為替管理制度

最終更新日:2017年02月27日

管轄官庁/中央銀行

フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas:BSP)が為替管理制度を管轄。

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A.Mabini St. cor. P. OcampoSt., Malate, Manila, Philippines 1004
Tel:63-2-708-7701
E-mail:bspmail@bsp.gov.ph


反マネーロンダリング評議会(Anti-Money Laundering Council外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

5th Flr. EDPC Building, BSP Complex, Mabini St. Corner Vito Cruz Street, Malate, Manila, Philippines
Tel:63-2-708-7701(内線:3083, 3084)
Fax:63-2-708-7909
E-mail:secretariat@amlc.gov.ph

為替相場管理

変動相場制

貿易取引

輸出入決済のための外貨交換

認可代理銀行(Authorized Agent Bank:AAB)は、中央銀行(BSP)の事前許可に基づき、輸出入決済のための外貨交換を行っている。ただし、次の仕組みを利用した対外支払いに必要な外貨の購入にあたっては、BSPの事前許可が不要(ただし、個別商品によっては産業政策などの観点から輸入許可が必要な場合がある)。

  1. 輸入(外国為替取引マニュアル8条、中央銀行回状(Circular)第874-2015号)
    1. 信用状(L/C)
    2. 支払い渡し(D/P)
    3. 引受渡し(D/A)
    4. 交互計算(O/A)(銀行以外の関連当事者の間でのネッティングを含む。ネッティングは、サービス貿易についても利用できるが、外国からの、または外貨での貸付および投資には利用できない)
    5. 直接送金(DR)
    6. 前払い
  2. 輸出(外国為替取引マニュアル18条、中央銀行回状(Circular)第874-2015号)
    1. L/C
    2. D/Pまたは船積書類引換現金払い(CAD)
    3. D/A
    4. O/A(銀行以外の関連当事者の間でのネッティングを含む)
    5. 社内O/A(海外に親会社/関連会社がある企業に限る)
    6. 委託販売
    7. 前払い
  3. その他(外国為替取引マニュアル14条)
    銀行システムを通じて購入した外貨を使用しない輸入取引支払いの場合
    1. 自己資金(ドルを除く)による輸入
    2. 委託販売(consignment)

貿易外取引

外国為替取引の原則、非居住者のペソ建て口座開設と外国為替の販売、民間貸付けに関する規定、証券保管銀行の登録に関する外国為替取引規定マニュアル改定

外国為替取引の原則

  1. 居住者による外貨の取得
    居住者が通商以外の方法で外貨を取得した場合、当該外貨は銀行システム外で自由に売買することができる(外国為替取引マニュアル1条)。

    居住者は、貸付または投資に関するものではなく、通商以外の目的(教育費用、医療費、旅費、国外居住者への給与等)で、非居住者に支払いをするためであれば、中央銀行(BSP)の事前承認なしで認可代理銀行(AAB)にて外貨を購入することができる。ただし、購入申込書の提出が必要であり、12万ドル相当額を超過する場合には、申込書に加えて所定の証拠書類の提示も求められる(外国為替取引マニュアル2条)。
  2. 外貨およびフィリピンペソの持ち込みまたは持ち出し
    フィリピン国内への外貨持ち込み額および持ち出し額に関する規制はないが、1万ドル相当額を超える外貨を持ち込みまたは持ち出す場合には、申告をしなければならない(外国為替取引マニュアル4条2項)。

    また、5万フィリピンペソを超える次の取引は、BSPへの許可を要する(外国為替取引マニュアル4条1項)。
    • 現金および小切手・為替手形等をフィリピンで営業する銀行からペソを引き出す場合
    • フィリピンへの(からの)持ち込みおよび持ち出し、または電子送金をする場合

非居住者の旅行者または帰国海外労働者(バリクバヤン)が出国する際には、当初フィリピンペソに両替した額を上限として、AABで外貨を購入し、国外へ持ち出すことができる。また、使用しなかったフィリピンペソを1万ドル相当額以下の外貨に両替し持ち出すことができ、この場合にはフィリピンペソへの両替の証拠を示す必要はない(外国為替取引マニュアル3条2項c)。


非居住者のペソ建て口座開設と外国為替の販売

フィリピン国内で営業する認可代理銀行(AAB)によって開かれ維持される外国銀行を含む非居住者のペソ口座には、以下の方法でのみ入金をすることができる(外国為替取引マニュアル3条1項、2013年10月18日に発行されたBSPの回状(Circular)第815-2013号)。
  1. 国際通貨(BSPが交換レートを掲げている一定の通貨)での入金
  2. 現行法下において、非居住者に保有することが認められているフィリピンの資産から非居住者が得たペソ建ての収益またはその資産のペソ建ての売却対価
  3. 居住者が非居住者であるサービス提供者に対して送金をするために、認可代理銀行(AAB)およびその外為会社(AAB-forex Corps)から外国為替を購入することができる場合において、非居住者から居住者に対して提供された役務の対価として受領されたペソ建ての金銭
  4. 1年未満の契約でフィリピンにて働く外国人に対する給料、手当その他のペソ建てでの給付金
  5. フィリピンにおいて、少なくとも1セメスター以上学ぶ外国人留学生および非居住者のフィリピン人に対するペソ建てでの資金
  6. 非居住者によって発行された、フィリピン証券取引所(Philippine Stock Exchange:PSE)に上場された株式に対するペソ建ての売却対価

