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外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2016年03月29日

外国人就業規制

2013年9月5日付で政府は、ベトナムで就労する外国人労働者に関する労働法の一部の詳細規定および実施ガイダンスに関する政令Decree 102/2013/ND-CPを発行した。その主な内容は以下のとおりである。


1. 外国人労働者の雇用予定人数の報告
企業は毎年、ベトナム人労働者で代替できない業務に関する外国人労働者の雇用予定人数を確認し、企業の本社が所在する省または市の人民委員会主席に報告書を提出する必要がある。
提出時期については、地方労働管理機関によってガイドラインが異なるため、管理機関に直接確認する必要がある。

当該報告書を提出した後、外国人労働者の雇用予定人数を変更したい場合、新規・追加・代替採用予定日から少なくとも30日前に、当該省または市の人民委員会主席に報告する必要がある。
省または市の人民委員会主席は、企業の報告書を検討し、文書で外国人労働者の雇用を承認する。

本報告書の承認を取得した後、現地採用される外国人の労働許可書を申請する際に新聞広告手続きが免除される。


2. 労働許可書免除の対象者
(1) 有限会社の出資者
(2) 株式会社の取締役
(3) 国際機関あるいは非政府組織の在ベトナム駐在員事務所所長またはプロジェクトの代表者
(4) 販促活動のために、ベトナムに3カ月未満滞在する外国人
(5) 企業の生産または営業活動に影響する可能性がある、ベトナムで既に就労している外国人労働者およびベトナム人労働者には解決できない技術的な問題に対処する目的でベトナムに3カ月以内滞在する外国人
(6) ベトナム弁護士法に従って弁護士免許を取得している外国人弁護士
(7) ベトナムで就労している学生
(8) ベトナムのWTOサービス分野公約に規定されたサービス業の範囲内で、企業内異動としてベトナムで勤務する外国人(同公約に定められたサービス業には、実務サービス、情報サービス、建設サービス、流通サービス、教育サービス、環境サービス、金融サービス、医療サービス、観光サービス、文化および娯楽サービス、運輸サービスが含まれている)
(9) 政府開発援助(ODA)案件の支援のため、技術・専門コンサルティング等を目的としてベトナムで勤務する外国人
(10) ボランティア

  • (11) 国際協定の実施を目的としてベトナムで勤務する外国人

企業は、上記に該当する外国人労働者の勤務開始日の7営業日前までに、勤務する外国人労働者が労働許可書免除対象者であることの確認書を、労働傷病兵社会福祉局に申請する必要がある。



なお、企業内異動としてベトナムで勤務する外国人の定義は、2008年3月24日付政令第34/2008/ND-CP号の第2条4項に定められている。
企業内異動の外国人とは、当該企業により12カ月以上前に採用され、在ベトナム現地営業法人に一時的に勤務する上記の在ベトナム現地営業法人を設立した外国企業の管理者、代表取締役社長、専門家である。


3. 外国人の就労条件
ベトナム国内で就業する外国人は、次の条件を満たさなければならない。
(1) 行為能力があること
(2) 職務遂行上、健康面において必要な要件を満たしていること
(3) 管理者、社長、専門家、技術者であること


また、ベトナム国内で就業する専門家および技術者である外国人の条件が7月の国家会議で変更され、2014年7月8日付国会Resolution No. 47/NQ-CPおよび労働傷病兵社会福祉省2014年8月4日付Official Letter 2779/LDTBXH-VLに規定される。


下記のとおり、管理者、社長、専門家および技術者の専門条件が明記される。

役職 専門条件

管理者

社長

CEO

 - 管理者・CEOである証明文書:外国人労働者が管理者・CEOであることを確認した労働許可書/労働契約書/任命状

あるいは、

- 外国人労働者が就労していた機関・組織・企業は当該者が管理者・CEOであることを確認した文書

専門家

- 外国人労働者が工学士・学士(あるいは相当)以上の学位、またはベトナムで就労しようとする仕事・職位に該当する専攻分野において少なくとも5年の勤務経歴を持つことを証明した資料 あるいは、

- 外国の管轄機関・組織あるいは企業が当該外国人労働者が専門家であることを確認した文書

技術者

- 専門の教育期間最低1年間と3年間以上の実務経験証明書
(専門はベトナムで就労しようとする業種・職位にふさわしいものであること。実務経験は専門と同分野であること。)

