外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2016年03月31日

外国人就業規制

外国人が国内で報酬を得る活動をするには就労を許可したビザが必要。


日本国籍者がブラジルに入国するには渡航目的に応じたビザを取得する必要がある。
国内で報酬を得る活動を行うには、ブラジル国内での就労を許可されたビザを取得する必要がある。就労を許可するビザを保有する者の扶養者(同伴家族)は、報酬を得る活動は禁止されている。ビザ発給日から90日以内にブラジルに入国しない場合、ビザは無効となる。

在留許可

ビザの種類は7つに分けられる。駐在員としてブラジル国内の企業で働く場合、就労ビザ(第5種一時居住ビザ)、または永住ビザの取得が必要。観光ビザや商用ビザ(第2種一時居住ビザ)などで入国した場合、国内で報酬を受けることはできない。


外国人に対するビザは次の7種類に分けられる。
1. 観光ビザ(Visto de Turistas/Tourist Visa)   
2. 一時居住ビザ(Vistos Temporários/Temporary Visa) 
3. 永住ビザ(Vistos Permanentes/Permanent Visa) 
4. 通過ビザ(Visto de Trânsito/Transit Visa)
5. 非公式外交ビザ(Visto de Cortesia/Courtesy Visa)  
6. 公用ビザ(Visto Oficial/Official Visa) 
7. 外交官ビザ(Visto Diplomático/Diplomatic Visa) 


日本からの渡航の際に取得する主なビザの内容は次のとおり。

<観光ビザ>
滞在期間は最大で90日。1回のみ延長可能で、1年間に最長180日間の滞在が可能。滞在許可期間中は数次入国が可能。有償・無償にかかわらず、国内においてビジネス活動は認められない。
  
<一時居住ビザ>
一時居住ビザは滞在目的別にビザの種類と滞在可能期間が分類されている。
第1種:文化・学術ビザ(最長2年間)
第2種:商用ビザ(最長90日間)
第3種:芸能・スポーツビザ(最長90日間)
第4種:学生ビザ(最長1年間)
第5種:就労ビザ(最長2年間)
第6種:報道記者ビザ(最長4年間)
第7種:宗教関係者ビザ(最長1年間)

一時居住ビザの根拠法は、1980年8月19日付法律第6815号。
 
[就労ビザ(第5種一時居住ビザ)]
正式名称は、第5種一時居住ビザ(Vistos Temporários V)。ブラジル国内企業(日本企業のブラジル法人を含む)が外国人労働者(日本企業にとっては駐在員)を呼び寄せて雇用する際に発給されるもので、呼び寄せ側企業がブラジル労働雇用省に対し事前申請を行ない、その許可が下りた場合に、日本のブラジル公館で発行される。

国家移民審議会決議2012年12月12日付第99号により、取得の条件は、[1] 最低9年間の教育と、大卒レベルを必要としない2年間の職務経験、[2] 職務に関係する大学過程の修了時点から数えて1年間の大卒レベルの職務経験、[3] 360時間以上の単位を伴う大学院過程の修了、もしくは修士号または従事する活動に合ったそれ以上の学位、[4] 学歴と関係なく芸術・文化の分野での3年間の職務経験、のいずれかの条件を満たしている必要がある。勤務する会社への投資は条件に入っていない。

ビザ取得者が現地会社で受け取る給料に関し、国家移民審議会決議2007年2月9日付第74号第3条は、当該企業において当人と同職種/同職制の従業員の給料の最高額を下回ってはいけない、また、グループ会社間の雇用契約の場合には、ビザ取得者が国内外で受け取る給料の額が、国外で最後に受け取った給料の額を下回ってはいけない、と規定していた。同決議は2013年に出された国家移民審議会決議2013年5月16日付第104号により廃止され、104号決議では給料に関する条項が外された。ただし、就労ビザにより就労を行う者にはブラジル統一労働法が適用され、ブラジル統一労働法第460条は、職務が同一の時、国籍の差別なく同一賃金を支払うことを規定している。

