技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

最終更新日:2016年03月31日

技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

産業財産法(LPI)が商標、特許、実用新案、意匠に対する保護と、国立産業財産権院(INPI)への登録を規定。ブラジルは、知的財産権および技術の国際貿易の保護にかかわるパリ条約と、世界知的所有権機構のメンバー国だが、商標の国際登録を簡素化するマドリード協定には加盟していない。


ブラジルにおける知的財産に係る法令および審査基準は、開発商工省傘下の国立産業財産権院(INPI)のウェブサイトに掲載されている。
http://www.inpi.gov.br/Portal外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ウェブサイトは原則ポルトガル語版のみで掲載されているが、産業財産法は英語版も掲載されている。
http://www.inpi.gov.br/legislacao-1/lei9279-ingles.pdf/view外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
INPIは産業財産法を実施するために各種の決議(Resolução)や規範命令(Instrução Normativa)を出している。

日本特許庁ではブラジルにおける知財に関する概要をウェブサイトに日本語で紹介している。内容は、特許、実用新案、意匠、商標などの法令等、出願や審査に関する情報など。
https://www.jpo.go.jp/torikumi/kokusai/kokusai2/sangyouzaisanken_gaiyou.htm外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 

また、産業財産法の日本語訳は下記のリンクより閲覧することができる。

産業財産法(法律第9279号、1996年5月14日施行、法律第10196号により2001年2月14日改正)

http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/pdf/brazil/sanzai.pdf(364KB)

ブラジルでは出願から査定までに長い期間を要することが大きな特徴となっている。2010年4月、日本特許庁とINPIは両庁間の人材交流や情報交換などで協力する覚書を締結。日本特許庁はINPIの特許審査官を研修生として受け入れたり、審査業務の教育を行うなど、INPIの審査能力の向上に努めている。


<知的所有権および工業所有権>
知的財産権および技術の国際貿易の保護に関し、ブラジルはパリ条約設立メンバー国で、1975年以降は世界知的所有権機構のメンバーでもある。また、1970年にワシントンで署名された特許協力協定に署名しており、同協定はブラジルの国内法として承認されている。国際分類に関する1971年のストラスブール協定がブラジルでも適用されている。

技術移転、知的財産権ライセンスに関する契約は、INPIに登録を行うことにより、その契約が第三者に対する効力を発揮し、金融機関を介して契約対象金額の送金が可能になる。INPIは、当該契約が登録されて30日以内に、契約の性質を考慮して欄外記入(傍記)の可否にかかる決定を発布する。またINPIへの契約登録はブラジル中央銀行への登録とともに、その契約における所得税および利益に対する社会負担金(Contribuição Social sobre o Lucro Líquido:CSLL)の納付控除を可能にするための必要条件である。

ブラジルは、商標の国際登録を簡素化するマドリード協定には加盟していない。そのため、同協定が有するメリットである、複数国における権利取得手続きの簡素化(ワンストップ)、各国ごとの登録料が支払不要となることによるコストの低廉化などのメリットを、ブラジル国内外の企業は享受することができない。
ブラジルが同協定を批准できない理由の1つとして業界から指摘されているのは、商標の申請から登録完了に約5~6年を要するのが実態という、INPIの構造的な問題である。ブラジルが同協定を批准したとしても、次の懸念事項が考えられる。
まず、INPIが登録手続き件数の増大に対応できるかという点と、さらに、12カ月または18カ月以内に通報しなければならない登録拒絶の連絡を、INPIが国際事務局にスムーズに通報できるのかという点である(拒絶が通報されない場合は、12カ月または18カ月で自動的にその商標が国際登録簿に登録される)。特に、後者がスムーズに行なわれない場合、商標をめぐる訴訟件数が増大することが予想される。こうしたことから、マドリード協定への加盟と共に、INPIそのものの改革が声高に求められており、かつ、INPI自身も、同協定加盟へ向けた検討を開始していることを2007年10月に表明していた。


