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技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

最終更新日:2018年01月15日

最近の制度変更 

技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

知的財産法上、著作権、著作隣接権、工業所有権、植物品種権などが知的財産権として保護される。このうち工業所有権、植物品種権の保護には、各関連機関に登録する必要がある。他方で、著作権および著作隣接権の保護には登録が必要ない。各権利の保護内容は、その種類により様々である。

知的財産法

2005年11月29日、知的財産法50/2005/QH11が国会で承認され、2006年7月1日より発効した。
その後、国会は法律50/2005/QH11を補足、改正し、改正法36/2009/QH12を2009年6月29日に発行した。同法律は2010年1月1日より発効し、主な内容は次のとおりである。

知的財産法で保護対象と定められているもの

  1. 著作権としては、文学作品、芸術作品、学術著作物、著作隣接権として、演奏行為、映像および音響、放送番組、暗号化された番組伝送衛星信号
  2. 工業所有権としては、特許、半導体のレイアウト設計、工業意匠、商標、原産地名称、商号(企業名)、営業秘密
  3. 植物品種権としては、生殖物質および生殖物質の収穫品

管轄官庁への権利登録制度

前記の2.工業所有権、3.植物品種権が保護されるためには、各関連機関に権利を登録しなければならない。ただし、商号、営業秘密は、登録出願をしなくても保護される。また、著作権の登録は、著作権の完全な保護にはならないが、登録証明書の発行により、著作権に係る係争が生じた場合の証拠資料となる。なお、商標やその他工業所有権の登録出願については、日本と同様に、厳格な先願主義を採用している。
登録の管轄機関は、その保護対象によって異なる。著作権は、文化スポーツ観光省に直属する著作権局、工業財産は科学技術省直轄の国家知的財産権庁(NOIP)、植物品種権は農業農村開発省に属する植物品種保護事務所となる。

権利の保護・保護期間

  1. 著作権、著作隣接権
    1. 著作権

      著作権は、人格権および経済的権利から成る。また、人格権および経済的権利の中に詳細な権利が規定されており、それぞれ保護期間が異なる。詳しくは、次のとおり。

      人格権
      • 作品名の命名権:無期限
      • 著者の本名・ペンネーム:無期限
      • 本人の承認による第三者の作品の公表の許可:
        • 映画作品、写真作品、舞台作品、応用芸術作品および無名著作物:公表から75年
        • その他の作品:著作者の生存中およびその死後50年
        • 作品の同一性の保持(作品の修正・変更についての許可):無期限
      経済的権利
      • オリジナルから派生する作品(翻訳版など)の作成
      • 作品の実演
      • 作品の複製
      • 作品のオリジナルおよび複製版の頒布・輸入
      • テレビ、ラジオ、インターネット、その他の通信方法を通じた作品の放送
      • 映画・コンピュータ・プログラムのオリジナル・複製版の賃貸
        経済的権利の保護期間は、作品の種別により、次のように異なる。
        • 映画作品、写真作品、舞台作品、応用芸術作品および無名著作物:公表から75年
        • その他の作品:著作者の生存中およびその死後50年
    2. 著作隣接権(著作権に関連する諸権利)

      著作隣接権は、演奏者の権利、録音および録画のプロデューサーの権利、放送組織の権利の3つから成り、それぞれ保護期間が異なる。

      • 演奏者の権利:演奏会が実施、もしくはプログラムが作成された時点の翌年から50年
      • 録音および録画のプロデューサーの権利:録音版および録画の公表時点の翌年から50年
      • 放送組織の権利:放送番組の作成時点の翌年から50年
  2. 工業所有権

    工業所有権の保護期間は、商号および営業秘密を除き、登録証明書の発行日より、工業所有権の種別により異なる。

    • 特許:発明特許の場合、管轄機関への登録申請日より20年。実用新案特許の場合、管轄期間への登録申請日より10年。
    • 工業意匠:管轄機関への登録申請日より5年、さらに同じ期間を2回まで更新可能
    • 半導体のレイアウト設計:登録証明書の発行日から有効となり、次の3つのケースのうち一番早い時期に無効となる。[1] 管轄機関への登録申請の提出日から10年後、[2] 販売開始日、[3] レイアウト設計日から15年後
    • 商標:10年、さらに、何度でも10年ごとの更新が可能
    • 原産地名称:無期限

    商号、営業秘密の所有権は、国家知的財産権庁に登録する必要がない。よって、商号、営業秘密について紛争が発生した際は、権利所有者は、正当な証拠を裁判所に提供しなければならない。原則として、商号については、権利所有者は商号の使用期間、使用領域など、営業秘密については、営業秘密によりもたらされる付加価値(情報)、営業秘密の保護の方法などを提示する必要がある。