就労ビザは2年間有効で、同期間の1回の延長が可能。1回の延長手続きを行い滞在期間が4年を経過する外国人は就労ビザから永住ビザへの切り替えの申請ができる。なお、2011年11月23日付国家移民審議会決議96号により、滞在期間が2年を経過する段階でも就労ビザから永住ビザへの切り替えが可能となった。就労ビザの保有者はブラジルに入国したその日から国内居住者の資格が与えられ納税等の義務が課せられるほか、企業との雇用契約に基づく労働手帳の発給を受ける。就労ビザでは取締役の職位につくことは認められない。

就労ビザは、ブラジルにおける雇用関係のない技術者が発給を受けることもできる。国家移民審議会決議2004年12月8日付61号により、日本企業とブラジル企業の間で「技術移転・支援契約」を締結した場合、期間1年間のビザが発給され、1回の同期間の延長が可能。行う技術移転・支援業務に対し3年間以上の職務経験を有していることがビザ発給の条件となる。国家移民審議会決議2013年4月23日付100号では、短期の技術移転・支援契約に基づく90日間で延長不可のビザの発給を定めている。この場合、ブラジル労働雇用省の労働許可は不要。管理・総務・財務関連の支援契約は承認されない。生命や環境、財産、生産・事業活動に甚大な影響を及ぼす可能性のある緊急性が高い状況かつ、外国人による技術支援の必要性が認められた場合には、簡素化された手続きで、期間30日間のビザが発給される。このビザは延長が認められない。

※トレイニー・ビザ
外国人は、「トレイニー」としても就労ビザの取得が可能となっている。国家移民審議会決議2010年9月15日付第87号によれば、ブラジルにある系列会社の子会社、支社、または本社でトレーニングを受けるために、1年間有効のトレイニー・ビザを申請、取得することが可能。トレイニー・ビザ所有者は、ブラジル企業といかなる労働・雇用関係も持ってはならず、ブラジル国内で報酬を受け取ることはできない。期間の延長は許可されない。ブラジルで製造される機械設備の操作・保守作業のトレーニングが目的の場合には、60日間有効で、同期間の1回の延長が可能なトレイニー・ビザが発給される。
 
[商用ビザ(第2種一時居住ビザ)]
商談や市場調査など、商用での一時的な滞在を目的としている。技術指導・援助、機械等の整備を行う場合には、就労ビザ(第5種一時居住ビザ)の取得が必要となる。ブラジル国内で報酬を得る活動は行えない。2011年11月28日に日本・ブラジル両国間における商用ビザに関する覚書が署名された。2011年12月26日付官報247号に公表、2012年1月1日から発効。ビザの有効期限が3年間に延長され、滞在期間は1回の滞在で最大90日間(延長可能で最長180日間)。1年間(最初の入国から数えて365日間)の滞在日数が合計180日間を超えない場合には複数回の入国が可能。
  
[芸能・スポーツ(第3種一時居住ビザ)]
関係するイベント等の主催者からブラジル労働雇用省に対して申請する。90日間有効で、同期間の1回の延長が可能。

[報道記者(第6種一時居住ビザ)]
外国人記者が一時的にブラジル国内に滞在する場合に必要。国内において報酬を得る活動は認められない。有効期間は4年間で、最大でさらに4年間の延長が可能。

<永住ビザ>
日本企業がブラジルに設立した現地法人に役員を派遣するには永住ビザの取得が必要。永住ビザを取得するためには、ビザ1人分につき60万レアル相当以上の投資が必要である。同金額は中央銀行の外国投資登録(Sisbacen)に記録する必要がある。企業の設立、あるいは外国人役員の着任から2年以内に10人以上の雇用を創出する計画のある法人設立であれば、必要な投資額は15万レアル相当以上に減額される。同規則は、2011年8月10日付決議第95号により定められたもの。同法令以前は、最低投資額がビザ1人分につき20万ドル、10人以上の雇用計画がある際は5万ドルとなっていた。

