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外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2017年09月01日

外国人就業規制

2016年2月3日付で政府は、ベトナムで就労する外国人労働者に関する労働法の一部の詳細規定および実施ガイダンスに関する政令11/2016/ND-CPを発行した。

外国人労働者の雇用予定者の確認兼報告

雇用者は、ベトナム人労働者で代替できない業務に関する外国人労働者の雇用予定人数を確認し、外国人労働者が就労する省または市の人民委員会委員長に報告書を提出する必要がある。また、当該報告書を実行する過程において、外国人労働者の雇用予定を変更したい場合、当該省または市の人民委員会委員長に報告する必要がある。通達40/2016/TT-BLDTBXHの書面によると、雇用者(請負業者は除外)は外国人労働者の採用予定日から少なくとも30日前までに、当該省または市の人民委員会委員長に対し、通達40/2016/TT-BLDTBXHに従いフォーム1の書面で報告する必要がある。外国人労働者の雇用予定人数を変更したい場合、採用予定日から少なくとも30日前までに、当該省または市の人民委員会委員長に対し、通達40/2016/TT-BLDTBXHに従いフォーム2の書面で報告する必要がある。省または市の人民委員会委員長は、企業の報告書を検討し、文書で外国人労働者の雇用を承認する。

請負業者は、外国人労働者の採用予定の際に、当該省または市の人民委員会委員長に書面で報告する必要があることが規定されている。しかし、外国人労働者の採用予定日から何日前までに報告する必要があるかは規定されていない。当該省または市の人民委員会委員長は、500名以上の労働者の採用予定日後2カ月以内に、また500名未満の労働者の採用予定日後1カ月以内に、請負業者においてベトナム人の労働者を十分に確保できない場合には、請負業者の採用要求を検討した上で外国人労働者の雇用を承認する。

労働許可書免除の対象者

  1. 有限会社の出資者もしくは所有者
  2. 株式会社の取締役
  3. 国際機関あるいは非政府組織の在ベトナム駐在員事務所所長またはプロジェクトの代表者
  4. 販促活動のために、ベトナムに3カ月未満滞在する外国人
  5. 企業の生産または営業活動に影響する可能性がある、ベトナムで既に就労している外国人労働者およびベトナム人労働者には解決できない技術的な問題に対処する目的でベトナムに3カ月以内滞在する外国人
  6. ベトナム弁護士法に従って弁護士免許を取得している外国人弁護士
  7. ベトナムの世界貿易機関(WTO)加盟時に規定された者
  8. WTOとベトナムとの間で合意されたサービスに係る特定コミットメント11業種(注)における企業内人事異動による場合であって、当該企業により12カ月以上前に採用され、ベトナム現地法人に勤務する、ベトナム現地法人を設立した外国企業の管理者、代表取締役社長、専門家である外国人労働者
    注:経営サービス、通信サービス、建設サービス、流通サービス、教育サービス、環境サービス、ファイナンスサービス、医療サービス、観光サービス、文化エンターテインメント、運輸サービスを含む。
  9. ベトナムおよび外国の権限機関によって締結された政府開発援助(ODA)に関する国際条約の規定あるいは合意内容に従うODAプログラム・プロジェクトのための専門的および技術的なコンサルティングサービスの提供、また、プログラム・プロジェクトの研究、構築、審査、評価、管理、実施を行う外国人労働者
  10. 法律に従って、外務省が発行したベトナムにおけるメディア・プレス許可書を有する外国人労働者
  11. 外国の機関・組織により、ベトナムにおける外国の外務代表機関または国際組織が管理するインターナショナル・スクールで教授・研究するために派遣された外国人労働者もしくはベトナム教育訓練省によりベトナムにおける教育・訓練機関で教授・研究する目的を認められた外国人労働者
  12. ベトナムにおける外国の外務代表機関または国際組織により認められたボランティア
  13. 専門家、管理者、代表取締役社長、技術的な労働者の職位としてベトナムに従事し、1回の勤務期間が30日以下および年間の勤務期間の合計が90日以下の外国人労働者
  14. 中央レベルまたは省レベルの機関・組織が法律に従って締結した国際合意に基づいてベトナムで就労する外国人労働者
  15. ベトナムにおける機関、組織、企業の実習に関して合意した外国における学校・教育機関で勉強している生徒、学生
  16. ベトナムにおける外国の代表機関で就労しているスタッフの親族(要外務省の許可取得)。ただし、ベトナム社会主義共和国が加盟した国際条約に別の定めがある場合は、この限りでない。
  17. 政府機関、政治組織、政治社会組織に就労するための公用パスポートを有する外国人労働者
  18. 首相が労働傷病兵社会省の要請によって決定する、その他外国人労働者

