外資に関する奨励

最終更新日:2026年08月03日

奨励業種

外資のみを対象にした奨励業種はない。ハイテク産業誘致とノウハウ蓄積に対する間接奨励が、各自治州政府によって行われている場合がある。

各種優遇措置

外資のみを対象にしたものではない。中央政府や自治州政府は、地域投資、雇用創出、研究開発・技術革新(R&D&I)などについて、外資系企業も利用できる各種支援制度を設けている。EUでは、特定の企業・業種を選択的に優遇し、競争をゆがめる国家補助は原則として禁止されている。一方、近年は一般一括適用免除規則(GBER)の拡充やクリーン産業ディール国家補助枠組み(CISAF)の導入により、クリーンエネルギー、産業の脱炭素化、クリーン技術の製造能力確保などの重点分野について、支援可能な範囲の拡大と手続きの簡素化・迅速化が進められている。

研究開発・技術革新、GX分野における主な支援制度

  1. 研究開発・技術革新支援
    スペイン技術開発イノベーションセンター(CDTI)は、企業による新製品・新工程・サービスの研究開発や、競争力向上を目的とした技術革新を支援している。研究開発事業は分野・技術を問わず、単独事業、国内企業間の共同事業、国際共同事業などが対象となる。
    主要な研究開発支援は通年で申請でき、承認事業費の最大85%が一部返済義務のある補助金として提供される。技術革新支援では、新興技術の導入など、市場投入に近い応用プロジェクトも対象となる。大企業も申請可能であり、外国企業のスペイン法人も、国内で対象事業を実施し、各制度の要件を満たす場合は利用できる。

    CDTI:R&D Projects外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  2. 産業部門の省エネルギー・脱炭素化支援
    エネルギー多様化・省エネルギー研究所(IDAE)が管理する国家エネルギー効率基金(FNEE)により、産業部門の中小企業および大企業を対象とする支援制度が設けられている。
    対象は、産業設備・生産工程の技術改善とエネルギー管理システムの導入で、設備・工程改善については原則として最終エネルギー消費量を10%以上削減することが必要。支援は返済不要の補助金として各自治州から交付され、補助率、申請期間、対象業種などは自治州ごとの公募により異なる。

    IDAE:Pyme y Gran Empresa Industrial FNEE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  3. 電気自動車などの購入支援 「Programa Auto+」により、企業・個人による電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車などの代替燃料車の購入を支援する。
    乗用車の支援額は最大4,500ユーロ、従業員10人以下の企業・個人事業主は最大6,000ユーロ。小型商用車はそれぞれ最大5,000ユーロ、7,500ユーロとなる。支援額は、電動化方式、車両価格、「欧州基準」やバッテリー原産地要件などに応じて決定される。2026年1月1日以降の購入に遡及適用されるが、申請時期などは公募情報を確認する必要がある。

    Portal Ayudas:Programa Auto+外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

中央政府による優遇策(法人税額の特別控除など)については、次のとおり。

法人の欠損金繰越控除

税務上の欠損金は、原則として期限なく翌期以降に繰り越し、将来の課税標準から控除できる。各年度に控除できる額は、原則として欠損金控除前の課税標準の70%が上限となる。直前12カ月間の純売上高が2,000万ユーロ以上6,000万ユーロ未満の場合は50%、6,000万ユーロ以上の場合は25%が上限となる。ただし、いずれの場合も、100万ユーロまではこの割合制限に関わらず控除できる。

なお、税務連結グループについて、2023~2025年に開始した年度には、各構成企業の当期欠損金の50%のみをグループ課税標準に算入する特例が適用されたが、この措置は終了した。残りの未算入額は、その後10年度にわたって均等に控除される。

新規設立会社に対する優遇税制

経済活動を行う新設法人には、初めて利益を計上した年度とその翌年度に、15%の軽減法人税率が適用される。

法人税の税額控除

  1. 税額控除の限度枠・繰越期間
    一定の活動を促進するための税額控除は、国際的二重課税控除および税額軽減措置を適用した後の法人税額の25%が、原則として合計控除上限となる。ただし、当期に行った支出・投資に対応する研究開発・技術革新および映画・映像制作などの税額控除額が、当該法人税額の10%を超える場合、上限は50%となる。
    未使用の税額控除は原則として15年間、研究開発・技術革新に関する税額控除は18年間繰り越すことができる。
    これとは別に、直前12カ月間の純売上高が2,000万ユーロ以上の企業では、国際的二重課税を回避するための所定の税額控除の合計は、税額控除前の法人税額の50%を上限とする(残りは翌期以降に繰り越し可能)。
  2. 主な税額控除対象
    1. 研究開発・技術革新(R&D&I)
      1. 対象は、新素材・製品、新工程・生産システムの開発・大幅な技術的改良、試作品、デザイン、サンプル、先進ソフトウエアなど。また既存の材料、製品、プロセス、システムの技術的改善も含む。
      2. 当該年度の研究開発費の25%。
      3. 研究開発費が直前2年間の平均額を上回る場合、平均額までは25%、超過部分は42%。
      4. 研究開発専用の有形・無形固定資産への投資は8%(建物・土地を除く)、技術革新費は12%、研究開発に専従する有資格研究者の人件費は17%の追加控除。
      5. 未使用の研究開発・技術革新に関する税額控除は、減額されることなく18年間繰り越し可能。
    2. 法人税額の不足や控除限度額超過などにより税額控除を適用できない場合、一定の条件(平均従業員数またはR&D&I従事者の雇用維持、R&D&Iへの再投資など)を満たせば、控除発生年度の終了から少なくとも1年経過後、税額控除額を20%減額した額(実質80%)について、通常の控除限度額を超えて適用できる。さらに、控除後も法人税額が不足する場合には、その額の還付を申請できる。
    3. 映画・映像シリーズ製作、舞台芸術など
      スペイン映画やフィクション、アニメーション、ドキュメンタリーの制作については、控除対象額のうち最初の100万ユーロに30%、これを超える部分に25%の税額控除が適用される。控除額は原則として1作品当たり2,000万ユーロ、シリーズ作品は1話当たり1,000万ユーロが上限となる。
    4. 新規雇用創出:1万2,000ユーロ(年間1人当たり)まで。
    5. 障害者の平均雇用者数が前年度から増加した場合、障害率33%以上65%未満の従業員については増加1人当たり年間9,000ユーロ、障害率65%以上の場合は1万2,000ユーロの税額控除が認められる。
      未使用の税額控除は、その後終了する年度に15年間繰り越し可能。なお、本控除の対象となった雇用者は、第102条に定める雇用創出を伴う自由償却の従業員増加数には算入できない。

その他優遇措置

  1. のれん(営業権など)の償却
    のれんの税務上の償却は、原則として取得価額の20分の1(年5%)を上限として損金算入できる。
  2. 特定の無形資産から生じる所得
    一定の要件を満たす場合、研究開発・技術革新活動から生じた特許、実用新案、医薬品・植物保護製品の補充的保護証明書(SPC)、法的保護を受けた意匠・モデル、登録済み高度ソフトウエアの使用許諾などから得られる収入から、当該資産に直接関連する費用などを差し引いた利益の一部を、課税標準から減額できる。減額割合は最大60%となる。

このほか、一定の電動車・充電設備および再生可能エネルギー設備への投資には、法人税上の自由償却制度が設けられている。詳細は「税制」を参照。

その他

特になし。