税制

最終更新日:2022年01月17日

法人税

法人税と連帯付加税からなる連邦税は、課税対象所得の15.825%。法人税は、法人(株式会社AG、有限会社GmbHなど)の所得に対して課せられ、連帯付加税は法人税額の5.5%(課税対象所得の0.825%)相当。
このほか地方税として営業税があるが、自治体によって税率が異なっている。法人税・連帯付加税・営業税の3つの税を合わせた平均実効税率は29.90%(2020年平均)。

担当官庁・関連法

連邦財務省(Bundesministerium der Finanzen:BMF / Federal Ministry of Finance外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

法人税(Körperschaftssteuer

法人税は連邦税であり、居住法人である有限会社および株式会社、非居住法人の支店などの恒久的施設を対象とする。法人税率は、2008年以降、企業の年間所得の15%と定められている。
合名会社(OHG)、合資会社(KG)などのパートナーシップ形態の会社は法人とはみなされないため、会社全体の課税対象額を算出した上で、出資比率に応じて各出資者に所得として分配される。そのため、日本居住法人がドイツ国内パートナーシップへ出資をしている場合、出資を通してドイツ国内源泉所得を有するとして、ドイツで制限納税義務の対象となる。

各出資者の課税対象所得が免税対象額(所得税(Einkommensteuer)の項を参照)を超える場合には、14~45%の所得税率が課されることになる(累進課税)。

累進課税されるパートナーシップ形態の会社の税負担は、法人に比べて大きいことから、両者の課税調和を目的とする税制改正が2008年1月に実施され、パートナーシップ形態の会社の留保利益に対しては、28.25%(連帯付加税と合計すると29.8%)の一律税率(優遇税率)適用の申請ができるようになった。

2021年6月30日に連邦官報で公布された法人税改正法により、2022年1月1日以降、パートナーシップでも法人税課税を選択できるようになった。法人税課税を選択する場合、民法上はパートナーシップの形態が維持されるが、税法上は法人として課税されることになる。法人税課税の選択をすれば、税法上のみ会社の形態が変わることになるため、民法上と税法上の扱いが乖離する結果となる

連帯付加税(Solidaritaetszuschlag

東西ドイツ統一にあたり旧東独支援を目的として創設された。税率は法人税額の5.5%(課税対象額の0.825%)。2020年12月1日に改正され、出資者レベルで課税されるパートナーシップ形態の会社については、2021年1月1日以降、課税所得に応じて免税~最大5.5%まで段階的に課税される。

営業税(Gewerbesteuer

法人税、連帯付加税に加え、ドイツ国内で事業を営む事業者(法人およびパートナーシップ形態の会社の両方)の所得に対して、地方税である営業税が課される。
医師、建築士、弁護士、芸術家といった自由業者には、営業税を納める義務はない。

主要都市の営業税率は、基本税率3.5%をベースとし、各自治体が定める賦課率(Hebesatz)を乗じて算出される。デュッセルドルフ15.4%(賦課率440%)、フランクフルト16.1%(460%)、ハンブルク16.45%(470%)、ミュンヘン17.15%(490%)、シュトゥットガルト14.7%(420%)、ベルリン14.35%(410%)などとなっている(2021年)。
賦課率は概ね295~580%で、一般に、都市部の方が地方に比べて高く設定されている。なお、200%未満の賦課率は、法律で禁止されている。

計算方法(デュッセルドルフ市の場合)

課税対象所得が100万ユーロの法人の営業税額は次のとおり。
100万ユーロ×3.5%×440%=15万4,000ユーロ

なお、法人とパートナーシップ形態の会社への課税を調和させるため、パートナーシップ形態の会社については、営業税の課税対象額に400%乗じた額を上限として、出資者に対する所得税への算入が認められている。
所得税算入の上限は、2020年度より課税ベースの3.8倍から4倍に引き上げられた。(Einkommensteuergesetz (EStG) § 35 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