外国人の労働許可書取得の条件

ベトナム国内で就業する外国人は、次の条件を満たさなければならない。

  1. 行為能力があること
  2. 職務遂行上、健康面において必要な要件を満たしていること
  3. 管理者・社長、専門家、技術者であること
    管理者・社長、専門家および技術者の要件
    役職 条件
    管理者・社長
    • 社長は代表者として機関、組織、会社を管理する者。
      企業法4条18項に基づく企業の管理者(注)または組織・機関の代表もしくはその代理。
      (注)会社の管理者および私人企業の管理者をいい、合名社員、社員総会の会長、社員総会の構成員、会社の会長、取締役会の会長、取締役、社長または総社長および会社の定款の定めに基づき会社の名義で会社の取引を締結する権限を有するその他の管理職の地位にある個人をいう。
    • 管理者は、管理職の証明書を有する者(例:管理者の地位において少なくとも1年間の勤務経歴があることを確認できる文書を有する管理者、社長)。
    専門家
    • ベトナムで就労予定の職務・職位に適合する専門家の位置における勤務経歴があることを確認できる文書を有する者(当該文書上に、会社名、専門家の情報(名前・生年月日・国籍・専門分野)などの記入が要求される)。
    • 具体的条件としては、大卒以上(あるいは相当)の学位、またはベトナムで就労しようとする仕事・職位に該当する分野において、少なくとも3年の勤務経歴を持つ外国人労働者。
    技術者
    • 専門分野について最低1年間以上の教育を受けた旨の、または専門が就労予定の業種・職位に適合するものである旨の証明書または書面を有する者。
    • ベトナムで就労予定の業種・職位に適合する技術専門教育分野において少なくとも3年の実務経験を有することを証明した資料を有する者。

    なお、通達40/2016/TT-BLĐTBXHでは、次の特定のケースにおいて、労働許可書発給の対象とされている。

    役職 条件
    契約に基づくサービスの提供者 外国企業(ベトナムで活動していない会社)において、少なくとも2年(24カ月)間就労していた外国労働者であって、専門家についての条件を満たす者。
    サービス販売者 ベトナムに在住しておらず、ベトナムから給与を貰わず、サービスを大衆に対し直接販売しないこと、およびサービスを直接提供しないことを条件に、サプライヤーの代表者としてサービスを提供する労働者。
  4. ベトナムおよび海外において犯罪歴のないこと 外国人が初めてベトナムに勤務する場合、外国の当局が発行した司法履歴書(無犯罪証明書)もしくは犯罪者および刑事責任を追及されている者でない証明書の提出が必要となる。司法履歴書(無犯罪証明書)もしくは犯罪者または刑事責任を追及されていない者の書類の提出日における証明書の有効期限が証明書に記載された日付から6カ月以内であること。
    ベトナムに居住している外国人労働者の場合は、ベトナム当局が発行した司法履歴書(無犯罪証明書)のみを提出してもよい。
  5. 管轄機関から、外国人労働者の雇用について文書で承認されていること

労働許可書の申請

管轄機関の承認済みの外国人労働者の使用報告書を有していること。
外国人労働者がベトナムに勤務する予定日の15日前までに、企業は労働許可書を申請しなければならない。
ジェトロ調査レポート「ベトナムにおける労働許可書、ビザ(査証)の取得手続き(2017年1月)」

外国人従業員の健康保険

社会保険法46/2014/QH13によると、ベトナム企業と3カ月以上の有期限または無期限労働契約を締結し、給与を支払われる企業の従業員・管理者・幹部・職員・社員(以下「労働者」という)は、ベトナム国内で健康保険拠出の対象となる(2014年の一部追加の新健康保険法46/2014/QH13の第1条6項による)。よって、ベトナム企業と3カ月以上の有期限・無期限労働契約を締結した外国人労働者は、ベトナム国内で健康保険拠出の対象となる。

健康保険の最大料率は、社会保険料の納付根拠である月給の6%であり、そのうち雇用主負担分が3分の2、従業員負担分が3分の1である。社会保険法の規定により、出産休暇中の女性従業員に対しては、健康保険基金への社会保険庁負担部分は出産休暇前の契約給与の6%となる。
外国人労働者は3カ月以上の有期限契約・無期限労働契約を1つ以上持つ場合には、契約給与の一番高い給与が健康保険料の計算根拠となる(2014年の一部追加の新健康保険法46/2014/QH13の第1条7項による)。

