外資に関する規制

最終更新日:2016年12月01日

規制業種・禁止業種

郵便、マスメディア、航空宇宙産業、輸送、軍需、資源開発等の分野では、外資参入が
禁止または規制されている。


1. 原則禁止
(1) 核エネルギー開発関連事業
(2) 郵便、電報事業
(3) 航空宇宙産業

2. 規制あり
(1) テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の経営および所有
少なくとも議決権株式の70%以上はブラジル人もしくはブラジルへの帰化後10年を超えた者が保有する必要がある。

(2) 国内航空業
ブラジルに本社があり、議決権付き株式の51%以上をブラジル人が保有していなければならない。

(3) 陸上貨物輸送業
ブラジル連邦政府による許可の取得が必要。 

(4) 軍需産業
議決権付き株式の3分の2以上をブラジル人が保有していなければならない。

(5) ケーブルテレビ
ブラジルに本社があり、議決権付き株式の過半数がブラジル法人、ブラジル人もしくはブラジルへ帰化後10年を超える者が所有していなければならない。

(6) 国境周辺での活動
国境周辺での経済活動をする事業体は、株式の最低51%をブラジル法人、個人が所有していなければならない。

(7) 沿海輸送サービス
ブラジル資本が過半数かつ、経営陣の過半数はブラジル人でなくてはならない。ブラジル船籍の船舶を最低1隻所有していなくてはならず、また、運航会社はブラジルに本社を置き国立水路運輸庁の認可を有していなければならない。

(8) 鉱物・水資源の開発および調査事業
ブラジルに本社があるブラジル法人または個人でなくてはならない。また、ブラジル政府による認可が必要。

   

出資比率

外資規制業種に該当する場合、出資比率に制限がある。

外国企業の土地所有の可否

一定の制限があるものの可能。


外国人は、海岸地帯、国境周辺、および国が安全地帯として指定する場所でない限り、個人、法人(企業)を問わず国内の個人、法人(企業)と同様に土地・不動産の取得・所有が認められる。

ブラジル国内居住の外国人、もしくはブラジル国内に法人をもつ外国企業の土地不動産取得規則は、1971年10月7日付法令5709号(1974年11月26日付大統領令74965号で発効)で次のとおり定められている。

1. 都市部の土地所有
特に規制、制限はない。

2. 地方の土地所有
国内の外国人または外国企業による土地所有が農牧畜事業または工業製造事業の導入、開発を目的としたものであり、かつそれらの事業が社会的責任を果たすのに即したものであると考えられる場合にのみ許可が与えられる。事業内容により、農務省または開発商工省の認可を必要とする。

3. 取得可能な土地面積
国立植民農地改革院(INCRA)が定めるMEIと呼ばれる基準単位を用い、外国人が取得可能な土地面積は50MEIを超えてはならないと規定されている。外国企業が取得可能な面積の制限は規定されていないが、1993年2月25日付法令8629号は、100MEI以上の土地を購入する場合、国会での承認を必要としている。このMEIの1単位あたりの面積は、自治体により5~100ヘクタールと異なり、外国人の場合は250ヘクタールから5,000ヘクタールが、外国企業の場合は500ヘクタールから1万ヘクタールが土地取得の上限面積となる。

また、1971年10月7日法令5709号第12条にて、1つの自治体の面積の4分の1を超える土地を外国籍の個人・法人(単数・複数を問わない)が所有することが禁じられ、また同一国籍の個人・法人(単数・複数を問わない)による土地所有が外国籍の個人・法人の所有面積の40%を超えることはできないと規定されている。言い換えると、各自治体の面積の25%以上を外国籍の個人・法人によって占有することはできず、また同一国籍の個人・法人によって10%以上を占有することはできない。

1971年10月7日付法令5709号の解釈に関してブラジルでは長年議論があり、外国企業傘下のブラジル現地法人で法令制限を超えた土地取得をする事例が見られた。しかし、中国や米国などの外国企業や外国人がブラジル農村部の土地を購入する事例が増えたため、2010年8月に法令5709号に関して政府としての見解を意見書(国家総弁護庁(AGU)2010年8月19日付意見書(Parecer)No.LA-01)として発表し、その後、INCRAより公布された2011年12月6日付基本通達70号に意見書の内容を反映、外国企業や外国人の農村部の土地購入に関して厳密な法令適用を行い、政府が外国企業、外国人による土地購入状況をチェックする体制を強化している。

一方で、外国籍の個人・法人による土地所有を緩和すべきとの意見も根強く、2012年には改正案(Projeto de Lei 4059/2012)が出されている。2015年9月の格付機関によるブラジル格付の引き下げ以降、財政再建策の一環とし税収増を目的に改正案を承認しようとの動きが再燃している。 

