日立の米IT子会社、スペインにエンジニアリングセンター開設へ

(スペイン、米国、日本)

マドリード発

2023年01月20日

日立製作所は116日、米国IT子会社のグローバルロジックがスペイン国内に複数のエンジニアリングセンターの開設を計画していると発表した(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。同社のエンジニアリングセンターとしては15カ国目、南欧では初の拠点となる。2023年の立ち上げに向けてバレンシアやマラガなど複数の都市を検討しており、長期的にはマドリードやタラゴナなどへの展開も検討。また、現地採用や同業買収なども通じて、今後3年間でソフトウエア開発者やデータサイエンティストなど最大2,5003,000人の専門人材の雇用を見込んでいる。

グローバルロジックは、日立が20217月に買収した米シリコンバレーのデジタルエンジニアリング大手。世界15カ国で従業員28,000人超を擁し、さまざまな業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションを支援している。同社のニテッシュ・バンガ社長兼最高経営責任者(CEO)は、スペインを選んだ決め手として、デジタル変革に対する政府の強力なコミットメントと、デジタル人材の層の厚さを強調した。

スペイン政府が20227月に発表したデジタル変革ロードマップの改定版「デジタル・スペイン2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は、EU復興基金の予算を充てたことにより、初年度(20212022年)の予算規模が前年度(20192020年)の政府のデジタル化投資の約9倍に拡大。重点分野は第5世代移動通信システム(5G)技術、サイバーセキュリティー、データエコノミー(注1)と人工知能(AI)、デジタル技能育成などとなっている。

また、上記ロードマップの目玉として12月末に施行された「スタートアップ法」では、「デジタルノマド」(注2)のほか、スペイン国内で働く外国人デジタル人材を呼び込む施策も導入している(20211214記事2023110日記事参照)。スペインで高等教育を履修した留学生が最長24カ月間、滞在を延長して就職活動を行えるようになった。また、国外企業からスペインに派遣される従業員や国外からスペインで就職する労働者は、最長6年間、非居住者向け優遇所得税率24%を適用できる(注3)。

IT大手、デジタル人材雇用計画を相次ぎ発表

スペインでは2022年から、国外の大手IT企業が相次いで大規模な新規雇用計画を発表している。同年3月、米国のメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は、スペインで今後5年間に最大2,000人を雇用すると発表。11月には米国のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)がスペイン北東部のアラゴン州にデータセンターを開設し、1,300人以上の正規雇用を創出するとした。1月にはNTTデータがスペインで同年中に3,000人の新規雇用を予定していることを明らかにした。スペインで今後、デジタル人材の争奪戦が激化していくことが予想される。

(注1)社会の中にある膨大なデータを収集整理、交換するなどして活用する経済のこと。

(注2ITを活用し、国内外を旅しながら働く人材のこと。

(注3)直前5年間の国外居住要件あり。

(伊藤裕規子)

(スペイン、米国、日本)

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