健康保険加入手続きは各地方によって異なる。また、詳細なルール(例えば、外貨建ての給与の場合の為替レート等)も健康保険を管理する各地方社会保険機関によって異なる。そのため、手続きを行う際には、事前に管轄の社会保険機関に確認する必要がある。

在留許可

外国人は、ベトナムへの出入国にあたり、ベトナムの認可当局が発行したビザを提示する必要がある(日本人については、観光あるいは商用でベトナムに15日以内滞在する場合、ビザ取得は免除)。目的により、シングルビザもしくは最長5年のマルチ(複数回入国)ビザがある。また、就労、商用、投資、親族訪問、教育、報道関係者ビザを持っている外国人は、一時在留証明書を取得することができる。有効期間は労働許可書、ビザの有効期間と同様で1~5年であり、この期間中はビザの取得が免除される。

在留許可(ビザ)

2014年6月16日に、ベトナム国会は、ベトナムにおける外国人の入国・出国・通過・滞在に関する法律47/2014/QH13を発行し、本法は2015年1月1日より有効となった。2015年1月1日以降、ビザ規定の概要は次のとおり。

  1. ビザ免除
    ビザ免除の対象者は次のとおり規定されている。
    1. ベトナムが加盟している国際条約の内容により免除される場合
    2. ベトナム一時在留許可証、滞在許可証カード(テンポラリー・レジデンスカード、下段参照)の所有者
    3. 特別な経済地域に入国する場合
    4. 外国の管轄機関により発給されたパスポートまたは国際通行許可書を保持する外国に居住するベトナム人、およびそのベトナム人の配偶者、子弟。ベトナム国民の配偶者、子弟である外国人は、政府の規定に従ってビザは免除される。
    5. 日本国籍の入国者であれば、今後も、15日以内の滞在で次の条件を満たす場合、ビザは免除される。しかし、パスポートの有効期限がベトナムの入国日から6カ月以上であり、30日以内にベトナムに再入国する場合は、ビザを申請する必要がある。
  2. 乗継の条件
    1. パスポートもしくは国際通行許可書を所持していること
    2. 第三国へ行く旅程に適合するチケットを所持していること
    3. 第三国入国のビザを取得済みであること。ビザ免除の場合はその限りでない。
  3. ビザ発行の対象者は、ベトナムで保証された機関、組織から招聘された個人となる。ただし、ベトナムでの外国人の出入国管理に関する居住法第17条3項において、在外国ベトナムビザ発給機関の長は、市場視察、旅行、親族訪問、病気の治療などの目的でベトナムへ入国する次に該当する外国人に対し、最大30日のビザを発給する権限を有するとされており、該当者は、ベトナム側からの招聘は不要となる。
    1. 在外国ベトナムビザ発給機関と職務上関係する人またその配偶者、子弟
    2. 現地国の外務省の管轄機関から申請書を発行された人
    3. 現地国の各公館、領事館から発行された保証外交文書を有する人
  4. ビザの滞在目的の変更は認められない。これにより生じ得る影響は次のとおり。
    例えば、観光(DL)ビザで入国後、労働許可証を取得した上で、就労目的の一時在留許可証(テンポラリー・レジデンスカード)を取得し、そのままベトナムに滞在することはできない。ただし、就労目的でベトナムに入国する外国人が、現地法人または駐在員事務所の保証によりビザを取得、入国後、労働許可証を取得し、一時在留許可証に変更することは可能である。
  5. ビザの種類は前法令の10種類から入国目的に応じて20種類(NG1, NG2, NG3, NG4, LV1, LV2, DT, ND, NN1, NN2, NN3, DH, HN, PV1, PV2, LĐ, DL, TT, VR, SO)に変更された。
  6. ビザ取得申請手続き

    ベトナムにおける社会組織、企業、その他のベトナム法令に従う現地法人、外国企業の支店、外国の経済組織・文化組織・その他の専門組織の駐在員事務所は、招聘状の取得申請を行う前に、出入国管理局へ書面で通知するとともに、次の書類を提出しなければならない。

    1. 管轄機関により発行される組織の設立についてのライセンス、もしくは決定書の公証コピー版
    2. 組織の印鑑、法的代表者の署名のある登録書

    この通知は1度のみ行われ、変更が生じた場合には、追加の通知を行う。
    出入国管理局は、ビザ招聘状の受領日から5営業日以内に審査し、招聘元の機関、組織、個人に回答するとともに、在外国ベトナムビザ発給機関へ通知する。
    招聘状の発行機関、組織、個人は、出入国管理局から書面による回答を受けた後に、外国人に対し、在外国のベトナムビザ発給機関にてビザ取得手続きを行うよう通知する。
    2017年1月1日より通達第219/2016/TT-BTC号に従い、新手数料を適用する。

