外資に関する奨励

最終更新日:2019年08月15日

奨励業種

2014年投資法第16条にて奨励分野を規定(新素材、新エネルギー、ハイテク分野、バイオテクノロジー、IT技術、教育、医療、医薬品など)。

関連法

1996年:ベトナム外国投資法(52-L/CTN)
1998年:内国投資奨励法(03/1998/QH10)
2000年:ベトナム外国投資法(52-L/CTN)の一部条項の修正および補足に関する改正法(18/2000/QH10)
2005年:1996年のベトナム外国投資法(52-L/CTN)と1998年の国内投資奨励法(03/1998/QH10)と2000年のベトナム外国投資法(52-L/CTN)の一部条項の修正および補足に関する改正法(18/2000/QH10)を統一させた投資法(59/2005/QH11)
2014年:2005年投資法の代わりとなるベトナムにおける投資活動およびベトナム国外の海外投資活動に関する投資法(67/2014/QH13)(以下「2014年投資法」という)
2016年:条件付経営投資分野について定めた2014年投資法(67/2014/QH13)第6条および付録4の修正および補足に関する改正法(03/2016/QH14)

2014年投資法も、2005年投資法と同様に外国資本による投資、国内資本による投資にかかわらず、「奨励分野」および「奨励地域に進出する企業」に対し優遇措置が付与されている。

2017年:2014年投資法の一部条項を改正及び補足する中小企業支援法(04/2017/QH14)。投資法第16条の投資優遇措置が適用される業種を追加。

奨励分野

2014年投資法の第16条第1項に基づき、奨励分野は次のとおり規定されている。

  1. ハイテク活動、ハイテク補助工業製品、研究開発活動
  2. 新素材、新エネルギー、クリーンエネルギー、再生エネルギーの生産、付加価値が30%以上認められる製品、省エネルギー製品の生産
  3. 電子製品、重機、農業機械、自動車、自動車部品の生産、造船
  4. 繊維、皮革分野および当条項3号に規定される各製品のための補助工業製品の生産
  5. 情報技術、ソフトウェア、デジタルコンテンツ製品の生産
  6. [1]農産物、林産物、水産物の養殖、加工、[2]森林の植栽および保護、[3]製塩、[4]海産物の採捕および漁業のための物流サービス、[5]植物、動物の種、生物工学技術(バイオテクノロジー)製品の生産
  7. 廃棄物の収集、処理、リサイクルまたは再利用
  8. [1]インフラストラクチャー構造物の開発および運営、管理に関する投資、[2]各都市における公共旅客運送手段の開発
  9. 幼児教育、普通教育、職業教育
  10. [1]診察、治療、[2]医薬品、医薬品の原料、主要薬、必需薬、社会病の予防、治療薬、ワクチン、医療用薬剤、薬草薬、漢方薬の生産、[3]各種新薬を生産するための製剤技術、生物工学技術の科学研究
  11. [1]障害者または専門家のための訓練、体操、体育競技施設の投資、[2]文化遺産の保護および活用
  12. [1]枯葉剤の患者治療センター、老人ホーム、メンタルケアセンター、[2]高齢者、障害者、孤児、身寄りのない放浪児の養護センター
  13. 人民信用基金、小規模金融機関
  14. 中小企業支援法に従って行われる中小企業製品の流通網への事業投資、中小企業およびそのインキュベーターを支援する技術機関への事業投資、革新的な新興中小企業の共同作業スペースへの事業投資

奨励分野に関する詳細は、2015年11月12日付政令118/2015/ND-CPの補足資料の附属書Ⅰに記載されており、特別奨励分野と奨励分野に区分されている。
詳細は別添のとおり。
ジェトロ:「各種規制(条件付経営投資分野リスト、投資優遇分野リスト)」PDFファイル(434KB)

奨励地域

2014年投資法の第16条第2項に基づき、奨励地域は次のとおり規定されている。

  • 経済・社会的に困難な状況にある地域、経済・社会的に特別に困難な状況にある地域
  • 工業団地、輸出加工区、ハイテクパーク、経済区

2015年11月12日付2014年投資法の一部の詳細規定および実施案内である政令118/2015/ND-CPの付録Ⅱには、奨励地域が明記されている。

奨励措置の適用形式

2014年投資法に基づき、奨励措置の適用形式は次のとおりである。

  • 投資プロジェクトの全実施期間または期間限定で、通常の税率より低い法人所得税率の適用または法人所得税の減免
  • 投資プロジェクトを実施するための固定資産や原材料、部品に対する輸入税の免除
  • 土地賃貸料、土地使用料、土地使用税の減免