キャピタルゲイン課税(Abgeltungssteuer

投資者の収入となる配当金や投資利益を課税対象とするキャピタルゲイン課税が、2009年1月から税率25%で導入された。連帯付加税と合計すると26.375%の税率となる。

二国間租税条約

日本とドイツとの間の租税条約は、1966年4月に締結された。その後、1979年4月に修正、1980年11月に発効したが、1983年2月に一部修正され、2015年12月には全面的に修正されて、2016年10月28日に新協定として発効した。配当に対する課税限度は、原則として15%で、利子およびロイヤルティーは原則免税される。

  1. 配当課税
    法人居住国(すなわち登録国)における配当に対する課税率は、原則として15%が上限。持ち株割合が25%以上で保有期間が18カ月以上など、一定の条件を満たせば免税される。持ち株割合が10%以上で保有期間が6カ月以上の場合は5%、その他は15%。
  2. 利子課税
    一定の条件を満たせば、日本・ドイツ双方で原則免税となる。
  3. ロイヤルティーに対する課税

    著作権、特許権、商標権、意匠、ノウハウなどのロイヤルティーについては、一定の条件を満たせば、日本・ドイツ双方で原則免税となる。

その他税制

所得税、連帯付加税、付加価値税など。

  1. 所得税(Einkommensteuer

    ドイツの居住者となった住民の給与・利子・配当所得を含むすべての所得に対して所得税が課され、国外での所得もその対象となる。ドイツに住居を持っていたり、年間6カ月以上ドイツに滞在していると、ドイツで居住者とみなされる。
    ドイツでの居住が6カ月未満もしくはドイツでの雇用期間が183日未満の場合は、日独二国間租税条約の要件を満たせば、ドイツ国内で得た所得と資産所得のみが課税対象となる。なお、日本人以外の場合は、租税条約の内容によって異なる可能性がある。

    所得税率は、比例累進課税で14~42%。限界税率は45%。
    課税対象額は、単身か夫婦世帯であるかによって異なる。

    • 最低課税対象年収:2021年は、単身者9,745ユーロ、夫婦世帯合計所得1万9,490ユーロ。2022年は単身者9,985ユーロ、夫婦世帯合計所得1万9,970ユーロ。
    • 税率42%が適用される年収:単身者5万7,919ユーロ以上、夫婦世帯合計所得11万5,838ユーロ以上。2022年は単身者5万8,597ユーロ、夫婦世帯合計所得11万7,194ユーロ。
    • 限界税率45%が適用される年収:単身者27万4,613ユーロ以上、夫婦世帯合計所得54万9,226ユーロ以上。2022年は単身者27万7,826ユーロ以上、夫婦世帯合計所得55万5,652ユーロ以上。これらの金額を超える分が45%で課税され、それ以下(例えば2021年度の単身者の場合、1ユーロから27万4,612ユーロまで)は42%で課税される。

    所得税法第32a条(Einkommensteuergesetz-EStG § 32a Einkommensteuertarif外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  2. 連帯付加税(Solidaritaetszuschlag

    東西ドイツ統一にあたり、旧東独支援を目的として創設され、法人同様に個人の所得に対しても課されてきたが、2021年から、高所得者を除いて、個人および出資者レベルで課税されるパートナーシップ形態の会社への課税は廃止あるいは減税となった。税率は、最大で所得税額の5.5%。

    連帯付加税変更に関するQ&A(Fragen und Antworten zur weitgehenden Abschaffung des Solidaritätszuschlags 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  3. 付加価値税(Mehrwertsteuer:MwSt)

    標準税率19%、軽減税率7%。新型コロナウイルスの感染拡大に対応する景気対策として、飲食店とケータリング業を対象に、2020年7月1日から2022年12月31日までの期間、標準課税19%を店舗での食事とテイクアウトにつき軽減税率7%を適用する時限措置を導入している(飲料は対象外)。

    売上税法第12条(Umsatzsteuergesetz-UStG § 12 Steuersätze外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

なお、新型コロナの感染拡大に対応する景気対策ではその他にも税の支払い猶予措置などが導入されている。