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外資に関する規制

最終更新日:2020年07月31日

規制業種・禁止業種

外資によるカナダへの投資については連邦法による規制が一部あり、規制の内容は投資金額や産業等によって異なる。

カナダ投資法による規制や手続き

カナダに投資しようとしている非カナダ人は、イノベーション・科学・経済開発省に対し、通知または審査申請を行う必要がある。通知と審査のどちらの手続きが必要かは、投資案件が新規ビジネスの立ち上げか既存ビジネスの買収かによって、また投資金額等によって異なる。なお、投資先にはカナダ人が所有・支配しないビジネスも含まれる(「その他規制」欄参照)。

なお、新型コロナウイルス感染拡大により、同省は2020年4月18日付で「外国からのカナダ国内への投資が国民の健康と安全を含めカナダ経済や国家安全保障に新たなリスクをもたらすことを防ぐため」、カナダ投資法に基づく外国企業による投資の審査を厳格化すると発表した。
民間企業による投資については、これまで被買収企業の企業価値が一定額以上の場合にのみ同省による審査の対象となっていたが、公衆衛生やカナダ国民・政府にとって必要不可欠な製品・サービスの供給に関与する事業への投資は、投資額や支配的投資か否かに関わらず審査が行われる。さらに、国営企業または外国政府の指揮下にある民間企業などによる投資についても、これまで一定額以上の投資案件のみが審査の対象だったが、投資額の閾値が取り除かれ、投資額に関わらずあらゆる分野への投資が審査の対象となる。
審査の厳格化の適用期間は、「カナダ経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復するまで」としている。

外国の国営企業に関する規制

「カナダ投資法による規制や手続き」で記載のとおり、国営企業または外国政府の指揮下にある民間企業などによる投資については、これまでは一定額以上の投資案件のみが審査の対象だったが、4月18日付の発表により、投資額の閾値が取り除かれ、投資額に関わらずあらゆる分野への投資が審査の対象となっている。ただし、適用期間は「カナダ経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復するまで」であるため、規制厳格化前の時点の規制も以下のとおり掲載する。

外国の国営企業(以下、国営企業)によるカナダの企業買収については、それがカナダにとって純利益(net benefit)になるか否かを審査の基準とし、[1]当該国営企業のコーポレート・ガバナンスや意思決定構造などがカナダの基準や法律に沿っているか、[2]買収されるカナダ企業が、その後も各種ビジネスを実施する能力を有するか、などについて詳細な審査がなされる。さらに2012年12月には、次の5つの内容が審査基準に追加された。

  1. 国営企業によるカナダのオイルサンド事業買収(50%を超える掌握)は、特別な例外を除き、原則として許可しない。
  2. イノベーション・科学・経済開発相は、カナダにとっての純利益を判断するに際して、次の3点については特に注視する。
    1. 国営企業が、買収するカナダ企業に対して及ぼす影響力や支配力の度合い。
    2. 国営企業が、買収先のカナダ企業が属するカナダ産業界に及ぼす影響力や支配力の度合い。
    3. カナダ企業を買収する国営企業に対する、外国政府による支配力や影響力の度合い。
  3. 国営企業による支配権が確立されないカナダ企業の買収やジョイント・ベンチャー設立については、引き続き歓迎されるが、最終的にはイノベーション・科学・経済開発相によって個別に審査される。
  4. 国営企業が買収する場合、2019年は、買収するカナダ企業の企業価値(公開企業の場合は、時価総額に負債額を加えた額から現金およびその同等物を差し引いた額)が4億1,600万カナダ・ドル以上(毎年、名目GDPの成長率に基づき調整される)の案件が審査対象となる。

    イノベーション・科学・経済開発省:WTO加盟国の審査対象額 "Thresholds for Review外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  5. イノベーション・科学・経済開発相には、国家安全保障の観点から、審査から結果通知までの期限を法定の45日からさらに30日延長でき、さらに延長が必要な場合には投資家との合意に基づき延長する権限が付与される。

参考:イノベーション・科学・経済開発省

文化産業に関する規制

文化産業に関係する投資は、その他の業種とは異なった通知・審査の仕組みが適用され、イノベーション・科学・経済開発省ではなく、カナダ遺産省(Canadian Heritage)が担当する。
ただし、すべての投資はイノベーション・科学・経済開発省への通知が必要であり、同省が定める基準での審査が必要な場合は、その審査結果も併せて考慮される。

新規投資および直接・間接を問わず、原則として通知義務が生じる。ただし、遺産省への通知過程において審査が妥当とみなされた場合は、審査対象となる。
さらに、[1]総資産(簿価)が500万カナダ・ドル以上の直接買収、[2]総資産が5,000万カナダ・ドル以上の企業の間接買収案件は、同省の審査対象となる。

文化産業に該当するものとは、例えば、書籍、ビデオ、DVD、音楽の制作、流通、販売、展示などがあげられる。

参考:

出資比率

連邦法および/または州法により、一部の産業で出資比率が制限されている。

連邦法および/または州法により、次の産業は出資比率が制限されている。
放送、電気通信、航空、書籍の出版・販売、金融、エンジニアリング、農業、水産業、酒類販売、採鉱、石油・ガス、検眼、製薬。