  3. 植物品種権
    植物品種権:登録証明書の発行日から20~25年

知的財産法に関する主なガイドライン

政令100/2006/ND-CP

政府は、2006年9月21日付政令100/2006/ND-CPの修正版となる2011年9月20日付政令85/2011/ND-CP、同じく政令100/2006/ND-CPの条項を修正する2012年1月4日付政令01/2012/ND-CPを発行し、前述1の著作権とそれに関連する権利を規定するとともに、民法と知的財産法の一部条項の施行細則を示した。政令100/2006/ND-CPは、1996年11月29日付政令76/CPに代替する。同政令は、知的財産法に規定される著作権および著作隣接権の保護、検査、違反行為処分の詳細について規定する。
また、作家、著作権および著作隣接権の所有者は、合意により著作権および著作隣接権を譲渡することが可能である。ただし、著作者は公表権を除く著作者人格権を譲渡することはできず、また演奏者も著作者人格権を譲渡することはできない。現在のところ、かかる点に関する細則は存在しない。また、政令100/2006/ND-CPにおいては、著作権および著作隣接権の保護のため、権限を有する裁判所に提訴し、訴訟する手続きが詳細に規定されている。

政令103/2006/ND-CP

政府は、2006年9月22日付政令103/2006/ND-CPを発行し、前述2の工業所有権に関する細則を定めるとともに、知的財産法の一部条項の施行細則を示した。
同政令の一部の修正により、政令122/2010/ND-CPが2010年12月31日に発行され、2011年2月20日より有効となった。
また、2006年9月22日付政令103/2006/ND-CPに関する施行ガイドラインとして、科学技術省は2007年2月14日付通達01/2007/TT-BKHCN、2010年7月30日付通達13/2010/TT-BKHCN、かかる通達を変更する2013年2月20日付の通達05/2013/TT-BKHCNを公布した。

政令88/2010/ND-CP

政府は、2010年8月16日付政令88/2010/ND-CPを発行し、2010年10月1日より有効となった。同政令は、2006年9月22日付政令104/2006/ND-CPに代替する。本政令には、前述3の植物品種権成立の手続き、登録証明書保有者の権利および義務、植物品種権の使用許諾および譲渡その他植物品種権の詳細が規定されている。2011年10月26日付の政令98/2011/ND-CPにより、政府は政令88/2010/ND-CPを修正・補足し、その中に植物品種権の権限にかかわる規定を修正した。政令98/2011/ND-CPは2011年12月15日より有効となった。

政令105/2006/ND-CP

政府は、2006年9月22日付政令105/2006/ND-CP、その修正・補足となる2010年12月30日付政令119/2010/ND-CPを発行し、知的財産権の保護と知的財産の国家管理に関する細則を定めるとともに、知的財産法の一部条項の施行細則を示した。政令105/2006/ND-CPには、知的財産の所有権の侵害行為確定、侵害程度、侵害行為による損害確定および侵害処分のほか、知的財産の所有権にかかわる輸出入品の監督および知的財産所有の鑑定が詳細に規定された。

政令99/2013/ND-CP

前述2の工業所有権に関する行政処分については、政府発行の2013年8月29日付政令99/2013/ND-CPに規定している。本政令は、物品の商標、工業意匠、原産地名称と関連した物品偽造に関する2010年9月21日付政令97/2010/ND-CPに代替する。

政令131/2013/ND-CP

政府は、前述1の著作権および著作隣接権侵害の行政処分に関する2013年10月16日付政令131/2013/ND-CPを発行した。当政令は、2009年5月13日付政令47/2009/ND-CPに代替する。概要は次のとおりである。

  1. 著作権または著作隣接権侵害に対する罰金の最高額は、個人は2億5,000万ドン、組織は5億ドン。
  2. 侵害とされる行為は、所有者の許可を得ずに作品を複製する行為、作品の原本あるいは複製版の販売権・賃貸権・放送権などの盗用行為等である。著作権侵害行為に対する罰金規定の一部として次のものがある。
    • 著作権登録証書または付随権利登録証書の申請にあたり不正確な申告を行った場合、当該違反を行った者は、罰金として300万~500万ドンを課される。
    • 管轄機関が、著作権または著作隣接権の登録証明書を無効または没収する旨の正式な決定を発行したにもかかわらず、登録証明書を返上しなかった場合、罰金として200万~300万ドンを課される。
    • 管轄機関が、著作権または著作隣接権の登録証明書を無効または没収する旨の正式な決定を発行したにもかかわらず、登録証明書を使用し続けた場合、罰金として500万~800万ドンを課される。

