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外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2017年09月03日

外国人就業規制

外国人が国内で報酬を得る活動をするには、就労を許可したビザが必要。

ブラジルに入国するには渡航目的に応じたビザを取得する必要がある。
ブラジル国内で報酬を得る活動を行うには、就労を認めるビザを取得する必要がある。
ビザ発給日から90日以内にブラジルに入国しない場合、ビザは無効となる。

在留許可

ビザは7種類に分けられる。駐在員としてブラジル国内の企業で働く場合、就労ビザ(第5種一時居住ビザ)、または永住ビザの取得が必要。観光ビザや商用ビザ(第2種一時居住ビザ)などで入国した場合、国内で報酬を受けることはできない。

外国人に対するビザは、次の7種類に分けられる。〔1980年8月19日付法令第6815号〕

  1. 観光ビザ(Visto de Turistas/Tourist Visa
  2. 一時居住ビザ(Vistos Temporários/Temporary Visa
  3. 永住ビザ(Vistos Permanentes/Permanent Visa
  4. 通過ビザ(Visto de Trânsito/Transit Visa
  5. 非公式外交ビザ(Visto de Cortesia/Courtesy Visa
  6. 公用ビザ(Visto Oficial/Official Visa
  7. 外交官ビザ(Visto Diplomático/Diplomatic Visa

(注)2017年5月24日付法令第13445号が発令され、ビザの種類は次の5種類に分類された。
本法令は180日後(2017年11月22日)に発効。

  1. 訪問ビザ(Visto de Visita
  2. 一時居住ビザ(Visto Temporário
  3. 外交官ビザ(Visto Diplomático
  4. 公用ビザ(Visto Oficial
  5. 非公式外交ビザ(Visto de Cortesia)

日本からの渡航の際に取得する主なビザの内容は次のとおり。

(注)ここでは法令第6815号に基づく内容であり、法令第13445号の細則内容により、ビザ内容が修正される可能性がある。

観光ビザ

次の目的でブラジルに入国する場合、観光ビザの取得が必要。

  1. 観光および知人の訪問:移住や報酬のある活動に従事することは認められない。
  2. 芸術イベントやスポーツ競技大会への参加:出演料等の報酬のない場合に限る。賞金、賞品を受け取ることは認められる。
  3. 科学者、教授、研究家、専門員等による、学会、講演会、講習会、研究会議への出席:参加に対する報酬を受け取ることはできない。滞在費等の必要経費の支給は認められる。

日本国籍者に対する観光ビザの有効期間は発給日より最高3年間で、数次入国査証(マルチビザ)のため、複数回の出入国ができる。
観光ビザによる滞在日数は、入国日より最高90日間。さらに滞在する場合、ブラジル連邦警察で延長手続きが必要。12カ月間の滞在日数は180日が限度。

一時居住ビザ

滞在の目的別に、ビザの種類と滞在可能期間が分類されている。
第1種:文化・学術ビザ(最長2年間)
第2種:商用ビザ(最長90日間)
第3種:芸術家・スポーツ選手向けビザ(最長90日間)
第4種:学生ビザ(最長1年間)
第5種:就労ビザ(最長2年間)
第6種:報道期間特派員ビザ(最長4年間)
第7種:宗教関係者ビザ(最長1年間)
第8種:研究・開発奨学ビザ(奨学金支給期間・契約期間による)

就労ビザ(第5種一時居住ビザ)

“テンポラリー・ビザ”とも呼ばれる。駐在員等の外国人が、ブラジル現地法人等のブラジル国内企業で働くには、就労ビザの取得が必要。
就労ビザでは取締役の職位に就くことはできない。なお、勤務する会社への投資は、ビザ取得条件に入っていない。
また、就労ビザを保有する者の扶養者(同伴家族)としてブラジルに居住する者は、報酬を得る活動は禁止されている。

就労ビザの取得条件は次のとおり。〔2012年12月12日付国家移民審議会決議第99号〕

  1. 最低9年間の教育と、大卒レベルを必要としない2年間の職務経験
  2. 職務に関係する大学課程の修了時点から数えて1年間の大卒レベルの職務経験
  3. 360時間以上の単位を伴う大学院課程の修了、もしくは修士号または従事する活動に合ったそれ以上の学位
  4. 芸術・文化の分野での3年間の職務経験

