外資に関する規制

最終更新日:2017年12月20日

規制業種・禁止業種

郵便、マスメディア、航空宇宙産業、輸送、軍需、資源開発等の分野では、外資参入が禁止または規制されている。

外資参入が原則禁止されている業種

  1. 核エネルギー開発関連事業
  2. 郵便、電報事業
  3. 航空宇宙産業

外資に対する規制業種

  1. テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の経営および所有
    議決権付き株式の70%以上を、ブラジル人、ブラジルへ帰化後10年を超えた者、あるいはブラジル法人が保有していなければならない。
  2. 国内航空業
    ブラジルに本社を置き、議決権付き株式の80%以上を、ブラジル人あるいはブラジル法人が保有していなければならない。
  3. 軍需産業
    議決権付き株式の3分の2以上を、ブラジル人あるいはブラジル法人が保有していなければならない。
  4. ケーブルテレビ
    ブラジルに本社を置き、議決権付き株式の過半数を、ブラジル人、ブラジルへ帰化後10年を超える者あるいはブラジル法人が保有していなければならない。
  5. 国境周辺での経済活動
    資本の最低51%を、ブラジル人あるいはブラジル法人が保有していなければならない。
    また、労働者の3分の2以上がブラジル人でなくてはいけない。
  6. 沿海輸送サービス
    ブラジル資本が過半数かつ、経営陣の過半数がブラジル人でなくてはならない。
    ブラジル船籍の船舶を最低1隻所有し、ブラジルに本社を置き、国立水路運輸庁の認可が必要。
  7. 鉱物・水資源の開発および調査事業
    ブラジルに本社を置く会社であれば、外国人や外国企業を出資者に持つ場合も認められる。
    ただし、辺境地域で事業を行う場合、資本の最低51%を、ブラジル人またはブラジル法人が保有していなければならない。
    また、労働者の3分の2以上がブラジル人であること。

出資比率

外資規制業種に該当する場合、出資比率に制限がある。

外国企業の土地所有の可否

一定の制限があるものの、外国企業の土地所有は可能。

外国に居住する外国人、および外国企業によるブラジル国内の土地所有は、禁止されている。
ただし、ブラジルに居住する外国人、外国企業がブラジル国内に設立した企業は、一定の制限があるものの、土地・不動産の取得・所有が認められている。

ブラジルに居住する外国人および外国企業が、ブラジル国内に設立した企業の土地不動産取得規則は次のとおり。〔1971年10月7日付法令第5709号、1974年11月26日付大統領令第74965号〕

  1. 都市部の土地所有
    ブラジルに居住する外国人、外国企業がブラジル国内に設立した企業に対しては、特に規制、制限はない。
  2. 地方の土地所有

    ブラジルに居住する外国人、または外国企業が、ブラジル国内で資本の過半数を占めて設立した企業による土地所有は、農牧畜事業または工業製造事業の導入、開発を目的としたものであり、かつそれらの事業が社会的責任を果たすと認められる場合にのみ、許可される。
    事業内容により、農務省または商工サービス省等の認可が必要。

  3. 取得可能な土地面積

    ブラジルに居住する外国人が3MEI以上50MEI*以下の土地を購入する場合、国立植民農地改革院(INCRA)の承認が必要。〔2017年12月13日付INCRA 88/2017号〕
    また、土地面積が50MEIを超える場合、国会での承認が必要。〔2017年12月13日付INCRA 88/2017号〕

    *MEIとは国立植民農地改革院(INCRA)が定める土地面積の基準単位で、1MEIは自治体により5~100ヘクタールと異なる。

    外国企業がブラジル国内に設立した企業が取得可能な面積の制限はないが、100MEI以上の土地を購入する場合、国会での承認が必要。〔1993年2月25日付法令第8629号〕
    すなわち、土地取得面積の上限は、ブラジルに居住する外国人の場合250~5,000ヘクタール、外国企業がブラジル国内に設立した企業の場合500~1万ヘクタール。

    なお、1つの自治体の面積の4分の1を超える土地を、ブラジルに居住する外国人、または外国企業がブラジル国内に設立した企業(単数・複数を問わない)が所有することは禁じられている。
    また、同一国籍のブラジルに居住する外国人、または外国企業がブラジル国内に設立した企業(単数・複数を問わない)による土地所有が、ブラジルに居住する外国人、または外国企業がブラジル国内に設立した企業が所有する全面積の40%を超えることも禁じられている。〔1971年10月7日付法令第5709号第12条〕

    さらに、同一国籍のブラジルに居住する外国人、または外国企業がブラジル国内に設立した企業(単数・複数を問わない)による土地所有が、1つの自治体の面積の10%を超えることも禁じられている。〔2017年12月13日付INCRA 88/2017号〕

