品、つまりNBFDSの対象となるBE食品リストを作成しています。このリストは、BE食品の研究開発の進展により今後さらに追加・更新される可能性がありますが、2024年時点のリストには表示規制対象のBE食品としてりんご(アークティック種)、キャノーラ、トウモロコシ、パパイヤ(リングスポット抗ウイルス性)、パイナップル、大豆、テンサイ、とうもろこし、じゃがいもなどが含まれており、バイオ工学技術を用いて作られた品種を原材料に使用している場合には開示義務があります。

また米国では容器の材質が合成樹脂の場合、米国プラスチック産業界(SPI)によって定められた樹脂識別コード(RIC)があり、製造業者に広く採用されています。プラスチックの適切なリサイクルと廃棄を支援する分類システムであり、連邦レベルでは義務付けられておりませんが、州レベルでは義務付けている州もあります。なお、2008年以降はASTMインターナショナルがこのコードを管理しています。ASTMインターナショナルとは、当初は米国材料試験協会として設立され、国際的な合意規格を策定している非営利団体です。

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関係省庁
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根拠法等
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7. その他

調査時点:2024年8月

ジュースHACCPなどの義務

米国に輸入される清涼飲料水の安全性は、FDAが所管しています。米国に清涼飲料水を輸出する製造/加工、梱包、保管する施設は、食品の衛生および安全性を確保することを目的とし、連邦規則集第21巻パート117(21CFR Part117)で定められる現行適正製造規範(CGMP:Current Good Manufacturing Practice In Manufacturing, Packing or Holding Human Food)に従った衛生管理を行う必要があります。

また、2011年1月に成立した食品安全強化法(FSMA:Food Safety Modernization Act)第103条により、米国で消費される食品を製造/加工、梱包、保管する施設は、危害分析およびリスクに基づく予防管理(Hazard Analysis and Risk Based Preventive Controls)として、食品安全計画の策定と実施が義務付けられています。輸入業者も、第301条により、外国供給業者検証プログラム(FSVP:Foreign Supplier Verification Program)として、輸入食品に対する安全検証活動に対応する必要があります。さらに、2019年7月以降は、第106条に基づき「意図的な食品不良事故の防止(食品防御)」にも対応する必要があります。適用対象や要件などの詳細は、ジェトロの「食品安全強化法に関する情報」で確認してください。

ジュースHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point:危害分析要因・重要管理点)規則では、ジュース加工業者が、加工する製品に合理的に発生する可能性がある食品安全上の危害を特定し、その危害を管理する計画を策定することを要求します。ジュースHACCP規則の対象となるジュースは、1種類以上の果物または野菜から絞られた、または抽出された水性液体、1種類以上の果物または野菜の可食部のピューレ、またはそのような液体またはピューレの濃縮物です。さらに、ジュースHACCP規則は、特定のジュース製品輸入業者に、輸入製品がジュースHACCP規則に従って加工されていることを保証することを支援するよう意図されている要件を順守することを求めています。2021年12月に、FDAは、連邦規則集第21巻パート120(21CFR Part120)(ジュースHACCP規制)の対象となる加工業者および輸入業者に対しCGMPやFSVPなどを含むFSMA規制がどのように影響するかをまとめた、「業界向けガイダンス:ジュースHACCPとFDA食品安全強化法」を公表しました。

なお、常温流通される密封容器入りの低酸性食品と酸性化食品の場合はFCEとSIDの取得が必要になります。詳細は、「輸入規制」の「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」を参照してください。

ボトル入り飲料水/炭酸清涼飲料水のためのガイダンス文書および規制情報など

食品医薬品局(FDA)と環境保護庁(EPA)は、どちらも飲料水の安全性に責任を負っています。EPAは公共の飲料水(水道水)を規制し、FDAはボトル入り飲料水を規制しています。

FDAは、食品安全プログラムのもと、ボトル入り飲料水製品および加工工場を監視・査察しています。FDAが工場を査察する際には、工場の製品水と業務用水が認可された水源から得られたものであることの確認、洗浄・消毒手順の検査、ボトリング作業の検査、企業が水源水と製品水の汚染物質の分析を行っているかどうかの判定を行います。