2.~5.のペソ建て資金については、1日6万ドルを上限として、BSPの事前の承認なく、所定の申告書を提出することによって、外貨に交換することができる(外国為替取引マニュアル3条2項a)。

1.のペソ建ての資金については、外国直接投資および/またはポートフォリオ商品のために使われなければならず、外貨への完全な転換をするためには、BSPの事前許可を得るか、外国為替取引マニュアル第2章(外国投資)および関連規定にしたがって、BSPまたは証券保管銀行(Custodian Bank)に登録をする必要がある(外貨取引規則マニュアル3条2項b)。

6.のペソ建ての資金については、非居住者である発行人またはその代表者は、(6)のペソ建て口座の預金額を上限として、BSPの承認上の原本を提示し、所定の申告書を提出することにより、外貨を購入することができる(外国為替取引マニュアル3条2項c)。


民間貸し付けに関する規定

2013年11月6日に発行されたBSPの回状(Circular)第818-2013号によって外国為替取引マニュアルが改正された。改正された22条によれば、BSPは、債権者に対して負っている元本と利子が、経済の債務負担能力に鑑みて、正しい手順に則って提供されるように、非居住者による融資/外国通貨建て金融を統制しなければならないと定められている。
外国人への貸し付けについても、銀行規定マニュアル(Manual of Regulations for Banks:MORB)の関連規定、その他適用される法、規則、規定に従わなければならない。

  1. BSPの事前承認を要する場合
    同回状により、外国為替取引マニュアルの23条が改正されており、以下の場合には、借り入れについてBSPの事前承認を要するとされている。
    1. 政府等の公的機関による借り入れ(短期の借り入れを除く)
    2. 民間への貸し付けで、[1] 政府機関および/または政府金融機関から保証を受けた場合、または、[2] 認可代理銀行(AAB)によって外貨保証がなされている場合(満期や、債権者または外貨の資金源によらない)
    3. 民間の非金融機関への貸し付けで、満期が1年以上で、公的または民間部門への再貸し付けを意図して行われた貸し付け
    4. 認可代理銀行(AAB)またはその外為会社(AAB-forex Corps)から、借主/貸主/保証人が購入した外貨を使用した貸し付け
  2. BSPの事前許可なしに外国為替を販売できる場合
    また、AABおよびAABの外為会社から購入した外貨を使用した貸し付けは、BSPに登録されなければならない(外国為替取引マニュアル28条1項)。上記の回状(Circular)第818-2013号は、外国為替取引マニュアル29条を改正しており、これによると、AABおよびAABの外為会社は、次に掲げる条件を満たす場合、BSPに登録された民間企業への貸し付けで公的機関が保証をしていないものに対する前払いのために、BSPの事前許可を受けることなく外国為替を販売することができる。
    1. 中長期の民間貸し付けへの前払いである場合、借主は、BSPの国際運営課(International Operations Department:IOD)に対し、予定している前払日の遅くとも1カ月前までに前払いの意思通告書(notice of intention)を提出しなければならない。当該意思通告書は、民間への短期貸付の場合には要求されない。支払いが行われた後には、借主は、BSP-IODに対し、当該支払いが行われたことを証明する書類を提出しなければならない。
    2. 外国為替の購入は、BSPが決定するその日ごとの金額を上限として行わなければならない。また、当該外国為替の購入の合計額は、いかなる場合でも、前払いする金額および利子ならびに中央銀行登録書類(Bangko Sentral Registration Document:BSRD)および前払い通知に記載されたその他の費用や手数料の額を超えてはならない。

      同回状はまた、外国為替取引マニュアル36条を改正する。同条は、国内への特定の外国投資について登録することを求めるものであり、外国直接投資の申請書は、フィリピンへの送金または資産が実際に移転した日から1年以内に提出されなければならないと定めている。投資登録の証拠として、BSPからは中央銀行登録書類(Bangko Sentral Registration Document:BSRD)と呼ばれる書面が発行される。


証券保管銀行の登録に関する外国為替取引規定マニュアル改定

2014年6月20日、BSPによって、外国為替取引にかかわる規定を改正する回状(Circular)第838-2014号が発行され、証券保管銀行(Custodian bank)への登録に関する外国為替取引マニュアル37条が改定された。同条は、非居住者によるペソ建ての政府証券、居住者が発行する上場された証券、ペソ建ての定期預金および非居住者が発行する上場された株式等に対する外国投資について、BSPに代わって投資家が指定する証券保管銀行に登録しなければならないと定めるものである。証券保管銀行が発行する中央銀行登録書類(Bangko Sentral Registration Document:BSRD)は、証券保管銀行がBSPから購入した所定の書式でなければならなず、ペソ建ての定期預金について証券保管銀行から直接発行されるBSRDは、次のいずれかを満たすものでなければならない。
  • 再投資の注釈付きであること。
  • 預金を90日よりも前に途中解約した場合は無効となること。
加えて、投資家または権限を有する代理人は、投資家が証券保管銀行に登録したすべての投資に関して、所定の書式により、証券保管銀行に対して、BSPに情報を公開する権限を与える書面(Authority to Disclose Information)を提出しなければならない。
同回状は、外国為替取引マニュアルの別表の一部についても改定を行った。

