税制

最終更新日:2018年11月19日

法人税

一般法人税は23%。認可法人に対しては、外資比率に応じて23~10%の範囲で減税措置がある。

法人税

通常の法人税は、2018年1月1日以降、24%から23%に引き下げられている。
外国からの投資を受け入れている認可法人の税率は、外資比率に応じて次のとおり定められている。

外資比率 法人税
0~49%未満 23%
49%以上74%未満 20%
74%以上90%未満 15%
90%以上 10%

ハイテク産業への投資を促すため、500万シェケルまでの投資については、損失が生じた場合、課税控除の対象とする。また個人による投資の場合は、一定の条件のもとで、税率が通常の48%から25%に低減される。

イスラエル国籍の個人または非居住者に支払われる配当には、25%の源泉徴収税が課せられる。
イスラエルと租税条約を締結している国に関しては、当該条約によって定められている税率が適用される。
日本の場合は、配当に対する税率が5%(外資比率25%未満の場合15%)、利子10%、ロイヤルティー10%である。

2016年主要科学者局によってR&Dプログラムの助成金を受けた中小企業は、伝統産業の技術革新を促進するとの目的に沿って、助成金に関する使用料が免除される。

外国人労働者税

外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」の項を参照。

二国間租税条約

あり。

二国間租税条約

イスラエルは二重課税を避けるため、次の国・地域と二国間租税条約を締結している。

アルメニア、オーストリア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、エチオピア、フィンランド、フランス、ジョージア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、インド、アイルランド、イタリア、ジャマイカ、日本、韓国、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マケドニア、マルタ、メキシコ、モルドワ、オランダ、ノルウェー、パナマ、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、セルビア、シンガポール、スロバキア、スロベニア、南アフリカ共和国、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、トルコ、ウクライナ、英国、米国、ウズベキスタン、ベトナム(57カ国)

投資保護協定

外国投資の促進と保護のため、37カ国と投資保護協定を締結している。投資保護協定では、外国投資家を差別しないこと、利益や資産の本国送金を遡及して制限しないこと、相当の補償や清算手続きに対する異論を唱える権利を与えず収用しないことを確認している。
イスラエルが投資保護協定を締結している国・地域は次のとおり。

アルバニア、アルゼンチン、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ブルガリア、中国、クロアチア、キプロス、チェコ、エルサルバドル、エストニア、エチオピア、ジョージア、ドイツ、グアテマラ、インド、日本、カザフスタン、韓国、ラトビア、リトアニア、モルドバ、モンゴル、モンテネグロ、セルビア、ミャンマー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、タイ、トルコ、トルクメニスタン、ウクライナ、ウルグアイ、ウズベキスタン

なお、南アフリカ共和国との協定は批准待ちの状態であり、ペルー、ベトナムとは交渉を開始した。

その他税制

所得税関連(個人所得税、配当税、キャピタル・ゲイン税など)、取引税関連(VAT、関税など)、資産税関連(固定資産税など)、労働関連(社会保障保険料、雇用主税)などがある。

個人所得税

雇用主は、個人の給与および賃金について、所得税を源泉徴収する。納税額については、累進課税で算出される。納税者は、状況(家族構成など)に応じ、さまざまな税額控除が受けられる。
2005年7月に承認された多年度税制改革計画により、所得階層は7段階に分けられ、税率は最低所得層の10%から最高所得層の45%までとなっている。
また2007年11月に承認された財務省令により、法定最低賃金の45%以下の所得で23歳以上の被雇用者に対しては、マイナス所得税(Negative Income Tax)が適用される。マイナス所得税は所得水準等により、NIS290とNIS420の2段階がある。

キャピタル・ゲイン税

  1. 概要
    キャピタル・ゲインとは、資産の売却収益からその資産の原価費用を差し引いた金額である。"The Land Appreciation Tax(地価上昇税法)"および"Income Tax Ordinance(所得税法)"の2法が、キャピタル・ゲイン課税に関する準拠法である。地価上昇税法は、不動産売却から得られるキャピタル・ゲイン課税に関する法律であり、所得税法はその他すべてのキャピタル・ゲイン課税に関する法律である。
  2. 課税対象となるキャピタル・ゲイン
    税法上、キャピタル・ゲインは次のように分けられる。
    1. 物価上昇によるゲイン:消費者物価指数(CPI)に関連して得られる売却益
    2. 実質ゲイン:キャピタル・ゲインの総額と物価上昇によるゲインの差額
      物価上昇によるゲインについては、1994年1月以降、非課税となっている。実質ゲインは、個人および法人の通常所得税率が適用されて課税されていたが、2002年の税制改正により、2003年以降、実質ゲインに対する個人の再考税率は25%に、法人の税率は原則として25%に引き下げられた。
  3. 証券取引等に伴うキャピタル・ゲイン税
    2005年7月に承認された多年度税制改革計画により、外国人の証券取引による収益への課税は免除されることになった。また居住者に関しては、銀行等からの金利収益あるいは証券取引等からの収益に関する制度が統一され、個人に対しては20%、企業に対しては25%の税率で課税されることになった。
  4. 外国投資家によるベンチャー・キャピタル・ファンド(VCF)投資へのキャピタル・ゲイン税の廃止
    イスラエル財務省は、これまで外国投資家がイスラエルのVCFに投資した場合、外国投資家の出身国の税率に従って課税していたキャピタル・ゲイン税を、2001年9月24日付で廃止した。
  5. 2005年7月に承認された多年度税制改革計画により、2006年1月1日より、印紙税が廃止された。
  6. テルアビブ証券取引所に登録されている外国人所有の保証金・担保については、キャピタル・ゲイン税が免除された。
  7. 外国投資家によるエクイティファンド(Private Equity)投資へのキャピタル・ゲイン税の廃止
    イスラエル財務省は、これまで外国投資家がイスラエルのエクイティファンドに投資した場合に課税していたキャピタル・ゲイン税(税率:個人15%、法人25%)を廃止した。
  8. 外国人居住者の短期国債(Makam)や短期政府債(イスラエル証券取引所に登録され、償還期限が発行日から13カ月未満のもの)の売却によるキャピタル・ゲイン、および先物取引(イスラエル証券取引所に登録され、ベースアセットが間接・直接的に短期国債であるもの)によるキャピタル・ゲインへの免税措置は、2011年11月の所得税に関する改正によって破棄された。この背景には、為替市場における短期的利益を狙い、通貨を騰貴させようとする投資家によって同免税措置が利用されることをイスラエル財務省が懸念したことがある。
  9. シフト制度のある産業分野の職場に従事する被雇用者に対し、セカンドおよびサードシフトに勤務する場合には15%相当の税額控除が与えられる。税額控除額の上限は年間1万1,280シェケルであり、同控除対象となる最大収入額は12万8,400シェケルである。この措置は2016年末まで延長された。

