カナダ連邦政府、外国企業による投資の審査を一時的に厳格化

(カナダ)

トロント発

2020年04月23日

カナダ・イノベーション・科学・経済開発省は4月18日の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、カナダ投資法に基づく外国企業による投資の審査を厳格化すると発表した。公衆衛生や必要不可欠な事業、サービスに関わる事業投資のほか、国有企業、外国政府と密接な関係を持つ投資家による投資を特に精査する意向だ。

同省は、審査の厳格化の理由を「外国からのカナダ国内への投資が国民の健康と安全を含めカナダ経済や国家安全保障に新たなリスクをもたらすことを防ぐため」とし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの国内企業の株価が低迷する中、(外国資本による)日和見的な投資を抑制する方針を示した。

民間企業による投資については、これまで被買収企業の企業価値が一定額以上の場合にのみ同省による審査の対象となっていたが、公衆衛生やカナダ国民・政府にとって必要不可欠な製品・サービスの供給に関与する事業への投資は、投資額や支配的投資か否かに関わらず審査が行われる。さらに、国営企業または外国政府の指揮下にある民間企業などによる投資についても、これまで一定額以上の投資案件のみが審査の対象だったが、投資額の閾値が取り除かれ、投資額に関わらずあらゆる分野への投資が審査の対象となる。

同省は、審査の厳格化の適用期間について、「カナダ経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復するまで」としている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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