技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

最終更新日:2026年07月07日

技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

香港の知的財産権制度としては、特許条例、商標条例、登録デザイン条例、著作権条例などがある。WTOの貿易関連知的所有権協定(TRIPS協定)に適合している。

特許

香港では専利条例に基づく「標準専利」「短期専利」の2種類の特許制度が存在する。標準専利には、香港知識産権署に直接出願する「原授標準専利」と、指定特許所管官庁への出願を基礎として香港で登録する「再登録標準専利」の2ルートがある。

「再登録標準専利」は、指定の特許所管官庁である中国国家知識産権局、英国知的財産庁、欧州特許庁(英国を指定国とする)のいずれかへ特許出願を行い、指定特許庁の出願が公開されてから6カ月以内に香港で出願手続き(記録請求)を行い、さらに、指定特許庁での特許付与日または香港での記録請求公開日のいずれか遅い日から6カ月以内に、香港で登録・付与請求を行う必要がある。
「再登録標準専利」を利用して特許権を取得した場合の権利期間は、指定特許庁への出願から最長20年間である。
PCT(特許協力条約)国際出願も利用可能であり、PCT出願が中国で国内段階に移行した後に香港で標準専利(または短期専利)を出願する。

「標準専利」の主な特徴は、その基礎となる審査は指定特許庁に委ねられるが、特許登録後は独立した権利として存在し、香港において更新料を納付する必要があるといった点にある。

「短期専利」は、指定特許所管官庁への出願を必要とせず、香港知識産権署に直接出願する。登録時に香港知識産権署による実体審査は行われないが、付与後実体審査制度がある。権利期間は出願から最長8年間である。

「原授標準専利」は2019年12月に新たに導入された。「短期専利」と同様に香港知識産権署に直接出願できるが、出願から3年内(優先権主張がある場合は最先の優先日から3年以内)に審査請求を行い、香港知識産権署による実体審査(新規性・進歩性・明細書記載要件などの審査)を経て、登録要件を満たしたものが登録となる。権利期間は出願から最長20年間となる。PCT出願は利用できない。
「原授標準専利」の詳細は、香港知識産権署(Intellectual Property Department)の「Patent Basics外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」ページを参照。

商標

商標は、商標条例に基づき登録することができる。中国内地や英国とは別に取得する必要があり、特許(標準専利)のような再登録制度はない。香港知識産権署による実体審査が行われる。権利期間は10年ごとに何度でも更新可能であり最長期限は設けられていない。
2020年6月、香港政府は「2020年商標(改正)条例」を公布し、「標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書」に基づく国際商標登録制度を香港に導入することを決定した。ただし、導入時期は未定である(2026年7月時点)。条例改正により、香港の出願者が香港の登録商標を基礎として海外で商標を取得しやすくなるだけでなく、海外の出願者にとっても香港での商標登録が容易になる。
詳細は、香港知識産権署(Intellectual Property Department)の官報(Trade Marks (Amendment) Ordinance 2020 gazetted外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照。

デザイン(意匠)

意匠は、登録デザイン条例(註冊外観設計条例)に基づき登録することができる。商標と同様、中国内地や英国とは別に取得する必要があり、特許(標準専利)のような再登録制度はない。また、実体審査は行われない。権利期間は最長25年間である。意匠の国際登録出願(ハーグ出願)は利用できない。
詳細は、香港知識産権署(Intellectual Property Department)の「Design Basics外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」 ページを参照。

著作権

著作権は、著作権条例(版権条例)の下で保護されている。著作権は登録する必要はなく、それが著作物である限り自動的に保護される。

特許などの知的財産権保持者は、権利を侵害する者に対して、訴訟を通じて侵害を防ぐための差し止めを求めたり、損害賠償請求などの法的措置をとることが可能。また、商標や著作権などの侵害については、刑事事件として香港税関に強制執行措置を求めることも可能。

特許・商標・登録デザインに関する出願を行う場合、香港知識産権署に連絡する。
これまでに出願されたものについては、無料の公式検索システムにより検索が可能。

香港知識産権署(Intellectual Property Department外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

所在地:24/F, Wu Chung House, 213 Queen’s Road East, Wan Chai, Hong Kong
Tel:(852) 2961-6901
E-mail:enquiry@ipd.gov.hk

香港技術與創新支持中心(Hong Kong Technology and Innovation Support Centre外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

所在地:3/F, HKPC Building, 78 Tat Chee Avenue, Kowloon, Hong Kong
Tel:(852) 2788 6080
E-mail:hktisc@hkpc.org
2025年12月22日から正式運営を開始した。中小企業対象に、特許検索、知的財産権に関する相談、知的財産権研修などのサービスを提供する。

香港税関(Customs and Excise Department外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

香港税関は、登録商標や著作権に対する権利侵害の訴え、または商品説明条例違反容疑に関し、調査を行い、捜索および差し押さえに関する広範囲の権限を有している。知的財産権に対する侵害行為に対しては、香港税関が強制執行措置を執ることができる。

※最新情報やマニュアル、法令などのリンクについては、ジェトロ・ウェブサイト「知的財産に関する情報(香港)」も参照のこと。