外資に関する規制

最終更新日:2017年09月29日

規制業種・禁止業種

カンボジアにおいては、外国人投資について制限を加えている分野はない。

原則規程

外国人投資について制限が加えられている分野はないが、「改正投資法施行に関する政令第111号」の付属文書1(Negative List)・Section 1に掲載されている事業は、カンボジア企業および外国企業による投資が禁止されている。禁止業種には次のものが含まれる。

  • 向精神剤および非合法薬の製造・加工。
  • 国際規約または世界保健機関によって禁止され、公衆の健康や環境に影響を及ぼす、毒性を有する化学品、農業用除虫剤・殺虫剤、その他の化学品を使用する薬物の製造・加工。
  • 外国から輸入される廃棄物を使った電力の加工および生産。
  • 森林法により禁止されている森林開拓事業。

さらに、同政令付属文書1・Section 2には「優遇措置に非適格な投資行為」が記載されており、また同政令付属文書1・Section 3には「輸入関税免税には適合するが法人税免税には不適合となる、特別な性質を有する投資行為」が列挙されている。

JICA:「改正投資法施行に関する政令第111号」Sub-Decree No. 111 on the Implementation of the Law on the Amendment to the Law on InvestmentPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(17.30MB)

外国市民に関わる制限

投資行為に関連し、外国市民に対しては次のような制限が存在している。

  1. 土地の所有と使用

    投資家による土地保有は、カンボジア市民権を有する自然人かカンボジア企業に限って可能であるが、土地使用については、カンボジア政府との契約による土地使用(コンセッション)、15年以上50年を期限とする永借権に基づく長期賃借(最長50年ごとの更新可能)、更新可能な有期の短期賃借等が、外国市民にも認められている。さらに土地上の不動産や個人資産を所有することや、債務保証として担保に差し入れることも認められている(改正投資法第16条)。

  2. 外国人の雇用

    投資適格プロジェクト(QIP)は、当該資格や専門性がカンボジア国内で得られない場合には、管理者・技術者・熟練作業者として外国人を雇用するための、ビザや労働許可の取得が認められている(改正投資法第18条)。

カンボジア開発評議会(CDC)

カンボジア開発評議会(The Council for Development of Cambodia:CDC)は、復興・開発と投資活動の監督に対して責任を有する唯一かつワンストップ・サービスを提供する機関であり、すべての復興、開発、および投資プロジェクト活動に関する評価と意思決定に責任を有している(改正投資法第3条)。
ただし、次のような条件を含む投資プロジェクトについては、CDCは閣僚評議会(Council of Ministers)の認可を得なければならない(「CDCの組織と機能に関する政令第147号:Sub-Decree No.147 on the Organization and Functioning of the Council for the Development of Cambodia」第11条)。

  • 5,000万米ドルを超える投資。
  • 政治影響を有する事項を含む場合。
  • 鉱物資源・自然資源の探索と開発。
  • 環境に対する悪影響が懸念される場合。
  • 長期開発戦略を必要とする場合。
  • 「建設・所有・譲渡(Build-Own-Transfer:BOT)、「建設・所有・運営・譲渡(Build-Own-Operate-Transfer:BOOT)」、「建設・所有・運営(Build-Own-Operate:BOO)」または「建設・賃借・譲渡(Build-Lease-Transfer:BLT)」契約に基づくインフラ・プロジェクト。

カンボジア開発評議会の中には、投資に関連する二つの委員会、すなわちカンボジア投資委員会およびカンボジア経済特別区委員会が置かれている。

  1. カンボジア投資委員会(Cambodian Investment Board:CIB)

    政令第149号第17条により規定されたCIBの役割と責務は、次のように集約される。

    1. 適格投資プロジェクト(QIP)を申請した投資案件の評価および認可に係わる「ワンストップ・サービス・メカニズム」に係わる調整と実施。
    2. 民間投資全般に係る戦略計画の策定と調整。
    3. 潜在的投資家に対するマーケティングと投資促進。
    4. 投資促進に関する法制度改善に係る政策提言。
    5. 政府内外の関係者に対する調整と報告。

    コンタクト先:カンボジア投資委員会(CIB外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    住所:Government Palace, Sisowath Quay, Wat Phnom, Phnom Penh, Cambodia
    Tel:023-981-154
    Fax:023-427-597 E-mail:cdc.cib@ online.com.kh