これらの奨励措置を享受することができる対象者は次のとおりである。

    1. 奨励されている事業分野の投資プロジェクト
    2. 奨励地域における投資プロジェクト(注)
    3. 6兆ドン以上の資本規模の投資プロジェクトで、投資登録証明書の発給を受けた日、または投資登録証明書を申請する必要のないプロジェクトの場合は、投資方針の決定日から3年以内に少なくとも6兆ドンを出資・支出するもの
    4. 農村地帯において500人以上の労働者(パートタイム労働者および12カ月以下の契約期間を有する労働者を除く)を雇用するプロジェクト
    5. ハイテク企業や科学技術企業、およびハイテク、技術についての法律の規定による科学技術組織

(注)鉱業や特別消費税法の規定により特別消費税の対象となる製品、サービスの生産および経営、自動車生産の投資プロジェクトは除く(2014年投資法第15条第4項)

奨励措置は、新規投資プロジェクトおよび拡張投資プロジェクトに対し適用される。奨励措置の種類ごとの具体的な優遇の程度は、税および土地に関する法令の規定に従う。

法律の改正に伴い優遇措置が変更になった場合、改正法が投資家により有利な優遇措置を規定している場合は改正法が、現行法の方が有利な場合には現行法が、それぞれ適用され、少なくとも現時点で受けている優遇措置はプロジェクトの残りの優遇措置を受ける期間に限りそのまま受けられる。
ただし、国防、安全、治安、社会道徳、公衆の健康、環境保護の理由で改正法において優遇措置が剥奪される場合は、改正法施行日から3年以内に書面で請求した場合に限り、次のような投資家保護措置が受けられる(2014年投資法第13条)。

  • 投資家の実損害を課税所得から控除する
  • 投資プロジェクトの活動目標の調整
  • 投資家の被害回復の支援

各種優遇措置

法人税の優遇、輸入関税免除、付加価値税免除など。

法人税の優遇

法人税の優遇は、奨励分野および奨励地域(政令118/2015/ND-CP)における新規投資または拡張投資(通達78/2014/TT-BTC)について適用される。

  1. 奨励分野における優遇

    奨励分野からの所得に加え、奨励分野の製品から生じる廃棄物やスクラップの売却(処分)からの所得や、奨励分野における所得または費用に直接関連する為替換算差額、これらの奨励分野への支出、普通預金金利およびその他直接関連する所得も優遇の対象となる。しかし、その他収益には優遇が適用されないため、留意が必要となる。

    また、法人所得税の優遇措置および20%税率は、次の所得には適用されない点にも留意が必要である(通達96/2015/TT-BTC第10.1条)。

    • 払込資本金または払込資本金に対する権利の譲渡から生じる所得、不動産譲渡から生じる所得(通達78/2014/TT-BTC第19条3項d号が定める公営住宅運営への投資から生じる所得を除く)、投資案件または投資案件への参加権の譲渡から生じる所得、鉱物探査権および採掘権の譲渡から生じる所得、海外事業から生じる所得
    • 石油、その他希少価値のある資源の探査および採掘から生じる所得、鉱物採掘から生じる所得
    • 特別消費税法が定める特別消費税の対象となるサービスの提供から生じる所得

    投資案件が奨励地域に位置するため、法人所得税の優遇措置を付与されている企業が、当該投資案件が位置する地域以外で所得を得た場合の取扱いについては、次の通り(通達96/2015/TT-BTC第10.2条)。

    • 所得を得た地域が奨励地域ではない場合、当該所得は法人所得税の優遇措置の適用対象とはならない。
    • 所得を得た地域が奨励地域である場合、当該所得は法人所得税の優遇措置の適用対象となる。かかる所得税に対する法人所得税の優遇措置は、期間およびその地域の優遇措置水準によって決定される。

    奨励分野の詳細は、前述の「奨励業種 奨励分野」を参照。

  2. 奨励地域における優遇

    当該事業から生じる所得は、前記奨励分野における優遇の対象となる。
    奨励地域の詳細は、前述の「奨励業種 奨励地域」を参照。
    なお、6兆ドン以上の資本規模を有するプロジェクト等、および、農村地帯において500人以上の労働者を雇用するプロジェクトも、前記奨励分野における優遇が適用される。

  3. 新規投資
    新規投資の主な条件は次のとおり。
    1. 2014年1月以降に企業が設立され投資許可証が発行されていること。なお、2009年から2013年までの期間に工業団地内に設立された企業は、2015年以後の課税期間にわたり、法32/2013/QH13に定める優遇を適用できる。
    2. 設立済み企業の場合、既存の事業から独立しており、2014年以降新たに投資許可証を取得していること。
  4. 拡張投資
    拡張投資の主な条件は次のとおり。
    1. 投資額:奨励分野における200億ドン以上、奨励地域における100億ドン以上の固定資産を取得すること。
    2. 固定資産比率:従前の固定資産額の20%以上の固定資産を取得すること。
    3. 生産能力比率:従前の生産能力の20%以上の固定資産を取得すること。