ビザ取得の手数料(2017年1月1日より)
内容 費用
シングルビザ 25米ドル
マルチビザ
  1. 3カ月まで:50米ドル
  2. 3カ月以上~6カ月まで:95米ドル
  3. 6カ月以上~1年まで:135米ドル
  4. 1カ月以上~2年まで:145米ドル
  5. 5カ月以上~5年まで:155米ドル
  6. 14歳以下の子供(期間は関係ない):25米ドル
旧パスポートから新パスポートへ更新した場合の、ビザ、一時在留許可書の有効期間の移行手続き 5米ドル
ビザ発給について、ベトナム政府と外国政府両者の協議によるマルチ1年間のビザ発行 100米ドル
禁止エリア、境界エリアに入るための許可書発行、またはラオス人に対するベトナム国内に入るための境界通行許可書の発行 10米ドル
(第47/2014/QH13号の第25条および第26条の規程に従い)観光、旅行のために航空路および海路乗継ぎをする旅行者へのビザ発行 5米ドル/人
外国人がビザ免除の方法でベトナムに入国し、第三国へ出国後30日未満でベトナムへ再入国する場合、出入国地点で15日以内の有効ビザ発行 5米ドル/人

2017年2月1日から、ベトナムに入国する外国人に電子ビザを発行する。
電子ビザは、入国管理官庁により、ベトナムに入国を希望する在外外国人に発行するビザであり、電子取引システムにより発行される有効期間が30日を越えないシングルビザである。
電子ビザの発行は、経済、対外的な社会発展政策、国防、公安、秩序、社会安全に損害を与えない、ベトナムと外交関係がある国の公民に適用する。
電子ビザを発行される外国人が、ベトナムに入国した後、新たなビザ発行の希望があれば、入国管理官庁は、ベトナムでの外国人の出入国、乗継、居住法の規程に従い処理する。

一時在留許可証(テンポラリー・レジデンスカード)

  1. 一時在留許可証の発行対象
    1. ベトナムにおける公館、領事館、国連所属の国際組織の代表機関、政府代表機関などのメンバーである外国人、またその外国人の任期中に帯同する配偶者、18歳未満の子供および使用人に対し、NG3の一時在留許可証が発給される。
    2. LV1、LV2、ĐT、NN1、NN2、DH、PV1、LĐ、TTビザを発給された外国人は、ビザと同記号の一時在留許可証が発給される。一時在留許可証の有効期間は、ビザ、労働許可書の有効期間と同様、1~5年であり、この有効期間中はビザ取得が免除される。
  2. 一時在留許可証の有効期間
    1. ベトナムで働く外国人弁護士および投資家の場合は最長5年
    2. 外国人商人の駐在員事務所所長の場合は最長3年
    3. 就労の場合は、労働許可証の有効期間に合わせて発行され、最長で2年となる。
      ただし、発行される一時在留許可証の有効期限は、最長でもパスポートの満期日から遡って30日となる(ベトナムでの外国人の出入国、乗継、居住法第38条1項)。
  3. 労働者および外国人出資者のための一時在留許可証発行手続き
    申請書類は次のとおり。
    1. 招聘・保証機関、組織、個人の申請書
    2. 写真添付の一時在留許可証の発行申請書
    3. パスポート
    4. ベトナムにおける外国人の出入国、乗継、居住に関する法律第36条に該当する証明書。労働者の場合、労働許可証、または労働許可証の免除証明書、出資者の場合、投資登録証明書、または企業登録証明書。
    出入国管理当局または外務省の管轄機関は、必要な申請書類を受領してから5営業日以内に、一時在留許可証発給の検討、決定を行う。

2017年1月1日より、通達第219/2016/TT-BTC号に従い、新手数料を適用する。

一時在留許可証発行手数料(2017年1月1日より)
一時在留許可証 費用
1~2年未満の有効期間 145米ドル
2~5年未満の有効期間 155米ドル
在外ベトナム公館からのLĐ, ĐT記号または1年以上の有効期間を有するマルチビザが発給される外国人に対して 5米ドル

現地人の雇用義務

ベトナムにおいて従業員を雇用する場合には、雇用時の最低賃金、従業員の公的保険料納付、労働関連法令などに留意する必要がある。2011年10月より、内資企業と外資系企業の最低賃金が統一された。