  2. カンボジア経済特別区委員会(Cambodian Special Economic Zones Board:CSEZB)

    「経済特別区の設立と管理に関する政令第148号(Establishment and Management of the Special Economic Zone)」によれば、CSEZBの役割は、経済特別区(Special Economic Zone:SEZ)運営に係わる開発・管理・監督のワンストップ・サービスを提供すること、となっている。

    JICA:「経済特別区の設立と管理に関する政令第148号」Sub-Decree No. 148 on Establishment and Management of the Special Economic ZonePDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(11.45MB)

    コンタクト先:カンボジア経済特別区委員会(CSEZB)
    住所:Room 8 C, Government Palace, Sisowath Quay, Wat Phnom, Phnom Penh, Cambodia
    電話:023-992-355
    Fax:023-992-931
    E-mail:enquiry@camboidasez.gov.kh / h.sopauline@online.com.kh

    なお、カンボジア開発評議会にはジャパンデスクが置かれており、日本人担当者が常駐して日本の投資家向け投資支援サービスを提供している。

出資比率

前項の投資禁止事業以外であれば、すべての業種で100%外資が可能である。

カンボジアにおいては、「改定投資法施行に関する政令第111号」の付属文書1、第1節「ネガティブ・リスト」に記載されている、投資禁止分野ないしは外国人に対して制限されている分野を除き、商業省に登録して関連する業務上の許可を取得すれば、自由に投資活動を実施できる。しかし、外国あるいは国内の投資家が投資優遇措置の適用を求める場合は、CDCまたは州・特別市投資小委員会(Sub-Committee on Investment of the Provinces-Municipalities:PMIS)に投資登録を申請する必要がある。その場合、投資登録の申請は、会社設立(または商業省への登録)の前あるいは後のいずれでも行える。

1994年8月に公布された投資法により規定された投資ライセンス制度は、制度をより簡素化して透明化をはかり、予見可能で自動的かつ非恣意的なものとするために大幅に改定され、2003年3月には改正投資法が制定された。また2005年2月には、200万米ドル未満の投資に対するライセンス制度を規定する「州・特別市投資小委員会の設立に関する政令」が発布されており、さらに2005年9月には、「改正投資法施行に関する政令第111号」も発布された。

JICA:

外国企業の土地所有の可否

投資家による土地保有は、カンボジア市民権を有する自然人かカンボジア企業に限って可能であるが、土地使用については、カンボジア政府との契約による土地使用(コンセッション)、15年以上50年を期限とする永借権に基づく長期賃借(最長50年ごとの更新可能)、更新可能な有期の短期賃借等が、外国企業にも認められている。

  1. カンボジアの土地制度に関する法制度

    1992年に初めて制定された「土地法」は、2001年8月に改正されている(「2001年土地法」:2001 Land Law)。同「改正土地法」は、不動産所有権および関連権限を保証するため、カンボジアにおける不動産の所有権管理様式を決定することを目的として制定された。また市民が土地を所有する権利を保証するため、近代的な土地登記制度を創設することも、法律改正の目的の一つであった。

    「土地法」では、「国土管理・都市計画・建設省(Ministry of Land Management, Urban Planning and Construction)」に、不動産に関する権利書の発行権限と国有不動産の公図管理権限を与えている。
    内戦中にカンボジアの土地制度は崩壊し、土地所有権の権利書と登記簿の多くが失われたため、土地所有権を巡る紛争が依然として多発している。従って投資家にとっては、土地使用、土地リース、カンボジア企業を通じた土地所有に関する部分的共有権に関する契約を締結する前に、地主の土地所有権を確認することが非常に重要となる。

    2011年12月20日から、民法適用法の施行に伴って「土地法」への民法規定の適用が開始され、相当数の「土地法」条文が修正を受けるか削除されている。従って、土地所有権の売買、譲渡、担保設定、土地の賃貸借等に関しては、民法規定を参照することが重要となっている。