各産業における出資比率の詳細については、連邦または州政府の管轄官庁に確認されたい。

外国企業の土地所有の可否

原則として、すべての州で外国企業の土地所有が可能であるが、一部の州では制限される。

不動産の売買や開発は州法の規制下に置かれる。
アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州、ケベック州では、市民権または永住権を有しない人による農地等の土地所有は、一部制限されている。
またプリンス・エドワード・アイランド州では、非カナダ人を対象としたものではないが、州外居住者(企業・個人にかかわらず)および居住法人による土地所有には制限がある。

なお、前記以外の州では、非居住者による土地所有について、カナダ国民と同様の扱いがなされている。

  1. アルバータ州政府:
  2. 連邦法務省:外国人による土地所有に関する該当法(アルバータ州のみ対象) "Foreign Ownership of Land Regulations外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
  3. サスカチュワン州政府:
  4. マニトバ州政府:農地所有に関する該当法 "The Farm Lands Ownership Act外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
  5. プリンス・エドワード・アイランド州政府:
  6. ケベック州政府:

資本金に関する規制

なし。

その他規制

カナダに投資する場合には、通知または審査が必要。投資の金額、種類、産業、外国の国営企業か否か、などによって手続きが異なる。

「カナダ投資法による規制や手続き」で記載のとおり、民間企業による投資については、これまで被買収企業の企業価値が一定額以上の場合にのみイノベーション・科学・経済開発省による審査の対象となっていたが、4月18日付の発表により、公衆衛生やカナダ国民・政府にとって必要不可欠な製品・サービスの供給に関与する事業への投資は、投資額や支配的投資か否かに関わらず審査が行われる。ただし、適用期間は「カナダ経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復するまで」である。一方、同省では7月2日付で従来の審査対象についての情報も更新しており、前述の適用期間が終了した時点で以下の審査方法が適用されることが想定されるため、併せて掲載する。

  1. カナダ投資法に基づく届出と審査
    カナダに投資しようとしている非カナダ人は、イノベーション・科学・経済開発省へ通知または審査申請を行う必要がある。
    ただし、審査の対象となるかは、投資しようとしている人または企業が属している国のWTO加盟や貿易協定の有無によって異なる。
    1. 買収する人または企業がWTO加盟国に属している場合
      2019年1月以降、対象額はカナダの名目GDP成長率に基づいて調整され、2020年は、買収する企業の企業価値が10億7,500万カナダ・ドル以上の案件が対象となる。
    2. 買収する人または企業が貿易協定加盟国に属している場合
      2019年1月以降、対象額はカナダの名目GDP成長率に基づいて調整され、2020年は買収する企業の企業価値が16億1,300万カナダ・ドル以上の案件が対象となる。これに該当する貿易協定は、CPTPP、CETA、CUSMA、カナダ・チリFTA、カナダ・ペルーFTA、カナダ・コロンビアFTA、カナダ・パナマFTA、カナダ・ホンジュラスFTA、カナダ・韓国FTAである。
    3. WTO加盟国の国営企業の場合
      2019年1月以降、対象額はカナダの名目GDP成長率に基づいて調整され、2020年は買収する企業の企業価値が4億2,800万カナダ・ドル以上が審査対象となった。
    4. WTO非加盟国および文化投資の場合
      WTO非加盟国からの投資もしくは文化投資で、企業価値が500万カナダ・ドル以上の直接投資、および5,000万カナダ・ドル以上の間接投資が審査対象となる。
    5. a.~d.以外の場合
      a.~d.以外の直接投資、また間接買収の場合は、イノベーション・科学・経済開発省への通知のみでカナダ企業を買収できる。

    通知や申請の要件、その方法等については、次のイノベーション・科学・経済開発省のウェブサイトを参照されたい。

    イノベーション・科学・経済開発省:

  2. 通知・審査のタイムフレーム

    カナダへの投資に関する通知は、買収の完了または新規ビジネス立ち上げから30日以内に、イノベーション・科学・経済開発省のウェブサイトにある申請フォームに記入して提出しなければならない。

    申請フォーム "Forms外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

    審査結果は、45日以内に申請者に通知される。ただし、イノベーション・科学・経済開発相が必要と判断すれば、さらに30日間の延長もできる。この場合には、申請後45日が経過するまでに申請者宛に通知が届く。これ以上延長する場合は、同省と投資家(申請者)との間で合意が必要となる。ただし、文化産業への投資の場合は、審査に75日かかる。

    イノベーション・科学・経済開発省:よくある質問 "Investment Canada ActFrequently Asked Questions外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  3. 審査基準

    「当該投資がカナダの『純利益(net benefit)』になるか否か」が審査基準の核心であり(投資法第20条)、イノベーション・科学・経済開発省では次の項目を考慮して審査する。

    • カナダの経済活動(雇用創出、資源の処理・利用、カナダで生産される部品・サービスの利用、カナダからの輸出など)への効果
    • 当該事業・業界におけるカナダ人の参加の程度
    • カナダにおける生産性、業界効率、技術発展・イノベーション、製品種類の増加・向上への貢献度
    • カナダのあらゆる産業における競争の投資影響
    • カナダの産業、経済、文化政策等との融合性
    • カナダの世界市場における競争力強化への貢献度

参考:
イノベーション・科学・経済開発省:「カナダの純利益(net benefit)」についての説明 "What does "net benefit" mean?外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

外国の国営企業による買収、オイルサンド事業の買収については、カナダ投資法のガイドラインを参照のこと。
イノベーション・科学・経済開発省:カナダ投資法‐ガイドライン "Investment Canada Act ‐ All Guidelines外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

(データ確認日:2020年7月31日)