就労ビザで就労する者には、職務が同一の時、国籍の差別なく、同一賃金を支払う必要がある。〔統一労働法第460条〕

  1. 就労ビザから永住ビザへの切替

    就労ビザの有効期間は2年。その後も就労先との雇用契約が継続する場合、就労ビザから永住ビザへの切り替えの申請ができるが、申請が承認されるまでの間、役員としての職務を行うことはできない。
    なお、就労ビザを永住ビザに切替えることにより、就労ビザを保有する者の扶養者(同伴家族)としてブラジルに居住する者も、報酬を得る活動が認められる。

  2. 「技術移転・支援契約」に基づく就労ビザ

    日本企業とブラジル企業の間で締結された「技術移転・支援契約」に基づき、ブラジルで雇用関係のない技術者がブラジルに入国する場合も、就労ビザの取得が必要。
    遂行する技術移転・支援業務に対し、3年以上の職務経験を有していることがビザ発給の要件となる。
    ビザの有効期間は1年で、さらに1年間の延長が可能。〔2004年12月8日付国家移民審議会決議第61号〕

  3. 短期の「技術移転・支援契約」に基づく就労ビザ

    短期の「技術移転・支援契約」に基づき、ブラジルに入国する場合にも、就労ビザの取得が必要。この場合、ブラジル労働雇用省の労働許可は不要。管理・総務・財務関連の支援契約は承認されない。
    ビザの有効期間は90日で、延長は認められない。〔2013年4月23日付国家移民審議会決議第100号〕

  4. 緊急時の就労ビザ

    生命や環境、財産、生産・事業活動に甚大な影響を及ぼす可能性のある緊急性が高い状況、かつ外国人による技術支援の必要性が認められた場合には、簡易な手続きで、有効期間30日のビザが発給される。
    このビザの延長は認められない。〔2004年12月8日付国家移民審議会決議第61号〕

  5. 「トレイニー」としての就労ビザ

    外国人がブラジルにある子会社、支社、本社等でトレーニングを受ける場合、「トレイニー」としての就労ビザの取得が必要。
    ビザの有効期間は1年で、延長は認められない。〔2010年9月15日付国家移民審議会決議第87号〕
    「トレイニー」としての就労ビザ所有者は、ブラジル企業といかなる労働・雇用関係を結ぶことは認められず、報酬を受け取ることはできない。

    他方、ブラジルで製造される機械設備の操作・保守作業のトレーニングが目的の場合も、「トレイニー」としての就労ビザの取得が必要。 ビザの有効期間は60日で、さらに60日の延長が可能。

商用ビザ(第2種一時居住ビザ)

商談や市場調査など、商用目的で一時的な滞在を行う場合、商用ビザの取得が必要。
ブラジル企業と雇用契約を結ぶことや、ブラジル国内で報酬を得る活動は行えない。
技術指導・援助、機械等の整備を行う場合には、就労ビザ(第5種一時居住ビザ)の取得が必要。
ビザの有効期間は3年で、複数回の入国が可能。
滞在可能日数は、入国日より最高90日間。さらに滞在する場合、ブラジル連邦警察で延長手続きが必要。12カ月間に最大で180日の滞在が可能。

学生ビザ(第4種一時居住ビザ)

ブラジルの教育機関に学生として滞在する場合には、学生ビザの取得が必要。
ビザの有効期間は1年で、延長可能。報酬を得る活動は行えない。

芸術家・スポーツ選手向けビザ(第3種一時居住ビザ)

プロの芸術家やプロスポーツ選手が、ブラジルで報酬を得ることを目的にイベントに参加する場合には、芸術家・スポーツ選手向けビザの取得が必要。
娯楽興行に係わる技術者、および芸術家・スポーツ選手の補佐として参加する場合も、同ビザの取得が必要。
ブラジル企業または個人との雇用関係は認められない。
ビザの有効期間は90日で、さらに90日の延長が可能。

報道機関特派員ビザ(第6種一時居住ビザ)