  2. 土地の構成部分

    民法では、土地の構成部分に関する原則規定として、「土地に定着し、または一体となった物、特に土地上に建築され移動できない建物・工作物等は土地の構成部分であり、別段の定めのない限り、これを独立の権利の対象とすることはできない(民法第122条)」と定めている。ただし例外規定として、「他人の土地に対する権利行使の一環として、権利者が土地上に建築した建物その他の工作物等は、土地の構成部分とはならない。一時的な目的で土地に付着させた物も同様である(民法第123条)。これらについては、他人の土地に対する権利の構成部分とみなす(民法第124条)」とされる。

  3. 所有権

    カンボジアでは、自然人または法人にかかわらず、外国人が土地を所有することは禁じられている。憲法第44条は、「クメール法人とクメール国籍の市民のみが土地を所有する権利を有する」と定めている。「2001年土地法」も、カンボジアにおいてはクメール国籍の自然人または法人のみが土地を所有する権利を有し、土地所有者となるために国籍を偽称した外国人は罰せられる旨規定している(同法第8条)。この場合、カンボジア国籍の法人とは、51%以上の株式をカンボジア人またはカンボジア企業が所有している法人を指している。

    さらに「2001年土地法」の第5条では、「公共の利益に基づく場合を除き、所有権を剥奪されることはない」と規定されており、土地収用を行う場合には、事前に適正な補償を支払った後に、法令に定める形式と手続きによって行うことを定めている。

    投資家にとって重要な「2001年土地法」の主な規程は、次のとおりである。

    1. 1979年以前に獲得された不動産所有権は、いかなる形式といえどもこれを認可しない(第7条)。
    2. 本法施行後においては、いかなる手段によるかを問わず、国家が所有する不動産のうち「公的な使用に供するもの(State public property)」および「私的な使用に供するもの(State private property)」を占有することは、無効とされる(第18条)。
    3. 1989年以降に認定された不動産の占有は実質的権利を構成し、土地占有者による所有権の取得に結びつくことがある(第29条)。
    4. 本法公布に先立つ5年以上にわたり、個人的かつ適法に、また平和的かつ争いがない状態で不動産を占有してきた者は、確定所有権利書を請求する権利を有する(第30条)。
    5. 本法発効後において、不動産権利書を有しない者による新規の不動産占有は、違法占有とみなす(第34条)。
    6. 不動産所有権へ転換するためには、占有が公衆に対して明快かつ非暴力的で周知の状態となっており、継続的で誠実なものであることを要す(第38条)。
    7. 占有権を所有権に転換する間、本法に従った占有は、不動産に対する実質的な権利を構成する。権利書は占有の証拠ではあるが、所有権の権利書として争う余地のないものではない。占有権利書は、土地登記簿が作成される時点において、所有権について争いがない場合においてのみ、確定的で争う余地のない土地所有権利書を構成することができる。争いが提議された場合には、関連する証拠の追加的調査に基づいて、土地の合法的な占有者が決定される。土地に対する占有権利書は証拠の一つではあるが、それ自身が決定力を有するものではない(第40条)。

    なお民法では、土地所有権の取得時効について次のように定めている(民法第162条)。

    • 所有の意思をもって20年間、平穏かつ公然に不動産を占有した者は、その不動産の所有権を取得する。
    • 所有の意思をもって10年間、平穏かつ公然に不動産を占有した者が、その占有の始めに善意かつ無過失のときは、その不動産の所有権を取得する。

    また民法では、「共有」の概念も導入されている。すなわち、一つの物全体のうえに数人の者が量的に決定された持分に応じて所有権を持っている状態を、共有という(民法第202条)。また互いに接する土地を所有する者が、各自の土地および土地上の建物を区分する障壁・堀・土手・垣等の囲障について、不可分的に共同して所有することを「互有」というと定めている(民法第215条)。さらに互有する障壁の修理および改築については、これを互有する者が各人の権利に応じて責任を負うと定めている(民法第217条)。「占有」に関する規定は、第227条から第243条に定められている。

  4. 不動産所有権の取得

    不動産の所有権は、契約、相続、民法第3編(物権)・第2章(所有権)・第4節(所有権の取得)で定めるもののほか、民法その他の法律の規定により取得することができる(民法第160条)。

    ※参考
    ジェトロ:カンボジアにおける不動産取引に関する留意点(2016年3月)