資本取引

資本金や配当金の海外送金、証券取引委員会(SEC)代替取引システム、リスクベース自己資本比率(RBCA)の採用、保証預金額引き上げについて

資本金や配当金の海外送金

外国投資家が、資本の再配分ならびに資本から発生した配当、利益および収益金を送金するために、外国為替を認可代理銀行(AAB)またはその外為会社(AAB-forex Corps)から購入する場合、外国投資を中央銀行(BSP)に登録する必要がある(外国為替取引マニュアル32条)。

登録については、現金投資と現物投資の両方が直接投資の対象となる。現物投資として登録が認められる資産には以下が含まれ、登録の前にBSPによって価値評価がなされる必要がある(外国為替取引マニュアル34条)。

  • 機械および設備
  • 原材料、消耗品、交換用部品
  • 投資受入れ企業の操業に必要な無形資産を含むその他項目

正しく登録された外国投資は、資本の再配分ならびに配当、利益および収益金を即時に送金することが認められる。そのような送金のために必要な外貨は、現行規則で規定された手続きおよびその他条件に従って、BSPによる事前承認なく認可代理銀行(AAB)またはその外為会社(AAB-forex Corps)で購入することができる(外国為替取引マニュアル40条1項、2項)。配当、利益、収益金を含めて、正当に登録された外国投資の本国送金などを一時留保する場合には、一時的に銀行に預金できる(外国為替取引マニュアル41条)。

なお、外国資本による対内直接投資は、ペソ建てで行われる必要はない(ただし、外国銀行の支店について、銀行規定マニュアル(MORB)により、ペソ建ての資本金が要求されている場合には、ペソ建てで行われなければならない)(外国為替取引マニュアル34条、BSP回状(Circular)第937-2016号)。

詳細:中央銀行 外国為替取引マニュアル "Manual of Regulations on Foreign Exchange TransactionsPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.25MB)"

証券取引委員会(SEC)代替取引システム

2004年3月4日、SECは代替取引システム(alternative trading system:ATS)に関する規則を発表した。SEC登録済みもしくは認可済みの証券の買い手と売り手の仲介や、証券交換所の機能代行を目的として、エレクトロニクス市場を提供する。ATSを利用するにはSECに登録する必要があり、登録期間中はATSの規則に従う義務を有する。

規則では、ATS取引への公正なアクセス、自動取引システムの容量、完全性、安全性、ATS上で取引される商品に関する情報の投資家への情報開示、ATSが行われる場所、システム、記録に対する調査での協力、取引情報の機密扱い、ATS上で取引される証券の登録の際の要件、公開当初、二次取引、交換、決済、報告義務、認可の一時停止または剥奪の根拠、禁止行為、SECに支払う料金と罰金などが定められている。2004年4月5日発効。なお、2016年12月31日現在、Regina Capital Development Corpのみが、SECのウェブサイトにATSとして掲載されている。

リスクベース自己資本比率(RBCA)の採用

2004年7月署名のSEC覚書(SEC Memorandum Circular)第10-2004号により、すべてのSEC登録証券ブローカー、ディーラーに対しリスクベース自己資本比率の採用が義務付けられた。

保証預金額引き上げについて

共和国法(RA)第9576号(2009年6月1日発効、共和国法第9302号の修正)によりフィリピン預金保険機構(PDIC)の定款が改正され、保証預金額の上限が25万ペソから50万ペソへ引き上げられた(2004年に、10万ペソから25万ペソに引き上げられたことがある)。
新定款のもとでは、保証預金の払戻請求ができる期間は、PDICが閉鎖銀行を管理下に置いた時点から2年以内とされる。期間以内に請求を行わなかった場合、預金者がPDICに対して有する債権はすべて失われる。

関連法

外国為替取引マニュアル(Manuals of Regulations on Foreign Exchange Transaction)、中央銀行回状(Circular)第874-2015号、反マネーロンダリング法(共和国法第9160号、修正版第10365号)など

その他

中央銀行による外国為替操作権限(共和国法第7653条に基づく)

通貨の安定とペソの交換性の推進および維持のために、中央銀行(BSP)は通貨委員会を通じて、フィリピンにおける外国為替操作に一定の制限を課すことができる(BSPによる外国為替売却の一時的な停止または制限、居住者またはフィリピンで営業する企業が取得するあらゆる外国為替をBSPがその目的のために指定する銀行または代理人に引き渡すという条件を課すことなど)。

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