その他、近年、新しいタイプのフレーバーおよび栄養素を添加した飲料水が登場していますが、これらのボトル入り飲料水は、ラベルで「水」という用語が強調表示されている場合、ボトル入り飲料水の要件を満たす必要があります。さらに、これらの飲料に添加されるフレーバーと栄養素は、該当するすべてのFDA安全要件に準拠している必要があり、ラベルの原材料リストに表示されている必要があります。

ボトル入り飲料水/炭酸清涼飲料水の規制情報などについては、FDAのウェブサイト(ボトル入り飲料水/炭酸清涼飲料水のためのガイダンス文書および規制情報)にまとめられています。最新の情報を確認してください。

米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)による食品施設の査察
米国では2011年1月4日、食品安全強化法(FSMA)が成立し、FDAの権限が多岐にわたって強化されました。FSMAの制定により日本企業への影響は、さまざまな点で生じています。特に、同法の第201条に基づき、FDAによる外国の食品関連施設への査察権限が強化され、日本の食品関連施設でもFDAによる査察が実施されるようになりました。そのため、米国で消費される食品の関連施設は、FDAからの査察にいつでも対応ができるよう、米国の規則に沿った対応をする必要があります。

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米国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2024年8月

日本から清涼飲料水を輸入するためには、輸入ライセンスや商品登録などは特に必要ありませんが、米国食品医薬品局(FDA)への食品施設登録と事前通知などが必要となります。

また、常温流通される密封容器入りの低酸性食品と酸性化食品の清涼飲料水については、輸入前の手続きとして加工施設の登録(FCE)と製造工程に関する情報の提出(SID)が必要です。
詳細は、「輸入規制」の「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」を参照してください。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2024年8月

日本から清涼飲料水を輸入するにあたって、通関に必要な書類は次のとおりです。

通関書類

  1. エントリーマニフェスト(CBP Form 7533)あるいは貨物引き取り申告(CBP Form 3461)、またはポートディレクターが要求する商品の引き取りに必要なその他の書類
  2. 通関権の証明
  3. 商業インボイスなど
  4. パッキング・リスト
  5. その他輸入が認められるか否かを判断するために必要な関連資料・情報〔エントリーサマリー(CBP Form 7501)、船荷証券(Bill of Lading)、輸入許可証(原材料に乳製品や卵製品が含まれている場合に必要なこともある)、原産地証明(必ずしも必要ではないが求められることもある)、など〕
  6. インポート・セキュリティ・ファイリング(ISF:Import Security Filing)。(海上輸送で米国に輸入される貨物は、最後の外国港を出発する24時間前にISFの申請が必要となります。)

輸入業者は、外国供給業者検証プログラム(FSVP)規則の適用対象となるため、輸入申告にあたり米国税関・国境取締局(CBP)の輸入検査システム(ACE)を通じて、固有の施設識別情報(UFI)を提出する必要があります。

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その他参考情報
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3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2024年8月

米国に輸入される清涼飲料水についてはFDAの所管です。

FDAの所管の下にある清涼飲料水については、バイオテロ法(the Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002 (The Bioterrorism Act))および食品安全強化法などの法律が適用されます。そのため輸入通関地において、FDAによるサンプル検査が行われる場合もあります。当該検査を効率的、より確実にすることを目的として、貨物が米国に到着する前の一定期間までに、FDAに対し貨物の情報を輸出ごとに事前通知する義務が課されています。

米国への清涼飲料水の輸入には、FDAなどからの輸入許可証の取得などは課されていません。また、ランダムなサンプル検査の対象として検査される可能性はあるものの、通常は検査、検疫の対象とはなっていないものとみられます。FDAは、特に子供が頻繁に消費する食品(キャンデーやジュース)を中心に、鉛については長年にわたって輸入通関時以外でもサンプル調査を実施しています。

