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外資に関する規制

最終更新日:2021年01月21日

規制業種・禁止業種

分野により、非居住者による一定の基準を超える株式の取得には連邦経済・エネルギー省への届出が必要。
外資に限らず、公衆衛生や安全などの観点から、以下の業種は許認可が必要:私立病院、賭博業、質屋、警備業、オークション業、不動産仲介業、銀行業、飲食店・ホテル業、保険業、薬局、手工業、人材派遣業など。

  1. ドイツの外資政策

    ドイツの外資政策はEUの共通政策とも連動しつつ、「対外的な経済取引は自由」を基本原則としている。ただし、「例外」として、国家の安全保障や公共秩序への脅威につながる案件については、規制の対象としている。
    2000年代以降、民主主義が未成熟な新興国の資本、特に政府系ファンドの台頭などに対する懸念から、「例外」に対する規制強化に向け、法改正が重ねられた。従来は軍需関連企業の買収のみを規制の対象としてきたが、2009年の対外経済法改正および同施行令改正(2008年8月20日閣議決定、2009年5月27日改正)では、全産業で規制を実施することが可能となった。2017年の改正(2017年7月12日閣議決定、2017年7月18日改正)ではクラウド・コンピューティングを含むインフラ分野およびインフラ分野にソフトウェアを提供する業種へのEU域外からの投資も審査の対象となり、審査期間も延長された。
    さらに、ドイツ国外企業が、軍事・セキュリティーなどの特定分野で、ドイツ企業の株式を25%以上取得する場合、連邦経済・エネルギー省に事前の届出が必要であったが、2018年12月の改正(2018年12月19日閣議決定、2018年12月29日改正)により、10%以上から届出が必要となった。また、EUおよび欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国以外の外国企業が、重要インフラ分野などの重要分野でドイツ企業の株式を25%以上(重要インフラ運用のためのソフトウェアの分野では10%以上)取得する場合、原則、契約締結後に連邦経済・エネルギー省に報告し、承認を得る必要がある。その他、2020年の対外経済法施行令改正(2020年6月3日施行)により、新型コロナウイルス感染拡大伴い、医療品の調達が困難であったことや、先端医療技術を有するドイツ企業買収の懸念等を背景として、重要分野のリストに医療分野が追加され、防護服、医薬品、医療機器および臨床検査に関連する企業などが新たに規制の対象として加えられた(対外経済法施行令(AWV)第55-62条)。

    さらに、2020年の対外経済法改正(2020年4月8日閣議決定、2020年7月16日改正)により、EU域外企業が重要分野に該当するドイツへ出資する際の審査基準が強化された。公の秩序または安全保障に対し「実質的かつ深刻な脅威をもたらす」場合から「悪影響を及ぼす可能性がある」場合に審査基準が変更され、さらにドイツのみならずEU加盟国やEUのプロジェクトへの影響も考慮される。また、審査対象となる投資や買収は審査終了まで無効扱いとなる。

  2. 許認可が必要な業種

    公衆衛生や治安、従業員・消費者の安全が問題となり得る業種については、国内企業・外国企業に限らず、特別の許認可が必要となる。以下は許認可が必要となる業種の例(カッコ内は根拠法)。外国企業であるために適用される規制はない(例外:外国法人であることを理由に、人材派遣許可を与えないことがあり得る)。

    1. 私立病院、賭博業、質屋、 警備業、オークション業、不動産仲介業、施工者・施工コンサルタント、保険ブローカー・保険コンサルティング投資仲介業者(営業法 Gewerbeordnung
    2. 銀行業、投資会社(銀行法=信用制度法 Kreditwesengesetz
    3. 飲食店・ホテル業(飲食店法 Gaststättengesetz
    4. 保険業(保険監査法 Versicherungsaufsichtsgesetz
    5. 医薬品製造・輸出入、薬局(医薬品法 Arzneimittelgesetz、薬局法 Apothekengesetz
    6. 手工業(手工業法 Gesetz zur Ordnung des Handwerks
    7. 人材派遣業(被用者派遣法 Arbeitnehmerüberlassungsgesetz
    8. 旅客運送業(旅客自動車運送事業法 Verordnung über den Betrieb von Kraftfahrunternehmen im Personenverkehr
    9. 信書の配達(郵便法 Postgesetz
    10. 法律相談、徴収、貨物検査(法律サービス法 Rechtsdienstleistungsgesetz
    11. 税務相談、会計監査(税理士法 Steuerberatergesetz/会計士法 Wirtschaftsprüferordnung
    12. 電子通信網事業(通信法 Telekommunikationsgesetz
    13. 武器の製造および売却 (武器法 Gesetz über die Kontrolle von Kriegswaffen
    14. 運送業(貨物自動車輸送法 Güterkraftverkehrsgesetz)など

出資比率

分野により、非居住者が一定の基準を超える株式を取得する場合、連邦経済・エネルギー省へ届出が必要な場合がある。

非居住者によるドイツ国内での法人、支店、事務所などの設置を制限する規定(対外経済法第旧23条2項1号)は、2001年12月の改定で廃止された。
ただし、ドイツ国外企業が軍事・セキュリティーなど特定分野でドイツ企業の株式を10%以上取得する場合、連邦経済・エネルギー省に事前の届出が必要。また、EUおよび欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国以外の外国企業が、連邦経済・エネルギー省が定めるインフラ分野などの重要分野で、ドイツ企業の株式を25%以上(重要インフラ運用のためのソフトウェアの分野では10%以上)取得する場合、原則、契約締結後に連邦経済・エネルギー省に報告し、承認を得る必要がある。該当する分野には重要インフラおよびその関連ソフトウェア、通信、クラウド・コンピューティング、テレマティックス関連インフラ、メディア産業、国家の通信インフラ、個人用保護具、重要な医薬品、医療機器および対外診断機器がある(対外経済法施行令(AWV)第55-62条)。

外国企業の土地所有の可否

外資のみを対象とした規制はなし。

資本金に関する規制

外資のみを対象とした規制はなし。

その他規制

外資のみを対象とした規制はなし。