資本金に関する規制

最低資本金に関する規定はないが、駐在役員の永住ビザ取得のために、一定額を投資する必要がある。また、資本金の本国送還は可能。配当金の送金も認められている。

  1. 資本金に関する規制

    ブラジル国内に会社を設立する際に、最低資本金に関する法律上の規制はない。
    外国企業がブラジル国内に会社を設立し、そこに駐在役員を置く場合、60万レアル以上の投資を行い、ブラジル中央銀行に登録する。
    これにより、駐在役員1人分の永住ビザの申請ができる。複数の永住ビザが必要な時は、 60万レアル相当額×人数分の投資が必要。

    投資後2年以内に10人以上のブラジル人従業員の雇用計画がある場合には、最低15万レアル相当の投資で、1人分の永住ビザの申請ができる。
    就労ビザ(第5種一時滞在ビザ)などその他のビザについては、資本金の規制はないが、役員の職務に就くことはできない。

    個人投資家に対する永住ビザ

    製造部門に投資を行う外国人の個人投資家も永住ビザの申請ができる。
    この場合、投資計画を提出し、ブラジル国内の企業に対し50万レアル以上の投資が必要。
    永住ビザの有効期間は3年で、延長が認められる。

    15万~50万レアルの投資額でも、基礎・応用研究分野での技術革新活動に投資する目的で、ブラジルに永住する意思を持つ個人投資家の場合、投資先企業が次の条件の少なくとも一つを満たす場合、永住ビザの申請が可能。

    1. 政府機関から技術革新支援への投資、融資、援助を受けている。
    2. テクノロジー・パークに所在している。
    3. インキュベートに関するサービス(事業の創出や創業を支援するサービス・ 活動に関する支援)を受けているか、あるいはその卒業企業である。
    4. 政府のスタートアップ支援プログラム対象企業である。
    5. ブラジルでのスタートアップ支援プログラムの恩恵を受けている。
      投資先企業が次の条件を満たす場合も、外国人の個人投資家は15万~50万レアルの投資で、永住ビザ申請が可能。
      • 市場に導入する、または企業のメイン活動となる製品、生産プロセスまたはサービスがオリジナリティを有する。
      • 市場に導入する、または企業のメイン活動となる製品、生産プロセスまたはサービスが広く普及している。
      • 市場に導入する、または企業のメイン活動となる製品、生産プロセス、またはサービスが重要な価値創出ポテンシャルおよびインパクトを有する。
  2. 資本金の本国送還

    会社に損失が計上されていない場合や、税務や労働債務リスク等を明らかに上回る資産を所有している場合には、ブラジルに投資された外国資本は本国への送還が可能。
    ただし、投資額を超える金額を本国へ送還する場合には、投資額と送還額の差額がキャピタル・ゲインとみなされ、源泉所得税の対象となる。

  3. 利益(配当金)の送金

    利益(配当金)に関しては、外国企業は国内企業と同等の権利を持っており、外国送金も認められている。
    利益配当に対する源泉所得税は非課税。〔1995年12月26日付法令第9249号〕

    日本とブラジルとの間では税額控除規定(いわゆる「みなし税額控除」)が適用されるため、配当については25%がブラジル国内で課税されたとみなし、その分を日本側での課税額から控除できる。

    なお、2009年に日本で改正された「外国子会社配当益金不算入制度」は、25%以上の株式を所有する外国子会社からの配当額の95%の益金不算入を認めている。
    日本ブラジル租税条約により、ブラジル国内の子会社の場合には10%以上の株式を所有していれば、同制度を適用できる。

    利益送金は投下資本がブラジル中央銀行に登録されていることを前提条件とし、資本金送金を行う際には所定の手続きが必要。

  4. 借入金の資本金への振替え

    本国の親会社からの借入金(いわゆる親子ローン)を資本金に振替えることが認められている。〔2010年3月23日付ブラジル中央銀行決議第3844号、2013年12月16日付ブラジル中央銀行通達第3689号第2議題第1・2章〕

その他規制

1. 外国人による経営、2. 法人登録番号(CNPJ)の取得、3. 国産製品に対する価格優遇策

  1. 外国人による経営
    外国人が会社の経営者となる場合には、永住ビザが必要。
    ブラジルのビザについては「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」を参照。
  2. 法人登録番号(CNPJ)の取得

    外国企業がブラジル国内で投資を行う場合、法人登録番号(CNPJ)の申請、取得が必要。法人登録番号は、出資者として定款に記載する際も必要。

    なお、外国企業または外国に居住する個人が、ブラジル企業に出資する場合、ブラジルに居住するブラジル人または永住ビザ取得者を代理人として任命する必要がある。

  3. 国産製品に対する価格優遇策

    国内産業保護の一環として、物品およびサービスの政府調達の入札案件において、国産品は輸入品に対し、最大で25%の価格優遇が与えられている。〔2010年12月15日付法令第12349号〕

    優遇比率は雇用創出数、税収効果、国への技術革新寄与度などを勘案し、入札案件ごと、あるいは法令により製品ごとに定められ、最大で5年ごとに見直しが行われる。

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