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BPAの追加と警告文、2016年改正が適用開始-カリフォルニア州法プロポジション65-

(米国)

シカゴ、ロサンゼルス発

2018年02月13日

カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法)は、2016年に2つの改正が行われ、移行期間を経て2018年1月からリストに追加されていたビスフェノールA(BPA)の適用が始まり、8月からは警告文の製品への表示ルールが変更される。しかし、食品メーカーなどからは戸惑いの声も多く寄せられており、あらためてこれら改正の概要や対応方針について紹介する。

BPAをリストに追加し規制を強化

カリフォルニア州法プロポジション65では、900項目を超える化学物質がリスト化され、これらの使用に対しては同州環境保護庁有害物質管理局(OEHHA)が警告文の表示を求めている。改正の概要は次のとおり。

◇リストへのBPAの追加

BPAは、プラスチック容器や缶のふた、ペットボトルのキャップなど、さまざまな商品に含まれている。連邦食品医薬品局(FDA)は、2012年に哺乳瓶や乳幼児製品へのBPAの使用を禁止したが、他の食品容器には規制をしていなかった。こうした中、カリフォルニア州では2016年5月11日に同州法プロポジション65のリストにBPAを追加し、規制強化を図った。同州で製品を製造していなくても、販売・流通させる場合には州の指定した警告文の表示が求められ、違反に対しては1日2,500ドル以下の罰金が科せられる可能性がある。

◇警告文の改正

同州有害物質管理局(OEHHA)が求める警告文の表示内容などについては、2016年8月30日に主に次のような改正がなされた(2016年11月14日記事参照)。

  1. ピクトグラム(視覚記号)の表示:食品以外の製品は黄色と黒太字で、感嘆符を用いた警告のシンボルを使用する必要がある。
  2. 化学物質名の記載:事業者は警告の対象となる製品・場所に含まれる化学物質名を少なくとも1つ記載し、この化学物質が引き起こすリスク(がんや出生障害、その他の生殖障害)を特定する必要がある。
  3. 免責される警告文の改正:州が記載すべき警告文として指定してきた文言の変更。
  4. 英語以外の言語の表示:警告が記載された製品表示、ラベル、タグが英語以外の消費者情報を含む場合、英語以外の警告も記載する必要あり。
  5. 免責される警告は対象に応じて適用:食品、サプリメント、レストランなどの一定の製品については特定の警告文が適用される。

事業者への影響を考慮し経過措置

これらの改正については、その影響が広範囲に及ぶことから、事業者の準備期間としてそれぞれ次のとおり経過措置が設けられている。

◇BPAのリスト追加に係る経過措置

2017年12月31日までは経過措置として、個々の製品に警告文を貼り付けなくても、以下のような、「Many food and beverage cans(多くの食品、飲料缶)」など全体を指した警告文を店頭などの販売場所(point of sale、注)に掲示することが認められてきたが、2018年1月からは、警告文を個々の製品ラベルに貼り付けるか、警告標識(標識やタグ)をラベルや陳列棚に付けるといった対応が必要になっている。

「WARNING:Many food and beverage cans have linings containing bisphenol A (BPA), a chemical known to the State of California to cause harm to the female reproductive system. Jar lids and bottle caps may also contain BPA. You can be exposed to BPA when you consume foods or beverages packaged in these containers. For more information go to:P65Warnings.ca.gov/BPA.」

◇警告文の改正に係る経過措置

当改正の効力が生じるのは2018年8月30日とされ、該当する商品のラベルに記載される「製造日」が同日以降の場合は、改正された警告文の表示内容を順守する必要がある。

BPAを使用する業者は特に注意を

BPAを使用する業者においては、2018年1月のリスト追加後、および8月30日の警告文の改正後にどのような対応が求められるか、以下にまとめる。

(1)2018年1月1日~8月29日(BPAリスト追加から警告文改正経過措置終了まで):以下の例のような警告文を掲載する必要がある。これについては、陳列棚(product-specific point of sale)での該当商品を特定した警告文の表示、もしくは該当商品への警告文の貼り付け(on-product labeling)で規制をクリアできるが、2017年12月31日までの販売場所(point of sale)での全体を示す警告文の表示と異なり、「本製品」などの製品を特定した警告文で表示を行う必要がある。なお、当然のことながら、8月30日からの表示規則改正を加味したものを貼り付けることが可能だ。

「WARNING:This product contains chemicals known to the State of California to cause birth defects or other reproductive harm.」

(2)2018年8月30日以降(完全施行):以下の例のような表示規則改正を踏まえた警告文を製品に掲載する必要がある。(1)と同様に、陳列棚での該当商品を特定した警告文の表示、もしくは該当商品への警告文の貼り付けで規制をクリアできる。

「WARNING:Consuming this product can expose you to chemicals including[name BPA or another listed chemical], which is [are] known to the State of California to cause birth defects or other reproductive harm. For more information go to:65Warnings.ca.gov/food.」

警告文の表示場所にも注意が必要

陳列棚での警告文の表示については、それが「確実に」なされる必要があり、小売店側との密な連携が不可欠となる。「どこに置かれるか分からない」といった場合は、個々の製品への警告文の貼り付け、もしくはBPA未使用の容器に切り替えることを視野に入れておくべきだろう。

加えて、カリフォルニア州での規制ではあるが、米国向けに流通している警告文の貼り付けがない商品が、自社の知らない流通経路で同州内の消費者に販売されるリスクもあるため、事業者は注意が必要だ。

このように2つの改正が続いて、その適用が複雑となっているが、BPAについては既に該当商品を特定した警告文の表示対応が求められており、警告文の内容については、適用開始日の2018年8月30日を見据えた対応が必要となる。事業者は、例えば食品・飲料または容器に含まれる化学物質の判定、警告文の表示、販売会社との契約に十分な補償条項があるかなど、入念に確認しておくべきだろう。

(注)食品や飲料の支払いを行うレジなどを意味しており、消費者には缶入り・瓶入り食品や飲料を購入する前に警告文の表示を認識してもらう必要がある。

(笠原健、栗山藍)

(米国)

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