優遇税率、減免税の内容は「税制 法人税」の優遇税制、または通達78/2014/TT-BTCおよび通達96/2015/TTを参照。

科学・技術企業を対象とした優遇

  1. 科学・技術企業の概要
    科学・技術企業に関する政令13/2019/ND-CPにより、科学・技術企業の定義、設立手続き、優遇の内容が定められている。
  2. 優遇の内容
    1. 法人税の優遇
      • 科学技術製品の生産および取引から所得を得ている企業は、新たな科学研究および技術開発プロジェクトを実施している企業に適用される法人所得税免除と同じ免除を、当該所得に受けることができる。具体的には、4年間の税控除とその後9年間の50%の減税措置を受けることができる。
      • 政令13/2019/ND-CPに定められる科学技術製品から生じる収入および所得、科学技術的成果を適用したITサービスの提供から生じる収入は、既存ではない完全に新しいサービスから生じる収入および所得でなければならない。
      • 科学・技術企業は、会計年度において、科学技術製品の生産および取引から生じる収入が全収入の30%以上に満たない場合、その会計年度は法人所得税の免除を受けることができない。
    2. 土地・公有水面使用料の免除および控除
    3. 科学研究および技術開発、科学技術製品の生産および取引を行っている科学・技術企業に対する税額控除
    4. 研究活動および科学技術的成果の商業化に対する支援。輸出入税法が規定しているとおり、科学・技術企業は、科学研究および技術開発、科学技術製品の生産および取引に課される輸出入税に対し、優遇措置の適用を請求することができる。
    5. 技術の使用および革新に対する支援および奨励。技術解析のために材料・技術施設に投資している科学・技術企業は、ベトナム国家技術革新基金(National Technology Innovation Fund)から、融資、保証付融資、または商業銀行の融資利率の50%に値する経済的支援を受けることができる。

環境保護事業を対象とした優遇

政府発行2015年2月14日付政令19/2015/ND-CP(政令40/2019/ND-CPにより改正)および財務省発行2015年12月31日付通達212/2015/TT-BTCにより、環境保護事業は一定の条件の下、法人税の優遇を受けることができる。

  1. 優遇税率
    対象事業における新規投資は、10%の優遇税率を15年間受けることができる。
    大規模プロジェクト、先端技術分野など、一定の条件を満たす場合、優遇税率は30年まで延長可能となる。
  2. 減免税
    対象事業における新規投資は、4年間の免税、9年間の50%減税を受けることができる。
    減税期間は、対象事業から課税所得が生じた年から開始される。ただし、最初に収入が生じた年から3年間課税所得が生じない場合、収入が生じた後、4年目から減免税が開始される。
  3. 対象事業
    対象事業の一覧は別添を参照。

    ジェトロ:環境保護事業一覧PDFファイル(150KB)

輸入関税の優遇

2006年7月1日以前、外国投資法に基づき、外国投資企業は一部の固定資産および物品に対する輸入関税が免除されていたが、国会発行2005年11月29日付投資法、2005年12月31日付輸出入関税法において、外国投資企業に限定的に適用される輸入関税免除の項目は削除された。その後、輸入関税の優遇は内外の投資に関わらず投資法および輸出入関税法に従い適用可能となった。
当該取り扱いは、国会発行2014年11月26日付投資法(法67/2014/QH13)、2016年4月6日付輸出入関税法(法107/2016/QH13)においても継続されている。
輸入関税の優遇については「関税制度 その他 関税の免除」を参照。

付加価値税の優遇

国会発行2008年7月3日付の付加価値税法13/2008/QH12において、外国企業との生産加工契約に基づき、輸出向け製品を生産加工するための輸入原料は、付加価値税の課税対象外となる。

土地賃貸料の優遇

政府発行2014年5月15日付土地賃貸料に関する政令46/2014/ND-CP(2016年9月9日付政令135/2016/ND-CPにより改正)に基づき、経済的に特別困難な地域における投資奨励分野に該当する投資案件については、土地賃貸料が免除される。

非農地使用税

国会発行2010年6月17日付の非農地使用税法48/2010/QH12に基づき、課税非農地面積に平米単価および税率を乗じた金額により、非農地使用税が課税される。一定の用件に基づき、課税減免の規定も定められている。