最低賃金および基準賃金率

原則、政府は毎年各地域の生活水準に基づき最低賃金を決定する。現在ベトナム内資企業および外資系企業に適用される最低賃金は、2016年11月14日付政令153/2016/ND-CPに規定されている。同政令は2017年1月1日より発効し、かかる最低賃金は同日より適用されている。
詳細は次を参照。

2018年の最低賃金については、2017年8月7日、国家賃金評議会が平均6.5%引き上げる案を政府に提出することを決定した。採用されれば、2018年1月から適用される見通しである。詳細は次を参照。

2017年8月21日付ジェトロ通商弘報「2018年の最低賃金案決まる、平均引き上げ率6.5%」

また、基準賃金率と呼ばれる異なる概念が存在する。これは、政府に勤務する公務員の給与、手当およびその他の利益の水準を決定するのに用いられるものである。基準賃金率は、後述のとおり公的保険料の算定とも関連する。現在適用される基準賃金率は、政令47/2017/ND-CPに規定されており、2017年7月1日以降130万ドンとされている。

公的保険

  1. 公的保険の種類

    公的保険料に関する規定は、社会保険、健康保険および失業保険料の積立の管理ならびに社会保険手帳および健康保険カードの管理について規定するベトナム社会保険庁長官の2017年4月14日付決定595/QD-BHXHに集約されている。決定595は2017年7月1日より施行されている。公的保険の種別および料率は、次のとおりである。

    公的保険の種別および料率
    種別 雇用者負担分 労働者負担分 合計
    社会保険(労災保険料を含む) 17.5%(労災保険料:うち0.5%) 8% 25.5%(労災保険料:うち0.5%)
    健康保険 3% 1.5% 4.5%
    失業保険 1% 1% 2%
    合計 21.5% 10.5% 32%
  2. 保険料負担の方法
    • 雇用者:
      • 雇用者は労働者負担分の保険料を徴収し、雇用者負担分との合計金額を同時にベトナム社会保険機関に納付する。
    • 労働者:
      • 各労働者は、ベトナム社会保険庁より発行された社会保険手帳を保有する。社会保険手帳には、労働者の公的保険料支払の履歴が記録される。各労働者は、健康保険カードを保有し、健康保険カードは、健康保険を受給する際に使用される。
      • 2つ以上の労働契約に基づき異なった雇用者の下で勤務する労働者は、最初の労働契約に基づき社会保険料および失業保険料を、最も賃金の高い労働契約に基づき健康保険料を支払う。
  3. 社会保険に関する法令

    社会保険に関しては、社会保険に関する法律58/2014/QH13(社会保険法)、社会保険法の施行に関するガイドラインを規定する政令115/2015/ND-CPおよび決定595/QD-BHXHが規定する。社会保険法は、法律71/2006/QH11に代わるものとして2014年11月20日に公布され、2016年1月1日より施行された(ただし、第2条1b号および2.2項は、例外として2018年1月1日より施行される)。

    社会保険法、政令115/2015/ND-CPおよび決定595/QD-BHXHによれば、社会保険に加入できる者は次のとおりである。

    1. 社会保険への強制的な加入対象となるベトナム人の労働者
      • 3カ月間以上の労働契約に基づき勤務するベトナム人の労働者
      • 1カ月~3カ月間の労働契約に基づき勤務するベトナム人の労働者(2018年1月1日より適用)
      • 給与を受給している企業の管理者(社長または会長)
    2. 労働許可書、実務証明書(Practicing Certificate)または実務許可書(Practicing License)に基づき、ベトナムで勤務する外国人の労働者(2018年1月1日より適用)
    3. 組織および個人を含む雇用者で、労働契約に基づき労働者を雇用する者
    4. 任意の社会保険への加入の適用を受ける者

    政令115/2015/ND-CPおよび決定595/QD-BHXHによれば、社会保険料算定の基礎は労働者の月給とされ、具体的には次のとおり。

    1. 2016年1月1日~2017年12月31日:労働契約に基づく給与および給与に基礎を置く手当(詳細は、通達59/2015/TT-BLDTBXHに規定される)
    2. 2018年1月1日以降:労働契約に基づく給与、給与に基礎を置く手当およびその他のあらゆる支払。

      社会保険料算定の基礎に、次の項目は含まない。

      • 業績または従業員の能力に基づく賞与
      • 動機付けのための賞与
      • 食事手当
      • ガソリン手当
      • 電話手当
      • 旅費手当
      • 住宅と育児手当
      • 従業員の親族の死亡、結婚と当該従業員自身の誕生日の補助金
      • 労働災害、職業病の場合の困難な状況にある従業員への補助金

