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外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2017年12月12日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

外国企業がカンボジア現地法人を設立する場合、商業省への商業登記に加え、経済財政省租税総局への税務登録、労働職業訓練省への事業所開設申告、国家社会保障基金(NSSF)への登録が必要となる。カンボジア政府は、これらの手続きに関し、オンライン化を進めつつある。

外国企業がカンボジアに投資する場合、[1]経済特区内の適格投資案件(Qualified Investment Project:QIP)、[2]それ以外の場所で実施されるQIP、[3]適格投資案件とならない通常の投資案件、という3区分によって所轄審査機関が異なる。経済特区内QIPはカンボジア経済特区委員または経済特区管理事務所、それ以外のQIPはカンボジア投資委員会、通常の投資案件の場合は商業省等となる。以下では通常の投資案件について概説する。

商業省での商業登記

  1. 進出形態
    カンボジアに進出する外国企業の主な形態には、駐在員事務所、支店、現地法人、パートナーシップ、事業協力契約、個人事業主などの方法があるが、ここでは現地法人の設立に関して概説する。
  2. 商業省のオンライン・システムでの申請概要
    外国企業がカンボジアに現地法人を設立する場合、2016年1月より、商業省の商業登記用のオンライン・システム(MOC Online Business Registration外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を通しての登記が義務付けられた。本システムでは英語での入力が可能であり、手数料支払いもオンラインで可能である。
    申請は、ユーザー設定、商号確認(照合予約費用が必要)、必要情報記入・書類添付、登記費用支払い、商業省の審査、商業登記承認・登記証発行という流れとなる。添付すべき書類の不備等があれば、手続完了までに時間を要するケースもある。
  3. オンライン・システムでの必要書類
    1. 電気や水道代の明細書、賃貸借契約書、郵便書類等の住所確認書類
    2. 定款
    3. 株主および取締役のIDカードまたはパスポート
    4. 株主および取締役全員の証明写真(4cm×6cm)
    5. 商事、民事または刑事事件において罰則が科されたことのないことに関する取締役の宣誓
    6. 株主が法人である場合
      1. カンボジア法令に従って認証された親会社の商業登記に関する法的文書
      2. 会社設立および株主である法人の授権代表者の任命に関する総会決議
    7. オンライン・システムによって商業登記証明書が発行された日から30日以内に、会社は商業省の商業登記局に次の書類を提出しなければならない。
      1. 定款の原本2通
      2. 株主が法人である場合は、会社設立および株主である法人の授権代表者の任命に関する総会決議の原本1通
      3. カンボジア公認銀行発行の残高証明書
    8. 手数料等
      商号調査費用は1件当たり4万リエル(約10米ドル)、商業登記手数料は168万リエル(約420米ドル)となっている。
    9. 商業登記証明書の発行
      登記申請が承認された後、商業登記証明書および会社の詳細が、オンライン・システムにおいて発行される。同証明書等は、オンライン・システムで請求を行えば指定のメールアドレスに送信されることとなっている。

租税総局での税務登録

  1. 税務登録の概要
    商業省において商業登記が承認された日から15日以内に、租税総局にて税務登録を行う必要がある。また税務登録を申請する際、租税総局もしくは会社所在地を管轄する所轄税務署において、パテント税(Patent Tax)および付加価値税(VAT)の納税者登録をして、パテント証明書および付加価値税登録番号(VAT TIN)を入手する必要がある。
  2. 税務登録
    税務登録義務を有するすべての者は、所定の税務登録申請書への記入および必要書類の準備を済ませた上で、直接租税総局において税務登録を申請するか、オンラインで登録申請を行う。なお、オンライン登録申請を行った場合、必要書類等を租税総局に提出するために同局まで出向く必要があり、取締役会会長や事業主の租税総局への出頭も必要となるため、オンラインによらない租税総局での登録申請が一般的である。
  3. 租税総局への出頭義務
    定款上の取締役会会長、会社のオーナーもしくは組織の代表者は、税務登録のために租税総局に出向き、顔写真の撮影および指紋の登録を行う必要がある。
  4. 必要書類
    1. 租税総局発行の所定の申請フォーム
    2. 商業登記ライセンス等の各種証明書類の原本
    3. カンボジア公認銀行発行の銀行残高証明書
    4. 代表者のパスポートおよびビジネスビザの写し(署名が必要)
    5. 代表者の証明写真(3.5cm×4.5cm、裏面に代表者の署名が必要)
    6. 代表者の居住証明の原本
    7. 事務所賃貸契約書の写し
    8. 事務所オーナーが支払っている固定資産税の納税証明書の写し
  5. 手数料等
    代表者の出頭や必要書類の準備が終わったら、租税総局の納税窓口において納税する。新規登録の際には、租税総局の窓口で40万リエル(約100米ドル)を納付した上で、印紙税(Stamp Duty)として100万リエル(約250米ドル)の納付も必要となる。
  6. パテント税の納付、パテント証明書の発行
    新規に税務登録を行うすべての会社は、パテントを登録してパテント税の納付を行い、パテント証明書を入手する必要がある。パテント税は、事業目的や会社規模に応じて地域ごとに課税される税金で、年間税額は次のとおり。
    1. 小規模納税者の納税金額は、40万リエル(約100米ドル)
    2. 中規模納税者の納税金額は、120万リエル(約300米ドル)
    3. 大規模納税者の納税金額は、次のとおり。
      20億リエルから100億リエル以下の売上を有する場合は300万リエル(約750米ドル)
      100億リエル超の売上を有する場合は500万リエル(約1250米ドル)
      異なる首都/州に所在する単一の事業活動をサポートする倉庫、工場または作業場を有する場合は300万リエル(約750米ドル)
  7. 付加価値税の登録(VAT登録)、付加価値税証明書の発行
    納税者に該当するすべての会社は、パテント税の登録・納付に加え、付加価値税(VAT)の登録を行う必要がある。対象事業者は、業務開始時点もしくは納税者が課税対象者となってから30日以内に付加価値税登録を行い、付加価値税証明書を取得する必要がある。前述の税務登録、パテント税の納付と同時に付加価値税登録も行うケースが一般的。
    付加価値税証明書記載の付加価値税登録番号(VAT TIN)は、付加価値税を含む取引時に請求書への記載が必要であり、税務署での税務申告の際にも必要となる。