- 専門教育修了の証明書、またはベトナムで就労しようとする業種・職位にふさわしい専門分野において少なくとも5年の実務経験を持つことを証明した資料

※地方により、上記いずれかの条件が適用される。事前に条件を管轄当局に確認する必要がある。


(4) ベトナムおよび海外において犯罪歴のないこと
外国人労働者は、ベトナムおよび外国人の国の両国での無犯罪証明書を取得しなければならない。 外国人が初めてベトナムに勤務する場合、外国人の国のみでの無犯罪証明書を提出することができる。

4. 労働許可証(ワークパーミット)
・ 管轄機関の承認済みの外国人労働者の使用報告書を持つこと
外国人労働者がベトナムに勤務する予定日の15日前に、企業は労働許可書を申請しなければならない。
ベトナム労働許可証/ビザの取得手続き(2.9MB)
 

5. 外国人従業員の健康保険
2009年7月1日より有効となっている健康保険法25/2008/QH12号では健康保険加入対象についてベトナムで働く外国人も対象であるか否かが明確ではなかった。ベトナム保健機関と財務省は、2014年11月24日付通達Joint Circular 41/2014/TTLT-BYT-BTCを発行し、健康保険に関する施行ガイダンス細則を公表した。Circular 41は2015年2月1日より有効となる。Circular 41によると、2014年11月24日以降、労働者(ベトナム人あるいは外国人)がベトナム企業との間で期間3カ月超の労働契約を締結した従業員は、ベトナム国内で健康保険拠出の対象となる。

また、同法を補足、一部追加するために2014年6月13日、政府は新しい健康保険法No. 46/2014/QH13を発行した。健康保険法No.46は2015年1月1日より有効となった。健康保険の最大料率は、社会保険料の納付根拠である月給の6%であり、その内従業員負担分が3分の1、雇用主負担分が3分の2である。ただし、同法に最大保険料(6%)の実施時点が明確に規定されていない。2015年2月時点、その料率は、従業員負担分が契約給与1.5%、雇用主負担分が3%である。また、健康保険の計算根拠となる月給上限は、一般最低賃金の20倍(2015年2月時点、2,300万ドン)である。

実際に外国人の労働者でも既に健康保険加入手続きを行っている場合もあるようだが、手続きは各地方によって異なる。また、詳細なルール(例えば、外貨建ての給与の場合の為替レート等)も健康保険を管理する各地方社会保険機関によって異なる。そのため、手続きを行う際には、事前に管轄の社会保険機関に確認する必要がある。

 

在留許可

外国人は、ベトナムへの出入国にあたり、ベトナムの認可当局が発行したビザを提示する必要がある(日本人については、観光あるいは商用でベトナムに15日以内滞在する場合、ビザ取得は免除)。目的により、シングルビザもしくは最長60カ月のマルチ(複数回入国)ビザがある。また、就労、商用などビザを持っている外国人は、一時在留証明書を取得することができる。有効期間は労働許可証、ビザの有効期間と同様で1~5年であり、この期間中はビザの取得が免除される。


1. 在留許可(ビザ)
2014年6月16日に、ベトナム国会は、ベトナムにおける外国人の入国・出国・通過・滞在に関する法律Law No. 47/2014/QH13号を発行し、外国人の査証発給等をより厳しく取り締まる。本法は2015年1月1日より有効となった。同法により2015年1月1日以降、ベトナムビザ規定の概要は以下のとおりである。

(1) ビザ免除
ビザ免除の対象者は下記のとおり規定されている。

・ベトナムが加盟している国際条約の内容により免除される。
・ベトナム一時在留許可証テンポラリー・レジデンスパーミット、下段参照)の所有者
・特別な経済地域に入国する場合
・その他ベトナム政府より認められる場合 

上記のとおり、日本国籍の入国者であれば今後もパスポートの種類を問わず、15日未満の滞在で以下の条件を満たす場合、ビザは免除される。しかし、30日以内にベトナムに再入国する場合はビザを申請する必要がある。

・日本の権限機関により発行されたパスポートを持ち、パスポートの有効期限はベトナムの入国日から6カ月以上である。
・往復航空券、または、他国への航空券を有している。
・ベトナム入国禁止対象者ではない。