      これらの項目があれば、労働契約には、それぞれ区別して記載しなければならない(通達59/2015/TT-BLDTBXH,30条2項)。

      ただし、社会保険料算定の基礎の最高金額は、基準賃金率の20倍(2,600万ドン)である。

  4. 失業保険に関する法令

    失業保険に関しては、雇用に関する法律38/2013/QH13(雇用法)、雇用法の施行に関する細則を規定する政令28/2015/ND-CPおよび決定595/QD-BHXHが規定する。
    2015年1月1日以降、失業保険に加入する者は次のとおりである。

    1. 3カ月間以上の労働契約に基づき勤務するベトナム人の労働者
    2. 組織および個人を含む雇用者で、3カ月間以上の労働契約に基づき労働者を雇用する者

    失業保険料算定の基礎は、社会保険料と同様(労働契約に基づく給与および給与に基礎を置く手当)である。他方、失業保険料算定の基礎の最高金額は、適用される最低賃金の20倍となる。

  5. 健康保険に関する法令

    健康保険に関しては、健康保険に関する法律25/2008/QH12および健康保険に関する法律を変更し補足する法律46/2014/QH13(健康保険法)、健康保険法の一部の条項の施行に関する補則を規定する政令105/2014/ND-CPならびに決定595/QD-BHXHが規定する。
    2015年1月1日以降、健康保険に加入する者は次のとおりである。

    1. 3カ月間以上の労働契約に基づき勤務するベトナム人および外国人の労働者
    2. 組織および個人を含む雇用者で、3カ月間以上の労働契約に基づき労働者を雇用する者
    3. その他の組織および個人で、健康保険法に規定される者

    健康保険料算定の基礎は、社会保険料と同様(労働契約に基づく基本給および基本給に基礎を置く手当)である。また、健康保険料算定の基礎の最高金額は、基準賃金率の20倍(2,600万ドン)である。

  6. 労災保険に関する法令

    2016年6月30日以前は、労災保険は社会保険の一部であり、雇用者が労働者のためにこれを支払っていた。2016年7月1日以降、労働安全および衛生に関する法律84/2015/QH13および労働安全および衛生に関する法律の労災保険に関する条項の施行に関する細則を規定する政令37/2016/ND-CPが発効し、これにより雇用者が1%を負担すると規定されたが、これは社会保険料に含まれており、雇用者および労働者が支払うべき公的保険料率の合計は従前どおりであった。その後、政府は、2017年4月1日付けで政令44/2017/ND-CPを発行し、2017年6月1日から労災保険料の使用者負担分が0.5%軽減された。

    労災保険に加入する者は次のとおりである。

    1. 社会保険への強制的な加入対象となるベトナム人の労働者
      • 3カ月間以上の労働契約に基づき勤務するベトナム人の労働者
      • 1カ月~3カ月間の労働契約に基づき勤務するベトナム人の労働者(2018年1月1日より適用)
    2. 労働許可書、実務証明書(Practicing Certificate)または実務許可書(Practicing License)に基づき、ベトナムで勤務する外国人の労働者(2018年1月1日より適用)
    3. 組織および個人を含む雇用者で、労働契約に基づき労働者を雇用する者

    労災保険料算定の基礎は、社会保険料と同様(労働契約に基づく給与および給与に基礎を置く手当)である。また、労災保険料算定の基礎の最高金額は、基準賃金率の20倍(2,600万ドン)である。

  7. 公的保険の支払義務違反に対する行政処分

    社会保険および失業保険の不払に対する罰則は、政令95/2013/ND-CP第26条に規定される。強制的な社会保険または失業保険の一部を支払わなかった場合、雇用者には保険料の12~15%の罰金が課される(ただし、7,500万ベトナムドンを超えないものとする)。強制的な社会保険または失業保険に加入すべきすべての労働者について保険の加入をしなかった場合、雇用者には保険料の18~20%の罰金が課される(ただし、7,500万ドンを超えないものとする)。
    健康保険の不払に対する罰則は、政令176/2013/ND-CPの第57条に規定される。違反した不払の金額により、雇用者には30万~3,500万ドンの罰金が課される。

その他

労働法関連

労働法の改正

国会は2012年6月18日に、労働法10/2012/QH13を発行し、2013年5月1日より施行された。加えて、政府は2015年1月12日に労働法の一部内容の詳細と施行ガイドラインとなる政令05/2015/ND-CPを発行した。
詳細は次のページも参照。
ジェトロ:「ベトナムのビジネス関連法規・通達~労務~」