   

資本金に関する規制

最低資本金に関する規定はないが、駐在役員の永住ビザ取得のために、一定額を投資する必要がある。また、資本金の本国送還は可能。配当金の送金も認められている。


1. 資本金に関する規制
ブラジル国内に会社を設立する際に、最低資本金に関する法律上の規制はない。
ただし、国外の企業がブラジル国内に会社を設立し、そこに駐在役員を置く場合、原則として投資プランの提出と50 万レアル以上の投資を行い、ブラジル中央銀行に登録する必要がある。これにより駐在役員1人分の永住ビザが発給される。複数の永住ビザが必要な時には、50万レアル相当額×人数分の投資が必要。
なお、50万レアルから15万レアルの間の投資額でも、基礎・応用研究分野での技術革新活動に投資する目的で、ブラジルに永住する意思を持つ投資家の場合、次の条件の1つを満たした投資プランを提出すれば、永住ビザが発給される。
a. 政府機関から技術革新支援への投資、融資、援助を受けている。
b. 技術団地に所在している。
c. インキュベートに関するサービス(事業の創出や創業を支援するサービス・活動に関する支援)を受けているか、あるいはその卒業企業である。
d. 政府のスタートアップ支援プログラム企業である。
e. ブラジルにおけるスタートアップ支援の恩恵を受けている。あるいは企業が次の条件を満たした場合も永住権発給の対象となる。
・市場に導入する、または企業のメイン活動となる製品、生産プロセス、サービスにおいてオリジナリティを有する。
・市場に導入する、または企業のメイン活動となる製品、生産プロセス、サービスの浸透度の範囲。
・市場に導入する、または企業のメイン活動となる製品、生産プロセス、サービスの価値創出ポテンシャルおよびインパクトの重要性。

これら永住ビザ発給を受けた役員は、現地企業の定款に記載されていなければならない。


2. 資本金の本国送還
ブラジルに設立した会社に損失が計上されていない場合や、税務や労働債務リスク等を明らかに上回る資産を所有している場合には、ブラジルへ投資された外国資本は本国への送金が可能。源泉所得税も課税対象外である。ただし、ブラジル中央銀行に登録された投資金額を超える金額を本国へ送還する場合には、登録額と送還額の差額がキャピタル・ゲインとみなされ、源泉所得税の対象となる。税率は通常15%。租税回避地(タックス・ヘイブン)への送金に対する税率は25%。ただし、2015年9月の格付機関によるブラジル格付の引き下げ以降、財政再建策の一環とし税収増を目的に、キャピタル・ゲインに対する課税率を引き上げる案が議論されている。

3. 利益(配当金)の送金
1995年12月26日付法令9249号により利益配当に対する源泉所得税は非課税。さらに、日本とブラジルとの間では税額控除規定が適用されるため(いわゆる「みなし税額控除」)、配当については25%がブラジル国内で課税されたとみなし、その分を日本側での課税額から控除を受けることが可能である。
なお、2009年に改正された「外国子会社配当益金不算入制度」により、25%以上の株式を所有する海外子会社からの配当額の95%を益金不算入できることになったが、日本ブラジル租税条約によりブラジル国内の子会社の場合には10%以上の株式を所有していれば、同制度の対象とすることが可能。ただし、利益送金は投下資本が中央銀行に登録されていることが前提条件であるため、資本金送金を行う際には所定の手続きが必要。

   

その他規制

1. 外国人による経営、2. 法人納税番号(CNPJ)の取得、3. 国産製品に対する価格優遇策


<外国人による経営>
外国人が会社の経営者となる場合には永住ビザの取得が必要。ブラジルにおけるビザについては「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」を参照。

<企業の納税番号(CNPJ)の取得>
禁止産業および規制産業を除き、外資がブラジル国内に会社を設立することも国内企業に資本参加することも法律で認められている。その際、2002年9月の新法により、外国企業も法人納税番号(CNPJ)を申請、取得するよう義務付けられた。出資者として外国企業を定款に記載する際も法人納税番号が必要。なお、外国企業または国外に居住する個人がブラジル企業に出資する場合、ブラジル国内のブラジル人または永住居住者を代理人として任命する必要がある。

<国産製品に対する価格優遇策>
政府入札などで国産品への優遇策がとられている。
外資に対する規制ではないが、公共入札について定める法令により、国内産業保護の一環として、物品およびサービスの政府調達の入札案件において、国産製品は海外からの輸入製品に対し、最大で25%までの価格優遇が与えられている(2010年12月15日付法令12349号)。優遇比率は入札案件ごと、あるいは行政令(Decreto)により製品ごとに定められている。

   

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