15日より長く滞在する場合(不可避な理由での滞在延長を除く)、ビザを申請しなければならない。
しかし、2015年6月25日付の日本大使館発行オフィシャルレターによると、観光目的の場合に限り、15日のビザ免除措置によって入国した外国人が15日の滞在許可期間を超える場合、観光目的であれば引き続きベトナム滞在期間の延長が認められる。またはビザ免除措置によって入国した外国人がベトナムを出国後(出国先が自国である場合を除く)、30日以内に観光目的により再度ベトナムに入国する場合、空港で観光ビザを申請することができる。

(2) 外国人は、外国でベトナム現地法人、オフィス、他の組織の保証無しで本人がベトナム大使館でビザを申請する場合、最長1カ月のビザのみ申請することが可能である。

(3) ビザ目的の変更は認められない。これにより生じる影響(予想)は次のとおりである。
例えば、観光(DL)ビザで入国後、労働許可書(Work Permit)を取得した上で、就労目的の一時在留許可証(Temporary Residence Card)を取得してそのままベトナムに滞在することはできなくなる。ただし、就労目的でベトナムに入国する外国人が現地法人または事務所の保証でビザを取得し、入国後労働許可書を取得し、一時在留許可証に変更することは可能である。

(4) ビザの種類は前法令の10種類から入国目的に応じて27種類に変更された。



2. 一時在留許可証(テンポラリー・レジデンスパーミット)
就労、商用などビザを持っている外国人は、一時在留証明書を取得することができる。一時在留許可証の有効期間はビザ、労働許可証の有効期間と同様の1~5年であり、この有効期間中はビザの取得が免除される。 

通常の(数年単位の)海外赴任の場合、こちらを取得するのが一般的。 

<一時在留許可証の有効期間>
(1) 投資家の場合は最長5年間
(2) 駐在員事務所の所長の場合は最長3年間
(3) 就労ビザの場合は、労働許可証の有効期間に合わせて発行され、最長で2年となる。



3. ベトナムで就労する外国人従業員
労働傷病兵社会福祉省は、2009年9月9日付Official Letter 3353/LDTBXH-VLを公表し、ベトナムに進出した企業や組織で就労する外国人従業員への定期的な雇用状況の確認・検査を実施するよう、省および中央直轄市の人民委員会に義務付けた。人材採用や労働許可証の発行・延長に関するベトナム法規の実施をはじめ、特に所轄地域内で営業し、入札案件を落札した外国人契約者のうち外国人を雇用する組織への監視強化を求めている。点検・検査中に発見した違反行為は法律に基づいて厳格に対処され、ベトナムでの就労条件をすべて満たしていない個人は法律に基づいて国外退去処分または国外追放となる。

また、ベトナムで就労する外国人従業員に関して、2014年1月20日付で労働傷病兵社会福祉省は、2013年9月5日付政令Decree 102/2013/ND-CP号の一部の実施ガイダンスとなる通達Circular 03/2014/TT-BLDTBXH号を発行した。同Circularは、2014年3月10日より有効となり、外国人労働者の労働許可証の取得規定、必要な書類・所定フォームなどのガイドライン以外、外国人従業員の雇用状況の報告制度も規定する。

 

現地人の雇用義務

ベトナムにおいて従業員を雇用する場合には、雇用時の最低賃金、従業員の社会保険料納付、労働関連規定などに留意する必要がある。2011年10月より、国内企業と外資系企業の最低賃金が統一された。


1. 最低賃金
政府は2015年11月14日、国内・外資系企業の最低賃金を引き上げる最低賃金に関するDecree 122/2015/NĐ-CP(158KB)を公布した。発効は2016年1月1日、最低賃金の適用は2016年1月1日からとなる。 
詳細は別添のとおり。

最低賃金一覧  (114KB) 


2. 社会保険
(1) 社会保険に関する法律Law 71/2006/QH11
全11章141条から構成される社会保険法が、社会保険の法的基盤を提供するものとして立法化され、2007年1月1日より発効した(この社会保険法は第2条の1項目b点および2項目以外2018年1月1日より発効する)。同法は2015年12月31日まで有効である。
詳細は別添のとおり。

社会保険法詳細  (123KB)


(2) 社会保険に関する法律Law 58/2014/QH13

国会は、同法を補足・一部追加するために、2014年11月20日に新しい社会保険法Law58/2014/QH13 を発行した。同法は、2016年1月1日より有効となる。同法における変更内容の留意点は別添のとおり。

新社会保険法の留意点  (284KB) 