労働組合

労働組合とは労働者を代表する組織で、企業による労働者の権利の保障、または企業が人材採用、賃金制度、労働安全・衛生、労働災害、社会保険・健康保険などに関する法令を遵守しているか否かを監督する。会社は労働者からの希望があれば労働組合設立の支援、協力をしなければならない。労働組合は、会社に5人以上の労働者がいる場合に設立することができる。設置しない場合は、各地方上部労働組合が企業に勤務する労働者の法的権利および利益について企業と調整を行う。

  1. 労働組合に係る費用

    2013年1月1日より有効の労働組合法12/2012/QH13により、雇用主(組織、企業)および組合メンバーである労働者の納付率は次のとおり。

    納付者 納付率 計算根拠
    雇用主 2% すべての従業員の公的保険料の算定の基礎となる賃金の総額 
    組合メンバーである労働者 (労働組合費) 1% 公的保険料の計算根拠となる月給
    • 組織、企業等の雇用主内部に基層労働組合が設立されていない場合
      雇用主は、労働経費として労働者の賃金の2%を上部労働組合に納付する。上部労働組合は、納付を受けた金額の65%を組合活動に使用することができる。
    • 雇用主内部に基層労働組合が設立されている場合
      雇用主は、労働経費と労働組合費を毎月1回社会保険料の支払いと同時に、基層労働組合に納付する。基層労働組合は、納付を受けた労働組合費の40%および労働経費の35%を上級労働組合に納付する。残りは、基層労働組合が組合活動に使用することができる。
  2. 組合活動を行う労働者の権利保護

    外資系企業にて組合活動を行う労働者の権利・義務は、他の一般的な労動者と同様である。組合メンバーである労働者は、労働者の代表組織となる労働組合執行委員会委員ならびに、組合活動を行う専従および非専従の労働組合幹部をそれぞれ選任しなければならない。非専従で組合活動を行う労働者は、その者の地位にもよるが、就業時間の一定時間(労働組合の長および副長については月24時間、その他の幹部については月12時間)を労働組合活動に使用することができ、また組合活動中の賃金も全額支払われると定められている。この時間は、企業規模に応じて雇用主、企業内労働組合執行委員会および他の労働者との合意により延長できる。労働組合基金により賃金を支払われる労働組合の専任活動者は、企業規則もしくは労働協約に沿った諸権利と福利厚生を、他の労働者と同様に享受することができる。雇用主が、企業内労働組合の執行委員会の委員である者に対し、解雇、労働契約の一方的解除を決定する際には、同組合執行委員会の同意を得なくてはならない。

ストライキ

ストライキとは、労働争議を解決するために、労働者が任意で一時的に仕事を停止することを指す。労働法10/2012/QH13第215条によると、次の場合に違法なストライキとみなされる。

  • 団体労働争議以外の原因から発生したストライキ
  • 同じ雇用者の下で就労していない労働者によって行われるストライキ
  • 団体労働争議に対し、労働法に基づいた機関、組織、個人による解決が試みられていない、または解決の過程のある時点で行われるストライキ
  • 政府が指定したリストに基づき、ストライキが禁止されている企業において行われるストライキ

適法なストライキの実施には、労働組合執行委員会あるいは労働者の代表者がストライキ決定書の選定、および要求書を作成する必要がある。また、要求に同意し、要求書に署名する労働者の比率は、最低50%必要である。さらに、ストライキの5日前に、労働組合執行委員会あるいは労働者の代表者がストライキ決定書および要求書を会社、省レベルの労働局および上部労働組合に提出する必要がある。

なお、ストライキの発生前後で、次の行為が禁止されている。

  1. 他の労働者の妨害、扇動、ストライキへの参加の強制
  2. 企業の機械、設備の破壊または損壊
  3. 公共安全の侵害
  4. ストライキを準備する労働者、組織者、指導者に対する労働契約書の終了または労働規律処分
  5. ストライキを主導しまたはこれに参加した者に対して報復措置を採ること、不法行為、その他の違反行為を行うためにストライキを利用すること

退職・解雇

  1. 退職

    企業で12カ月以上勤続した労働者が退職する場合は、雇用主は基本給に付属手当てがあればそれを含めて、勤続1年につき半月分の退職手当を支払う責任を負う。退職手当算出の基礎となる時間は、労働者が雇用主のために実際に働いた期間であり、労働者が失業保険に加入していた期間と失業手当を受給していた期間は除かれる。ただし、次の場合、労働者は退職手当を受けることができない。