また、常温流通される密封容器入りの低酸性食品と酸性化食品は、前述のFCEとSID番号が必要になります。

4. 販売許可手続き

調査時点:2024年8月

米国で清涼飲料水を販売するにあたって必要となる、連邦政府が定める特別な免許や登録はありませんが、一般的に食品の販売には、州、地方自治体が定める免許の取得や事業の登録が必要です。これらは、州、地方自治体が独自に定めており、業態などによって必要となる手続きは異なります。詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

関連リンク

その他参考情報
ジェトロから入手できる主な情報

5. その他

調査時点:2024年8月

なし

米国の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2022年7月

米国に輸入される清涼飲料水は、関税の対象となります。清涼飲料水に対する関税率は品目によって異なります。

清涼飲料水の関税率
HSコード 税率
2009:果実または野菜のジュース(ぶどう搾汁を含み、発酵しておらず、かつ、アルコールを加えていないものに限るものとし、砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わない。 無税
0.14~7.9セント/liter
1.8セント/kg
2201:水(天然または人造の鉱水および炭酸水を含むものとし、砂糖その他の甘味料または香味料を加えたものを除く) 無税
0.26セント/liter
2202:水(鉱水および炭酸水を含むものとし、砂糖その他の甘味料または香味料を加えたものに限る)その他のアルコールを含有しない飲料(HS2009の果実、ナットまたは野菜のジュースを除く) 0.2セント/liter
17~17.5%
23.5セント/liter+14.9%
4.5~7.85¢/liter

関税表は、米国国際貿易委員会(USITC)が管理しています。
関税率については、関連リンクの「世界各国の関税率(World Tariff)」で確認してください。

2. その他の税

調査時点:2024年8月

州、地方自治体へ納付する売上税
米国内では地方自治体により売上税が課されます。州ならびに郡や市の地方自治体により売上税の合計税率が異なるため、USITC、米国税関・国境取締局(CBP)、州、地方自治体のウェブサイトで確認する必要があります。

3. その他

調査時点:2024年10月

商業貨物税関使用料、港湾維持料
輸入業者は清涼飲料水の輸入にあたって、関税だけでなく商業貨物税関使用料(MPF:Merchandise Processing Fee)を納付する必要があります。正式通関(Formal Entry)の場合、MPFは輸入申告価格(FOB価格)の0.3464%で、最低32.71ドル、最高634.62ドルです。さらに、船便による輸入の場合には、輸入業者は貨物価格の0.125%の港湾維持料(HMF:Harbor Maintenance Fee)を納付する必要があります。これらは米国税関・国境取締局(CBP)が徴収しています。

その他

調査時点:2024年8月

日本の有機JAS制度との同等性

米国は、日本の有機JAS制度を米国の有機制度と同等と認め、輸出時の手続きについて、双方で合意しています。これにより、2014年1月1日から、有機JAS制度による認証を受けた有機農産物などに「organic」などと表示して、米国へ輸出できます。

2023年1月に、米国農務省のNOP(National Organic Program)が、有機製品の監視を強化し、不正を防止するための規則(Strengthening Organic Enforcement)を最終決定し、2024年3月19日から適用されました。新規則は、米国へ輸入されるすべての有機製品に電子NOP輸入証明書(NOP Import Certificate)の使用を義務付け、有機認証取得には輸入業者や取引仲介業者を含むより多くのサプライチェーン内の企業に有機認証取得を要求するなど、有機製品への信頼性強化のために、当局の監視と執行の権限を大幅に強化するものです。

電子NOP輸入証明書は、有機JAS登録認証機関によりOrganic Integrity Database上で発行されます。電子NOP輸入証明書の発行には、有機JASの認証を受けた日本側の生産者など、およびNOPの認証を受けた輸入業者がOrganic Integrity Databaseに登録されている必要があります。米国に有機製品を輸入する者であれば、輸入業者の住所が米国内でも米国外でも、NOPの認証が必要です。一方、日本側の輸出業者の認証およびOrganic Integrity Databaseへの登録は必要ありません。