外資に関する規制

最終更新日:2017年03月31日

規制業種・禁止業種

郵便、マスメディア、航空宇宙産業、輸送、軍需、資源開発等の分野では、外資参入が
禁止または規制されている。


1. 外資が原則禁止されている業種
(1) 核エネルギー開発関連事業
(2) 郵便、電報事業
(3) 航空宇宙産業

2. 外資に対する規制業種
(1) テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の経営および所有
議決権付き株式の70%以上を、ブラジル人もしくはブラジルへ帰化後10年を超えた者、あるいはブラジル法人が保有していなければならない。

(2) 国内航空業
ブラジルに本社を置き、議決権付き株式の80%以上をブラジル人あるいはブラジル法人が保有していなければならない。

(3) 軍需産業
議決権付き株式の3分の2以上をブラジル人あるいはブラジル法人が保有していなければならない。

(4) ケーブルテレビ
ブラジルに本社を置き、議決権付き株式の過半数をブラジル法人、ブラジル人もしくはブラジルへ帰化後10年を超える者が所有していなければならない。

(5) 国境周辺での経済活動
資本の最低51%をブラジル人あるいはブラジル法人が所有していなければならない。また、労働者の3分の2以上はブラジル人でなくてはいけない。

(6) 沿海輸送サービス
ブラジル資本が過半数かつ、経営陣の過半数がブラジル人でなくてはならない。ブラジル船籍の船舶を最低1隻所有し、ブラジルに本社を置き、国立水路運輸庁の認可を有していなければならない。

(7) 鉱物・水資源の開発および調査事業
ブラジルに本社を置く会社であれば外国人や外国企業を出資者に持つ場合も認められる。ただし、辺境地域にて事業を行う場合、資本の最低51%をブラジル人またはブラジル法人が所有していなければならない。ブラジル法人または個人でなくてはならない。また、労働者の3分の2以上はブラジル人でなくてはいけない。

   

出資比率

外資規制業種に該当する場合、出資比率に制限がある。

外国企業の土地所有の可否

一定の制限があるものの、外国企業の土地所有は可能。


外国に居住する外国人、および外資企業によるブラジル国内の土地所有は、禁止されている。ただし、ブラジルに居住する外国人、ブラジル国内に法人を持つ外国資本の企業は、一定の制限があるものの、土地・不動産の取得・所有が認められている。

ブラジルに居住する外国人、およびブラジル国内に法人をもつ外国企業の土地不動産取得規則は、次のとおり(1971年10月7日付法令第5709号、および1974年11月26日付大統領令第74965号)。

1. 都市部の土地所有
ブラジルに居住する外国人、ブラジル国内に法人を持つ外国資本の企業に対しては、特に規制、制限はない。

2. 地方の土地所有
ブラジルに居住する外国人、またはブラジル国内に法人を持つ外国企業が資本の過半数を占める外国企業による土地所有は、農牧畜事業または工業製造事業の導入、開発を目的としたものであり、かつそれらの事業が社会的責任を果たすと認められる場合にのみ、許可される。事業内容により、商工サービス省等の認可が必要。

3. 取得可能な土地面積
ブラジルに居住する外国人が取得可能な土地面積は、50MEIを超えてはならないと規定されている。ブラジル国内に法人を持つ外国企業が取得可能な面積の制限はないが、100MEI以上の土地を購入する場合、国会での承認が必要(1993年2月25日付法令第8629号)。MEIは国立植民農地改革院(INCRA)が定める土地面積の基準単位で、1MEIは、自治体により5~100ヘクタールと異なる。従って、土地取得面積の上限は、ブラジルに居住する外国人の場合250~5,000ヘクタール、ブラジル国内に法人を持つ外国企業の場合500~1万ヘクタールとなる。

また、1つの自治体の面積の4分の1を超える土地を外国籍の個人・法人(単数・複数を問わない)が所有することは禁じられており、また、同一国籍の個人・法人(単数・複数を問わない)による土地所有が外国籍の個人・法人の所有面積の40%を超えることも禁じられている(1971年10月7日法令5709号第12条)。

   