国民保険

雇用者と被雇用者の双方は、法律に従って国民保険料を支払わなければならない。被雇用者の負担の中には、健康保険料も強制的に含まれる。保険料率は1カ月の所得に応じて次のように定められているが、被雇用者の料率は、実際には家族構成等のさまざまな条件によって決まるため、人によって異なる。これらは公認会計士によって計算される。なお、本表における保険料負担率は2015年より適用されており、負担対象となる最高月給額は4万3,240シェケルである。

国民保険料率、健康保険料率
保険の種類 月給 被雇用者の負担率 雇用者の負担率
国民保険 平均給与60%未満 0.4% 3.45%
平均給与60%以上 7% 7.5%
健康保険 平均給与60%未満 3.1% 負担なし
平均給与60%以上 5% 負担なし

(出所)国民保険局(National Insurance Institute of Israel

利子に対する課税

前述のとおり。
(出所)財務省

年金

2008年1月1日発効の産業貿易労働省令により、年金が義務化された。本法令により、2008年1月1日時点で少なくとも9カ月間雇用している21歳以上の男性従業員および20歳以上の女性従業員に対し、雇用者は年金を支払う義務を負うこととなった。最低雇用期間は、2009年1月1日より、少なくとも6カ月間に短縮された。年金支払額、雇用者および従業員の負担率は次のとおり。なお本法令は、2008年1月時点で既に年金保険に加入している従業員は対象としない。

年金負担率
発効日 雇用者負担率 被雇用者負担率 退職手当(雇用者負担率) 合計
2009年1月1日 1.66% 1.66% 1.66% 5%
2010年1月1日 2.5% 2.5% 2.5% 7.5%
2011年1月1日 3.33% 3.33% 3.34% 10%
2012年1月1日 4.16% 4.16% 4.16% 12.5%
2013年1月1日 5% 5% 5% 15%
2014年1月1日 6% 5.5% 6% 17.5%
2016年7月1日 6% 5.75% 6% 17.75%
2017年1月1日 6.5% 6% 6% 18.5%

社用車の使用税

企業より社用車を付与されている従業員は、車両の価格によって定められている使用税が、賃金から差し引かれる。この課税の目的は、社用車の私的利用によって従業員が得る利益を反映させることである。税率は、車両価格によって次の7段階に分かれている。

車両価格(シェケル) 使用税(シェケル)
~8万7,000 2,260
8万7,000超~11万4,000 2,450
11万4,000超~13万3,000 3,150
13万3,000超~15万1,000 3,780
15万1,000超~19万6,000 5,230
19万6,000超~28万 6,780
28万超 8,720

その他

  • 付加価値税(VAT)、物品購入税については「関税制度」の項を参照。
    なお、金融機関(銀行、保険会社)は、VATではなく15.5%の賃金税(Payroll Tax)を納める。また、非営利組織は7.5%の賃金税を納める。
  • 2008年6月、農業、製造業、建築業、観光業のいずれかの分野で使用される機器・備品に対する償却率は、従来の7~40%から50%に統一された。
  • 2009年11月、OECD加盟に向けた所得税法の改定が行われ、税務当局に提出する書類上、「賄賂」を目的とした支出は、以降認められないことになった。
  • 2011年1月、車両向け燃料(ガソリンおよび軽油)の購入税が1リットル当たり0.20シェケルに、また石炭に対する購入税が1トン当たり34シェケルに、それぞれ引き上げられた。さらに2012年5月、車両向け燃料(ガソリンおよび軽油)の購入税が1リットル当たり0.10シェケル引き上げられ、2.99シェケルに設定された。
  • 2011年3月、「燃料利益税」の導入により、天然ガスの発掘に携わる業者の利益に対し、最低20%、最大50%が課税されるようになった。本ガス税による国の収入は、イスラエル中央銀行が運営するファンドによって管理される。
  • 2016年12月、家庭用太陽光発電・風力発電の装置による発電収入が年間で2万4,000シェケルを上回らない場合、その電力販売による所得税は免税されることとなった。発電収入が年間9万9,006シェケルまでの場合は、10%の低減税率が適用される。
  • 2016年12月、個人所得税の税率2%から3%に引き上げられ、課税対象となる年間収入の上限は、従来の80万シェケルから64万シェケルに引き下げられた。

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