労働職業訓練省への登録

カンボジア労働法が適用されるすべての事業者は、事業所開設時、労働職業訓練省(Ministry of Labor and Vocational Training)に対して次の3つの申請をする必要がある(労働法17条1項)。

  1. 事業所開設申告(Registration for Opening of Enterprise、従業員登録を含む)に関する申請
  2. 会社台帳登録(Registration of Enterprise Ledger)に関する申請
  3. 従業員給与台帳登録(Registration of Payroll)に関する申請

これらの申請に要する手数料は、事業所の従業員数によっても異なるが、2万リエル(約5米ドル)~20万リエル(約50米ドル)となっている。

国家社会保障基金(NSSF)への登録

国家社会保険基金(National Social Security Fund:NSSF)が運営するカンボジアの社会保険制度は、労災保険と健康保険が両軸となっている(年金は未開始)。雇用者は、労働者の雇用状況をNSSFに登録することが義務付けられており、登録後30日以内に保険料を納付するとともに、各労働者に登録番号を伝える必要がある(2008年2月11日付社会保障制度における企業及び従業員の登録に関する省令第021号第6条)。企業登録および従業員登録が終了した後、NSSFは企業に対して次の書類を付与する。

  1. 企業のID番号
  2. 企業登録証明書
  3. 従業員のID番号
  4. 各従業員のNSSFメンバーカード

労働災害保険における社会保険料率は、従業員の平均月給の0.8%に設定されており、上限は月額約2ドルである。健康保険制度については、使用者および労働者の双方が負担するものとされており、料率は双方で同等となる従業員平均月給の1.3%ずつ、上限額は双方とも月額3.25米ドルである。
なおこれまでは、国家社会保障基金への登録は8人以上を雇用する企業についてのみ登録が義務付けられていたが、2017年11月10日付「使用者と被雇用者の国家社会保障基金への登録に関する省令第448号」により、8名未満しか雇用していない場合を含め、すべての使用者に設立後30日以内の国家社会保障基金への登録が義務付けられるようになった。

外国企業の会社清算手続き・必要書類

会社は、株主総会における特別決議、解散趣旨書の作成と商業省への提出、債権者への通知、解散に関する公告、資産および債務の清算、商業省への解散届出書の提出、商業省の解散証明書の発行を経て、解散することができる。

会社の解散については、「カンボジア会社法」の第251条から第258条で定められている。
ジェトロ:ビジネス関連法・法務「カンボジア会社法」(2015年3月)を参照。

資産または債務を有する会社については、株主総会における特別決議、解散趣旨書の作成と商業省への提出、債権者への通知、解散に関する公告、資産およ債務の清算、商業省への解散届出書の提出、商業省の解散証明書の発行を経て、解散することができる(会社法第252条~257条)。
株式を発行していない会社は取締役全員の決議によって何時でも解散することができ、資産および負債を有しない会社も、株主の特別決議によって解散することができる(会社法第251条)。
取締役または年次株主総会における投票権を有する株主は、会社の自発的清算または解散を提案することができる(会社法第252条)。
解散および清算に関する条項は、裁判所に破産を申し立てた会社には適用されない(会社法第258条)。

なお、会社の解散手続きの中では税務関係手続が最も重要である。租税総局・関税総局に会社を解散する旨通知し、税務調査を受けた上で、税金清算証明書・関税清算証明書を取得する必要がある。この手続きでは相当の期間(1年以上等)を要するケースもある。
また、会社が適格投資案件の指定を受けている場合にはカンボジア開発評議会(CDC)関係の手続きが、工場を閉鎖する場合には工業・手工芸省への申請が必要となる。さらに、商業省による解散証明書の発行後、労働職業訓練省、国家社会保険基金(NSSF)への通知を行う。なお、個別のライセンスを取得している場合には、各管轄官庁への申請・届出が必要な場合がある。

その他

業種・業態によっては、個別のライセンスを各監督省庁から取得する必要がある。

参考:個別のライセンス取得が必要な業種(一部)
業種 監督省庁 備考
飲食店 観光省 審査あり
ゲストハウス 観光省 審査あり
ホテル 観光省 審査あり
旅行代理店 観光省 保証金の支払いが必要
不動産サービス業 経済財政省 無犯罪証明書の提出要
保険ブローカー業 経済財政省 無犯罪証明書の提出要
通関業 関税・消費税総局 通関に関する専門家が必要
運送業 公共事業運輸省 トラック等の登録も必要
診療所、病院 保健省 代表者はカンボジア国籍である必要あり
法律事務所 弁護士協会 代表者はカンボジア国籍である必要あり
海外人材派遣業 労働職業訓練省 代表者はカンボジア国籍である必要あり
教育機関 教育・青少年・スポーツ省 審査あり

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