<商標>
ブラジルでの商標の登録はブラジル人であるか外国人であるかに関わらず可能。製品標章、役務マーク、証明標章、団体標章、地理的表示など、文字、図形、それらの混合、あるいは立体的なのものなど視覚的に認識できるものであって識別性を有するものは、法律で禁止されていないものに限り商標登録を受けることができる。また、著名な商標や広告的商標については産業財産権法の中でパリ条約の規定に基づき特別保護が与えられる。

申請後、出願が公示され第三者による異議申し立ての期間が60日間設定される。異議申し立て期間が終了すると、当該出願に関する審査があり、INPIの審査官は当該案件を審査する。審査の段階で問題がなければ、料金の支払いを経て登録証明書が発行される。

商標は、登録証明書の発効日から数えて10年間保護され、10年ごとに更新が可能。更新を延長しない場合、登録は消滅する。商標登録の付与日から5年以内に登録商標の使用が開始されない場合および、継続する5年間に登録商標を使用しない場合には、商標登録の取消を請求できる。商標の登録所有者または出願人は、登録の移転および商標のライセンスを許諾する権利も保有している。


<特許・実用新案>
特許については、新規性、発明活動や発明行為、工業への適用可能性が登録にあたって考慮されるべき要素となる。実用新案については、実用物品またはその一部が工業への適用可能性を有し、その使用または製造における機能的改良をもたらす新規の形態または構造を有し、かつ進歩性を有していることが考慮される要素となる。
特許および実用新案ともに、科学理論や数学の方式、情報の提供、医療技術・診断の方法、純粋に抽象的な概念、道徳に反するもの、コンピュータ・プログラム、核変換分野、微生物を除く動植物などに対しては権利が与えられない。公共の利害や国家的緊急時のケースでは、権利は剥奪されることができると定めている。
なお、ブラジル国内で出願された医薬品特許は、INPIによる審査の前に国家衛生監督庁(Agência Nacional de Vigilância Sanitária:ANVISA)による事前審査を受け、承認を得る必要がある。

発明特許は、依頼申請日から数えて20年間有効である一方、実用新案は15年間有効。ただし、権利の存続期間は付与日から数えて、発明特許は10年、実用新案は7年を下回らない期間となっている。なお、特許対象物の開発・利用を特許付与日から3年以内に開始しなければならず、かつその製品の使用を1年間を超えて中断することはできない。


<意匠(工業デザイン)>
意匠登録については、新規、かつ独創的な視覚的効果をもたらし、工業生産のためのひな型にすることができることが考慮されるべき要件となる。純粋に芸術的な性質の作品は、意匠とはみなされず、また、対象物が通常または一般に備える必然的な形状または技術的もしくは機能的配慮によって本質的に決定される形状も意匠とは認められない。モラルや公序良俗に反するもの、他人の名誉やイメージを侵害するもの、信教の自由・信条・信仰・理念・尊厳・崇拝を害するものは登録することができない。

意匠登録は、申請の日から数えて10年間有効であり、所定の手数料を支払うと、1回5年、最高3回まで延長することができる(最長25年間)。


<技術・ノウハウ>
子会社を含むブラジル国内の企業に対し技術・ノウハウの供与契約を結ぶ場合も、INPIによる承認が必要となる。契約期間は5年を最高期間とし、INPIが認めれば同期間の延長が一度可能。世界的には、当該技術・ノウハウが陳腐化しておらず、また、国の安全を脅かすもの、公益に反するものでない限りは、契約期間の規制は行わない方針である。技術・ノウハウに対する費用をロイヤルティーとして支払う場合、当該供与技術・ノウハウにより生産された製品の売上高の1%から5%に限られている。契約に基づき国外送金を行うためには、INPIへの登録の他にブラジル中央銀行への登録も必要。技術・ノウハウの供与を伴わない送金であればINPIへの登録は不要だが、何らかの技術・ノウハウの供与に関わる送金とみなされた場合には、INPIでの登録がなければ為替取扱銀行は送金業務を行わない。


「知的財産に関する情報」も参照のこと。

  

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