  5. 民法適用期日前から存続する不動産関連物権の効力

    改正前の「2001年土地法」に基づく長期賃借権、用益権、使用権・居住権または契約による地役権は、適用期日以降は、それぞれ民法に基づく永借権、用益権、使用権・居住権または地役権とみなす。この場合において、これらの権利の存続期間は、「2001年土地法」に基づいて設定された日から起算する(民法適用法第38条2項)。

  6. 土地の賃貸借(Land leases

    民法においては、「永借権」の概念が導入された。永借とは、15年を超える期間の長期賃貸借であり(民法第244条)、書面によらなければならないと規定される(民法第245条)。「永借権」は、それが登記された場合に初めて第三者に対抗することができ、賃借人は不動産の新しい所有者に対して、登記された永借権を主張することができる(民法第246条)。
    「永借権」の存続期間は、50年を超えることができない。50年を超える期間をもって永借権が設定されたときは、これを50年に短縮する。また永借権は更新することができるが、その期間は更新の時から50年を超えることはできない(民法第247条)。

    その他「永貸人の解除権」もあり、永借人が定められた賃料を3年間支払わないときは、永貸人は永貸借を解除することができる(民法第250条)。
    また「永借権」は、有償もしくは無償で譲渡し、またはその他の処分をすることができ、永借物を転貸することができる。さらに「永借権」は、相続することができる(民法第252条)。

    永貸借の終了にあたり、永貸人は永借人が不動産を破壊し、またはその性質を根本的に変更していない限り、永借人に対して原状回復を請求できない。また「永借権」の終了にあたり、永貸人は永借人に補償することなしに、永借人が不動産に対して行った改良や設置した工作物等の所有権を取得する(民法第254条)。

    「土地法」への民法規定の適用が開始された2011年12月20日の前に、「2001年土地法」に基づいて設定された長期賃借権について、その残存期間が民法適用期日において50年を超えるものについては、民法第247条(永借権の存続期間)第1項の規定にかかわらず、約定された期間、「永借権」は存続する。ただし、その残存期間が適用期日において99年を超えるものについては、その存続期間は適用期日から99年とする(民法適用法第41条)。

    「2001年土地法」に基づいて設定された使用権および居住権が、同法第139条の規定によって適用される同法第120条第3項の規定に基づいて登記されているときは、その使用権・居住権は、「使用権者および居住権者は、現実に使用または居住していなければ、第三者に対してその権利を対抗できない」との民法第277条(使用権および居住権の対抗要件)の規定にかかわらず、目的物を現実に使用または居住していなくても第三者に対抗することができる(民法適用法第43条)。

  7. 抵当権(Mortgage

    抵当権者は、債務者または第三者が占有を移転せずに債務の担保に提供した不動産について、他の債権者に優先して自己の債権の弁済を受ける権利を有する。永借権および用益権もまた、これを抵当権の目的とすることができる(民法第843条)。

    抵当権者は、抵当権設定契約が公正証書によってなされ、土地登記簿に登記されなければ、当該抵当権をもって設定者以外の第三者に対抗することはできない(民法第845条)。
    また抵当権は、抵当地の上に存する建物を含め、抵当権の設定時に抵当権の目的である土地に付加し、これと一体を構成している物に及ぶ。抵当権の設定後に付加された物についても及ぶ(民法第846条)。

    第三者が永借権、用益権または賃借権に基づいて、抵当地の上に建物を所有する場合には、抵当権はその建物に及ばない(第847条)。数個の債権を担保するため、同一不動産について抵当権を設定したときは、その抵当権の順位は登記された時点が先か後かによって決まる(民法第851条)。

  8. 土地コンセッション(Land concessions

    関連当局の裁量で発行される法的文書によって得られる法的権利である土地コンセッションについては、それを受けた個人・法人・個人の集団が土地を占有し、本法が規定する権利を行使することができる(土地法第48条)。

    カンボジアでは、コンセッションは「社会的コンセッション」「経済的コンセッション」「使用・開発・探査コンセッション」に分類される。「社会的コンセッション」の場合には、受益者(Beneficiaries)は国有地に住宅を建設する、あるいは自らの生計を立てるための耕作ができる。「経済的コンセッション」の場合には、工業や農業開発のために土地を整地することができる。「使用・開発・探査コンセッション」には鉱業・港湾・空港・工業開発・漁業におけるコンセッションが含まれるが、「2001年土地法」の対象ではない(土地法第49条および50条)。「使用・開発・探査コンセッション」に関しては別途、「コンセッション法」が、2007年10月19日に制定されている。