資本金に関する規制

最低資本金に関する規定はないが、駐在役員の永住ビザ取得のために、一定額を投資する必要がある。また、資本金の本国送還は可能。配当金の送金も認められている。

  1. 資本金に関する規制

    ブラジル国内に会社を設立する際に、最低資本金に関する法律上の規制はない。
    国外の企業がブラジル国内に会社を設立し、そこに駐在役員を置く場合、原則と して 投資プランの提出と50 万レアル以上の投資を行い、ブラジル中央銀行に登録する。これにより、駐在役員1人分の永住ビザが発給される。複数の永住ビザが必要な時、 50 万レアル相当額×人数分の投資が必要。また、これら永住ビザ発給を受けた役員は、現地企業の定款に記載されなければならない。

    なお、50万レアルから15万レアルの間の投資額でも、基礎・応用研究分野での技術革新活動に投資する目的で、ブラジルに永住する意思を持つ投資家の場合、次の条件の一つを満たした投資プランを提出すれば、永住ビザが発給される。    

    1. 政府機関から技術革新支援への投資、融資、援助を受けている。   
    2. 技術団地に所在している。    
    3. インキュベートに関するサービス( 事業の創出や創業を支援するサービス・ 活動に関する支援を)受けているか、あるいはその卒業企業である。       
    4. 政府のスタートアップ支援プログラム企業である。
    5. ブラジルにおけるスタートアップ支援の恩恵を受けている。あるいは企業が次 の条件を満たした場合も、永住権発給の対象となる。
      • 市場に導入する、または企業のメイン活動となる製品、生産プロセスまたはサービスにおいて、オリジナリティを有する。
      • 市場に導入する、または企業のメイン活動となる製品、生産プロセスまたはサービスの浸透度の範囲。
      • 市場に導入する、または企業のメイン活動となる製品、生産プロセス、またはサービスの価値創出ポテンシャルおよびインパクトの重要性。

    これら永住ビザ発を受けた役員は、現地企業の定款に記載されなければならない。

  2. 資本金の本国送還
    会社に損失が計上されていない場合や、税務や労働債務リスク等を明らかに上回る資産を所有している場合には、ブラジルに投資された外国資本は本国への送還が可能。
    ただし、投資額を超える金額を本国へ送還する場合には、投資額と送還額の差額がキャピタル・ゲインとみなされ、源泉所得税の対象となる。
  3. 利益(配当金)の送金
    利益(配当金)に関しては、外国企業は国内企業と同等の権利を持っており、外国送金も認められている。
    利益配当に対する源泉所得税は非課税。(1995年12月26日付法令第9249号)
    さらに、日本とブラジルとの間では税額控除規定が適用されるため(いわゆる「みなし税額控除」)、配当については25%がブラジル国内で課税されたとみなし、その分を日本側での課税額から控除を受けることができる。
    なお、2009年に改正された「外国子会社配当益金不算入制度」は、25%以上の株式を所有する海外子会社からの配当額の95%を益金不算入すること認めているが、日本ブラジル租税条約により、ブラジル国内の子会社の場合には10%以上の株式を所有していれば、同制度を適用できる。
    利益送金は投下資本が中央銀行に登録されていることが前提条件であるため、資本金送金を行う際には所定の手続きが必要。
  4. 借入金の資本金への振替え
    本国の親会社からの借入金(いわゆる親子ローン)を資本金に振替えることが認められている。(ブラジル中央銀行2010年第3844号決議、ブラジル中央銀行2013年第3689号通知書第2議題第1・2章)

その他規制

1. 外国人による経営、2. 法人納税番号(CNPJ)の取得、3. 国産製品に対する価格優遇策


1. 外国人による経営
外国人が会社の経営者となる場合には、永住ビザが必要。ブラジルにおけるビザについては「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」を参照。

2. 法人納税番号(CNPJ)の取得
外国の企業がブラジル国内で投資を行う場合、法人納税番号(CNPJ)を申請、取得する必要がある。法人納税番号は、出資者として定款に記載する際も必要となる。なお、外国企業または外国に居住する個人がブラジル企業に出資する場合、ブラジルに居住するブラジル人または永住ビザ取得者を代理人として任命する必要がある。

3. 国産製品に対する価格優遇策
国内産業保護の一環として、物品およびサービスの政府調達の入札案件において、国産品は輸入品に対し、最大で25%の価格優遇が与えられている(2010年12月15日付法令第12349号)。優遇比率は雇用創出数、税収効果、国への技術革新寄与度などを勘案し、入札案件ごと、あるいは行政令により製品ごとに定められ、最大で5年ごとに見直しが行われる。

   

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