農林水産物・食品マーケティング基礎情報

最終更新年月:2026年7月

人口・経済発展状況等

フィリピンの人口、GDP、為替レート、在留邦人数、進出日系企業数等の基本情報については、概況・基本統計 を参照してください。

訪日外客数 88万5,023人 :日本政府観光局(JNTO)「日本の観光統計データ」2025年訪日外客数の推移暫定値
日本食レストラン数 940店 :農林水産省「海外における日本食レストランの国・地域別概数」(2025年11月28日)

日本からの農林水産物輸出状況

輸出額順位 11位
輸出総額 358億円
農産物 189億円 (52.9%)
林産物 120億円 (33.5%)
水産物 49億円 (13.6%)
輸出額の多い品目 合板、たばこ、製材、さば、ソース混合調味料

(出所)農林水産省「2025年農林水産物・食品の輸出実績」

市場特性等

味覚・嗜好上の特徴 インスタントラーメンなどの乾麺は、間食として食べられていることが多い。
  • 飲酒と食事の場所は別で、食事中に酒を飲む人は少ない。一方で富裕層を中心に、ワインなどの酒を飲みながら食事を楽しむ人も増えつつある。
  • コメが主食。コメに合う鶏肉や豚肉を使った煮物や炒め物が食卓の中心で、糖分や塩分が濃い味付けを好む。薬味として酸味、辛味を加える場合が多い。
  • 伝統的なフィリピン料理はスペイン料理の影響が濃い。また文化面も含め、米国の影響も受けている。
制度的制約
動物検疫
水産物について、日本からフィリピンに輸出する際、次の3種類のうち少なくとも一つが必要。
  • 原産国の国際衛生証明書(International Health Certificate)の写し。本証明書の発行主体は水産庁。
  • 原産国の管轄当局が発行する検疫許可書(Sanitary and Phytosanitary Clearance)の写し。
  • 原産国の管轄当局が発行する検疫に関する証明書の写し。
さらに、原産地証明書(Certificate of Origin)が必要。特定原産地証明書は日本商工会議所が発行。
牛肉は、日本国内17カ所(2026年3月現在)の認定食肉取扱施設で処理されたものに限り、食肉衛生証明書、フィリピン農業省が発行する輸入許可証・検疫許可書を取得すれば輸入可能。
鶏肉(鶏卵等含む)は、フィリピン政府により鳥インフルエンザを理由とした輸入一時停止措置が2024年11月以降とられていたが、2025年7月に解除された。なお、実際の輸入再開状況などについては今後の動向を確認する必要がある。詳細は農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照
植物検疫
りんご・なしは、植物検疫証明書、フィリピン農業省が発行する輸入者登録証明書・検疫許可書を取得すれば輸入可能。いちご(2024年12月に輸入制限解除)は、二国間合意による検疫条件として、生産施設および選果こん包施設の登録、生産施設でのオウトウショウジョウバエ等の病害虫の発生調査、輸出前の残留農薬検査および微生物検査を実施し、フィリピン側検査官による査察を受けることが必要。
精米・玄米は、植物検疫証明書、遺伝子組換え/非遺伝子組換え証明書、重金属検査証明書、フィリピン農業省が発行する輸入者登録証明書、植物検疫輸入クリアランスを取得すれば輸入可能。
原発関連規制
※すべての対象品目において輸入規制が撤廃された。
商流・物流・商習慣
  • 食品の多くは、ベトナム、米国、中国から輸入されている。
  • 小売業・外食産業に参入するには外資規制があるため(2022年に一部緩和)、日系企業が進出する場合、現地企業との合弁やフランチャイズ契約により進出している場合が多いが、独資での進出もみられる。モールやデパート、大規模スーパーなどの大規模小売店は中華系・スペイン系の財閥が事業展開している。
  • 慢性的な交通渋滞により、物流は安定的とはいえない。コールドチェーンについては、冷凍・冷蔵倉庫の整備は進んでいるが、冷凍・冷蔵トラックなど輸送設備の整備が遅れている。また、温度管理の重要性に対する物流業者や店舗の従業員等の意識も高いとはいえない。
Eコマースの概要
  • インターネットユーザー数やスマートフォン保有者数が多く、インターネットの利用時間は世界有数の長さ。SNSの利用時間も長く、SNSを活用したソーシャルコマースも非常に活発。
  • 主なEC事業者として、Lazada、Shopee、Zarolaなどが挙げられる。
  • コロナ禍によるビジネス環境の変化を契機に、いくつかの食品ディストリビュータが自社ECサイトで消費者に直接販売するビジネスを開始。日本の食品(他国産含む)を販売しているEC事業者も存在。
外食・小売等の状況
  • 日本食では、ラーメン、牛丼、とんかつ、焼肉、定食屋、カフェ等のチェーンレストランが展開。ハンバーグやピザの専門店も進出している。独立系の高級日本食レストランも富裕層を主なターゲットとして展開している。
  • 2022年に日系初の百貨店として三越がオープン。日本産食品の取り扱いは高級スーパーが中心だが、近年では中間層を対象としたスーパーマーケットでも品揃えが増加。
日本食普及状況等
  • 健康ブームの影響で、みそなど日本の伝統的な調味料がフィリピン人にも受け入れられ始めた。大豆由来の調味料はフィリピン伝統の調味料と親和性が高い。本格的な日本料理は富裕層を中心に人気があり、中間所得者層にはとんかつやとんこつ・みそラーメンが人気。
  • 抹茶を使用するカフェの開店が相次いでいる。抹茶を使用した菓子も人気。
  • 日本酒や焼酎、ウイスキーは、富裕層を中心に人気が高まっており、新規銘柄の進出が増加している。
  • 日本産品は加工食品など安価な韓国産と並べて販売されることが多く、製法・パッケージ・ブランド力・味等で明確に差別化できる商品が求められる。
お問い合わせ先
ジェトロ農林水産食品部 市場開拓課
Tel:03-3582-5186
E-mail:afa-research@jetro.go.jp