(3) 社会保険手帳の発行、管理、使途に関する規則
ベトナム社会保険庁長官は、2014年10月10日に新たなDecision 1018/QD-BHXHを発行し、社会保険および健康保険料の徴収管理に関するいくつかの内容を追加・改正した。新規則では、従来の規則に内在していたいくつかの改正、追加(例えば、社会保険手帳および健康保険カードに関する発行、管理についてのフォームの変更)を盛り込んでいる。また、社会保険手帳の発行手続きにおける管轄当局の責任を明確に定義している。 
同Decisionは、2009年5月13日付Decision 555/QD-BHXHに取って代わり、2011年10月25日付Decision 1111/QD-BHXHを追加・改正し、2014年11月1日より発効する。

(4) 社会保険の強制加入に関するガイダンス
政府発行2006年12月22日付Decree 152/2006/ND-CP
社会保険法の強制社会保険に関する規定
労働傷病兵社会福祉省発行2007年1月30日付Circular 03/2007/TT-BLDTBXH
Decree 152/2006/ND-CPの詳細ガイドライン
労働傷病兵社会福祉省発行2008年9月23日付Circular 19/2008/TT-BLDTBXH、および
労働傷病兵社会福祉省発行2009年12月30日付Circular 41/2009/TT-BLDTBXH
通達Circular 03/2007/TT-BLDTBXHの追加・修正となるCircular19/2008/TT-BLĐTBXH:疾病による休業手当、産休手当、労働災害手当、職業病手当、年金および遺族給付に関する詳細ガイドライン
社会保険料、健康保険料の徴収及び社会保険手帳及び健康保険カードの管理に関するベトナム社会保険庁長官発行2011年10月25日付Decision 1111/QD-BHXH
Decree 152/2006/ND-CPの詳細ガイドライン:強制社会保険および健康保険の徴収規則
これにより、2007年7月1日以降、女性従業員は出産休暇の間も継続して健康保険の拠出をしなければならない。出産休暇の期間は、社会保険と健康保険の総拠出期間に含まれる。

(5) 社会保険拠出違反に対する行政処分
政府は、2013年8月22日にDecree 95/2013/ND-CPを発行し、社会保険における違反処分について規定した。社会保険の未納は、支払うべき社会保険料および失業保険合計額の18~20%の罰金に処されるが、最大罰金額は7,500万ドンを超えないものとする。

(6) 失業保険
国会は、2014年11月16日付失業保険に関する法律38/2013/QH13を可決し、2015年1月1日から有効となる。同法の失業保険規定は、現行の規定とほぼ同様であるが、有効日より現行の法律規定(Decree 127/2008/ND-CP、Decree 100/2012/ND-CP、Circular 32/2010/TT-BLDTBXH、Circular 04/2013/TT-BLDTBXHおよび関連法律規定)が無効となる。
同法の規則 
・強制失業保険の加入対象:雇用主との間で期間3カ月超の労働契約または雇用契約を締結した従業員および雇用主である 

・失業保険の受給期間:労働契約書の契約期間によって異なる。月当たりの失業手当は失業日前の6カ月間の平均失業保険納付月給額の60%であるが、地域別最低賃金の5倍を超えない 

・失業保険料については、以前の規定から変更がない。労働者は社会保険料の計算根拠となる月給の1%を、企業は全失業保険加入労働者の月給総額の1%を納付すると明確に規定される

・月当たりの失業手当:失業保険加入期間が12カ月~36カ月未満の場合、受給期間は3カ月であり、その後、12カ月加入ごとに、1カ月分の手当てが追加される。また、失業手当を受給中に仕事がみつかった場合、次回の失業保険加入時に残りの未受給の月数は自動的に引き継がれる。

(7) 健康保険
国会は、補足、一部追加の2014年6月13日に新しい健康保険法No. 46/2014/QH13を発行した。健康保険法No.46は2015年1月1日より有効となった。また、同法は、健康保険の施行ガイドラインに関するDecision 105/2014/NĐ-CPにより、現在の保険料に対して、健康保険基金への雇用主負担が契約給与の3%となり、従業員負担は1.5%となる。健康保険料の計算根拠となる月給上限は一般最低賃金の20倍(2014年8月時点で、2,300万ドン)である。健康保険の給付対象は以下のとおり。 