新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等の外国報道機関の特派員として、ブラジル国内に滞在する場合、報道機関特派員ビザの取得が必要。
国内で報酬を得る活動は認められない。
ビザの有効期間は4年で、最大でさらに4年間の延長が可能。

永住ビザ

“パーマネント・ビザ”とも呼ばれる。駐在役員、個人投資家、ブラジル人と婚姻した者、年金生活者等がブラジルに居住するには、永住ビザの取得が必要。

ブラジルに設立した現地法人に役員を派遣するには、永住ビザの取得が必要。永住ビザ1人分に付き60万レアル相当以上の投資が必要で、かつ同金額をブラジル中央銀行の外国投資登録に記録する必要がある。
企業の設立、あるいは駐在役員の着任から2年以内に、10人以上のブラジル人の雇用を計画している場合、必要な投資額は15万レアル相当以上に減額される。〔2017年3月14日付国家移民審議会決議第127号〕

永住ビザを取得し、役員として働く場合、現地法人の定款に役員として記載されなければならない。
永住ビザの有効期間は最長で5年。その後も役員を継続する場合、ビザの更新が可能。永住ビザを一度更新すると、以後9年ごとに更新手続きを行う。
永住ビザの有効期間中でも、継続して2年以上ブラジル国外に滞在した場合、ビザは失効する。

永住ビザを取得し、現地法人に役員として勤める場合には、「就労ビザ」による駐在員とは異なり、統一労働法は適用されず、受け取る役員報酬額に関する規定は特に定められていない。
ただし、現地会社で受け取る報酬が著しく少ない場合、あるいは現地会社から報酬を全く受け取らない場合には、税法面から指摘を受けるリスクがあるとの意見もある。
ビザ取得者が受け取る給料・報酬に関しては、個別に専門業者に照会することが勧められる。

駐在役員が交代する場合、追加の投資は不要。また、当初の投資額(資本金)を使用していても、役員交代のための永住ビザの取得は可能である。

個人の投資家としてブラジルに居住する場合も、永住ビザの取得が必要。この場合、50万レアル相当以上の投資を行わなくてはいけない。投資の対象は主に生産活動に関するものに限定。
投資が技術革新、科学・テクノロジー分野への基礎応用研究に対するものと認められる場合、投資額が50万レアルを下回っても、永住ビザが発給される場合がある。
ビザの有効期間は3年で、投資計画に基づく活動を継続している場合、延長が認められる。

その他、ブラジル人と婚姻した場合や、ブラジルで生まれた子供の扶養者となる場合、規定を超える資産をブラジルに送金可能な年金生活者とその扶養家族等も、永住ビザを申請できる。

現地人の雇用義務

従業員の3分の2以上が、ブラジル人労働者でなければいけない。

従業員数ベースおよび支払給与額ベースで、全体の3分の2以上がブラジル人労働者でなければならない。〔統一労働法第352条、第354条〕

役員、ブラジルに10年以上居住する外国人、ブラジル人の配偶者あるいは子を持つ外国人は、ブラジル人とみなして計算される。〔同法第353条〕
また、外国人と同じ業務に就くブラジル人に対し、外国人より少額の賃金を支払うことは認められない。〔同法第358条〕

その他

年金の二重加入解消を目的に、2010年に日本ブラジル社会保障協定を締結。

日本とブラジルは2010年7月、年金制度への二重加入の解消および年金保険料の掛捨て防止を内容とする「社会保障に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の協定」(日本ブラジル社会保障協定)を締結。
同協定により、ブラジルで就労する日本人は、日本あるいブラジルのいずれか1カ国で、年金制度に加入すればよいことになった。

  1. ブラジルでの就労期間が5年以下と見込まれる場合
    日本の社会保障制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を受けることにより、ブラジルの社会保障制度への加入が免除される。
    「適用証明書」は日本の事業主が年金事務所で申請する。就労者が現地企業の「役員」であるか否かを問わず適用される。
  2. 就労期間が5年を超えると見込まれる場合
    日本の事業主が厚生年金保険および健康保険の資格喪失届を年金事務所へ届け出て、ブラジルの社会保障制度のみに加入する。
    ブラジルの年金制度に加入した場合には、両国での保険期間を通算し、それぞれの国の年金受給権を確立できることになった。

ご相談・お問い合わせ

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