    土地コンセッションは、コンセッション契約に規定される期間のみの権利であり(土地法第52条)、土地の実質的な占有に起因するものではない。土地コンセッションは、コンセッションが供与される土地の所有者である政府、公共土地協同組合、公共団体等の関連当局により、土地占有以前に発行された特定の法的文書に準拠するものでなければならない。コンセッションは、国土整備・都市化・建設省に登録されなければならない(土地法第53条)。

    土地コンセッションは、法的資格が適法でない場合には、政府の判断によって取り消すことができる(土地法第55条)。土地コンセッションの面積は1万ヘクタールを超えることはできず、期間は最長で99年間である(土地法第59条および61条)。
    またコンセッションによって設定された土地の権利に関しては、特別法に別段の定めがある場合を除き、民法上の永借権の規定が準用される(民法第307条)。

  9. 経済的土地コンセッション(Economic Land Concession:ELC)
    経済的土地コンセッション(ELC)に関する法制度
    2005年12月27日に「経済的土地コンセッション(ELC)」に関する政令No.146 ANK/BK」が発布され、新規ELCの創始と供与、すべてのELC契約の効果のチェック、政令発布前に有効となったELCが「2001年土地法」に照らして適法かどうかの確認のための、基準・手続き・手法・制度が制定された。
    ELCの目的
    ELCは次の目的を達成するために供与される(政令第3条)。
    • 高度かつ適切な初期資本投資が必要な、集中的な農業および農産業活動の発展。
    • その地域の土地利用計画に基づき、適切かつ永続的な方法で土地を開発する投資家が目指す特定目的。
    • 生計機会の強化および多様化という枠組みの中で、また適切な環境システムに基づく資源管理という枠組みの中で、農村地区の雇用増加を図ること。
    • ELCプロジェクトにおける大小規模の投資を奨励すること。
    • ELCによる土地使用料、税金、その他関連するサービス料を通じ、政府・州・村落の収入を創出すること。
    ELC供与のための条件
    ELCは、次の5つの基準を満たす土地に対してのみ供与される(政令第4条)。
    1. 「国家土地管理に関する政令(Sub-Decree on State Land Management)」と「公図と土地登記簿の創設のための手続きに関する政令(Sub-Decree on Procedures for Establishing Cadastral Maps and Land Register)」または「散発的土地登記に関する政令(Sub-Decree on Sporadic Registration)」に従い、当該土地が国家所有不動産のうち「私的な使用に供するもの(State private property)」として登記され分類されていること。
    2. その土地に対する土地利用計画が州・特別市土地管理委員会により策定されており、その計画に適合していること。
    3. ELCプロジェクトのための土地使用と開発計画に関し、環境および社会的影響評価が終了していること。
    4. 現行の法的枠組みと手続きに従い、移住問題に対する解決策を有すること。契約当事者である当局は、適法な土地所有者による強制的な移住が行われないこと、および私有地へのアクセスが妨げられないことを保証しなければならない。
    5. ELCプロジェクトとその申請に関し、土地当局と住民の間で説明会がもたれていること

    ELC申請の評価は、次の基準に基づいてなされる(政令第5条)。

    • 近代的技術の利用による、農業および農業関連産業の生産向上。
    • 雇用の拡大。
    • 住民の生活水準の向上。
    • 永続的な環境保護、および自然資源管理。
    • 反社会的影響の回避、ないしは極小化。
    • 社会的土地コンセッションとELCの連携、および相互支援。
    • 農業原料の加工がELC契約で特定されていること。
    ELCの管理と実施体系
    ELCに係る関係者は次のとおりである(政令第28条)。
    • 契約当局(Contracting Authority
    • 技術的事務局(Technical Secretariat
    • 州・特別市の国家土地管理員会(Provincial/Municipal State Land Management Committee
    • 地区の国家土地ワーキング・グループ(District/Khan State Land Working Group
    • 村落評議会(Commune-Sangkat Councils