・診療、治療、リハビリ、胎児の定期診断、出産 

・保健省により発行される特定の病気の早期発見や詳細な検査を目的とする診断 

・薬、医療用品、高度なサービス 

また、同法は、企業、組織の健康保険料を納付しない違反行為に対し、関連役所が企業、組織の取引銀行から直接に健康保険料および罰金を引き出すことを要求する権限がある。 

(8) 健康保険の強制加入に関する規則の改正 
保健省および財務省は、2014年11月24日付健康保険に関する施行ガイドラインであるJoint Circular 41/2014/TTLT-BYT-BTCを公布し、2015年2月1日より発効した。同Circularによると、3カ月以上労働契約書を締結している従業員(外国人を含む)は強制保険の加入対象になる。また、任意医療保険制度が同Circularにも詳細に規定される。

 

その他

労働法関連


労働法の改正
国会は2012年6月18日から、労働法10/2012/QH13を発行した。この労働法が2013年5月1日より施行された。それにより、政府は2015年1月12日に労働法の一部内容の詳細と施行ガイドラインとなるDecree05/2015/ND-CPを発行した。
詳細は下記も参照。
「ベトナムのビジネス関連法規・通達~労務~」

<労働組合>
労働組合とは労働者を代表する組織で、会社の労働者に対する権利の保障、または企業に対する人材採用、賃金制度、労働安全・衛生、労働災害、社会保険・医療保険などに関する法律が遵守されているか否かを監督する。従業員からの希望があれば労働組合設立の支援、協力をしなければならない。労働組合の人数に制限はないが、最低でも、委員長、副委員長、会員の3人が必要となる。設置しない場合は、各地方労働組合が当該企業の暫定的な労働組合執行委員会を選出し、企業に勤務する労働者の法的権利および利益について企業と調整を行う。


1. 労働組合に係る費用
2013年1月1日より有効となる改正労働組合法第12/2012/QH13号により、雇用主(機関、組織、企業)および組合メンバーである従業員の納付率は下記のとおり。

納付対象 納付率 計算根拠
雇用主 2% 社会保険料を差し引いた賃金基本額
組合メンバーである従業員 (労働組合費) 1% 社会保険料の計算根拠となる月給

このうち、従業員から徴収した40%、雇用主が支払った35%は地方の管轄労働組合へ納付される。


2. 組合活動を行う労働者の権利保護
外資系企業にて組合活動を行う労働者の権利・義務は、他の一般的な労動者と同様である。非専従で組合活動を行う労働者は、就業時間の一定時間を労働組合活動に使用することができ、また組合活動中の賃金も全額保証されると定められている。この時間は、企業規模および雇用主、企業内労働組合執行委員会および他の労働者との合意により決定されるが、1カ月で3就業日に相当する時間を上回ってはならない。労働組合基金により賃金を支払われる専任労働組合の活動者は、企業規則もしくは労働協約に沿った諸権利と福利厚生を、他の労働者と同様に享受することができる。雇用主が、企業内労働組合の執行委員会の委員である者に対し、解雇、労働契約の一方的解除を決定する際には、同組合執行委員会の同意を得なくてはならない。


3. ストライキ
ストライキとは、労働争議を解決するために、労働者が任意で一時的に仕事を停止することを指す。違法とみなされるストライキとして、その原因が労働争議ではない場合や、参加者が同じ企業で働くものではない場合などが挙げられる。

ストライキの実施には、労働組合執行委員会あるいは労働者の代表者がストライキ決定書の選定、および要求書を作成する必要がある。また、要求に同意し、要求書に署名する労働者の比率は、最低50%でなければならない。更に、ストライキの5日前に、労働組合執行委員会あるいは労働者の代表者が上記のストライキ決定書および要求書を会社、省レベルの労働局などに提出する必要がある。

なお、ストライキの発生前後で、以下の行為が禁止されている。
・ストライキの妨害、ストライキへの参加者の強制
・企業の機械、設備に損傷
・公共安全の侵害
・ストライキを準備する労働者に対して労働契約書の終了および労働規律処分
・不法行為、その他の違反行為を行うためにストライキを利用すること


<退職・解雇>

1. 退職
企業で12カ月以上勤続した労働者が退職する場合は、雇用主は付属手当てを含めて(あれば)、勤続1年につき半月分の退職手当を支払う責任を負う。ただし、下記の場合、労働者は退職手当を受けることができない。
・労働者が、窃盗、横領、技術・経営上の機密漏洩もしくはその他企業の資産、利益に重大な損害をもたらす行為を行った場合
・最高6カ月間の賃金据え置き、最高6カ月間の減給を伴う配置転換処分を受けた労働者が、処分期間中に違反行為を重ねた場合。降格処分を受けた労働者が再び違反を犯した場合