永住ビザを取得しブラジル企業で働く駐在役員は、現地企業の定款に役員として記載されなければならない。永住ビザと外国人登録証(イデンチダージ[identidade])の有効期間は定款等に記載される在任期間となるが、最長で5年間。有効期間後も継続して同役職に就くことが証明されれば更新が可能。イデンチダージは一度更新すると、以後9年ごとに更新される。永住ビザの所有者が2年以上継続してブラジル国外に滞在した場合、ビザは失効する。

永住ビザを取得し現地会社に役員として勤める場合には、統一労働法は適用とならず、「就労ビザ」による駐在員とは異なり、受け取る役員報酬額に関する規定は特に定められていない。ただし、現地会社で受け取る報酬が著しく少ない場合、あるいは、現地会社から報酬を全く受け取らない場合には、税法面から指摘を受けるリスクがあるとの意見も出されている。ビザ取得者が受け取る給料・報酬に関しては個別に専門業者に照会することが勧められる。

駐在役員が交代する場合、労働省に対し現職役員の解任を報告し、定款の変更・商業登記所での登録を行い、当初行なった投資のブラジル中央銀行の登録を利用して新任役員の永住ビザの発給申請をすることになる。よって駐在役員交代の場合には追加の投資は不要。また、当初の投資額(資本金)を使用していても、役員交代のための永住ビザの取得は可能である。

2009年2月10日付決議第84号では、企業としてではなく個人の投資家として、ブラジルに居を定めようとする人に対し永住ビザを発給する規則を定めている。同法令では永住ビザ発給要件として、最低投資額を15万レアル相当以上と定めている。投資の対象は主に生産活動に関するものに限定されている。投資額について、雇用数、投資対象地域・分野、生産性の向上が移民評議会の審査によって認められる場合は、15万レアルを下回っても永住ビザが発給される場合がある。有効期間は3年間で、雇用の増加や納税義務などの審査基準を満たした場合に延長が認められる。

その他、ブラジル人との婚姻、ブラジルで生まれた子供の扶養者となる場合や、規定を超える資産をブラジルに送金可能な年金生活者とその扶養家族にも永住ビザが発給される。

  

現地人の雇用義務

従業員の3分の2以上がブラジル人労働者でなくてはいけない。


賃金労働者のうち、従業員数ベースおよび支払給与額ベースで3分の2以上は、ブラジル人労働者でなければならない。統一労働法第352条および第354条に記載。役員、ブラジルに10年以上居住する外国人、ブラジル人の配偶者あるいは子を持つ外国人はブラジル人とみなして計算される(統一労働法353条)。また、外国人と同じ業務に就くブラジル人に対して、外国人よりも少額の賃金を与えてはいけないと規定されている(統一労働法358条)。

  

その他

日本ブラジル社会保障協定。年金の二重加入解消を目的に、2010年に日本ブラジル社会保障協定を締結。


日本とブラジル両国の年金制度への二重加入の解消および年金保険料の掛捨て防止を内容とする「社会保障に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の協定」(日本ブラジル社会保障協定)が2010年7月に結ばれ、2012年3月1日に発効した。

ブラジルで働く場合、これまでは日本とブラジル両国の年金制度に加入する必要があったが、本協定第7条1の規定に基づき、日本の法令のみの適用を受けることとなる場合(ブラジルの法令の適用が免除される場合)には、ブラジルの社会保障制度への加入が不要となり、国立社会保障院(INSS)への保険料(個人負担分および企業負担分)の支払いが免除されることとなった。本規定は、対象者が現地企業の「役員」であるか否かを問わず適用される。

一時的に(就労期間が5年を超えないと見込まれる場合)日本からブラジルに派遣され就労する人が、ブラジルの社会保障制度への加入が免除されるためには、日本の社会保障制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を受ける必要がある。「適用証明書」は日本の事業主が年金事務所で申請する。

派遣期間が5年を超えると見込まれる場合には、日本の事業主が厚生年金保険および健康保険の資格喪失届を年金事務所へ届け出て、ブラジルの社会保障制度のみに加入する。ブラジルの年金制度に加入した場合には、日本での加入期間とブラジルでの加入期間を合わせて計算することができる。

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