ジェトロ、ベトナムを代表する外国語教育機関のハノイ大学とベトナム国家大学ハノイ校外国語大学を紹介

(ベトナム)

知的資産部高度外国人材課

2025年12月05日

ジェトロは1128日、ベトナムのハノイ大学とベトナム国家大学ハノイ校外国語大学(以下、外国語大学)を紹介するウェビナーを開催した。製造業や情報処理サービス業のIT企業など76人の日本企業関係者が参加した。本ウェビナーは、日本企業と海外の有力大学との接点を創出し、海外の高度人材の獲得や協業の可能性を広げることを目的とした「JETRO Overseas University Connect」の一環として開催した。

冒頭、ハノイ大学日本語学部学部長のギエム・ホン・バン氏が同大学の特徴について説明した。バン氏は「日本語学部では毎年約180200人が卒業している。また、53校の日本の大学と締結したMOU(覚書)に基づき、多くの学生が半年から1年間、日本の大学との交換留学に参加。交換留学生のうち3040人の学生は、留学期間中に日本企業でのインターンシップにも参加し、日本語能力の向上だけではなく、日本文化や日本のビジネスマナーの理解も深めている」と、日本語教育に力を入れる同大の取り組みについて説明した。また、卒業要件には、ハノイ大学独自の試験(日本語能力試験N2以上に相当)に合格する必要があり、卒業時には高い日本語能力が求められることの紹介があった。

写真 ハノイ大学日本語学部の説明の様子(ジェトロ撮影)

ハノイ大学日本語学部の説明の様子(ジェトロ撮影)

続いて、外国語大学の日本言語文化学部長 チャン・キュウ・フエー氏が同大学の日本語教育学部の特徴について説明した。フエー氏は「日本語教育学部の学部生は約1,200人、修士学生は約50人で、教員数は日本人教師2人、日本人ボランティア7人を含む50人体制と、国家大学傘下では、最大規模の日本語教育学部である」ことを紹介した。同大の卒業生の就職率は90%以上で、通訳・翻訳分野、教育分野、企業の海外営業や広報・PRスタッフなどの対外関係分野で、卒業後すぐに日系企業や日本企業で活躍しているとのことだ。

写真 外国語大学の概要説明の様子(ジェトロ撮影)

外国語大学の概要説明の様子(ジェトロ撮影)

また、外国語大学のOGであるボン・テイ・フエ氏から日本での就職活動や日本企業での就労経験について語られた。外国語大学で基礎的な日本語だけではなく、ビジネス日本語まで学んだことで、面接の際に日本語を使用して自分の言葉で回答することができたという。また、「外国語大学では日本語だけではなく英語も勉強できたため、両方の言語能力を就職後に生かすことができた」との体験談を語った。

写真 外国語大学のOGからの経験談を語るボン氏(ジェトロ撮影)

外国語大学のOGからの経験談を語るボン氏(ジェトロ撮影)

ウェビナー参加企業からは、「大学のカリキュラムや、卒業後のキャリアについて具体的に知ることができ、参考になった」「両大学からの採用やインターンシップ受け入れなどに関心を持っているため、引き続き情報収集を行っていきたい」などと本ウェビナーを機に、大学との連携を希望する声が寄せられた。

(吉武果実)

(ベトナム)

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