    1. 労働者が法令に従って定年に達し、社会保険給付を受給する資格を満たした場合
    2. 労働者が労働契約を違法に一方的に解除し、または解雇予告期間を遵守しなかった場合
    3. 労働者が就業規則に従って懲戒解雇された場合

    退職手当、失業手当、違法な一方的労働契約解約への賠償、労働災害への賠償、職業病への賠償を計算するための基礎となる給料は、労働契約に記載された給料となる。また、これは上記事象発生前の連続する6カ月間の平均の給料を指す。

  2. 解雇

    ベトナム労働法に基づき、解雇は次の状況でのみ実施が可能である。

    1. 労働者が窃盗、汚職、賭博、故意に人を傷つける行為、職場内での麻薬の使用、雇用者の経営・技術上秘密の漏洩、知的所有権の侵害行為を行い、雇用者の資産、利益に重大な損害(注)をもたらす行為、または特別重大な損害をもたらす恐れがある行為を行った場合
    2. 昇給期間延長処分の制裁を受けながら、制裁期間中に再犯した場合、または免職の制裁処分を受けながら、再犯した場合
    3. 正当な理由なく、当事者が1カ月に計5日間または1年に計20日間無断欠勤した場合

    (注)重大な損害とは、その地域で適用される最低賃金の10カ月分を超える額である。

    また、a~cの場合により解雇された労働者は、退職手当を受けることはできない。
    一方、懲戒解雇とは異なるが、事業再編等により、12カ月以上勤続した労働者が仕事を失った場合、雇用主は、新しい職場で引き続き雇用するために、彼らを再訓練する義務を負う。新しい仕事に就くことができず、労働者を解雇しなければならない場合は、勤続期間1年につき1カ月分の給与に相当する失業手当を支払わなければならない。ただし、失業手当は、最低でも給与の2カ月分と規定されている。

  3. 退職手当/失業手当

    1年以上勤続し、1年以上失業保険料を納付した労働者が退職する場合、企業からの退職手当ではなく、社会保険機関から失業手当を受給することが認められている。ただし、企業が労働者の失業保険を負担していなかった期間(例えば、試用期間、女性労働者の産休等)がある場合、労働者は当該期間については退職手当の支払を受けることができる。

  4. 女性労働者に関する特有の規定

    女性労働者に対しては、別途特別の規定があるため、休息時間を設定する際は注意が必要となる。
    女性労働者は、出産前後に合計6カ月の有給休暇を取得することができる。双子以上(双子、三つ子等)が生まれた場合は、2人目の子から1人当たり30日間の有給休暇を追加取得することができると定められている。出産休暇完了後、女性労働者は必要があれば、会社との合意により無給休暇を取得し、休暇を延長することができる。
    このほか、女性労働者は生理期間中、1就業日当たり30分の休憩を取得することができ、生後12カ月未満の子供を養育中の女性労働者は、1就業日当たり60分の休憩を別途取得が可能。この休憩時間は勤務時間に含まれる。
    また、妊娠した女性労働者は、就業の継続が胎児に悪影響があるとの医師の診断書があれば、賠償なしで、労働契約を一方的に解除する権利を有する。この場合、女性労働者の企業への指定予告期限は、医師の定める期限による。ただし、雇用主は、企業閉鎖の場合を除き、妊娠、出産休暇または満1歳未満の子供を育児中の女性労働者の解雇や、一方的に労働契約を解約してはならないと定められている。
    雇用主は、妊娠7カ月目を超える女性労働者、12カ月未満の子供を養育中の女性労働者に対し、時間外労働、深夜労働、遠隔地勤務をさせてはならないと定められている。

外資系企業および外国・国際機関で就業する労働者の賃金テーブルと給与支払名簿

政府は2013年5月14日、企業の給与に関する政令49/2013/ND-CPを発行した。
この政令は、企業の賃金テーブルと給与支払名簿の詳細に関するガイダンス規則を規定しており、2013年7月1日より発効した。それによると、企業は労働者のために賃金テーブル、給与支払名簿、技術等級、資格、専門的技能に関する補助制度を確立する義務がある。こうした制度は、労働契約やその他の関連する契約書の締結、あるいは給与およびその他労働者給付の支給を行う際の基準となる。次の原則に従う必要がある。

  • 賃金テーブルの隣り合う各給与等級の差異は5%以上とする。
  • 職業訓練を修了した労働者に適用される賃金テーブルや給与支払名簿に記載の最低給与水準は、政府が規定した法定最低賃金を最低でも7%上回るものとする。
  • 有害または危険な仕事の給与水準は最低でも5%、また、特に有害または危険な仕事の給与水準は最低でも7%、通常就労条件の賃金を上回るものとする。

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