    これらの罰金に加えて、回復措置すなわち登録証明書の取消あるいは没収、製品の破棄などの措置が取られる。

  3. 2017年3月20日、政府は、政令131/2013/ND-CPの行政処分に関する管轄機関に関する条項を修正、補足する政令28/2017/ND-CPを発行した。行政処分に関する管轄機関は、文化スポーツ観光省、地方の文化スポーツ観光局、区レベルの人民委員会である。

技術移転法

本法律は、べトナム国内、べトナムから外国、外国からべトナムへの技術移転に関して規定した法令であり、技術移転の促進を目的とした、種々の税制優遇措置についても定めている。技術移転法80/2006/QH11は2006年11月29日に発行された。2017年6月19日には、技術移転法07/2017/QH14が発行、2018年7月1日から施行され、技術移転法80/2006/QH11に取って代わる。
技術移転法80/2006/QH11においては技術移転契約の登録は任意であったが、技術移転法07/2017/QH14の下においては、他国からべトナムへの技術移転やべトナムから他国への技術移転、国家資本または国家予算を使用するべトナム国内での技術移転(化学的および技術的課題の実施結果の登録に関する証明書が既に発行されている場合を除く)などの場合、技術移転契約を登録しなければならない。
詳細は別添のとおり。

ジェトロ:技術移転についてPDFファイル(446KB)

技術移転法に関する主なガイドライン

政令133/2008/ND-CP

政府は、2008年12月31日、政令133/2008/ND-CPを公布し、技術移転の合意、技術移転の仲介、技術移転コンサルティング、技術評価、技術鑑定、技術移転の促進に関する技術移転法の一部条項の施行ガイドラインを公表した。同政令133/2008/ND-CPに基づき、科学技術省は、技術移転契約の仲介業を提供する事業者の活動や組織を、別途規定している。また、移転技術の評価および鑑定結果は書面で準備され、次の事項が含まれなければならない。

  • 鑑定を行った機関の名称および住所
  • 鑑定を要請した当事者の名称および住所
  • 鑑定の対象、内容および範囲
  • 鑑定の方法
  • 鑑定結果
  • 鑑定の期間および場所

また、判断根拠は次のとおり。

  • 移転技術の価格交渉、合意
  • 技術情報による出資
  • 管轄機関による技術移転の契約書の違反および紛争の処分

なお、政令133/2008/ND-CPを変更する政令103/2011/ND-CPが2011年11月15日に発行され、同じく政令120/2014/ND-CPが2014年12月17日に発行された。政令103/2008/ND-CPには各種申請フォームが規定されている。

政令64/2013/ND-CP

政府は、2013年6月27日に政令64/2013/ND-CPを承認・発行し、技術移転の違反に適用される行政処分に関する規則を規定した。同政令は、2013年8月15日より発効した。同政令は、技術移転の違反に適用される行政処分に関する規則を規定した政令49/2009/ND-CPに取って代わる。
また、2014年10月17日に政府はかかる政令64/2013/ND-CPの一部の条項を変更する政令93/2014/ND-CPを発行した。

現行の規定上、技術移転の行政違反とは、技術移転の国家管理に関する法律を犯す組織、事業体または個人による意図的または非意図的な行為と定義される。
処罰規定の例として、次のものがある。

  • 技術移転の許諾なくして移転制限技術リストに属する技術を移転する行為:個人は2,000万~3,000万ドン、組織は4,000万~6,000万ドンの罰金
  • 移転禁止技術リストに属する技術を移転する行為:個人は4,000万~5,000万ドン、組織は8,000万~1億ドンの罰金
  • 回復措置:技術情報に基づき生産された製品の破棄、ベトナムの領域からの除去、持ち込まれた当該製品の再輸出

この一般的な行政違反処罰規定のほか、違反行為によっては次の処分も適用される可能性がある。

  • 不正に使用された経費の返却
  • 不正報告書または偽造報告書の削除
  • 報道機関による公式な是正

また、特定の違反に関しては、管轄当局は技術移転許可証(ある場合)または技術移転登録証明書の使用権を1~3カ月間剥奪するほか、場合によっては、違反者を国外退去処分とすることもできる。
なお、技術移転の違反の処分期限は1年である。

これらの全政令は技術移転法80/2006/QH11に関する実施詳細を定めるものであるため、技術移転法07/2017/QH14が、技術移転法80/2006/QH11に取って代わる2018年7月1日に失効する。技術移転法07/2017/QH14に関する政令は発行されていない。

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