退職手当、失業手当、不当な一方的労働契約解約への賠償、労働災害への賠償、職業病への賠償を計算するための基礎となる給料は、労働契約に記載された給料となる。また、これは事象発生前の連続する6カ月間の平均の給料を指す。


2. 解雇
ベトナム労働法に基づき、解雇は以下の状況でのみ実施が可能である。
・従業員が窃盗、汚職、賭博、故意に人を傷つける行為、職場内での麻薬の使用、雇用者の経営・技術上秘密の漏洩、知的所有権の侵害行為を行い、雇用者の資産、利益に重大な損害をもたらす行為、または特別重大な損害をもたらすおそれがある行為を行った場合
・昇給期間延長処分の制裁を受けながら、制裁期間中に再犯した場合、または免職の制裁処分を受けながら、再犯した場合
・正当な理由なく、当事者が1カ月に計5日間または1年に計20日間無断欠勤した場合

重大な損害は、その地域で適用される政府が公布した10カ月分の最低賃金を超えない額である。

また、上記の場合により解雇される労働者は、退職手当を受けることはできない。
一方、事業再編等により、12カ月以上勤続した労働者が仕事を失った場合、雇用主は、新しい職場で引き続き雇用するために、彼らを再訓練する義務を負う。新しい仕事に就くことができず、労働者を解雇しなければならない場合は、勤続期間1年につき1カ月分の給与に相当する失業手当を支払わなければならない。ただし、失業手当は、最低でも給与の2カ月分と規定されている。


3. 退職手当/失業手当
1年以上勤続し、1年以上失業保険料を納付した従業員が退職する場合、企業からの退職手当ではなく、社会保険機関から失業手当を貰うことが認められている。一方、従業員の失業保険料の納付期間と勤続期間が1年未満で退職する場合は、いずれも受け取ることができない。


4. 女性従業員採用の際の特有の規定
女性従業員に対しては、別途特別の規定があるため、休息時間を設定する際は注意が必要となる。
女性従業員は、出産前後に合計6カ月の有給休暇を取得することができる。双子以上(双子、三つ子等)が生まれた場合は、2人目の子から1人当たり30日間の有給休暇を追加取得することができると定められている。出産休暇完了後、女子従業員は必要があれば、会社との合意により無給休暇を取得し、休暇を延長することができる。
このほか、女性労働者は生理期間中、1就業日当たり30分の休憩を取得することができ、生後12カ月未満の子供を養育中の女子労働者は、1就業日当たり60分の休憩を別途取得が可能。この休憩時間は勤務時間に含まれる。
また、妊娠した女性労働者は、就業の継続が胎児に悪影響があるとの医師の診断書があれば、賠償なしで、労働契約を一方的に解除する権利を有する。この場合、女性労働者の企業への指定予告期限は、医師の定める期限による。ただし、雇用主は、企業閉鎖の場合を除き、結婚、妊娠、出産休暇または満1歳未満の子供を育児中の女性従業員の解雇や、一方的に労働契約を解約してはならないと定められている。
雇用主は、妊娠7カ月目を超える女性従業員、12カ月未満の子供を養育中の女性従業員に対し、時間外労働、深夜労働、遠隔地勤務をさせてはならないと定められている。


5. 外資系企業および外国・国際機関で就業する労働者の賃金テーブルと給与支払名簿
労働傷病兵社会福祉省は2013年5月14日、企業の給与に関するDecree 49/2013/ND-CPを発行した。
このDecreeは、企業の賃金テーブルと給与支払名簿の詳細に関するガイダンス規則を規定しており、2013年5月1日より発効した。それによると、企業は従業員のために賃金テーブル、給与支払名簿、技術等級、資格、専門的技能に関する補助制度を確立する義務がある。こうした制度は労働契約や契約書の締結、あるいは給与およびその他従業員給付の支給を行う際の基準となる。次の原則に従う必要がある。
・賃金テーブルの各給与帯の差異は5%以上とする
・職業訓練を修了した従業員に適用される給与表や給与支払名簿の最低給与水準は政府が規定した法定最低賃金を最低でも7%上回るものとする
・有害または危険あるいは特に有害または危険な仕事の給与水準は、通常就労条件の賃金を最低でも5%上回るものとする

 

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