  1. 免税対象
    1. 特別奨励分野に属する投資案件
    2. 経済的に特別困難な地域における投資案件
    3. 経済的に困難な地域における投資奨励分野に該当する投資案件
    4. 傷病兵の従業員が、全従業員数の50%超を占める企業
  2. 50%減税対象
    1. 投資奨励分野に属する投資案件
    2. 経済的に困難な地域における投資案件
    3. 傷病兵の従業員が、全従業員数の20%以上50%以下を占める企業
  3. 減免規定の適用
    納税者の保有する同じ区画の土地に対して、免税と減税のそれぞれが適用可能である場合、免税規定が適用される。また、同時に2つ以上の減税規定を適用可能である場合は、免除規定が適用される。また、納税者が、複数の免税と減税の対象となる投資プロジェクトを有する場合、各投資プロジェクトごとに優遇が適用される。

なお、特別奨励分野や経済的に特別困難な地域などは、政府発行2015年11月12日付政令118/2015/ND-CPの附属書1と2に規定されている。

裾野産業の発展を目的とした優遇

対象となる分野や製品の新規・拡張製造プロジェクトは、裾野産業の発展を目的とした優遇措置の適用が可能である。

主な関連法令
政令111/2015/ND-CP:裾野産業発展に関する政策および優遇に関する実施ガイダンス
通達55/2015/TT-BCT:法人税の優遇適用手続きおよび当局による検査についての施行ガイドライン
通達21/2016/TT-BTC:付加価値税の優遇および法人税の優遇開始時期に関する施行ガイドライン
通達01/2016TT-NHNN:信用付与および借入に関する施行ガイドライン

  1. 対象となる裾野産業製品
    対象となる主な裾野産業製品
    産業 内容
    繊維・縫製産業 生地、縫糸、縫製附属・副資材等
    皮革・履物産業 靴用皮革、靴用接着剤、装飾副資材等
    電子産業 樹脂部品、ゴム部品、機械・電子部品、ガラス部品などの電子製品部品、電話の充電器、電線・ケーブル、LED電球
    自動車製造組立産業 エンジンおよびエンジン部品、ランプ、クラクション、各種メーターなど照明および信号システム。ブレーキシステム等
    機械製造産業 金型、治具、工作機械・溶接機械の部品および附属品、工業用鋼等
    ハイテク産業向け裾野産業製品 各種金型、各種設備開発用の各種電子部品・超小型電子回路、各種高品質樹脂部品等
  2. 新規・拡張製造プロジェクト
    優遇措置の対象は次のとおり。
    1. 初めての投資あるいは既存の事業から独立して行われる投資
    2. 既存の事業の拡張において、規模拡張、生産性向上、技術革新により、製造能力を20%以上向上させる新規設備や新規製造工程への投資
  3. 証明書の発行
    優遇措置を受けるための証明書を発行する当局は次のとおり。
    1. プロジェクトが行われる省の管轄当局、中小企業の場合は商工局
    2. その他の場合は商工局
  4. 一般特恵関税
    法人税について、各種税法の一部の修正・補足となる法71/2014/QH13により、次の条件に当てはまる場合、10%の優遇税率を15年間適用できる。
    1. ハイテク法(法21/2008/QH12)に規定されているハイテク裾野産業製品
    2. 縫製品、革製品、履物、電子、自動車組立および機械製造産業の裾野製品であり、2015年1月1日までベトナム国内では製造不可能であった、あるいはベトナム国内で製造可能で、EUの技術基準または同等基準を満たすもの
  5. その他の優遇
    1. 固定資産の輸入税免除
    2. ベトナムドン建て短期借入金におけるベトナム国家銀行が各時期に制定する下限金利の適用
    3. 付加価値税申告時期の月次・四半期あるいは年次からの選択
    4. 中小企業に対する土地のリース料の減免、一定の条件の下、投下資本の最大70%までの借入に対する信用の付与
    5. 対象製品に関する高い効果が見込まれる研究開発への一部経費支援
    6. 対象製品の試験生産への最大50%までの経費支援

経済区・ハイテクパーク内での土地賃借料および公有水面使用料の優遇

2017年4月3日付の政令35/2017/ND-CPおよび2017年11月14日付の政令123/2017/ND-CPに基づき、法律に基づいた手続きが実施された新規土地賃借に関する投資プロジェクトでは、土地賃借料と公有水面使用料が減免される(鉱物資源発掘プロジェクトを除く)。また、ハイテクパークおよびリストに列挙された特別投資優遇措置(ハイテクゾーンにおけるインフラ構築および商業的運営を目的とした投資案件を除く)の対象となる分野のプロジェクトは、土地賃借料が減免される。
土地賃借料と公有水面使用料の支払いは、年2回に分けて実施され、当該減免手続きは、土地賃貸者が税務当局へ申請を行う。

その他

特になし

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最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。

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