    従来は、農業・森林・漁業省が1,000万リエル(2,500米ドル)以上の投資額または1,000ヘクタール以上のELCを認可し、ELCの供与を行い、それ以下の投資額や土地面積の場合には、州・特別市の知事がELCを認可し、ELCの供与を行うこととされてきた。しかし「ELCに関する政令の改定に関する政令No. 131」により、州・特別市の知事の権限が廃止され、すべて農業・森林・漁業省が責任を有することとなった。

    ELCに関する権利の担保差し入れと譲渡
    2007年8月29日、「長期リースとELCに関する権利の担保差し入れと譲渡に関する政令No.114(Sub-Decree #114 ANKr.BK on the Mortgage and Transfer of the Rights over a Long Term Lease or an Economic Land Concession)」が発出され、長期リース権とコンセッションの権利を担保に入れる、または譲渡する際の原則と条件が次のように規定された。
    • 土地登記簿に適正に登記されている不動産のみが、コンセッションの対象となる(政令No.114 第5条)。
    • 土地コンセッションは、国土整備・都市化・建設省の土地登記簿に記載されなければならない。また同省は「ELC証明書」を発行するものとする(政令No.114 第6条)。
    • コンセッション権保有者は、土地上に建築した建物その他の不動産、および土地コンセッションに関する権利を抵当に入れ、譲渡することができる(政令No.114 第7条)。
    • いずれの場合においても、債権者は、コンセッション権を担保として使用した債務者が借り受けている土地の所有者にはなり得ず、また当該不動産の所有権を要求することはできない(政令No.114 第9条)。
    • ELC証明書は、不動産の形状、面積、位置、土地所有権者の身元、コンセッション権者の身元、およびコンセッション期間について、明確に規定しなければならない(政令No.114 第10条)。
  10. 土地委員会(The Cadastral Committee

    土地委員会は、未登記の土地に関する紛争の解決と法的所有権の確定を目的として、「2001年土地法」の下に設立された。
    「2001年土地法」第47条は、占有者間の不動産に関する紛争については、土地委員会が決定を下し、その決定を最終的なものとする旨規定している。
    不動産所有権は国家により保証されるべきものであり、そのため、国土整備・都市化・建設省の監督の下、土地委員会は土地を認定し、公図を作成し、所有権利書を発行し、土地の登記を行い、土地の形状・面積・所有者その他土地に対する抵当権に関して、一般に開示する権限を有している(土地法第226条)。

  11. 土地使用に関する制限

    1994年の「国土利用計画・都市化・建設に関する法律(Law on Land Use Planning, Urbanization and Construction)」は、カンボジアにおける全国的な土地利用について規定しているが、同法その他による土地利用計画は、非常に一般的なものに留まっている。従って投資プロジェクトを進める前には、実際の用途地域規則を慎重に確認する必要がある。

資本金に関する規制

カンボジアにおいては、外国人投資について制限を加えている分野はない。

会社法

2005年4月26日に国民議会で採択され、同年5月19日にカンボジアで最初の包括的な会社法として公布された「会社法(Law on Commercial Enterprise)」は、「パートナーシップ」(一般パートナーシップと限定パートナーシップ)「有限責任会社」(私的有限責任会社と公開有限責任会社)および「外国企業」に対して適用されている。
会社は額面4,000リエル(約1米ドル)以上の株式1,000 株以上を発行する必要があり、定款に定めのない限り、それらはすべて同種株とし、株主の権利は平等である(会社法第144条)。株主の会社に対する責務は、引き受け株式の金額の範囲内に限定される(同法第147条)。全会一致原則の取り決めがある場合には、株式の券面にその旨表記することが必要となる(同法第223条)。

ジェトロ:カンボジアのビジネス関連法・法務「会社法(2015年3月)

外国企業の定義

外国企業とは、外国の法律に基づいて設立され、カンボジアに拠点を有してビジネスを行う法人を指す(同法第270条)。外国企業は、次の形態によってカンボジアでビジネスを行うことができる(同法第271条)。

  • 駐在員事務所(Representative Office):商務代表事務所(Commercial representative office)、商務連絡事務所(Commercial relations office)または代理店(Agency
  • 支店(Branch
  • 子会社(Subsidiary

その他規制

特になし。

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